- 英
- immunoglobulin high dose therapy
- 関
- IVIG。免疫グロブリン療法、免疫グロブリン静注療法
- 重症筋無力症における免疫グロブリン大量療法は保険適応外で、治験中らしい。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/08/19 13:37:48」(JST)
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免疫グロブリン大量療法(めんえきグロブリンたいりょうりょうほう)あるいは免疫グロブリン大量点滴静注療法(英: Intravenous immunoglobulin、略称: IVIG)とは、Fc活性をもつIgGを静脈投与する治療法である。
投与される製剤には1000人を超える献血者の血漿から抽出された多価IgG(免疫グロブリンG)が含まれている。IVIGの効果は2週間から3カ月続く。以下の3つの主要な分類群に対する治療法として主に用いられている。
- 免疫不全(X連鎖無γグロブリン血症、低γグロブリン血症、低い抗体レベルを伴う獲得免疫障害)
- 自己免疫疾患(例: 特発性血小板減少性紫斑病)および炎症性疾患(例: 川崎病)
- 急性感染症
目次
- 1 作用機序
- 2 適応症
- 3 投与方法
- 4 副作用
- 5 適応禁忌
- 6 参考文献
作用機序
不明な点が多いがいくつかの仮説が存在する。
- Fcγ受容体を介した機序
- 大量投与されたIgGのFc部分によってFcγ受容体が阻害されマクロファージの活性化が阻害される。
- 補体を介する機序
- C3bといった補体成分とIgGが結合することでC5b-C9複合体の生成が減少する。
- 抗イディオタイプ抗体による自己抗体の制御
- 抗イディオタイプ抗体によって自己抗体が中和される。
- 炎症性サイトカインの制御
- IL-1αやIL-6といった炎症性サイトカインに対する中和抗体が含まれている。
- T細胞の制御
- サイトカインバランスに働きかけて自己免疫性疾患を調節する。
適応症
- 感染症
- 自己免疫疾患
- 川崎病
- ギラン・バレー症候群/フィッシャー症候群
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)
- 重症筋無力症
- 皮膚筋炎
- チャーグ・ストラウス症候群(アレルギー性肉芽腫性血管炎)
- 尋常性天疱瘡
投与方法
γグロブリンとして0.4 g/Kgを5日間連続点滴静注を行う方法が一般的である。投与方法としては投与開始の始め1時間は0.01 mL/Kg/min、徐々に速度を上げて0.03 mL/Kg/minとし重大な副作用がなければ翌日からは最高速度で投与する。
|
ml/Kg/min |
単位 |
体重10Kg |
体重50Kg |
体重70Kg |
開始から1時間 |
0.01 |
ml/hr |
6 |
30 |
42 |
その後の最高速度 |
0.03 |
ml/hr |
18 |
90 |
126 |
副作用
頻度の多い副作用としては肝機能障害、悪寒、発熱など認められ、稀であるが重大な副作用として過粘稠症候群、ショック、急速投与による肺水腫などが知られている。
発症時期 |
副作用名 |
対処法 |
投与後30分以内 |
頭痛、悪寒、筋肉痛、胸部苦悶感、全身倦怠感、悪心、発熱 |
点滴速度を遅くすることで対応。1~2日で消失する。 |
治療中または治療後 |
無菌性髄膜炎、皮疹(汗疱)、尿細管壊死、血栓塞栓症、低ナトリウム血症、顆粒球減少症 |
数日から1ヶ月ほど持続しその後消失 |
適応禁忌
ヒト免疫グロブリン過敏症、IgA欠損症、重篤な肝不全、重篤な腎不全、血漿浸透圧が上昇する疾患、最近の深部静脈血栓症の既往などで禁忌となる。IgA欠損症患者では免疫グロブリン製剤に含まれるIgAに対してアナフィラキシー反応を起こすことがある。ただしこの合併症は極めてまれである。
参考文献
- ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群診療ガイドライン〈2013〉 ISBN 9784524266494
- 献血べニロンに関する資料
- 免疫グロブリン製剤の適応
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Japanese Journal
- 3.Churg-Strauss Syndrome(アレルギー性肉芽腫性血管炎)の最近の治療 : 免疫グロブリン大量療法を含めて(VIII.アレルギー・免疫疾患の新規治療薬と治療法,専門医のためのアレルギー学講座)
- Churg-Strauss Syndrome (アレルギー性肉芽腫性血管炎)の最近の治療 : 免疫グロブリン大量療法を含めて
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- immunoglobulin therapy
- 同
- γ globulin administration
- 関
- 血清療法、受動免疫。γグロブリン療法。免疫グロブリン静注療法、免疫グロブリン大量療法
[★]
[★]
- 英
- immunoglobulin replacement therapy
- 関
- 免疫グロブリン静注、免疫グロブリン静注療法 intravenous immunoglobulin IVIG、免疫グロブリン大量療法
[★]
- 英
- immunoglobulin, Ig
- 同
- 抗体
- 商
- HBグロブリン、ヴェノグロブリン、ガンマーグロブリン、ガンマガード、ガンマグロブリン、グロブリン、グロベニン-I、サイモグロブリン、サングロポール、ゼットブリン、テタノセーラ、テタノブリン、テタノブリンIH、はぶ抗毒素、ヒスタグロビン、ベニロン-I、ヘパトセーラ、ヘブスブリン、ヘブスブリンIH、ポリグロビン、まむし抗毒素、抗Dグロブリン、抗D人免疫グロブリン、抗HBs人免疫グロブリン、破傷風グロブリン
- 関
- 免疫、T細胞受容体、リンパ球抗原受容体
- IgM、IgD、IgG、IgA、IgE
構造
- H鎖とL鎖からなり、Igドメインをそれぞれ4つ(IgMとIgEは5つ)、2つもつ。
胎児の免疫グロブリン
- 胎児は母胎より免疫グロブリンをもらうが、生後六ヶ月で消失する (標準予防策実践マニュアル 南江堂 第2刷 p.12)
- 自分で抗体を作る能力は3-6歳で完成する (標準予防策実践マニュアル 南江堂 第2刷 p.12)
免疫グロブリンの特性 (IMM.161)
抗体
|
IgG1
|
IgG2
|
IgG3
|
IgG4
|
IgM
|
IgA1
|
IgA2
|
IgD
|
IgE
|
重鎖
|
γ1
|
γ2
|
γ3
|
γ4
|
μ
|
α1
|
α2
|
δ
|
ε
|
分子量
|
146
|
146
|
165
|
146
|
970
|
160
|
160
|
184
|
188
|
補体活性化(古典的経路)
|
++
|
+
|
+++
|
-
|
++++
|
-
|
-
|
-
|
-
|
補体活性化(代替経路)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
+
|
-
|
-
|
-
|
胎盤通過
|
+++
|
+
|
++
|
±
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
食細胞FcRへの結合
|
+
|
-
|
+
|
±
|
-
|
+
|
+
|
-
|
+
|
肥満細胞・好塩基球への結合
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
+++
|
staphylococcal Protein Aとの反応性
|
+
|
+
|
±
|
+
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
免疫グロブリンの遺伝子再構成 (IMM.144)
多様性の獲得機構
- 多数のV遺伝子
- VJとJDV遺伝子の組み換え
- 組み換え時の不正確性(塩基欠損、付加、N塩基)(CDR3)
- 体細胞突然変異(CDR1,CDR2)
- H鎖とL鎖の組み合わせ
シグナル伝達
基準値
- 小児基準値研究班(編):日本人小児の臨床検査基準値。日本公衆衛生協会、1997
- SPE.704
|
IgG
|
IgA
|
IgM
|
♂
|
♀
|
♂
|
♀
|
♂
|
♀
|
1ヶ月
|
400 ~ 1030
|
ー ~ 24
|
21 ~ 96
|
6ヶ月
|
290 ~ 950
|
8 ~ 50
|
46 ~ 176
|
1歳
|
460 ~ 1220
|
470 ~ 1210
|
16 ~ 128
|
14 ~ 98
|
57 ~ 260
|
81 ~ 314
|
3歳
|
530 ~ 1340
|
540 ~ 1340
|
25 ~ 174
|
22 ~ 150
|
63 ~ 279
|
86 ~ 332
|
6歳
|
630 ~ 1490
|
650 ~ 1530
|
45 ~ 258
|
38 ~ 238
|
72 ~ 305
|
92 ~ 353
|
12歳
|
750 ~ 1660
|
790 ~ 1740
|
71 ~ 352
|
63 ~ 373
|
72 ~ 306
|
100 ~ 380
|
成人
|
680 ~ 1620
|
84 ~ 438
|
380 ~ 1620
|
臨床関連
免疫グロブリンの量的変化による疾患
[★]
- 英
- immunity, immune
- 関
- 免疫系
免疫の種類 (PT.246-251)
T細胞の種類
ヘルパーT細胞の種類
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- globulin (Z)
- 商
- ヴェノグロブリン、ガンマーグロブリン、ガンマガード、ガンマグロブリン、グロブリン、グロベニン、サイモグロブリン、サングロポール、ゼットブリン、テタノセーラ、テタノブリン、テタノブリンIH、ヒスタグロビン、ベニロン、ヘパトセーラ、ヘブスブリン、ヘブスブリンIH、ポリグロビン、乾燥HBグロブリン、乾燥はぶ抗毒素、乾燥まむし抗毒素、抗Dグロブリン、抗D人免疫グロブリン、抗HBs人免疫グロブリン、破傷風グロブリン
- 関
- アルブミン、フィブリノーゲン
機能 (PT.234)
- α1-グロブリン
- α2-グロブリン
- ビタミンやホルモンを運搬
- α2-グロブリンの一種であるハプトグロビンは溶血により生じたヘモグロビンを捕捉し、尿細管の閉塞を防ぐ
- βグロブリン
- γグロブリン
[★]
- 英
- abundance、bulk、large scale、large amount、(薬物)large dose、abundant、massive、copious、profuse、abundantly、massively
- 関
- 塊状、強力、原体、広範囲、大規模、富む、バルク、豊富、容積、ラージスケール、大きい、大部分、原末、存在量、存在比、多量、おびただしい、大用量