クロルヘキシジン
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クロルヘキシジン
|
IUPAC命名法による物質名 |
1-[amino-[6-[amino-[amino-(4-chlorophenyl)amino-
methylidene]amino-methylidene]aminohexylimino]
methyl]imino-N-(4-chlorophenyl)-methanediamine |
臨床データ |
法的規制 |
?
|
薬物動態的データ |
血漿タンパク結合 |
87% |
識別 |
CAS番号 |
55-56-1 |
ATCコード |
A01AB03 B05CA02 , D08AC02 , D09AA12 , R02AA05 , S01AX09 , S02AA09
, S03AA04 |
PubChem |
CID 5353524 |
DrugBank |
APRD00545 |
KEGG |
D07668 |
化学的データ |
化学式 |
C22H30Cl2N10 |
分子量 |
505.446 g/mol |
クロルヘキシジン(Chlorhexidine)は医薬用殺菌薬で、グルコン酸塩、あるいは塩酸塩、酢酸塩として用いられる。CAS登録番号は55-56-1(グルコン酸塩は18472-51-0、塩酸塩は3697-42-5、酢酸塩は56-95-1)。
主な適用
薬用洗口液などに添加され、歯肉炎などの歯周病を軽減・予防する効果があるとされる。ただし、エタノールを添加した製剤が多いため、洗口剤には適さないものもある。
医療用医薬品としては、グルコン酸塩のものが繁用されている。比較的細菌類の不活性時間が長く、主に手術野の皮膚の消毒や手術前の手指消毒に使用されることが多い。 通常、人体粘膜への使用は可能とされているが、過去にアナフィラキシーショックを起こした事例があるため、日本では口腔以外の粘膜への使用は禁忌扱いとなっている。しかし、アメリカでは粘膜に使用される第一選択薬となっている。代表的な製剤としてはヒビテン(Hibitane)が挙げられる。
その他の注意
発泡剤との混合はグルコン酸クロルヘキシジン(Chlorhexidine Gluconate)の効果を減弱させる。
関連項目
- 消毒剤
- ポビドンヨード
- 塩化ベンザルコニウム
- 塩化ベンゼトニウム
- オロナインH軟膏
- Savlon
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- PS-144-4 中心静脈カテーテル挿入患者に対するグルコン酸クロルヘキシジン含有パッチ使用の意義に関する検討(PS-144 ポスターセッション(144)感染,第111回日本外科学会定期学術集会)
- 木村 豊,小原 直子,増中 由佳,金 致完,團野 克樹,加々良 尚文,谷口 博一,加納 寿之,大西 直,東野 健,中野 芳明,門田 卓士,今岡 真義
- 日本外科学会雑誌 112(臨時増刊号_1・2), 755, 2011-05-25
- NAID 110008685314
- O36-2 塩化ベンザルコニウムおよびグルコン酸クロルヘキシジンがアトピー性皮膚炎に及ぼす影響(O36 アトピー性皮膚炎,口演,第60回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 新規殺菌消毒剤HM-242の Staphylococcus aureus に対する殺菌特性並びに作用機序の解明
- 奥西 淳二,西村 公志,高田 輝,山口 羽衣子,森 美穂,前田 四郎,前田 拓也,西原 力,米虫 節夫,坂上 吉一
- 防菌防黴 = Journal of antibacterial and antifungal agents 38(8), 501-508, 2010-08-10
- NAID 10026549366
- 気管内吸引カテーテル再使用時の洗浄および保管方法に関する検討
- 林 由佳,千田 好子,狩山玲子,光畑 律子
- 山陽論叢 16, 145-153, 2009-12
- … 次に,洗浄後のカテーテルを,0.01%グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)500mLに24時間浸漬したのち不活化剤で処理したもの,蓋付容器に24時間乾燥保管したもの,それぞれのカテーテル付着菌を解離させて生菌数測定した。 …
- NAID 110007611999
Related Links
- クロルヘキシジン(Chlorhexidine)は医薬用殺菌薬で、グルコン酸塩、あるいは塩酸塩 、酢酸塩として用いられる。CAS登録番号は55-56-1(グルコン酸塩は18472-51-0、 塩酸塩は3697-42-5、酢酸塩は56-95-1)。
- 2005年9月26日 ... グルコン酸クロルヘキシジン(以下、クロルヘキシジン)およびポビドンヨードは生体消毒 薬として広く繁用されていますが、禁忌や副作用についての注意が必要です。場合 によりアナフィラキシーショックのような重大な副作用が発現することも ...
- グルコン酸クロルヘキシジン』という 含嗽剤 は 歯周病細菌 に対して効果が高いもの です。 しかし、『グルコン酸クロルヘキシジン』は、 使用部位 と 使用濃度 を厳守しなけれ ばならない 薬品です。 ちょっと難しいですが、その詳細を書きたいと思います。 『 グルコン ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
グルコン酸クロルヘキシジン20%液「メタル」
組成
- 本品1mL中にクロルヘキシジングルコン酸塩200mg(20w/v%)を含む。
禁忌
- (次の患者及び部位には使用しないこと)
- クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)〔聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある。〕
- 膣、膀胱、口腔等の粘膜面〔クロルヘキシジン製剤の上記部位への使用により、ショック症状(初期症状:悪心・不快感・冷汗・眩暈・胸内苦悶・呼吸困難・発赤等)の発現が報告されている。〕
効能または効果
- 本剤はクロルヘキシジングルコン酸塩として次の濃度(w/v%)に希釈し、水溶液又はエタノール溶液として使用する。
効能・効果 |
用法・用量 |
本剤希釈倍数 |
手指・皮膚の消毒 |
0.1〜0.5%水溶液を用いる。 |
40〜200倍希釈 |
手術部位(手術野)の皮膚の消毒、
*医療機器の消毒 |
0.1〜0.5%水溶液を用いる。 |
40〜200倍希釈 |
手術部位(手術野)の皮膚の消毒、
*医療機器の消毒 |
0.5%エタノール溶液を用いる。 |
40倍希釈 |
皮膚の創傷部位の消毒、
手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒 |
0.05%水溶液を用いる。 |
400倍希釈 |
結膜のうの洗浄・消毒 |
0.05%以下の水溶液を用いる。 |
400倍以上希釈 |
産婦人科・泌尿器科における外陰・外性器の皮膚の消毒 |
0.02%水溶液を用いる。 |
1000倍希釈 |
使用濃度(w/v%) |
本剤(mL) |
全量(L) |
0.5 |
25 |
1 |
0.1 |
5 |
1 |
0.05 |
2.5 |
1 |
0.02 |
1 |
1 |
慎重投与
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- 喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある患者
重大な副作用
ショック
(頻度不明)
- ショックがあらわれることがあるので観察を十分に行い、悪心・不快感・冷汗・眩暈・胸内苦悶・呼吸困難・発赤等があらわれた場合、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- 作用機序は十分には解明されていないが、比較的低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、比較的高濃度では細胞内の蛋白質や核酸の沈着を起こすことが報告されている。
抗菌作用
- クロルヘキシジングルコン酸塩は広範囲の微生物に作用し、グラム陽性球菌には低濃度でも迅速な殺菌作用を示す。グラム陰性菌には比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べ抗菌力に幅がみられる。グラム陰性菌のうち、Alcaligenes、 Pseudomonas、Achromobacter、Flavobacterium 属等には、まれにクロルヘキシジングルコン酸塩に抵抗を示す菌株もある。
- 芽胞形成菌の芽胞には効力を示さない。
- 結核菌に対しては水溶液では静菌作用を示し、アルコール溶液では迅速な殺菌作用を示す。
- 真菌類の多くに抗菌力を示すが、全般的に細菌類よりも抗菌力は弱い。
- ウイルスに対する効力は確定していない。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- クロルヘキシジングルコン酸塩液(Chlorhexidine Gluconate Solution)
化学名
- 1,1'-Hexamethylenebis〔5-(4-chlorophenyl)biguanide〕,di-D-gluconate
分子式
分子量
性状
- 本品は無色〜微黄色の澄明な液で、においはなく、味は苦い。
本品は水又は酢酸(100)と混和する。
本品1mLはエタノール(99.5)5mL以下又はアセトン3mL以下と混和するが、溶媒の量を増加するとき白濁する。
本品は光によって徐々に着色する。
d(20・20)
pH
- 本品5.0mLを水100mLに溶かした液のpHは5.5〜7.0である。
★リンクテーブル★
[★]
- 嘔吐と下痢を伴うウイルス性胃腸炎が強く疑われる児の汚物を処理する際に用いる消毒薬として適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111I023]←[国試_111]→[111I025]
[★]
商品
[★]
グルコン酸クロルヘキシジン
- 関
- chlorhexidine、chlorhexidine hydrochloride
[★]
- 英
- chlorhexidine gluconate solution
- 関
- グルコン酸クロルヘキシジン
[★]
- 英
- gluconate chlorhexidine poisoning
- 同
- クロルヘキシジン中毒
[★]
グルコン酸クロルヘキシジン
- 関
- 外皮用殺菌消毒剤
[★]
[★]
- 英
- gluconate, gluconic acid
- 関
- グルコン酸カルシウム
グルコン酸(—さん、gluconic acid)はグルコースの1位の炭素を酸化することによって生成するカルボン酸で、化学式 C6H12O7 で表わされる。光学活性化合物であり、天然には D体が存在、そのIUPAC命名法は (2R,3S,4R,5R)-2,3,4,5,6-ペンタヒドロキシヘキサン酸と表される。水に溶かすとグルコン酸イオン C6H11O7− となる。アルドン酸の一種。
構造と性質
6個の炭素鎖からなり、末端にカルボキシル基を、また2番目から6番目の炭素原子に1個ずつ計5個のヒドロキシ基を持つ。カルボキシル基はプロトン H+ を失うことによってアニオンになる性質を持つ。
酸性の溶液に溶かしたり、溶液から遊離の酸の単離を試みたりすると、容易に脱水して環状エステルであるグルコノデルタラクトン(D-(+)-グルコン酸-δ-ラクトン)へと変化する。水溶液中ではこの化合物との平衡混合物として存在するため、塩の形でしか不純物を含まないものは得られない。
グルコン酸は強力なキレート剤であり、特にアルカリ性の溶液中でよく作用する。カルシウム、鉄、アルミニウム、銅やその他の重金属イオンにキレート配位する。
存在と製法
天然には蜂蜜やワイン、果物の中に少量存在する。紅茶キノコや清涼飲料水のビオナーデ (Bionade) など、発酵食品にも含まれる。
化学的には D-グルコースを臭素水やヨウ素のアルカリ溶液で穏やかに酸化することによって得られる。生化学的には、Aspergillus Niger による D-グルコースの微生物酸化で生成する。グルコースを酸化する酵素はグルコースオキシダーゼと呼ばれる。
用途
金属塩の沈殿の除去や、金属を洗浄する際に弱い酸として使われるほか、以下のような用途がある。
食品
グルコン酸およびその塩はpH調整剤として用いられる (E番号)。カルシウム塩は安定剤 (E578) として、カルシウムの乳酸との複塩(乳酸グルコン酸カルシウム)はカルシウム剤として使われる。グルコン酸鉄はオリーブの黒味を出すのに利用される (E579)。グルコノデルタラクトンも食品添加物として使われる (E575)。
医療
鉄の欠乏症に対する薬として利用される。グルコン酸亜鉛など他の金属イオンの塩も同様であるが、グルコン酸塩は体に吸収されやすい性質を持つ。また、取り込まれたグルコン酸イオンは体内の金属イオンを効果的に吸収されやすくする。この作用は皮膚からの吸収の場合でも同様であるため、フッ化水素で薬傷を受けた際にはグルコン酸カルシウムの軟膏が有効である。グルコン酸塩として取り込まれたカルシウムイオンは、溶解性のフッ化物イオンと結合して不溶性のフッ化カルシウムを形成し、これを無毒化する。
[★]
- グルコン酸
- 英
- chlorhexidine
- JAN
- 塩酸クロルヘキシジン chlorhexidine hydrochloride、(JANなし)グルコン酸クロルヘキシジン chlorhexidine gluconate
- 商
- アセスクリン、イワコール、ウエルアップ、ウェルマッチ、オールカット、グルクロ、グルコジン、クロヘキシン、スクラビイン、ステリクロン、デスパ、ヒビスクラブ、ヒビスコール、ヒビソフト、ヒビディール、ヒビテン・グルコネート、ヒビテン Hibitane、フェルマ、フェルマジン、ヘヴィック、ヘキザック、ヘキシジン、ベンクロジド、マスキン、ラポテック、オロナイン軟膏
- 関
- 消毒薬。外皮用殺菌消毒剤
- 皮膚手指消毒に用いる。ウイルスに対する効果は未確定(無効という事になっている)。
- グルコン酸塩を粘膜面への使用自体は可能ではあるが、稀にショック様症状(血圧低下、呼吸抑制など)を起こすことがあるので、結膜嚢の洗浄消毒以外、粘膜部位への適用ができなくなった(→グルコン酸クロルヘキシジン中毒)。
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義