ワレンベルグ症候群
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/28 08:29:39」(JST)
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延髄外側症候群(えんずいがいそくしょうこうぐん、英:Lateral medullary syndrome)は、脳幹障害のうちの一つで、延髄外側の梗塞によって生じる症候群。
通称独:Wallenberg症候群(ワレンベルグしょうこうぐん)。
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目次
- 1 病態
- 2 症状
- 3 鑑別
- 4 関連項目
- 5 診療科
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病態
延髄外側が障害されることによって下記の一連の症状を表す。
主に椎骨動脈ないし椎骨動脈の枝である後下小脳動脈の閉塞によると考えられている。
症状
病変の広がりによって様々な症状を来す。ここでは代表的な症状について述べる。
障害側と同側に
-
- これらは前庭神経核(聴神経(Ⅷ)感覚核)の障害による。
- これらは疑核(舌咽神経(Ⅸ)・迷走神経(Ⅹ)運動核)の障害による。
- 孤束核(舌咽神経(Ⅸ)・迷走神経(Ⅹ)感覚核)の障害による。
- 下小脳脚の障害による。
- 交感神経下行路の障害による。
- 三叉神経脊髄路核の障害による。
- -顔面の温痛覚は三叉神経から三叉神経脊髄路を下り、その後シナプスを介し対側へ入り上行する。
- -三叉神経脊髄路核は対側へ入るより前の経路にあるため、同側の温痛覚障害を生じる。
障害側と対側に
-
- 外側脊髄視床路の障害による。
- -頸部以下の温痛覚ニューロンは脊髄に入るとそのレベルで対側へ交叉し上行する。そのため対側の温痛覚障害が生じる。
延髄外側の障害であるため、内側を通る錐体路(運動系の経路)や内側毛帯(深部覚の経路)は障害されないことが特徴である。
鑑別
- 延髄内側症候群(Dejerine症候群)
- 舌下神経麻痺がないこと、錐体路障害が無いことから鑑別できる。
関連項目
診療科
Japanese Journal
- 3.嚥下障害を主徴としたワレンベルク症候群のリハビリテーション : VFおよびOE法を中心として(第12回東北リハビリテーション医学懇話会)
- 遠藤 実,佐藤 景,杉山 謙樹,石坂 郁代,細川 恵子,渋谷 直樹,圓谷 建治
- リハビリテーション医学 : 日本リハビリテーション医学会誌 33(8), 571-572, 1996-08-18
- NAID 110001849576
- 我々が経験したワーレンベルク症候群7例の検討 : 第50回日本循環器学会東北地方会
- 佐藤 勤,貴田岡 成憲,永塚 道夫
- Japanese circulation journal 39(5), 649, 1975-06-20
- NAID 110002590412
Related Links
- 例を上げると、WALLENBERG症候群(ワレンベルグ症候群)です。 これは延髄の外側と 小脳下部に生じた脳梗塞(後下小脳動脈血管)です。ここにはめまいの中枢(前庭神経)、 舌神経や反回神経へ出す神経の中枢などが延髄に集まっているところです。 これは、 ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- Wallenberg's syndrome, Wallenberg syndrome
- 同
- ワレンベルグ症候群、Wallenberg症候群
- 延髄外側症候群 lateral medullary syndrome LMS
- 関
- 後下小脳動脈血栓、橋延髄外側症候群
[show details]
- 表:BET.235(脳神経を侵す脳幹障害)
- 図:BET.370,376 N.159(自律神経),164(脊髄の動脈)
障害部位:5, 8(vestibular n.), 9, 10, Sympathetic, Cerebellar, Lateral spinothalamic tract
疫学
- 若年に多く、椎骨動脈の解離が原因であることが多い。
病因
障害部位
- see BET.376
症状
- 全身:頭痛、回転性めまい、悪心・嘔吐
- 同側:顔面の温度・痛覚消失(感覚解離)、角膜反射低下、ホルネル症候群、眼振(回旋性眼振)、眼球側方突進、発声困難、嚥下困難、小脳性運動失調、筋緊張低下
- 対側:体幹・上下肢の温度・痛覚消失
[show details]
BET.235
症候
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障害側
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健側
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CN V(感覚解離)
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半身感覚解離(顔面をのぞく)
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CN IX, Xの麻痺
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ホルネル症候群
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小脳性運動失調、眼振
|
- 椎骨動脈が脳底動脈となるより下位で後下小脳動脈(PICA)を分枝。PICAは延髄を後方に回り込み小脳の下面に分布
国試
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
人名
生理的な音の感受性を考慮した音の強さの単位
- 英
- bel
- 関
- デシベル
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候