- 英
- hemorrhagic septicemia
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出血性敗血症(しゅっけつせいはいけつしょう、英: hemorrhagic septicemia)は、Pasteurella multocidaの莢膜抗原B型あるいはE型による感染を原因とする感染症。日本においては家畜伝染病予防法の法定伝染病に指定されており、対象動物はウシ、スイギュウ、シカ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、イノシシ。日本での発生はない。Pasteurella multocidaは両端染色性のグラム陰性、通性嫌気性の桿菌。経気道的あるいは経口的に感染すると考えられており、ウシでは症状を発見する前に突然死亡することが多い。急性例では胃壁、腸管膜、心膜などに広範な充出血点が観察される。病気の進行が早いため適切な治療法は確立されていない。炭疽、気腫疽、悪性水腫との類症鑑別が必要。血液がタール様にならないことから炭疽と鑑別することが可能であり、筋肉病変の違いから気腫疽、悪性水腫との鑑別が可能である。不活化ワクチンが実用化されている。
関連項目
- ウサギパスツレラ病
- 家きんコレラ
- 家畜伝染病
- 気腫疽
- 豚萎縮性鼻炎
参考文献
- 清水悠紀臣ほか 『動物の感染症』 近代出版 2002年 ISBN 4874020747
家畜伝染病 |
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言葉 |
家畜/家禽 - 牧畜/酪農/養豚/養鶏/養蜂 - 畜産/畜産業
病原体 - 感染 - 感染経路 - 伝染病/感染症 - 海外悪性伝染病 - 人獣共通感染症 - 公衆衛生 - アウトブレイク/パンデミック - ワクチン - 屠殺 - 殺処分 - 検疫
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組織・施設等 |
国際獣疫事務局 (OIE) - 国際連合食糧農業機関 (FAO) - 農林水産省/農業・食品産業技術総合研究機構/動物衛生研究所 - 検疫所/家畜防疫官 - 家畜保健衛生所/家畜防疫員/獣医師 - 日本家畜商協会/家畜商 - 屠畜場/化製場 - 保健所 - 農業共済組合/農業災害補償制度
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協定・法律等 |
SPS協定(世界貿易機関) - OIEコード(国際獣疫事務局) - 家畜伝染病予防法(農水省) - 狂犬病予防法(厚労省) - 口蹄疫対策特別措置法 - Category:畜産関連法規
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国際獣疫事務局 リスト疾病 |
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複数種 |
炭疽症 - オーエスキー病 - ブルータング - ブルセラ症 - クリミア・コンゴ出血熱 - エキノコックス症 - 口蹄疫 - 心水病 - 日本脳炎 - レプトスピラ症 - 新世界ラセンウジバエ - 旧世界ラセンウジバエ - ヨーネ病 - Q熱 - 狂犬病 - リフトバレー熱 - 牛疫 - 旋毛虫症 - 野兎病 - 水胞性口炎 - 西ナイル熱
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ウシ |
アナプラズマ病 - バベシア症 - 牛疫 - 牛海綿状脳症 - 結核 - 牛ウイルス性下痢 - 牛肺疫 - 牛白血病 - 出血性敗血症 - 牛伝染性鼻気管炎 - 皮膚病 - 悪性カタル熱 - タイレリア症 - トリコモナス病 - ナガナ病
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ヒツジ、ヤギ |
山羊関節炎・脳脊髄炎 - 伝染性無乳症 - 山羊伝染性胸膜肺炎 - 流行性羊流産 - 羊慢性進行性肺炎 - ナイロビ羊病 - 緬羊ブルセラオビス - 小反芻獣疫 - サルモネラ症 - スクレイピー - 羊痘/山羊痘
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ウマ |
アフリカ馬疫 - 馬伝染性子宮炎 - 媾疫 - 東部馬脳炎 - 西部馬脳炎 - 馬伝染性貧血 - 馬インフルエンザ - 馬ピロプラズマ病 - 馬鼻肺炎 - 馬ウイルス性動脈炎 - 鼻疽 - スーラ病 - ベネズエラ馬脳脊髄炎
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ブタ |
アフリカ豚コレラ - 豚コレラ - ニパウイルス感染症 - エキノコックス症 - 豚繁殖・呼吸障害症候群 - 豚水胞病 - 伝染性胃腸炎
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トリ |
クラミジア - 鶏伝染性気管支炎 - 鶏伝染性喉頭気管炎 - 鶏マイコプラズマ病 - あひる肝炎 - 家禽コレラ - 家禽チフス - 鳥インフルエンザ - 伝染性ファブリキウス囊病 - マレック病 - ニューカッスル病 - ひな白痢 - 七面鳥鼻気管炎
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ウサギ |
兎粘液腫 - ウサギ出血病
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ハチ |
アカリンダニ症 - アメリカ腐蛆病 - ヨーロッパ腐蛆病 - スモール・ハイブ・ビートル症 - ミツバチトゲダニ症 - バロア病
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魚類 |
伝染性造血器壊死症 - 伝染性造血器壊死症 - コイ春ウイルス病 - ウイルス性出血性敗血症 - 伝染性膵臓壊死症 - 伝染性サケ貧血 - 流行性潰瘍症候群 - 細菌性腎臓病 - ギロダクチルス症 - マダイイリドウイルス病
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軟体動物 |
Bonamia ostreae感染症 - Bonamia exitiosus感染症 - Marteilia refringens感染症 - Mikrocytos roughleyi感染症 - Perkinsus marinus感染症 - Perkinsus olseni感染症 - Xenohaliotis californiensis感染症
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甲殻類 |
タウラ症候群 - 白点病 - イエローヘッド病 - バキュロウイルス・ペナエイによる感染症 - モノドン型バキュロウイルスによる感染症 - 伝染性皮下造血器壊死症 - ザリガニ病
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その他 |
ラクダ痘 - リーシュマニア症
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家畜伝染病予防法上の監視伝染病 |
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法定伝染病 |
牛疫 - 牛肺疫 - 口蹄疫 - 日本脳炎 - 狂犬病 - 水胞性口炎 - リフトバレー熱 - 炭疽症 - 出血性敗血症 - ブルセラ症 - 結核病 - ヨーネ病 - ピロプラズマ症 - アナプラズマ病 - 牛海綿状脳症 - 鼻疽 - 馬伝染性貧血 - アフリカ馬疫 - 豚コレラ - アフリカ豚コレラ - 豚水胞病 - 家きんコレラ - 高病原性鳥インフルエンザ - ニューカッスル病 - 家きんサルモネラ感染症 - 腐蛆病
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届出伝染病 |
ブルータング - アカバネ病 - 悪性カタル熱 - チュウザン病 - ランピースキン病 - 牛ウイルス性下痢・粘膜病 - 牛伝染性鼻気管炎 - 牛白血病 - アイノウイルス感染症 - イバラキ病 - 牛丘疹性口炎 - 牛流行熱 - 類鼻疽 - 破傷風 - 気腫疽 - レプトスピラ症 - サルモネラ症 - 牛カンピロバクター症 - トリパノソーマ病 - トリコモナス病 - ネオスポラ症 - 牛バエ幼虫症 - ニパウイルス感染症 - 馬インフルエンザ - 馬ウイルス性動脈炎 - 馬鼻肺炎 - 馬モルビリウイルス肺炎 - 馬痘 - 野兎病 - 馬伝染性子宮炎 - 馬パラチフス - 仮性皮疽 - 小反芻獣疫 - 伝染性膿疱性皮膚炎 - ナイロビ羊病 - 羊痘 - マエディ・ビスナ - 伝染性無乳症 - 流行性羊流産 - トキソプラズマ病 - 疥癬 - 山羊痘 - 山羊関節炎・脳脊髄炎 - 山羊伝染性胸膜肺炎 - オーエスキー病 - 伝染性胃腸炎 - 豚エンテロウイルス性脳脊髄炎 - 豚繁殖・呼吸障害症候群 - 豚水疱疹 - 豚流行性下痢 - 萎縮性鼻炎 - 豚丹毒 - 豚赤痢 - 鳥インフルエンザ - 鶏痘 - マレック病 - 伝染性気管支炎 - 伝染性喉頭気管炎 - 伝染性ファブリキウス嚢病 - 鶏白血病 - 鶏結核病 - 鶏マイコプラズマ病 - ロイコチトゾーン病 - あひる肝炎 - あひるウイルス性腸炎 - 兎ウイルス性出血病 - 兎粘液腫 - バロア病 - チョーク病 - アカリンダニ症 - ノゼマ病
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対するホルマリン不活化ワクチンの感染防御効果
- 一色 正,森本 嵩也,岩崎 正裕 [他],安部 昌明,長野 泰三,陌間 隆,SONG Jun-Young,北村 真一
- 魚病研究 47(4), 121-128, 2012-12-15
- … ウイルス性出血性敗血症ウイルス(VHSV)のホルマリン不活化ワクチンを用いて12℃,20℃および28℃の各水温で免疫されたヒラメ(平均体重10g)のVHSVに対する感染防御能を免疫21日後に12℃で攻撃して評価した。 …
- NAID 10031144432
- ウイルス性出血性敗血症ウイルスに対するタケノコメバルの感受性
- 一色 正,Eleni Giannakou,植田 豊 [他],長野 泰三
- 水産増殖 = The aquiculture 58(4), 465-471, 2010-12-20
- … ウイルス性出血性敗血症ウイルス(VHSV)をタケノコメバルとヒラメに筋肉内接種後、水温15℃で飼育して感受性を比較した。 …
- NAID 10029846881
- ウイルス性出血性敗血症ウイルスに対するタケノコメバルの感受性
- Isshiki Tadashi, Giannakou Eleni,Ueta Yutaka,Nagano Taizou
- 水産増殖 58(4), 465-471, 2010
- … ウイルス性出血性敗血症ウイルス(VHSV)をタケノコメバルとヒラメに筋肉内接種後,水温15°Cで飼育して感受性を比較した。 …
- NAID 130004567808
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- ウイルス性出血性敗血症(ウイルスせいしゅっけつせいはいけつしょう、英:viral hemorrhagic septisemia;VHS)とはラブドウイルス科Novirhabdovirus属に属する ウイルス性出血性敗血症ウイルス(viral hemorrhagic septicemia virus;VHSV)の 感染を原因と ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- viral hemorrhagic septicemia virus
- 関
- ノビラブドウイルス
[★]
- 英
- viral hemorrhagic septicemia
[★]
- 英
- sepsis, (昔の概念→)septicemia
- 関
定義
- 感染症による全身性炎症反応症候群(SIRS)をセプシス(sepsis, 広義の敗血症?)とする
- 感染症の病原体は、一般細菌(グラム陽性菌・陰性菌)、真菌、寄生虫、ウイルスなど
- 皮膚や粘膜の傷とか、種々の臓器にある感染巣から、細菌がリンパ流から血中に入り、全身に播種されて、新たに転移性の感染巣をつくり、重篤な全身症状を引き起こす。
全身性炎症反応症候群の診断基準
- 1. 体温>38℃ or 体温<36℃
- 2. 心拍数>90bpm
- 3. 呼吸数>20回/min or PaCO2<32mmHg
- 4. (白血球数>12,000/ul or 白血球数<4,000/ul) or ( 幼若好中球>10% ) ← ここでいう幼若好中球とは桿状好中球のことである。
敗血症の周辺疾患概念
- 発熱や白血球増加などの全身の炎症の徴候によって特徴づけられる病態(SIRSの診断基準に合致する病態)
病態生理
- LPSが血液凝固を促進→血小板、フィブリノゲン、凝固因子消費 → 血栓形成 → プラスミノゲンを消費して血栓溶解 (FDP産生) →
- →出血傾向 → 皮下出血、歯肉出血、顕微鏡的血尿(出血性敗血症)
原因となる病原体
症状
- 悪寒、戦慄を伴う発熱、頻脈、頻呼吸、全身倦怠感、呼吸困難、意識障害、ショック、乏尿
- 敗血症による多臓器不全で障害を受けやすい臓器:肺、腎臓、心血管系、中枢神経系
検査
血液検査
- 白血球:12,000/ul以上のことが多い(SIRSの定義)
- 左方移動、重症例では白血球減少
- 血小板数:血管内凝固に伴い低下
- CRP:基準値以上
- 凝固系・線溶系:凝固能低下、線溶系亢進
培養
- 血液培養
- カテーテルの先端(留置カテーテルがある場合)
治療 (ICU.644)
酸素投与
敗血症における組織の酸素化
- 敗血症では細胞の酸素摂取能が損なわれている → 重症敗血症患者の組織酸素濃度がなぜ健常者よりも高くなる (ICU.645)
- 重症敗血症や敗血症性ショックにおいては
敗血症における酸素摂取量(ICU.645)
初期蘇生
- 重症敗血症や敗血症性ショックの患者に対する最初の6時間の管理目標
- 1.中心静脈庄8-12mmHg
- 2.平均動脈庄≧65mmHg
- 3.尿量≧0.5 mL/kg/h
- 4.SVO2≧70% or SCVO2≧70%
- SVO2:混合静脈血酸素飽和度、肺動脈血酸素飽和度
- SCVO2:中心静脈血酸素飽和度、上大静脈血酸素飽和度
輸液負荷
- 1. 500-1,000mLの晶質液 or 300-500mLの膠質液を30分かけて投与
- 2. 初期蘇生の目標値に達するまで、または輸液過多寸前になるまで1)を行う。
昇圧薬(ICU.646)
- 1. 輸液負荷を行っても低血圧が持続する場合、ドパミン or ノルアドレナリンを投与
- ドパミン:5-20 ug/kg/min:心拍出量増加:腹腔内蔵機の血流減少
- ノルアドレナリン:0.2-1.3 ug/kg/min:心拍出量不変、血管収縮
- パソプレシン:0.01-0.04 U/min:血管収縮薬:心拍出量減少→心不全の既往で慎重
経験的抗菌薬治療(ICU.646)
- 重症敗血症や敗血症性ショックと診断したら1時間以内に抗菌薬を静脈内投与する
- 抗菌薬投与前に少なくとも2セットの血液検体を採取 → 血液培養&感受性検査のため
- イミペネム/メロペネムの単剤
- MRSAのリスクリスク有り:イミペネム/メロペネム + バンコマイシン/リネゾリド
コルチコステロイド(ICU.646)
- 昇庄薬を必要とするすべての敗血症性ショック患者に推奨
- ヒドロコルチゾン:200-300mg用を2-3回に分割して静脈内投与もしくは経口投与、7日間継続
- 副腎不全の改善
[★]
- 英
- hemorrhagic、haemorrhagic、hemophilic、haemophilic
- 関
- 易出血性、血友病
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- ラ
- septicus、septic
- 関
- 敗血症、敗血性
[★]
- 英
- hemorrhage, bleeding
- 関
- 出血量