- 英
- bromovalerylurea
- ラ
- bromvalerylurea
- 商
- ブロバリン
- 関
- ブロミソバール、ブロムバレリル尿素、ブロモワレリル尿素、ブロムイソバルム
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/07/27 15:59:28」(JST)
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ブロムワレリル尿素 |
|
IUPAC名
(RS)-1-(2-bromo-3-methylbutyryl)urea
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
496-67-3 |
KEGG |
D01391 |
特性 |
化学式 |
C6H11BrN2O2 |
モル質量 |
223.07 |
外観 |
無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末 |
融点 |
151~155 (分解)
|
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ブロムワレリル尿素(ブロムワレリルにょうそ、bromvalerylurea、ブロムイソバレリルカルバミド)は、催眠鎮静効果のある化合物のひとつ。欧米では「ブロミソバル(Bromisoval)」などの名で用いられる。
目次
- 1 概要
- 2 自殺に用いた著名人
- 3 出典
- 4 参考文献
- 5 リンク
概要
1907年に登場し、危険性から20世紀前半にはバルビツール酸系が主流となった。過量服薬や乱用の危険性があるのに、なぜ現在でも用いられているか理解に苦しむという専門家のコメントがある。
商品名としては、「ブロバリン」(Brovarin、日本新薬)、「リスロンS」(佐藤製薬)「カルモチン」(武田薬品工業・販売中止)がある。現在市販され、ブロムワレリル尿素を含有する鎮静剤には、「ウット」(WUTT、伊丹製薬、アリルイソプロピアルアセチル尿素などとの配合剤)がある。また、鎮静作用から市販の鎮痛剤にも配合される。
かつてはバルビツール酸系より中毒になり難い事などから良く用いられたが、ベンゾジアゼピンの登場により廃れ、現在では医療用としては殆ど用いられない。
1950-60年台の第二次自殺ブームの主役となった薬であり、多くの若者がこの薬で自殺を試みた。そのため、自殺を防ぐ目的で市販薬では一定量を超えた薬は発売が禁止され、医師が発行する処方箋の必要な要指示薬に変更された[2]。
自殺に用いた著名人
自殺目的などで大量服用し急性中毒を引き起こす場合があるが、致死性は低い。
しかし「カルモチン」で自殺を完遂した、及び同所見が見られた実例(金子みすゞ、勝精と勝の知人女性など)もある。一方太宰治は生涯心中を含めカルモチンによる自殺を幾度と無く図るも何れも未遂に終わり、つげ義春は1962年に「ブロバリン」を用いて自殺を図ったが、知人に見つかり未遂に終わっている[3]。
出典
- ^ 鶴見(1993) p.56
- ^ つげ義春「自殺未遂」『夜行』No.10 北冬書房 1981年
参考文献
- 井上雄一 「睡眠薬」『睡眠学』 朝倉書店、2009年2月、657-661頁。ISBN 978-4254300901。
- 鶴見済 『完全自殺マニュアル』 大田出版、1993年7月。ISBN 4-872-33126-5。
リンク
- ブロバリン
- 薬毒物検査法 > ブロムワレリル尿素
- カルモチンの広告(1934年)
睡眠導入剤と鎮静剤 (N05C) |
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GABAA
アゴニスト/PAM |
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GABAB
アゴニスト |
- 1,4-ブタンジオール
- アセブル酸
- GABOB
- GHB (ナトリウムオキシベート)
- GBL
- GVL
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H1 インバース
アゴニスト |
抗ヒスタミン系: |
- カプトジアミン
- シプロヘプタジン
- ジフェンヒドラミン
- ドキシルアミン
- ヒドロキシジン
- メタピリレン
- フェニルアミン
- プロメタジン
- プロピオマジン
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抗うつ薬 |
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抗精神病薬 |
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α1-アドレナリン
アンタゴニスト |
抗うつ薬 |
- セロトニンアンタゴニストと再取り込み阻害薬
- 三環系抗うつ薬
- 四環系抗うつ薬
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抗精神病薬 |
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その他: |
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α2-アドレナリン受容体
アゴニスト |
- 4-NEMD
- クロニジン
- デトミジン
- デクスメドエトミジン
- ロフェキシジン
- メデトミジン
- ロミフィジン
- チザニジン
- キシラジン
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5-HT2A
アンタゴニスト |
抗うつ薬 |
- セロトニンアンタゴニストと再取り込み阻害薬
- 三環系抗うつ薬
- 四環系抗うつ薬
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抗精神病薬 |
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その他: |
- エプリバンセリン
- ニアプラジン
- プルバンセリン
- ボリナンセリン
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メラトニン
アゴニスト |
- アゴメラチン
- LY-156,735
- メラトニン
- ラメルテオン
- タシメルテオン
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オレキシン
アンタゴニスト |
- アルモレキサント
- SB-334,867
- SB-408,124
- SB-649,868
- スボレキサント
- TCS-OX2-29
|
|
その他 |
- アセカルブロマール
- アプロナール
- ブロミソバル
- カンナビジオール
- カルブロマール
- エンブトラミド
- エボキシン
- フェナジアゾール
- ガバペンチン
- カバラクロン
- メフェノキサロン
- オピオイド
- トケイソウ
- スコポラミン
- UMB68
- バルノクタミド
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ブロムワレリル尿素「ホエイ」
組成
成分・含量(1g中)
禁忌
効能または効果
- 不眠症には、ブロモバレリル尿素として、通常、成人1日1回0.5〜0.8gを就寝前または就寝時に経口投与する。
- 不安緊張状態の鎮静には、ブロモバレリル尿素として、1日0.6〜1.0gを3回に分割して経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 不眠症には、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと。
慎重投与
- 肝障害、腎障害のある患者〔肝障害、腎障害を悪化させるおそれがある。〕
- 高齢者、虚弱者〔呼吸抑制を起こすおそれがある。〕
- 呼吸機能の低下している患者〔呼吸抑制を起こすおそれがある。〕
- 小児〔小児に対する安全性は確立していない。呼吸抑制を起こすおそれがある。〕
重大な副作用
依存症:
(頻度不明)
- 連用により薬物依存を生じることがあるので観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、大量投与又は連用中の投与量の急激な減少ないし投与の中止により、まれに痙れん発作、ときにせん妄、振戦、不安等の禁断症状があらわれることがあるので投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
薬効薬理
- 血中に入るとBr-を遊離し、体内のCl-と置換する。脳脊髄中にも大量に移行して、大脳の興奮を抑制し、鎮静・催眠作用と抗けいれん作用を示す。作用の発現が早く、持続時間は短い。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- 〔日局〕ブロモバレリル尿素(Bromovalerylurea)
〔日局別名〕ブロムワレリル尿素
化学名
- (RS)-(2-Bromo-3-methylbutanoyl)urea
分子式
分子量
性状
- 本品は無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。
本品はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
本品は硫酸、硝酸又は塩酸に溶けるが、これに水を加えるとき、沈殿を生じる。
本品は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 睡眠薬、鎮静薬、抗不安薬
商品
[★]
ブロムワレリル尿素、ブロモワレリル尿素、ブロムバレリル尿素
- 関
- bromisoval、bromisovalum
[★]
- 英
- bromovalerylurea
- 関
- ブロムワレリル尿素、ブロモワレリル尿素
[★]
- 英
- bromovalerylurea
- 関
- ブロムワレリル尿素、ブロムバレリル尿素
[★]
- 英
- bromisoval
- 関
- ブロムワレリル尿素、ブロムイソバルム
[★]
- 英
- urea
- 同
- カルバミド carbamide、ウレア
- 商
- アセチロール、イソジンシュガーパスタ、ウリモックス、ウレア、ウレパール、カフコデN配合、ケラチナミン、ケラベンス、コンベルビー、ノルニチカミン、パスタロン、パステルハップ 、ビタルファ、ピロニック、プラチアミン、ブロバリン、ブロムワレリル尿素 、ベギン、ユービット、ワイドコール
- 関
- 尿素クリアランス、ウレアーゼ
O=C(NH2)2
生合成
分解
- 尿素はウレアーゼにより加水分解されて二酸化炭素とアンモニアを生じる。ヘリコバクター・ピロリ菌や尿路の細菌がウレアーゼを産生している
腎臓
- 多くの組織では浸透圧物質として無効であるが、腎臓のネフロンの多くの部位では有効な浸透圧物質である (文献名不明 p.373)
- 再吸収:近位尿細管、集合管(ADH作用時)
- 分泌 :ヘンレプールの細い部分
- GFRが低下すると血中尿素濃度と血中クレアチン濃度は上昇し、GFRが正常の1/3-1/4になると顕著となる。
腎髄質での尿濃縮機構
- 腎臓における尿の濃縮は(1)腎髄質の浸透圧勾配(NaClと尿素が形成)と(2)集合管による水透過性に支配されている。
- 尿素が腎髄質の浸透圧勾配に重要な役割を果たしている。
- シスプラチンは尿素サイクルを抑制し、尿濃縮機構を障害する。
外用薬
- 皮膚角質の水分保持力を増強させ、また角質溶解作用などにより角化皮膚をしっとりさせ、皮膚の状態を正常化させる。
- アトピー性皮膚炎、魚鱗癬、老人性乾皮症、掌蹠角化症、苔癬、進行性指掌角皮症などに使用される。
- 炎症を来している部位への外用により刺激感を生じる。
- 潰瘍、びらん、創面への直接塗布は避けるようにする。
臨床関連
- GFRが低下して血中に窒素化合物が蓄積している状態
[★]
- 英
- Leri
- 関
- レリ徴候
[★]
- 英
- bromine
- 関
- 臭素