- 英
- edrophonium
- 化
- 塩化エドロホニウム edrophonium chloride
- 同
- エドロフォニウム
- 商
- アンチレクス、Enlon, Reverso, Tensilon テンシロン
- 関
- 抗コリンエステラーゼ薬 コリンエステラーゼ阻害薬。コリンエステラーゼ、ネオスチグミン
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薬理作用
- 可逆的コリンエステラーゼ阻害薬
- (1)抗コリンエステラーゼ作用、(2)ニコチン性受容体に対するアセチルコリン様の直接刺激作用
- 骨格筋の線維束性攣縮を示す
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/08/20 23:47:27」(JST)
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エドロホニウム
|
IUPAC命名法による物質名 |
N-ethyl-3-hydroxy-N,N-dimethylbenzenaminium |
臨床データ |
商品名 |
Tensilon |
AHFS/Drugs.com |
FDA Professional Drug Information |
胎児危険度分類 |
? |
法的規制 |
? |
識別 |
CAS登録番号 |
116-38-1 |
ATCコード |
None |
PubChem |
CID 8307 |
DrugBank |
DB01010 |
ChemSpider |
8006 |
UNII |
QO611KSM5P |
KEGG |
D00994 |
ChEBI |
CHEBI:4759 |
ChEMBL |
CHEMBL1128 |
化学的データ |
化学式 |
C10H16NO+ |
分子量 |
166.24 g/mol |
SMILES
- [Cl-].Oc1cccc(c1)[N+](C)(CC)C
|
InChI
-
InChI=1S/C10H15NO.ClH/c1-4-11(2,3)9-6-5-7-10(12)8-9;/h5-8H,4H2,1-3H3;1H
Key:BXKDSDJJOVIHMX-UHFFFAOYSA-N
|
エドロホニウム(Edrophonium)は、コリンエステラーゼ阻害剤の一つである。
エドロホニウム塩化物は、アンチレクス静注10mgという名称で1960年に杏林製薬から販売されている。
重症筋無力症(Myasthenia Gravis)の診断のために投与される。以前はテンシロン・テストと云った。 重症筋無力症は、神経筋接合部において、骨格筋のニコチン性アセチルコリン受容体に抗アセチルコリン受容体抗体が結合し、アセチルコリンによる神経・筋伝達が阻害されるために、筋肉の収縮力が低下する自己免疫疾患である。 テンシロン・テストは、エドロホニウムを静注してその直後に一時的に筋力が増強するか否かを調べる検査である。被験者が筋力増強を自覚した場合は、重症筋無力症である可能性が高い。 副作用として唾液分泌増加・下痢・失神などが起こることがある。[1]
製法
3-ジメチルアミノフェノールとブロモエタンからエドロホニウム臭化物を合成し、塩化銀で臭素を塩素に置き換えることで合成できる[2]。
出典
- ^ http://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/medicine/pdf/i_antir.pdf
- ^ J.A. Aeschlimann, A. Stempel, アメリカ合衆国特許第2,647,924号 (1953).
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 良好な経過中に副腎皮質ステロイドをわずかに減量後,嚥下障害の増悪を呈した重症筋無力症の1例
- 谷口 洋,露無 松里
- 嚥下医学 : 日本嚥下医学会学会誌 = Deglutition : the official journal of the Society of Swallowing and Dysphagia of Japan 1(2), 349-352, 2012-00-00
- NAID 40019505613
- 症例 変動する複視を主訴とし,エドロホニウム投与後に症状増悪と遅延電位の出現をみた69歳男性例
- 重症筋無力症の検査所見を呈した運動ニューロン疾患類似進行性筋萎縮症の3症例
- 南里 和紀,春川 肇,新山 和秀 [他],石河 朝子,齋藤 博彦,田口 丈士,竹口 将文,山口 哲央,内海 裕也
- 東京醫科大學雜誌 = THE JOURNAL OF TOKYO MEDICAL UNIVERSITY 64(5), 483-488, 2006-09-25
- NAID 10018253152
Related Links
- 塩化エドロホニウム エドロホニウム塩化物 KEGG:D00994 † 可逆的コリンエステラーゼ阻害薬 商品名 : アンチレクス注(杏林) ↑
- 2013年5月[改訂第7版] 日本標準商品分類番号 877229 医薬品インタビューフォーム 日本病院薬剤師会のIF記載要領(1998年9月)に準拠して作成 劇薬 処方せん医薬品注) エドロホニウム塩化物製剤 注)注意-医師等の処方せんにより ...
- エドロホニウム edrophonium 「概念」 速やかに効いて、速やかに消える、 試験用の、抗コリンエステラーゼ薬。 別名としては、テンシロンと呼ばれる。 「薬理」 選択的に神経筋接合部に作用する。 「適用」 重症筋無力症の診断に用いる。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
販売名
成分・含量(1管1mL中)
添加物(1管1mL中)
- 乾燥亜硫酸ナトリウム 2mg、 等張化剤 4.7mg
禁忌
消化管又は尿路の器質的閉塞のある患者
効能または効果
重症筋無力症の診断、筋弛緩剤投与後の遷延性呼吸抑制の作用機序の鑑別診断
重症筋無力症の診断には、エドロホニウム塩化物として、通常成人1回10mgを静脈内注射する。その際、まず初めに2mgを15?30秒かけて注射し、45秒後に反応をみた上で必要に応じて残りの8mgを注射する。
筋弛緩剤投与後の遷延性呼吸抑制の作用機序の鑑別診断には、エドロホニウム塩化物として、通常成人5?10mgを30?40秒かけて静脈内注射する。筋弛緩状態が改善されれば非脱分極性ブロック、筋弛緩状態が増強されれば脱分極性ブロックと判定する。必要があれば5?10分以内に同量を反復投与する。
なお、年齢により適宜増減する。
慎重投与
クリーゼにある重症筋無力症患者
- [徐脈あるいは心拍の停止があらわれることがある。]
重大な副作用
痙攣、呼吸中枢麻痺:痙攣、呼吸中枢麻痺があらわれることがある。
薬効薬理
コリンエステラーゼ阻害作用3)
- ヒト(歯科手術時)にエドロホニウム塩化物を20mg投与して、その血清コリンエステラーゼ阻害作用を検討した結果、投与後3分位で作用が最大となり、10分位でコリンエステラーゼ活性は投与前の50%位まで回復した。
重症筋無力症の脱力状態回復4)5)
- エドロホニウム塩化物は、持続効果の短い抗コリンエステラーゼ剤で、投与後の眼筋等の脱力状態の回復の有無により、重症筋無力症の診断に使用される。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- エドロホニウム塩化物(Edrophonium Chloride)[JAN]
化学名:
- N-Ethyl-3-hydroxy-N,N-dimethylanilinium chloride
分子式:
分子量:
融点 :
性状 :
- 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は吸湿性である。
本品は光によって徐々に着色する。
化学構造式:
★リンクテーブル★
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- 次の文を読み、60-62の問いに答えよ。
- 38歳の女性。強い息苦しさのため搬入された。
- 現病歴 3か月前から歩行時に両下肢の疲労感を自覚していたが、休息にて改善していた。2か月前から家事をする際に、両上肢の疲労感を感じ、特にフライパンを持つのに苦労するようになった。これらの症状は朝に比して夕方に強い傾向があった。1か月前からは両側の眼瞼下垂を自覚するようになった。1週前から風邪気味であったが、昨日から動くと息苦しいと訴えていた。今朝、息苦しさが強くなったため救急車を要請した。
- 既往歴 25歳時に急性虫垂炎で手術。
- 家族歴 特記すべきことはない。
- 現症 意識レベルはJCS II-20。身長156cm.体重51kg。体温37.8℃。呼吸数32/分。脈拍104/分、整。血圧174/66mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)93%。両側の眼瞼下垂を認める。眼球運動はほぼ正常であるが、複視がある。四肢筋力は全体に軽度低下(4/5)している。腱反射は正常。感覚系に異常を認めない。
- 検査所見 尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 463万、Hb 13.2g/dl、Ht 40%、白血球 9,800(分葉核好中球55%、好酸球6%、好塩基球1%、単球5%、リンパ球33%)、血小板28万。血液生化学所見:血糖 85mg/dl、HbA1c 5.2%(基準4.3-5.8)、総蛋白 7.5g/dl、アルブミン 4.5g/dl、尿素窒素 11mg/dl、クレアチニン 0.4mg/dl、尿酸7.2mg/dl、総コレステロール 183mg/dl、トリグリセリド 120mg/dl、総ビリルビン 0.5mg/dl、直接ビリルビン0.3 mg/dl、AST 12IU/l、ALT 7IU/l、LD 183IU/l(基準176-353)、ALP288IU/l(基準115-359)、Na 141mEq/l、K 4.5mEq/l、Cl 102mEq/l。CRP 9.8mg/dl、動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.32、PaCO2 59Torr、PaO2 74Torr、HCO3- 29mEq/l。
[正答]
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エドロホニウム。テンシロン