ブロムワレリル尿素
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ブロムワレリル尿素 |
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IUPAC名
(RS)-1-(2-bromo-3-methylbutyryl)urea
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
496-67-3 |
KEGG |
D01391 |
特性 |
化学式 |
C6H11BrN2O2 |
モル質量 |
223.07 |
外観 |
無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末 |
融点 |
151~155 (分解)
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特記なき場合、データは常温(25 ℃)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
ブロムワレリル尿素(ブロムワレリルにょうそ、bromvalerylurea、ブロムイソバレリルカルバミド)は、催眠鎮静効果のある化合物のひとつ。欧米では「ブロミソバル(Bromisoval)」などの名で用いられる。
目次
- 1 概要
- 2 自殺に用いた著名人
- 3 出典
- 4 参考文献
- 5 リンク
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概要[編集]
商品名としては、「ブロバリン」(Brovarin、日本新薬)、「リスロンS」(佐藤製薬)「カルモチン」(武田薬品工業・販売中止)がある。現在市販され、ブロムワレリル尿素を含有する鎮静剤には、「ウット」(WUTT、伊丹製薬、アリルイソプロピアルアセチル尿素などとの配合剤)がある。また、鎮静作用から市販の鎮痛剤にも配合される。
かつてはバルビツール酸系より中毒になり難い事などから良く用いられたが、ベンゾジアゼピンの登場により廃れ、現在では医療用としては殆ど用いられない。
1950-60年台の第二次自殺ブームの主役となった薬であり、多くの若者がこの薬で自殺を試みた。そのため、自殺を防ぐ目的で市販薬では一定量を超えた薬は発売が禁止され、医師が発行する処方箋の必要な要指示薬に変更された[1]。
自殺に用いた著名人[編集]
自殺目的などで大量服用し急性中毒を引き起こす場合があるが、致死性は低い。
しかし「カルモチン」で自殺を完遂した、及び同所見が見られた実例(芥川龍之介、金子みすゞ、勝精と勝の知人女性など)もある。一方太宰治は生涯心中を含めカルモチンによる自殺を幾度と無く図るも何れも未遂に終わり、つげ義春は1962年に「ブロバリン」を用いて自殺を図ったが、知人に見つかり未遂に終わっている[2]。
出典[編集]
- ^ 鶴見(1993) p.56
- ^ つげ義春「自殺未遂」『夜行』No.10 北冬書房 1981年
参考文献[編集]
- 鶴見済 『完全自殺マニュアル』 大田出版、1993年7月。ISBN 4-872-33126-5。
リンク[編集]
- ブロバリン
- 薬毒物検査法 > ブロムワレリル尿素
- カルモチンの広告(1934年)
睡眠導入剤と鎮静剤 (N05C) |
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GABAA受容体 |
バルビツール酸系
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超短時間作用型
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Methohexital Thiamylal チオペンタール
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短時間作用型
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Allobarbital アモバルビタール Aprobarbital Butobarbital ペントバルビタール Secobarbital Talbutal
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長時間作用型
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バルビタール Mephobarbital フェノバルビタール
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その他
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Cyclobarbital Ethallobarbital Heptabarbital Hexobarbital Proxibarbal Reposal Vinylbital Vinbarbital
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ベンゾジアゼピン
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超短時間作用型
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トリアゾラム
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短時間作用型
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ブロチゾラム Cinolazepam Doxefazepam Loprazolam ミダゾラム
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中時間作用型
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エスタゾラム フルニトラゼパム ロルメタゼパム ニメタゼパム Temazepam
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長時間作用型
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フルラゼパム フルトプラゼパム ニトラゼパム クアゼパム
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Dialkylphenols
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Fospropofol プロポフォール チモール
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非ベンゾジアゼピン系
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CL-218,872 Indiplon Necopidem Pazinaclone ROD-188 Saripidem Suproclone Suriclone SX-3228 U-89843A U-90042 Zaleplon ゾルピデム ゾピクロン エスゾピクロン
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Piperidinediones
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Glutethimide Methyprylon Pyrithyldione Piperidione
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Quinazolinones
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Afloqualone Cloroqualone Diproqualone Etaqualone Mebroqualone Mecloqualone Methaqualone Methylmethaqualone
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Neuroactive
steroids
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Acebrochol Allopregnanolone Alphadolone Alphaxolone Eltanolone Ganaxolone Hydroxydione Minaxolone Org 20599 Org 21465 Tetrahydrodeoxycorticosterone
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Alpha-2アドレナリン受容体 |
Alpha-adrenergic agonists
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4-NEMD クロニジン Dexmedetomidine Lofexidine メデトミジン Romifidine Tizanidine キシラジン
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メラトニン受容体 |
メラトニン
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Agomelatine メラトニン ラメルテオン Tasimelteon
|
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ヒスタミン受容体 &
アセチルコリン受容体 |
抗ヒスタミン薬 &
抗コリン薬
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アミトリプチリン Dimenhydrinate ドキシラミン Hydroxyzine ジフェンヒドラミン Bromodiphenhydramine Carbinoxamine Doxepin Orphenadrine ミアンセリン ミルタザピン Nefazodone Niaprazine Phenyltoloxamine Propiomazine Pyrilamine スコポラミン トラゾドン
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GABAB受容体 /
GHB 受容体 |
GHB Type
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1,4-ブタンジオール Aceburic acid GABOB γ-ヒドロキシ酪酸 GBL gamma-Valerolactone
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オレキシン受容体 |
Orexin antagonists
|
Almorexant SB-334,867 SB-408,124 SB-649,868 TCS-OX2-29
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その他受容体/
グループ外 |
アルデヒド
|
Acetylglycinamide chloral hydrate 抱水クロラール Chloralodol Dichloralphenazone Paraldehyde Petrichloral
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アルキン
|
ウレタン Ethchlorvynol Ethinamate Hexapropymate Methylpentynol
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Carbamates
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Meprobamate Carisoprodol Tybamate メトカルバモール Procymate
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その他
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2-Methyl-2-butanol Acecarbromal アセトフェノン Apronal 臭化物 ブロムワレリル尿素 Carbromal Chloralose Clomethiazole Embutramide エトミデート Evoxine Fenadiazole Gaboxadol Loreclezole Mephenoxalone Sulfonmethane Trichloroethanol Triclofos セイヨウカノコソウ バルノクタミド
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Japanese Journal
- ブロムワレリル尿素製剤の睡眠薬(ウット, リスロン, ブロバリン)と鎮痛薬(ナロン)の乱用・依存について
- 小田 晶彦,小沼 杏坪
- 日本神経精神薬理学雑誌 = Japanese journal of psychopharmacology 19(4), 229, 1999-08-25
- NAID 10017039429
- 5.急性意識障害・外眼筋麻痺・痙性対麻痺・運動失調・聴覚失認のみられた慢性ブロバリン中毒の1例(第708回千葉医学会例会・神経内科例会)
Related Links
- ブロバリンとは?ブロモバレリル尿素の効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べ られる(おくすり110番:薬事典版)
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
組成
- 本剤は1g中、日本薬局方ブロモバレリル尿素1gを含有する。
禁忌
効能または効果
- 不眠症には、ブロモバレリル尿素として、通常成人1日1回0.5〜0.8gを就寝前又は就寝時経口投与する。
不安緊張状態の鎮静には、ブロモバレリル尿素として、1日0.6〜1.0gを3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 不眠症には、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと。
慎重投与
- 肝障害、腎障害のある患者
[肝障害、腎障害を悪化させるおそれがある。]
- 高齢者、虚弱者
[呼吸抑制をおこすおそれがある。]
- 呼吸機能の低下している患者
[呼吸抑制をおこすおそれがある。]
- 小児
[小児に対する安全性は確立していない。呼吸抑制をおこすおそれがある。]
重大な副作用
依存性
- 連用により薬物依存(頻度不明)を生じることがあるので観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、大量投与又は連用中の投与量の急激な減少ないし投与の中止により、まれに痙攣発作、ときにせん妄、振戦、不安等の禁断症状があらわれることがあるので投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
薬効薬理
催眠・鎮静作用
- ブロモバレリル尿素は作用の発現が速く、持続時間の短い催眠作用を示す(ウサギ2)、イヌ2))。
また、音、強流速の空気及び電流衝撃等の刺激による異常反応に対し鎮静効果を示す(ラット3))。
その他
- 各種痙攣誘発剤及び電気刺激による痙攣の抑制(マウス3))、熱刺激による痛みの抑制(マウス3))、ヘキソバルビタールの麻酔作用の増強(マウス3))及びメタンフェタミンにより高められた酸素消費量の抑制(マウス3))等の作用を示し、呼吸数を減少する(ウサギ2)、イヌ2))。
有効成分に関する理化学的知見
性状
- 本品は無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。
本品はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
本品は硫酸、硝酸又は塩酸に溶けるが、これに水を加えるとき、沈殿を生じる。
本品は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- urea
- 同
- カルバミド carbamide、ウレア
- 商
- アセチロール、イソジンシュガーパスタ、ウリモックス、ウレア、ウレパール、カフコデN配合、ケラチナミン、ケラベンス、コンベルビー、ノルニチカミン、パスタロン、パステルハップ 、ビタルファ、ピロニック、プラチアミン、ブロバリン、ブロムワレリル尿素 、ベギン、ユービット、ワイドコール
- 関
- 尿素クリアランス、ウレアーゼ
O=C(NH2)2
生合成
分解
- 尿素はウレアーゼにより加水分解されて二酸化炭素とアンモニアを生じる。ヘリコバクター・ピロリ菌や尿路の細菌がウレアーゼを産生している
腎臓
- 多くの組織では浸透圧物質として無効であるが、腎臓のネフロンの多くの部位では有効な浸透圧物質である (文献名不明 p.373)
- 再吸収:近位尿細管、集合管(ADH作用時)
- 分泌 :ヘンレプールの細い部分
- GFRが低下すると血中尿素濃度と血中クレアチン濃度は上昇し、GFRが正常の1/3-1/4になると顕著となる。
腎髄質での尿濃縮機構
- 腎臓における尿の濃縮は(1)腎髄質の浸透圧勾配(NaClと尿素が形成)と(2)集合管による水透過性に支配されている。
- 尿素が腎髄質の浸透圧勾配に重要な役割を果たしている。
- シスプラチンは尿素サイクルを抑制し、尿濃縮機構を障害する。
外用薬
- 皮膚角質の水分保持力を増強させ、また角質溶解作用などにより角化皮膚をしっとりさせ、皮膚の状態を正常化させる。
- アトピー性皮膚炎、魚鱗癬、老人性乾皮症、掌蹠角化症、苔癬、進行性指掌角皮症などに使用される。
- 炎症を来している部位への外用により刺激感を生じる。
- 潰瘍、びらん、創面への直接塗布は避けるようにする。
臨床関連
- GFRが低下して血中に窒素化合物が蓄積している状態
[★]
- 英
- bromovalerylurea
- ラ
- bromvalerylurea
- 商
- ブロバリン
- 関
- ブロミソバール、ブロムバレリル尿素、ブロモワレリル尿素、ブロムイソバルム
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- valine, Val, V
- 関
- [[]]
CH3
|
-CH
|
CH3
[★]
- 英
- donkey
- 関
- ウマ、シマウマ、ウマ科、ラバ