- 英
- blood urea nitrogen BUN
- 同
- 血中尿素窒素、血清尿素窒素 serum urea nitrogen SUN ←最近は、ほとんどの施設で血清をサンプルとしているので、こっちを使うべき
- 関
- BUN/Cr比、尿素窒素、クレアチニン
[show details]
- 血中残余窒素の半分が尿素。腎障害の時に増加する(医学略語辞典)
基準値
- 8-20mg/dl(流れが分かる実践検査マニュアル上巻 p.12)
- 7-20mg/dl(HIM A.)
検査値の異常 (異常値の出るメカニズム第5版 p.144)
BUN上昇
- 赤血球・血漿蛋白が腸管内で分解 → 分解されて生成するNH3が小腸で吸収される → BUN↑
- 腎後性に尿排泄が阻害されると尿素が血液中にうっ滞する。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2022/10/14 16:26:06」(JST)
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尿素窒素(にょうそちっそ、Urea nitrogen; UN)は、尿素由来の窒素量を示す単位である。尿素1分子は、窒素原子を2つ含んでいるため、1molの尿素=60gは、尿素窒素28gに相当する。臨床検査項目の一つ。主に肝臓や腎臓の状態を検査するために用いられ、一般に単位はmg/dLが用いられる。
概要
尿素は蛋白質の終末代謝産物であり、肝臓で合成され、腎臓から排泄される。血中の尿素の量を表すのが血液尿素窒素(Blood urea nitrogen;BUN)であるが、これは蛋白摂取量、蛋白代謝量、腎機能の3因子によって規定される。なお、現在では血清を用いた血清尿素窒素(Serum -;SUN)も用いられるが、赤血球中の水分が減少する分BUNより若干高値となる。
単位
尿素窒素濃度(mg/dL)に2.144を乗じると、尿素濃度(mg/dL)が、
尿素窒素濃度(mg/dL)に0.357を乗じると、尿素物質量濃度(mmol/L)が得られる。
測定法
現在2種類の方法が使用されている。両者とも自動分析法が発達し、誤差は少なくなっている。
- ウレアーゼを尿素と反応させて炭酸アンモニアとし、そのアンモニアを測定する。ジアセチルモノオキシム法と比較して厳密に測定できる。
- 尿素を酸性溶液中でジアセチルモノオキシムと橙黄色に呈色するのを比色する方法。この方法ではヒドロキシアミンが副産物として生成されるが、これが縮合反応するのを防ぐために酸化剤を加えて分解している。そのため、酸化剤による退色の差やヒドロキシアミンによる呈色障害といった問題がある。
変動要因
基準値
BUNの基準値は早朝空腹時で10~15mg/dlである。
上昇要因
- 大量の蛋白摂取
- 尿中への排泄障害
- 消化管からの吸収増加
- 体組織の崩壊
- 糖尿病性アシドーシス
- 悪性腫瘍
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)
- 重症肝疾患
下降要因
- 妊娠
- 蛋白の摂取低下
- 肝不全による尿素合成不全
- 尿中への排泄増加
注意点
血中尿素窒素は、腎臓の機能や障害の程度を正確に反映する物ではない。尿蛋白や血清クレアチニンなどの測定をして、本当に疾患が腎臓にあるものなのかを確かめることが必要である。たとえば胃潰瘍などで腸管で出血が起こると、そこより下部の腸管で吸収された血液由来のタンパクに含まれる窒素が代謝によって尿素窒素となり、急激な尿素窒素上昇を引き起こす。また、基準値範囲内であるからと言って、必ずしも腎機能低下は否定できない。慢性腎疾患においては、腎機能が3/4程度失われてはじめて、血中尿素窒素の増加が認められるようになるからである。つまり、慢性腎疾患によって、血中尿素窒素の増加が認められた場合、ネフロンの75%以上が障害されている可能性があることを意味する。また蛋白摂取量という生理的な要因でも変動が見られるため、事前に摂取量を調節させておくなど注意することが必要である。特に境界値付近では肝機能や消化管機能の異常との鑑別が必要である。
その他
尿中尿素窒素(Urine urea nitrogen;UUN)の測定も検査として行われている。腎機能が正常であれば再吸収の調整によってUUNがBUNに比例して増減するが、異常であれば腎からの尿素排泄の増減に伴いBUNが変化するため、UUNはBUNと逆向きに変化する。
関連項目
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Related Links
- この検査で疑われる病気 高値:腎機能障害、消化管出血、高たんぱく食、脱水症 低値:低栄養 タンパク質が代謝されると最終的に尿素となって腎臓から排泄されます。この尿素中に含まれる窒素の量が尿素窒素です。尿素の中の窒素は一定ですから、血液中の尿素窒素が増えるということは ...
- 今回は、血液尿素窒素(BUN)についてまとめました。 腎機能を反映することがある(腎機能低下の際には、この数値が上がる)一方で、蛋白質の摂取量や尿量、消化管出血の有無など 腎臓以外の要素 で上がったり下がったりすることがある検査項目です。
- 尿素、尿素窒素とは 尿素とは、蛋白質が体の中で分解されたあとの最終産物。尿素窒素とは、尿素の中に含まれる窒素分。尿素は肝臓でアンモニアから合成され、血液によって腎臓に運ばれ、糸球体で濾過されて尿中に排泄される。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 血液尿素窒素、クレアチニン
解釈
1
-
- 1. 過剰蛋白摂取
- 2. 消化管への出血
- 3. 熱傷、高熱、大量ステロイド投与、手術、消耗性疾患(癌)などの蛋白異化亢進
- 4. 尿路不完全閉塞
- 5. 尿管直腸吻合
- 6. 脱水症(長時間の激しい運動、発汗、下痢、嘔吐、熱傷、アジソン病、腸閉塞、腹膜炎、出血(胃腸、内臓)、肺炎、重症心不全、大量出血で急に腎血流が低下したとき
2 診療の基本 p.126
BUN/Cr比≦25:下部消化管出血??????????????
BUN/Cr比≧25:上部消化管出血??????????????
3 めざせ外来診療の達人 第3版 p.31
注意
- 消化管出血といっても、大腸出血の場合はBUNは上昇しない。 (消化器疾患ビジュアルブック p.12)
[★]
- 英
- serum urea nitrogen
- 関
- 血液尿素窒素
[★]
血液尿素窒素 blood urea nitrogen
[★]
- 英
- blood urea nitrogen/creatinine ratio
- 同
- BUN/Cr ratio
- 関
- 尿素窒素、クレアチニン、BUN/Cr比
[★]
- 英
- determination of blood urea nitrogen
- 同
- BUN定量法 determination of BUN
[★]
- 英
- blood (PT,Z)
- ラ
- sanguis
- 関
- 全血球計算値、循環血液量、血球、血液量
概念
- 血液は45%の細胞成分と55%の血漿成分から構成される。
- 弱アルカリ性(pH7.4)でやや粘稠の鮮紅色から暗赤色の体液 (HIS.189)
- 成人の血液量は約5L (HIS.189)
- 体重の1/13 (SP.484),体重の約7% (HIS.189), 体重の約8% (2007年度前期解剖学授業)
- 全血液量の約1/3が失われると死亡する
構成
- 血漿(約55%)
- 水(血漿のうち91%)
- 無機塩類(0.9%)
- 有機物
- 血球(約45%)
血液の量
- 091208II 麻酔
|
新生児
|
乳児
|
幼児以降
|
高齢者
|
循環血液量(ml/kg)
|
90
|
80
|
70
|
60
|
体重に対する血液量(%)
|
9
|
8
|
7
|
6
|
血液に関する標準値
- SP.484
|
男性
|
女性
|
単位など
|
ヘマトクリット
|
45
|
40
|
%
|
血液量
|
75
|
65
|
ml/kg
|
比重
|
1.057
|
1.053
|
(血漿1.027)
|
浸透圧
|
275-290
|
mOsm/Kg・H2O
|
基準値
- ♂:4.95±0.75 x 10^6 (/μl)
- ♀:4.65±0.85 x 10^6 (/μl)
- 白血球 (2007前期解剖学プリント)
- 血小板 (2007前期解剖学プリント)
- ヘマトクリット
- ♂:40-50 (%) 45%
- ♀:35-45 (%) 40%
LAB.1790
項目名
|
|
性別/ 種類
|
|
赤血球
|
|
♂
|
414~563
|
x10^4/ul
|
♀
|
373~495
|
ヘモグロビン
|
Hb
|
♂
|
12.9~17.4
|
g/dl
|
♀
|
10.7~51.3
|
ヘマトクリット
|
Ht
|
♂
|
38.6~50.9
|
%
|
♀
|
33.6~45.1
|
平均赤血球容量
|
MCV
|
♂
|
84.3~99.2
|
fl
|
♀
|
80.4~101.0
|
平均赤血球血色素量
|
MCH
|
♂
|
28.2~33.8
|
pg
|
♀
|
25.5~34.6
|
平均赤血球血色素濃度
|
MCHC
|
♂
|
32.2~35.5
|
%
|
♀
|
30.8~35.4
|
網赤血球
|
|
♂
|
0.5~1.8
|
%
|
♀
|
0.4~1.6
|
血小板
|
Plt
|
♂
|
14.3~33.3
|
x10^4/ul
|
♀
|
13.7~37.8
|
白血球
|
WBC
|
♂
|
2970~9130
|
/ul
|
♀
|
3040~8720
|
好中球桿状核
|
0~9
|
%
|
好中球分葉核
|
28~68
|
%
|
好酸球
|
0~10
|
%
|
好塩基球
|
0~2
|
%
|
リンパ球
|
17~57
|
%
|
単球
|
0~10
|
%
|
[★]
- 英
- urea
- 同
- カルバミド carbamide、ウレア
- 商
- アセチロール、イソジンシュガーパスタ、ウリモックス、ウレア、ウレパール、カフコデN配合、ケラチナミン、ケラベンス、コンベルビー、ノルニチカミン、パスタロン、パステルハップ 、ビタルファ、ピロニック、プラチアミン、ブロバリン、ブロムワレリル尿素 、ベギン、ユービット、ワイドコール
- 関
- 尿素クリアランス、ウレアーゼ
O=C(NH2)2
生合成
分解
- 尿素はウレアーゼにより加水分解されて二酸化炭素とアンモニアを生じる。ヘリコバクター・ピロリ菌や尿路の細菌がウレアーゼを産生している
腎臓
- 多くの組織では浸透圧物質として無効であるが、腎臓のネフロンの多くの部位では有効な浸透圧物質である (文献名不明 p.373)
- 再吸収:近位尿細管、集合管(ADH作用時)
- 分泌 :ヘンレプールの細い部分
- GFRが低下すると血中尿素濃度と血中クレアチン濃度は上昇し、GFRが正常の1/3-1/4になると顕著となる。
腎髄質での尿濃縮機構
- 腎臓における尿の濃縮は(1)腎髄質の浸透圧勾配(NaClと尿素が形成)と(2)集合管による水透過性に支配されている。
- 尿素が腎髄質の浸透圧勾配に重要な役割を果たしている。
- シスプラチンは尿素サイクルを抑制し、尿濃縮機構を障害する。
外用薬
- 皮膚角質の水分保持力を増強させ、また角質溶解作用などにより角化皮膚をしっとりさせ、皮膚の状態を正常化させる。
- アトピー性皮膚炎、魚鱗癬、老人性乾皮症、掌蹠角化症、苔癬、進行性指掌角皮症などに使用される。
- 炎症を来している部位への外用により刺激感を生じる。
- 潰瘍、びらん、創面への直接塗布は避けるようにする。
臨床関連
- GFRが低下して血中に窒素化合物が蓄積している状態
[★]
- 英
- urea nitrogen UN
- 同
- 血中尿素窒素 blood urea nitrogen BUN
- 関
- 尿素、ウレアーゼ、クレアチニン、残余窒素
意義
- 血中の尿素
- 尿素は肝臓で尿素サイクルによって産生される。
尿素窒素を構成する要素 LAB
基準値
- 単位の変換:1 mg/dL = 10 x 10^-3 g/L = 10^-2 / 28 mol/L = 0.0003751 mol/L = 0.3751 mmol/L
- N2 = 28 g/L
判別(検査値の本より)
- [高頻度]肝不全(肝硬変末期など)、高度腎不全、低蛋白食、妊娠
- [可能性]飢餓
- [高頻度]高蛋白食、蛋白異化の亢進する病態(悪性腫瘍、感染、外傷、手術など)
- [可能性]コルチコステロイド、利尿薬、テトラサイクリンなどの薬物投与
[★]
- 英
- nitrogen、N、N2、nitric
- 関
- アスパラギン、ヌクレオシド、規定濃度