- 英
- schizoid personality disorder
- 同
- シゾイド人格障害
- 関
- 統合失調質人格、F6
- ICD-10
- F60.1
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/04/16 04:05:17」(JST)
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スキゾイドパーソナリティ障害 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
F60.1 |
ICD-9 |
301.20 |
MedlinePlus |
000920 |
MeSH |
D012557 |
パーソナリティ障害 |
A群(奇異型) |
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B群(劇場型) |
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C群(不安型) |
|
特定不能 |
- 抑うつ性
- 受動攻撃性
- サディスティック
自己敗北性
- 精神病質
|
|
スキゾイドパーソナリティ障害(スキゾイドパーソナリティしょうがい、英語: Schizoid personality disorder: SPD)とは、社会的関係への関心のなさ、孤独を選ぶ傾向、そして感情的な平板さを特徴とする。
従来は分裂病質人格障害(ぶんれつびょうしつじんかくしょうがい)、統合失調質人格障害(とうごうしっちょうしつ- )、統合失調質パーソナリティ障害とも呼ばれていた。
名称からいかにも関連がありそうに見えるが、統合失調症とは別の障害であり、統計学的にもスキゾイドパーソナリティ障害の人が統合失調症になりやすいという証拠はない。スキゾイドは「社会的に孤立していて対人接触を好まず、感情の表出が乏しく、何事にも興味関心がないように見える」という性格特徴を表す言葉である。また、本症は外界への興味・関心そのものが薄いという点で、対人恐怖症や回避性パーソナリティ障害とも異なるものである。
特徴
本障害の特徴は、身の回りへの興味・関心と自己表現力の欠如である。人との交流を避け、口数は少なく、抑揚も乏しく、よそよそしい。そして、人と深く関わることによって自分と相手が変化することを怖れる。相手にのみこまれ自分の独立性を失ってしまう恐怖におびえる。そのため、他人との関わりを避ける。彼らの心には、よく知らない人と親密であるという不確かな(空想の)観念が存在することがある。
彼らの反応には攻撃的な行動が滅多にないため、ほとんどの脅威は、現実のものであれ想像のものであれ、空想上の全能感もしくはあきらめによって処理される。彼らはしばしば孤独に見える。しかし時に、このような人は独創的、創造的な観念を抱き、それを展開して世間に提示することがある。性格は、非社交的で静寂、控えめ、そして無頓着である。仕事では、コツコツと成果を上げ、評価されるが、自分が納得すればそれでよく、「嬉しい」という感情が起きない。少年期〜青年期に「私はこれがやりたい」など、自分の意志を両親など周りの大人から否定(もしくは過干渉)され続けて育ち、自分の意志を表現しようとは思わなくなった(諦めた)人に多くみられる[1]。
本人は、本障害によって、生活する上で困ることが何一つないため、カウンセリングなどを受けに行くことはなく、また行ったとしてもすぐ診療を受けることをやめてしまう。しかし、それによって他人に迷惑をかけることはないので、本人が困っていなければ診療をする必要はない[1]。
動物や幼児を手懐けることには長けていることがある[2]。
スキゾイドの男性は外力がないとほぼ一生独身で、女性の場合は結婚願望の強い男性と受動的に結婚する。
名称の変更
2002年までは分裂病質人格障害と呼ばれていた。精神分裂病が統合失調症へと名称変更されたことに連動して『DSM-IV-TR精神疾患の診断・統計マニュアル』の新訂版では、スキゾイドパーソナリティ障害に変更された。『ICD-10 精神および行動の障害―臨床記述と診断ガイドライン』では2005年11月の版から統合失調質パーソナリティ障害となっている。
診断
DSM-IV-TRでは次の診断基準のうちの少なくとも4つ以上を満たすことで診断される。
- 家族を含めて、親密な関係をもちたいとは思わない。あるいはそれを楽しく感じない
- 一貫して孤立した行動を好む
- 他人と性体験をもつことに対する興味が、もしあったとしても少ししかない
- 喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない
- 第一度親族以外には、親しい友人、信頼できる友人がいない
- 賞賛にも批判に対しても無関心にみえる
- 情緒的な冷たさ、超然とした態度あるいは平板な感情
鑑別診断
症状が似ている広汎性発達障害との鑑別に苦慮することもある。
脚注
- ^ a b 渡辺登『こころの病気がわかる事典』
- ^ 『カプラン臨床精神医学テキスト』
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DSMにおけるパーソナリティ障害 |
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DSM-III-R のみ |
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DSM-IV のみ |
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DSM-5
(分類モデル) |
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DSM-5 |
III軸にある新たな統合的多次元分類モデルは刺激的なさらなる研究成果を含んでいる
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ICD-10におけるパーソナリティ障害 |
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統合失調型 |
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特定のパーソナリティ障害 |
- 強迫性
- 不安性(回避性)
- 依存性
- 非社会性
- 情緒不安定性
- 演技性
- 妄想性
- 統合失調質
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その他
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- エキセントリック
- 軽佻者型
- 未熟性
- 自己愛性
- 受動攻撃性
- 神経症性
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|
特定不能の成人のパーソナリティおよび行動の障害 |
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- schizoid personality
- 関
- 統合失調質人格障害
[★]
統合失調質人格障害
[★]
統合失調質人格障害
[★]
- 英
- personality disorder
- 関
- 性格障害
DSM-IV
- 他人から見て奇異、風変わりな印象を与え、内向的で社会から孤立し、引きこもる傾向があり、社会の辺縁に身を置く。
- 他者への根強い不信の念があり、しかるべき根拠がないのに、自分に対する敵意を感じたり、馬鹿にする、他人が利用する、危害を加えるなどという疑念を抱く。
- きわめて内向的で、人との接触に乏しく、自分の中に引きこもり、周囲から変わり者と見なされていることも少なくない。親しい友人や信頼できる友人がなく、他人との親密な関係に欠ける。他人との感情の分かち合い、優しさ、温かさがない。
- 統合失調質人格障害の諸特徴にくわえて、他人に対する被害的内容を中心とした関係念慮、テレパシーや超能力への関心、また話が要領を得ず論理的なまとまりを欠く、不適切な思考が出没するといった明らかな病的障害が認められるもの。
- 情動面の激しさと不安定さがあり、外向的だが、時に他者に対する関係は嵐が来たように激しく攻撃的となる。
- 行動:他者に対する攻撃性が目立ち、喧嘩、他者への暴力、器物破損などが繰り返される。社会規範が守れず、盗みや暴力、あるいは薬物乱用のため警察に逮捕されることが少なくない。職を転々と変えたりして、持続的な就労がなされない。社会的な責任感を欠き、無責任な行動だらしなさが目立つ。
- 感情・情動:不安定かつ荒々しい気象で、些細なことを我慢できず易怒的となる。罪悪感、後悔の念、優しさに欠け、他者に対する憎しみ、冷酷な感情を抱く。また不安感は乏しい。
- 対人関係:自己中心的で共感性を欠き、しばしば誇大的で、他者に対し、支配的あるいは操作的な態度が目立ち、長期的な人間関係を維持できない。
- 人格の様々な領域における不安定性と自己の空虚感が目立つ
- 感情・情動:挿間的に出現する強い不快感、いらいら、不安の出現
- 行動:こうした空虚感や抑うつを伴う感情・情動不安定の中で、突然、手首切傷や薬を大量に服用した自殺企図、あるいは性的逸脱、薬物乱用、浪費、過食などが衝動的な行為の形で出現する。
- 対人関係:友人や初対面の人を前にして限られた時間なら表面的には如才ない。身近な他者に対し、しがみつくような形の依存的態度が目立ち、他者との適切な距離がとれない。
- 対人関係にもっとも大きな特徴がある。劇場の演技に比較される、他人の注意を引こうとする度を過ぎた自己顕示的行動が多い。
- 自分には実際以上に優れた才能、力があるという度を超した自負心を持つ
- 他人の注意を自分にずっと引きつけ、賞賛されたいという自己顕示的欲求を持つ
- 他者の自己評価には過敏で、些細な批判的な言葉や態度で容易に傷つき、手ひどい羞恥心や屈辱感を味わう。
- 不安げで、臆病で内向的
- 他人と親しく交わりたい、他人に自分を受け入れてもらいたいという願望を強く持っている者の、自信がなく、劣等感があり、低い自己評価のため他者の批判や拒絶を気にし、恥をかくことや非難されることをおそれて、対人関係は浅くなる。
- 自分の信頼できる人に著しい依存を見せ、面倒を見てもらいたいという強い願望を持ち、その人へ自分をゆだね、没主体的な従属的な振る舞いをする。
- 過度の秩序意識や、几帳面さと完全主義が認められ、そのため、日常生活や仕事の場面で柔軟性を欠き、かたくなな態度が目立つ。
USMLE
[★]
- 英
- disorder、impairment、dysfunction、damage、difficulty、(妨げ)barrier、impediment、obstacle、disturbance、foe、(化学)hindrance、disorder、impair、lesion
- 関
- 妨げ、撹乱、関門、機能障害、機能不全、困難、傷害、障壁、損なう、損傷、ダメージ、破壊、破損、バリヤー、病変、不安、妨害、乱れ、無秩序、機能異常症、敵、疾患、バリア、バリアー、機能異常、機能不全症
[★]
- 英
- ataxia
- 関
- 運動失調、失禁 incontinence、incontinent、失調症
概念
- loss of coordination of the muscles
- 円滑に行われるべき運動行為が円滑に行えない状態
[★]
harm、hazard、injure
- 関
- 危険、損傷、ハザード、傷害を与える、害する
[★]
- 英
- personality
- 同
- パーソナリティ
- 関
- 性格