出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/03/12 03:30:39」(JST)
糸状虫症 | |
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An adult black fly with the parasite Onchocerca volvulus coming out of the insect's antenna, magnified 100x
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分類及び外部参照情報 | |
ICD-10 | B73 |
ICD-9 | 125.3 |
DiseasesDB | 9218 |
eMedicine | med/1667 oph/709 |
MeSH | D009855 |
糸状虫症 (しじょうちゅうしょう、英:Onchocerciasis) は、河川盲目症あるいはローブルズ病としても知られ、寄生虫である回旋糸状虫(英語版)の感染が病因とされる病気[1]。症状には激しい痒み、皮膚の腫れ、および失明がある[1]。これはトラコーマに次いで二番目に多い感染性失明[2]。
この寄生虫は シムリウム種の黒蝿が咬むことにより蔓延する[1]。通常は何度も咬まれなければ感染しない[3]。この蝿は河川の近くに生息するのが病名の由来[2]。この寄生虫は人体に入ると幼生を形成し、これが皮膚の外に出てくる[1]。このようにして次の黒蠅への感染が可能になり、その黒蠅が他の人間を咬む[1]。診断には次のような幾つかの方法がある。生理的食塩水の中に皮膚の生体組織を浸して幼生が出てくるか観察する、目の中の腫れた個所を見る、皮下の腫れた個所の成虫を探すなど[4]。
この病気に対するワクチンはない[1]。予防方法は蝿に咬まれるのを避けることである[5]。回避方法は虫よけ剤の使用と適切な衣服の着用などがある[5]。他の方法には 殺虫剤の噴霧により黒蠅を減少させることがある[1]。年2回すべての罹病者を治療することによりこの病気を撲滅する努力が世界各地で行われている[1]。罹病者に対する処置としては 6か月から12ヵ月ごとのイベルメクチン投与がある[1][6]。子の処置は幼生を殺すが成虫には効かない[7]。薬剤ドキシサイクリンは ウォルバキアと呼ばれる随伴バクテリアを殺し、この寄生虫を弱体化するように見られ一部ではこれも推奨されている[7]。皮下の腫れた部分の手術による除去を行うこともできる[6]。
河川盲目症には約1700万人から2500万人が罹病しており、このうち約80万人が一定の視力を喪失している[3][7]。ほとんどの感染は サハラ以南で発生するが、イエメン、中央および南アメリカの離れた地域での事例も報告されている[1]。1915年にロドルフォ・ロブレス医師が初めてこの寄生虫を眼病に関連付けた[8]。世界保健機構はこれを 見過ごされた熱帯病に含めている[9]。
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関連記事 | 「糸状虫」「糸状」「症」 |
蠕虫類 | 病原体名 | 病名 | 感染経路 | 寄生部位 | 症状 | 診断 | 治療 | |
線虫類 | Ancylostoma duodenale | ズビニ鉤虫 | 鈎虫症/十二指腸虫症 | F型幼虫経口感染、経皮 | 空腸上部 | 皮膚炎、若菜病、貧血 | 飽和食塩水浮遊法、遠心沈降法 | pyrantel pamoate、鉄剤 |
Necator americanus | アメリカ鉤虫 | |||||||
Strongyloides stercoralis | 糞線虫 | 糞線虫症 | F型幼虫経皮感染 | 小腸上部 | Loffler症候群 | 糞便塗沫、普通寒天平板培養による R型、F型幼虫の検出 |
thiabendazole, ivermectin | |
Enterobius vermicularis | 蟯虫 | 蟯虫症 | 虫卵経口感染 | 盲腸~大腸 | 夜間の掻痒、不眠、情緒不安定 | 肛囲検査法「柿の種」 | pyrantel pamoate | |
Ascaris lumbricoides | 回虫 | 回虫症 | 虫卵経口感染 | 小腸孵化→門脈→ 肺発育→食道嚥下→小腸 |
Loffler症候群。急性腹痛 | 糞便虫の虫卵の証明 | pyrantel pamoate | |
Toxocara canis | イヌ回虫 | 幼虫移行症 | 生後1-2ヶ月の感染犬の 糞から経口感染 |
なし | 幼虫移行症→失明 | 免疫診断 | 治療法無し? | |
Wuchereria bancrofti | バンクロフト糸状虫 | フィラリア症/糸状虫症 | アカイエカ | リンパ系 | 急性期:リンパ肝炎、リンパ腺炎を伴う熱発作(filarial fever) 慢性期:乳糜尿、リンパ管瘤、陰嚢水腫、象皮病 |
急性期:夜間のmicrofilariaの検出 慢性期:特有の症状を考慮 |
diethylcarbamazine & ivermectin | |
Brugia malayi | マレー糸状虫 | |||||||
Dirofilaria immitis | イヌ糸状虫 | アカイエカ | なし | 幼虫移行症→肺血管閉塞→胸部X線画像銭形陰影 | ||||
Gnathostoma spinigerum | 有棘顎口虫 | 顎口虫症 | ドジョウ、雷魚、ヘビの生食 | 消化管壁貫通→皮下移動による腫瘤や線状皮膚炎 | 移動性腫瘤、皮膚爬行疹 雷魚やドジョウの生殖の問診 免疫血清診断 |
なし | ||
Gnathostoma hispidum | 剛棘顎口虫 | |||||||
Gnathostoma doloresi | ドロレス顎口虫 | |||||||
Gnathostoma nipponicum | 日本顎口虫 | |||||||
Anisakis simplex, larva | アニキサス幼虫 | アニサキス症 (1)胃アニサキス症、 (2)腸アニサキス症、 (3)異所性アニサキス症 |
経口感染 終宿主:クジラ、イルカ。 中間宿主:オキアミ。 待機宿主:サバ、ニシン、アジ、タラなど |
胃や腸 | (1)急激な上腹部痛"胃けいれん" (2)腹痛、急性虫垂炎、イレウス様。劇症型と緩和型がある (3)腹腔内の炎症性肉芽腫 |
胃内視鏡検査 | 内視鏡による虫体摘出 | |
Pseudoterranova decipiens | ||||||||
Trichinella spiralis | 旋毛虫 | 旋毛虫症 | 経口感染 豚肉、クマ肉の生食 |
(1)成虫侵襲期:下痢、腹痛 (2)幼虫筋肉移行期:顔面浮腫、心筋障害など (3)幼虫被嚢期:全身浮腫、衰弱 |
急性期:ステロイド 殺虫:mebendazole | |||
鞭虫症 | 盲腸 | 慢性下痢、腹痛、異食症、貧血 | セロファン重層塗沫法、 ホルマリンエーテル法 |
mebendazole | ||||
Spirurin nematode larva | 旋尾線虫 | 旋尾線虫幼虫 | ホタルイカの生食 | なし | 皮膚爬行疹、イレウス様症状 | 予防:-30℃24時間。 生食には-30℃4日間以上 |
摘出 | |
吸虫類 | Shistosoma japonicum | 日本住血吸虫 | 日本住血吸虫症 | 糞便虫の虫卵→ミラシジウム→ ミヤイリガイ体内でセルカリア→ 人畜の皮膚より浸入→循環系→ 門脈に寄生 |
門脈 | (1)潜伏期:侵入部の掻痒性皮膚炎。肺移行期:咳、発熱 (2)急性期:虫卵の門脈系寄生、産卵。住血吸虫性赤痢。 (3)慢性期:虫卵の肝、脳などの塞栓。肝硬変。脾腫、腹水 |
糞便虫の虫卵の検出。 直腸粘膜層掻爬法、 肝穿刺による組織内虫卵の検出。 補助診断として免疫血清学的検査。 |
praziquantel |
Paragonimus westermani | ウェステルマン肺吸虫 | 肺吸虫症/肺ジストマ症 | 経口感染 淡水産のカニ、イノシシ肉の生食 |
肺 | 痰、咳、胸痛、時に喀血 | 痰や便の虫卵検査、 胸部写真、 断層写真で明らかな虫嚢。 免疫学血清検査 |
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Paragonimus miyazakii | 宮崎肺吸虫 | 肺 | 気胸、胸水貯留、膿胸、好酸球増加 | praziquantel | ||||
Clonorchis sinensis | 肝吸虫 | 肝吸虫症/肝ジストマ症 | 経口感染 虫卵→(マメタニシ:セルカリア)→ セルカリア→(魚:メタセルカリア)→ 摂取→(ヒト:成虫)→虫卵 |
胆管 | 胆汁流出障害による肝障害→肝硬変 | 糞便、胆汁(十二指腸ゾンデ法)。 肝吸虫卵の検出。CT像。エコー検査。 |
praziquantel | |
横川吸虫症 | 淡水魚(アユ、フナ、ウグイ、シラウオ)の生食 | 小腸粘膜 | 下痢、腹痛 | 糞便虫の虫卵 | praziquantel | |||
条虫類 | Taeniarhynchus saginatus | 無鉤条虫 | 腸管条虫症 | 経口感染。中間宿主:ウシ | 小腸 | 無症状。下痢。 広節裂頭条虫感染では悪性貧血。 |
糞便虫の虫卵と体節により診断 | praziquantel。 有鉤条虫の場合はガストログラフィン。 有鉤条虫の駆虫の際、 虫体を破壊しない →虫体の融解による嚢虫症 |
Taenia solium | 有鉤条虫 | 経口感染。中間宿主:ブタ | ||||||
Diphyllobothrium latum | 広節裂頭条虫 | 経口感染。中間宿主:サケ、マス | ||||||
日本海裂頭条虫 | 経口感染。中間宿主:サケ | |||||||
腸管外条虫症 | ||||||||
有鉤嚢虫症 | 有鉤条虫の虫卵の経口摂取 | 皮下、筋肉内 脳、脊髄、眼球 |
皮下、筋肉内:小指頭大の無症状腫瘤 脳、脊髄、眼球:Jacksonてんかん。痙性麻痺など |
皮下の虫嚢 | 外科的摘出。 成虫寄生がなければ、praziquantel, albendazole + ステロイド | |||
Echinococcus granulosus | 単包虫 | 包虫症/ エキノコックス症 (単包虫症) |
終宿主:イヌ、キツネなど。 中間宿主:ヒト、ブタ、野ネズミなど。 終宿主の糞便虫の虫卵を中間宿主が接種して発症 |
肝、肺、まれに脳、腎、筋肉 | 肝寄生:肝部疼痛、満腹、時に黄疸、下肢浮腫 肺寄生:胸部圧迫感、胸痛、咳、血痰、時に喀血 |
肝や肺の嚢胞形成から疑う。 早期に診断に皮内反応→ CT、エコー→ 生検。免疫血清学的診断法 |
外科的切除。 albendazoleの長期投与 | |
Echinococcus multilocularis | 多包虫 | 包虫症/ エキノコックス症 (多包虫症) |
IRE.376改変
解答形式 正答b,c a 強皮症 b 伝染性単核球症 c トキソプラズマ症 d クリプトコッカス症 e 糖尿病
リンパ性フィラリア : 84 件 リンパ系フィラリア : 約 14,400 件 リンパ管フィラリア : 約 5,870 件 リンパ性糸状虫症 : 44 件 リンパ系糸状虫症 : 42 件 リンパ管糸状虫症 : 約 384 件 リンパ性フィラリア filariasis : 27 件 リンパ系フィラリア filariasis : 約 675 件 リンパ管フィラリア filariasis : 約 898 件 リンパ性糸状虫症 filariasis : 28 件 リンパ系糸状虫症 filariasis : 13 件 リンパ管糸状虫症 filariasis : 1 件 リンパ性フィラリア症 : 70 件 リンパ系フィラリア症 : 約 13,800 件 リンパ管フィラリア症 : 約 5,180 件 リンパ性フィラリア症 filariasis : 19 件 リンパ系フィラリア症 filariasis : 約 641 件 リンパ管フィラリア症 filariasis : 約 799 件
<youtube>http://www.youtube.com/watch?v=ne9eboNNnSQ</youtube>
<youtube>http://www.youtube.com/watch?v=BjYgj4soIh8</youtube>
ヒト肺犬糸状虫症 : 約 31 件 人肺犬糸状虫症 : 6 件
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