- 英
- povidone iodine
- 同
- ポピドンヨード ← 間違って使っているのか?
- 商
- イオダイン、イソジン、オラロン、スクロード、ソアナース、テルニジン、ドルミジン、ネオヨジン、ネグミン、ハイポピロン、ヒシヨード、ヒポジン、ポビドリン、ポピヨード、ポピヨドン、ポピラール、ポピロン、ホモドン、ボンゴール、ユーパスタ
- 関
- 含嗽剤、外皮用殺菌消毒剤
消毒薬
- ポビドンヨード液10%「ORY」
- ポビドンヨード 100mg/ml (有効ヨウ素として10mg/ml)
- 手術部位の皮膚・粘膜の消毒
- 皮膚・粘膜の創傷部位の消毒。熱傷皮膚面の消毒、感染皮膚面の消毒
- 原液で使用
- 有機物存在下では、有効ヨウ素濃度500μg/mlで2.5分で以下の菌が死滅
含嗽剤
- イソジンガーグル
- ポビドンヨード 70 mg/ml (有効ヨウ素 7 mg/ml)
- 使用濃度 15-30倍希釈 (ポビドンヨード 2.3-4.6 mg/ml)
添付文書
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/10/23 22:10:18」(JST)
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|
「イソジン」はこの項目へ転送されています。韓国人俳優については「イ・ソジン」をご覧ください。 |
ポビドンヨード
|
IUPAC命名法による物質名 |
2-Pyrrolidinone, 1-ethenyl-, homopolymer, compd. with iodine. |
臨床データ |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
識別 |
CAS登録番号 |
25655-41-8 |
ATCコード |
D08AG02 D09AA09
D11AC06 G01AX11 R02AA15 S01AX18 QG51AD01
|
PubChem |
CID 410087 |
化学的データ |
化学式 |
(C6H9NO)n·xI |
ポビドンヨード(英語povidone iodine)とは、1-ビニル-2-ピロリドンの重合物(ポリビニルピロリドン)とヨウ素の複合体であり、日本薬局方にも収載されている医薬品(ヨウ素剤)である。本品自体は暗赤褐色の粉末で、わずかな匂いがある[1]。通常、10%程度の水溶液にし、外用消毒薬として用いる。液剤は黒褐色であり、ヨウ素の特異な匂いと味がする[2]。
アメリカのShelanski H.A.らによって1956年に開発され、日本では明治製菓(現:Meiji Seika ファルマ(製造元)、販売元は明治) が1961年に殺菌消毒剤及びうがい薬として医薬品としての承認を得た[3]。「イソジン」の商品名で有名である。
目次
- 1 薬効
- 2 副作用
- 3 その他注意事項
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
薬効
ポビドンヨードの殺菌効果は、遊離ヨウ素による。ヨウ素等のハロゲンは強力な殺菌作用を持つ(細菌の蛋白質合成を阻害する事によって殺菌力を発揮する)が、従来用いられてきたアルコール溶液(ヨードチンキ、ヨーチンと呼ばれていた。)は人体への刺激が強いため、粘膜にも用いる消毒薬としては使いづらい。そのため、ポリビニルピロリドンとの錯化合物として合成された消毒薬がポビドンヨードである。うがい薬から外科手術時の消毒まで広範囲に使用される。
ポビドンヨードの殺菌作用はヨウ素の酸化作用によるため、塗布後30~60秒の経過で最も殺菌力が強くなる。
日本では古くから用いられてきた消毒剤として一定の評価を得ており、特にその持続効果は他の消毒剤と比較して高い。そのため、手術前の皮膚消毒や術野の消毒といった分野で使用されることが多い。
通常、芽胞菌に対して有効性をもつ消毒剤は人体毒性も高いが、ポビドンヨードは人体毒性が低いにも関わらず、一部の芽胞菌に対しても有効性を発揮するため、院内感染に対して有効な消毒剤として注目されている。
なお、ポビドンヨードは衣服等に着色すると落ちにくいため、色消し用の消毒剤としてハイポアルコール(チオ硫酸ナトリウムのエタノール溶液)が用いられる。
嗽(うがい)薬として有名なイソジンガーグル以外にも、スクラブ剤(手指消毒剤)、ゲル化剤(塗布剤)、ゲルチューブ剤(塗布用)、水溶液剤、フィールド剤(アルコール製剤)、ポビドンヨード含浸綿製品、ソフトコンタクトの洗浄など、幅広く商品が展開されており、使用頻度の高さが窺える。
副作用
化合物としてのポビドンヨードと、その製品の副作用の評価は同一ではないが、 ポビドンヨードの製品であるイソジンガーグル液7%(1ml中70mg含有、有効ヨウ素として7mg含有)の添付文書には次のように副作用が記されている。
- 「2副作用
- 総症例1,166例中副作用発現は11例0.94%であり、その内容は
- 嘔気4例、口内刺激3例、その他不快感、口内のあれ、口腔粘膜びらん、口腔内灼熱感各1例であった。(再評価結果)
- 1)重大な副作用
- ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、不快感、浮腫、潮紅、蕁麻疹等)(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。
- 2)その他の副作用
- 0.1~5%の場合
- 口腔:口腔、咽頭の刺激感
- 消化器:悪心等
- 0.1%未満の場合
- 過敏症:発疹等 注)
- 口腔:口腔粘膜びらん、口中のあれ等
- その他:不快感
- ※注)(過敏症の場合)症状があらわれた場合には、使用を中止すること。」
また、「使用上の注意」の(1)では慎重投与という項目があり次のように記されている。
- 「1慎重投与(次の患者には慎重に使用すること)
- 甲状腺機能に異常のある患者[血中ヨウ素の調節ができず甲状腺ホルモン関連物質に影響を与えるおそれがある。]」
なおかつ、添付文書の最初の項目では「禁忌」の項目が赤枠で示され、次のように書かれている。
- 「禁忌(次の患者には使用しないこと)
- 本剤又はヨウ素に対し過敏症の既往歴のある患者」
- 禁忌とは、条件付きであれば使用してよいというものではなく、絶対に使用してはならないことを意味するので、過敏症の既往歴のある患者は絶対に使用してはならない。
その他注意事項
- ポビドンヨード液は、電気的な絶縁性を持つため、電気メスを使用する際は、対極板との間にポビドンヨード液が入らないよう注意をする必要がある。
- 稀にではあるが、皮膚に使用した際に、色素沈着を起こすことがある。
- 眼に使用する際は、希釈液を用いることが推奨されている。
- 福島第一原子力発電所事故の際、市販品のポビドンヨード(イソジンなど)を服用することにより安定ヨウ素剤の代用として放射性ヨウ素による体内被曝を防止できるといった情報がインターネット等で流れたが、放射線医学総合研究所では、内服薬ではないため体に有害な物質が含まれている可能性があることや、ヨウ素含有量が少なく被曝防止の効果がないとして、飲まないよう呼びかけている[4](放射線障害予防薬についてはヨウ素剤参照)。
脚注
- ^ 日本薬局方第15改正
- ^ テイカ製薬『医薬品インタビューフォーム ボンゴール消毒液10%(ポビドンヨード製剤)』2008年2月改訂
- ^ 明治公式ホームページ「イソジンの歴史」
- ^ ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません-インターネット等に流れている根拠のない情報に注意- 平成23 年3 月14 日(月) 独立行政法人 放射線医学総合研究所
関連項目
- ヨウ素剤
- 消毒剤
- 塩化ベンザルコニウム
- 塩化ベンゼトニウム
- クロルヘキシジン
外部リンク
- 国際化学物質安全性カード ポピドンヨード - 国立医薬品食品衛生研究所
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ベストプラクティス最優秀賞 受賞論文 輸液チューブの連結部分からの薬液漏れ検出紙の開発とその臨床使用※※9",%m%,Qg6,*C「>9-r,89T (第5回医療の質・安全学会学術集会報告)
- O3-15 10%ポビドンヨード溶液における化学熱傷発症率の製剤間比較(一般演題 口頭発表,有害事象・副作用,臨床から学び臨床へと還元する医療薬学)
- 永江 源太郎,内藤 裕之,小森 道子,中丸 朗,川津 泰仁,田村 光,白石 悟,小島 正夫
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 20, 262, 2010-10-25
- NAID 110008108245
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- イソジンとは?ポビドンヨードの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ネグミン液10%
組成
成分・含量
- 1mL中 日本薬局方 ポビドンヨード100mg
(有効ヨウ素として10mg)含有(10W/V%)
添加物
- ※ラウロマクロゴール、グリセリン、無水リン酸一水素ナトリウム、pH調節剤
禁忌
(次の患者には使用しないこと)
効能または効果
- 手術部位(手術野)の皮膚の消毒、手術部位(手術野)の粘膜の消毒、皮膚・粘膜の創傷部位の消毒、熱傷皮膚面の消毒、感染皮膚面の消毒
手術部位(手術野)の皮膚の消毒、手術部位(手術野)の粘膜の消毒
皮膚・粘膜の創傷部位の消毒、熱傷皮膚面の消毒、感染皮膚面の消毒
慎重投与
(次の患者には慎重に使用すること)
- 甲状腺機能に異常のある患者1)〔血中ヨウ素の調節ができず甲状腺ホルモン関連物質に影響を与えるおそれがある。〕
- 重症の熱傷患者〔ヨウ素の吸収により、血中ヨウ素値が上昇することがある。〕
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、不快感、浮腫、潮紅、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 有効成分ポビドンヨードは、殺菌消毒用ヨードチンキ類剤であり、有効ヨウ素を10%程度含有する粉末である。その作用は殺菌的であり持続性があり、効力はヨードチンキに匹敵する。本剤は刺激性や組織障害性が低いため、創傷患者へ塗布しても比較的痛みが弱いので、広く用いられている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- 〔日局〕 ポビドンヨード(Povidone-Iodine)
化学名
- Poly[(2-oxopyrrolidin-1-yl)ethylene]iodine
分子式
性状
- ※※本品は暗赤褐色の粉末で、わずかに特異なにおいがある。
本品は水又はエタノール(99.5)に溶けやすい。
本品1.0gを水100mLに溶かした液のpHは1.5?3.5である。
★リンクテーブル★
[★]
- 局所麻酔下で患者に外科的処置を行う際の正しい方法はどれか。
- a 麻酔薬の注射には18G針を使用する。
- b 滅菌シーツの穴より狭い範囲で消毒する。
- c ポビドンヨードを塗布後、直ちに処置を行う。
- d 麻酔薬の注射後、感痛の有無を確認してから処置を行う。
- e 注射針を刺入し血液逆流があることを確認してから麻酔薬を注入する。
[正答]
※国試ナビ4※ [114E001]←[国試_114]→[114E003]
[★]
- 嘔吐と下痢を伴うウイルス性胃腸炎が強く疑われる児の汚物を処理する際に用いる消毒薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I023]←[国試_111]→[111I025]
[★]
商品
[★]
- 英
- iodine
- 同
- ヨード
- 商
PA・ヨード、イソジン、イソジンガーグル、エルネオパ1号、エレジェクト、エレメンミック、オラロン、カデックス、カルディオダイン、シザナリンN、ネオグリセロール、パーヒューザミン、ハイポピロン、フェニルアラニン除去ミルク配合、プレポダイン、ベンゾダイン、ポビドンヨード、ポピヨード、ポピヨドン、ポピラール、ボルビサール、ボルビックス、ミネラミック、ミネラリン、ミネリック-4、ミネリック-5、メドレニック、ヨウチン、ヨウレチン、ヨーチン、ヨード・グリセリン歯科用消毒液、ヨードコート、ヨードチンキ、ヨードヨード亜鉛カントップ用消毒液、ルゴール、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合、希ヨーチン、希ヨードチンキ、産婦人科用イソジンクリーム、歯科用ヨード・グリセリン、複方ヨード・グリセリン、複方ヨード・グリセリンFM、デクラート
- 関
- 外皮用殺菌消毒剤
同位体
- 参考2
同位体
|
NA
|
半減期
|
DM
|
DE (MeV)
|
DP
|
123I
|
syn
|
13 h
|
ε/γ
|
0.16
|
123Te
|
127I
|
100 %
|
中性子74個で安定
|
129I
|
trace
|
15.7×10^6 y
|
β-
|
0.194
|
129Xe
|
131I
|
syn
|
8.02070 d
|
β-/γ
|
0.971
|
131Xe
|
- 123I:電子捕獲:T1/2 = 13 hr
- 125I::T1/2 = 60 d
- 131I::T1/2 = 8 d
- 131Iは甲状腺癌の内部照射療法、グレーブス病の治療のために用いられる。
参考
- http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/Rmin_GL_053.html
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%82%A6%E7%B4%A0
[★]
- 英
- adenovirus
- 同
- ヒトアデノウイルス human adenovirus
- 関
- ウイルス
分類
- ワクチンを作りきれない
性状
- 有機溶媒に耐性 → (だけど、アルコール製剤は有効らしい。消毒薬)
- pH3~9では比較的安定で不活化されにくい→腸管にも達する
- 熱に対して不安定で、60℃20~30分の加熱で不活化
- 呼吸器、結膜、腸管に親和性があり
- 血清型は52型あり、各血清型はウイルスDNAの相同性からA~Fの6亜属に分類され、各亜属の組織親和性と関係する疾患は少しずつ異なる。
- 潜伏部位はアデノイド、扁桃腺、腎臓、リンパ球など
潜伏期
感染経路
症状
アデノウイルス感染症
- 1.急性熱性咽頭炎
- 2.咽頭結膜熱(PCF):プール熱
- 3. 急性気道疾患
- 扁桃腺炎、上気道炎にともなうクループ
- 4. アデノウイルスは胃炎
- 5.急性濾胞性結膜炎
- 6.流行性角結膜炎(EKC)
- 7. 小児腸重積症
- 8.出血性膀胱炎
- 9.乳児性急性胃腸炎
消毒
[★]
精製白糖、ポビドンヨード
- 関
- その他の外皮用薬、ユーパスタ、イソジン・シュガー製剤
[★]
- 関
- その他の外皮用薬
[★]
- 英
- povidone
- 同
- ポリビニルピロリドン polyvinylpyrrolidone
- 関
- クロスポビドン、ポビドンヨード
[★]
- 英
- iodine、iodo
- 関
- ヨウ化、ヨウ素