出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/26 09:40:16」(JST)
阿膠(アキョウ、中国語 オージャオ Ējiāo、学名: Asini Corii Collas)は、生薬の一種で、ロバの皮を水で加熱抽出して作られるにかわ(ゼラチン)のこと。
血液機能を高める効果があり、主に貧血や婦人病への処方や、美容のために用いられている。
ロバの皮を水で加熱抽出して作られるにかわ(ゼラチン)のことで、中国で古くから使われている生薬の一種。約2500年前に書かれた中国最古の医学書『五十二病方』に記載がある。[1] 阿膠は、作った地域によって名称が変わり、中国山東省東阿県産のものが「阿膠」と呼ばれ、中国湖南省産のものは「驢皮膠」と呼ばれる。他にも、その作り方から傅致膠、盆覆膠などと呼ばれる場合もある。
ロバの皮膚に含まれるコラーゲンが加水分解されたタンパク質や各種アミノ酸の混合物である。他にもカルシウム、マグネシウム、鉄など27種類のミネラルやコンドロイチンを含んでいる。 豚皮ゼラチンと比べると、リジンに富み、シスチンを含むがトリプトファンを欠く点で異なる。
阿膠の生産にはロバの皮を使用するが、古来から非常に高価であったため、一般の女性が手にすることは不可能に近かった。現在も高価な代物であり、阿膠の産地である中国では原料であるロバが年々減少していることも関係して、阿膠の市場価格が日々上昇している。 しかし価格が上がる一方で、廃棄原材料を使用した安物製品も出回っている。原材料にロバの皮を使用したものに比べ、安価ではあるが皮製品の切れ端や牛の皮などを使用した製品もあり、消費者を悩ませている。[2]
中国山東省東阿県が主な産地で名前の由来にもなっている。[3] 中国では、東阿阿膠社の阿膠が有名で、東阿阿膠社の製造技術は中国の無形文化財として登録されている。
古くは『五十二病方』に記載がある他、中国最古の薬物学書である『神農本草経』には、「上品」(養命薬(生命を養う目的の薬)で、無毒で長期服用可能なもののこと[4])として記載されている。全唐詩には、楊貴妃が美容のために隠れて服用していたという記述もあり、身分の高い女性の間で人気があったものといえる。(当時、アキョウは非常に高価であったため、一般の女性が手にすることは不可能に近い)。また、習慣性流産に悩んでいた西太后が、アキョウを飲んで不妊治療に成功し、同治帝を産んだことでも知られる。 日本には、江戸時代に書かれた『薬徴続編』(著者:村井琴山)の中で阿膠の記載があることから、日本でも使われていた可能性がある。[5]
補血・滋陰・潤燥・止血・安胎。
中医学の考えでは、血は様々な症状と密接に関わりを持っているため、効能は幅広い。具体的には、生理痛の緩和、月経不順、子宮の不正大量出血や、出産後の滋養や抜け毛の改善、便通の改善、骨粗しょう症予防などの治療効果の他、肌荒れ・乾燥の防止、新陳代謝の促進などの美容効果がある。[6] また、16世紀に書かれた薬学書『本草綱目』において阿膠は「聖薬」(非常に優れていて、効能のある薬)として称賛されている。[7]
阿膠は様々な研究がされているが、近年では美白作用についての研究もある。[8] また、美肌の効果解明のための共同研究も始められている。[9][10]
[ヘルプ] |
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
リンク元 | 「水滞」「血虚」「心虚」「芎帰膠艾湯」「炙甘草湯」 |
桂皮 | 猪苓 | 茯苓 | 沢瀉 | 朮 | 甘草 | 生姜 | その他 | 虚実 | |||||
五苓散 | ○ | ○ | ○ | ○ | 蒼朮 | 虚実間証 | |||||||
柴苓湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | 蒼朮 | ○ | ○ | 柴胡 | 半夏 | 黄ごん | 大棗 | 人参 | |
猪苓湯 | ○ | ○ | ○ | 阿膠 | 滑石 | ||||||||
沢瀉湯 | ○ | 朮 | |||||||||||
苓桂朮甘湯 | ○ | ○ | 白朮 | ○ | 虚証 | ||||||||
真武湯 | ○ | 蒼朮 | ○ | 芍薬 | 附子 |
麻黄 | 石膏 | 生姜 | 大棗 | 甘草 | 白朮 | 薏苡仁 | 蒼朮 | 当帰 | 桂枝 | 芍薬 | 黄耆 | 防已 | 桂皮 | 茯苓 | 附子 | |
越婢加朮湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||
薏苡仁湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||
防已黄耆湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||
桂枝加苓朮附湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
石膏 | 防已 | 桂皮 | 人参 | 麻黄 | 生姜 | 大棗 | 甘草 | 白朮 | 桂枝 | 芍薬 | 乾姜 | 五味子 | 細辛 | 半夏 | 茯苓 | 杏仁 | |
木防已湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||||
越婢加朮湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||||
小青竜湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||||
茯苓杏仁甘草湯 | ○ | ○ | ○ | ||||||||||||||
苓甘姜味辛夏仁湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
地黄 | 芍薬 | 川芎 | 当帰 | 甘草 | 艾葉 | 阿膠 | 黄耆 | 黄柏 | 釣藤鈎 | 桂皮 | 人参 | 茯苓 | 蒼朮 | |
四物湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||||||
芎帰膠艾湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||
七物降下湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||
十全大補湯 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
黄芩 | 黄連 | 甘草/炙甘草 | 乾姜/生姜 | 人参 | 大棗 | その他 | |||||
三黄瀉心湯 | ○ | ○ | 大黄 | ||||||||
黄連解毒湯 | ○ | ○ | 山梔子 | 黄柏 | |||||||
半夏瀉心湯 | ○ | ○ | 甘草 | 乾姜 | ○ | ○ | 半夏 | ||||
炙甘草湯 | 炙甘草 | 生姜 | ○ | ○ | 阿膠 | 桂皮 | 地黄 | 麦門冬 | 麻子仁 | ||
酸棗仁湯 | 甘草 | 酸棗仁 | 川芎 | 知母 | 茯苓 |
.