- persecutory persecution
- 英
- persecutory delusion, delusion of persecution
- 同
- 迫害妄想
- 関
- 妄想
疾患
など
例
- 何らかの犯罪的な干渉を受けていると信じる
- 事業や就職などにおいて失敗しても、他者からの攻撃で失敗したと考える
- 脳内に何らかの機器を埋め込まれ、意識や行動を操作されていると考える
WordNet
- the act of persecuting (especially on the basis of race or religion)
PrepTutorEJDIC
- (特に,異教徒・異種族・政治的対抗者などに対する)迫害,虐待;迫害(虐待)されている状態
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/31 09:01:24」(JST)
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被害妄想(ひがいもうそう、英:Persecutory delusion)とは、自分が他人から危害を加えられていると思い込む妄想[1]。
目次
- 1 概要
- 1.1 病理性・薬物での症状
- 1.2 必要以上な妄想
- 1.3 証拠なき決めつけ
- 2 社会への影響
- 3 脚注
- 4 関連項目
概要
病理性・薬物での症状
心的外傷後ストレス障害やうつ病、統合失調症などの精神病患者たちに多く見られる症状の一つで、他人への根強い猜疑心等が生まれる。覚醒剤など薬物の使用によって現れることもある。
必要以上な妄想
そのような重大な精神疾患に限らず、ごく日常生活でありがちな軽度の勘違いや猜疑心なども「被害妄想」としてみなすことがあり、精神的に比較的不安定な思春期では珍しくないともいえる。それらは精神医療の対象とはならず、周囲の人間関係や本人の考え方の問題とされる。また、個人間における感情や心理の行き違いなど、本当に被害を受けているのか単なる被害妄想なのか判別することが難しいケースも日常生活上では少なからず存在する。
証拠なき決めつけ
また、実際に何かの被害を受けた人間が、決定的な証拠が無いにも関わらず「あいつの仕業だ」と思い込み、見当違いの怨恨が生まれることもある。そして、今度は何の実害も被っていないのに、「あいつが裏で自分を攻撃し(ようと)ている」等といった被害妄想を膨らませていくケースもある。現実には不可能であるにも拘らず、「思考盗聴されている」「電磁波で攻撃されている」、どのように自分の存在が重要かも説明出来ず「集団ストーカーの被害に遭っている」と主張し出す例もある。
社会への影響
社会において、被害妄想に囚われている人々はその社会内にて悪影響を与えるケースもある[2]:
- 会社にて上司である場合、部下の忠誠心を疑う
- 憂鬱性と否定的な自己イメージ
また、症状が悪化すると他人に危害を加えたり、通り魔などの傷害事件に発展するケースもある。
脚注
- ^ “被害妄想”. Yahoo!辞書. 2007年6月11日閲覧。
- ^ “加害者のタイプ分析 > 被害妄想型”. Athlon corp.. 2007年6月11日閲覧。
関連項目
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Japanese Journal
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- 「妄想」は,統合失調のようなかなり大きな精神病でも起こるし,うつ病や脅迫神経症 でも起きます。また,精神病でない,普通の人でも起きます。 分かりやすい例でいえば, 「担任教師の教え方が悪いので自分の成績が低い」とか,ニートや ...
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- 次の文を読み、19~21の問いに答えよ。
- 22歳の男性。大学4年生。周囲からみて理解しがたい行動がみられるため両親に伴われて来院した。
- 現病歴 :両親と弟と同居している。1年程前から次第に寡黙になり、家族ともほとんど口をきかず、自室に閉じこもることが多くなった。大学へもほとんど行かなくなった。最近、まるで誰かと会話している調子でひとりごとを言うが、小声で、なんと言っているのか聞き取れない。時々ニヤニヤと笑ったりもするが、なぜ笑うのかと聞いても、別になんでもないと言う。窓を開けて外を見回し、誰も来ないのに「今、外にいたのは誰?」と家族に聞いたりする。数日前、突然家からいなくなり、2日後に戻ってきたが、どこにいたかは語らない。昨日、テレビのアンテナ線を工具で切断してしまった。
- 既往歴 : 喫煙と飲酒との習慣はない。特記すべき薬物の使用歴はない。
- 家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : 表情は硬く、こちらの問いかけに関しては肯否について短い答えが返ってくるのみである。困っていることはないかと聞いても「別に」とぶっきらぼうに言う。
- 医師「だれかから命令が言葉で聞こえてきたりしたのですか?」
- 患者「うん」
- 医師「どこから聞こえたの?テレビから?」
- 患者「うん」
- 医師「それで聞こえてきた言葉のとおりにしたのですか?」
- 患者「うん」
- 医師「そういう命令をされるのは困りますか?」
- 患者「困る」
- 医師「テレビで自分の悪口を放送されていて、。不愉快でしたか?」
- 患者「うん」
- 神経学的検査には素直に応じるが、検査中もその場にふさわしくない笑いがみられる。神経学的所見に特記すべきことはない。血液と血清生化学所見とに異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [099I018]←[国試_099]→[099I020]
[★]
- 次の文を読み、28~30の問いに答えよ。
- 56歳の女性。右乳癌の治療のため外科病棟に入院していたが、夜間急に興奮状態となった。
- 現病歴 : 3週前に右乳房切除術を受け、続いて抗癌化学療法を開始した。次第に上腹部不快感、抑うつ気分および不眠が強まった。「私はこのまま死んでいきたい。もう治療は受けたくない」と訴え、食事をとらなくなった。夜になって急に言動に脈絡がなくなり、点滴を自ら外そうとした。それを止めようとした看護師に物を投げつけ、「悪魔め、私の子供を殺すな」などと激しくののしった。
- 既往歴 : 特記すべきことはない。
- 家族歴 : 特記すべきことはない。
- 現症 : かけつけた当直医が話しかけても、うわの空だったり、興奮したりする。ここが病院であることを理解していない様子である。
- 翌日になると、うって変わって落ち着き、担当医や看護師と会話をするが、談話内容は悲観的である。昨夜の出来事はほとんど覚えていない。
- この状態はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [100C027]←[国試_100]→[100C029]
[★]
- 45歳の男性。出勤中に起きた激しいめまいと吐き気とを主訴に来院した。1年前に転勤となり、通勤に1時間半かかるようになった。慣れない仕事でしかも上司との関係が悪く、出勤を負担に感じるようになった。半年前からは、なかなか寝つけず、朝も早く目が覚めてしまうようになり、倦怠感が強く出勤がつらくなってきた。職場では、午前中は特に、頭が重く感じられ仕事の能率が上がらないために、夜遅くまで職場に残って仕事をしなければならなくなっていた。1か目前からは、食欲がなくなり、何をしても楽しいと感じられなくなった。
[正答]
※国試ナビ4※ [101D011]←[国試_101]→[101D013]
[★]
- 56歳の男性。就労して社会復帰したいと希望して相談に来た。22歳から統合失調症で治療中である。これまでに被害妄想と幻聴を主症状として3回の入院治療歴がある。最近、欠勤が多く作業能率も低下していることから10年間勤めた工場を解雇された。それ以来、自宅で何もしないで過ごすようになった。
- 適切なのはどれか。2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104G050]←[国試_104]→[104G052]
[★]
- 英
- poisoning delusion, delusion of poisoning
- 関
- 被害妄想
[★]
- 英
- delusion
概念
- 思考内容の異常 → 思考障害
- 誤った考え方や意味づけに異常な確信を持ち訂正できないような思考内容の異常。
定義
- 1. 非常な信念、何ものにも比べられない主観的な確信
- 2, 経験上こうであるはずだとか、こうだからこうなるという正しい論理に従わせることができない
- 3. 内容がありえないこと
分類
発生過程による分類
- 妄想着想:突然何の前触れもなく妄想が思いつく妄想
- 妄想知覚:実際の知覚に対して特別の意味づけがなされ、強く確信される妄想
- 妄想気分:周りがいつもと違い、何か不気味で「大変なことが起こりそうだ」という不安に襲われる
- 二次妄想:状況・感情・性格の反応として妄想の発生が了解できるもの。鬱病の貧困妄想や罪業妄想などは抑うつ気分から生じたものと了解される。
妄想内容による分類
被害的内容
|
統合失調症に多い
|
迫害妄想
|
自分が迫害されているという妄想
|
被害妄想
|
他人から悪意をもって害されていると信じる妄想
|
追跡妄想
|
追跡されているという妄想
|
関係妄想
|
周囲に起こっている現実を自らに結びつけて考える妄想
|
注察妄想
|
「常に盗聴されている」とか「隠しカメラで監視されている」と思い込む妄想
|
被毒妄想
|
食事に毒を入れられているという妄想
|
嫉妬妄想
|
恋人が浮気していると確信する
|
盗害妄想
|
自分の物を盗まれたと思い込む妄想
|
誇大的内容
|
躁状態、統合失調症
|
誇大妄想
|
自己を過剰評価したり、地位・財産・能力があるように思い込む妄想
|
血統妄想
|
自分が高貴な家系と確信する妄想
|
宗教妄想
|
自分が宗教上の救世主と確信する妄想
|
発明妄想
|
自分がすばらしい発明したと確信する妄想
|
恋愛妄想
|
他人が自分を愛しているという妄想
|
微小的内容
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うつ状態
|
貧困妄想
|
自分は非常に貧しい、借金を抱えてしまったなどと信じる妄想
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罪業妄想
|
自分は非常に悪い存在だ、罰せられるべきだ、皆に迷惑をかけているなどと思いこむ妄想
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心気妄想
|
自分の身体の一部が病気にかかっていると思いこむ妄想
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虚無妄想
|
自分の体や世界がなくなったと確信する妄想
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精神疾患と妄想