シスプラチン
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- 薬効 4291 その他の抗悪性腫瘍用剤 一般名 シスプラチン注射液 英名 Platosin 剤形 注射液 薬価 9933.00 規格 50mg100mL1瓶 メーカー ファイザー 毒劇区分 (毒)
- ファイザー株式会社がご提供するエスタブリッシュ医薬品に関する情報ページです。医療関係者の方に 抗悪性腫瘍剤 プラトシン(ブリプラチン/ランダ)がご提供する付加価値をご紹介します。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
プラトシン注10
組成
1バイアル中:
容量(20mL)
有効成分
添加物
禁忌
- 重篤な腎障害のある患者[腎障害を増悪させることがある。また、腎からの排泄が遅れ、重篤な副作用が発現することがある。]
- 本剤又は他の白金を含む薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能または効果
◇シスプラチン通常療法
【効能・効果】
- 睾丸腫瘍、膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍、前立腺癌、卵巣癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、食道癌、子宮頸癌、神経芽細胞腫、胃癌、小細胞肺癌、骨肉腫、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍)、悪性胸膜中皮腫、胆道癌
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
- 悪性骨腫瘍、子宮体癌(術後化学療法、転移・再発時化学療法)、再発・難治性悪性リンパ腫、小児悪性固形腫瘍(横紋筋肉腫、神経芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、髄芽腫等)
[効能・効果に関連する使用上の注意]
- 胆道癌での本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
【用法・用量】
- 睾丸腫瘍、膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍、前立腺癌には、A法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりC法を選択する。
卵巣癌には、B法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりA法、C法を選択する。
頭頸部癌には、D法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりB法を選択する。
非小細胞肺癌には、E法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりF法を選択する。
食道癌には、B法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりA法を選択する。
子宮頸癌には、A法を標準的用法・用量とし、患者の状態によりE法を選択する。
神経芽細胞腫、胃癌、小細胞肺癌には、E法を選択する。
骨肉腫には、G法を選択する。
胚細胞腫瘍には、確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法として、F法を選択する。
悪性胸膜中皮腫には、ペメトレキセドとの併用療法として、H法を選択する。
胆道癌には、ゲムシタビン塩酸塩との併用療法として、I法を選択する。
A法
- シスプラチンとして15〜20mg/m2(体表面積)を1日1回、5日間連続投与し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
B法
- シスプラチンとして50〜70mg/m2(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
C法
- シスプラチンとして25〜35mg/m2(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも1週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
D法
- シスプラチンとして10〜20mg/m2(体表面積)を1日1回、5日間連続投与し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
E法
- シスプラチンとして70〜90mg/m2(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
F法
- シスプラチンとして20mg/m2(体表面積)を1日1回、5日間連続投与し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
G法
- シスプラチンとして100mg/m2(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
- なお、A〜G法の投与量は疾患、症状により適宜増減する。
H法
- シスプラチンとして75mg/m2(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも20日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
- なお、H法の投与量は症状により適宜減量する。
I法
- シスプラチンとして25mg/m2(体表面積)を60分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1クールとして投与を繰り返す。
- なお、I法の投与量は患者の状態により適宜減量する。
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
悪性骨腫瘍の場合
- ドキソルビシン塩酸塩との併用において、シスプラチンの投与量及び投与方法は、シスプラチンとして100mg/m2(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。本剤単剤では、G法を選択する。
なお、投与量は症状により適宜減量する。
子宮体癌の場合
- ドキソルビシン塩酸塩との併用において、シスプラチンの投与量及び投与方法は、シスプラチンとして50mg/m2(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量は症状により適宜減量する。
再発・難治性悪性リンパ腫の場合
- 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、シスプラチンの投与量及び投与方法は、1日量100mg/m2(体表面積)を1日間持続静注し、少なくとも20日間休薬し、これを1クールとして投与を繰り返す。または1日量25mg/m2(体表面積)を4日間連続持続静注し、少なくとも17日間休薬し、これを1クールとして投与を繰り返す。
なお、投与量及び投与日数は症状、併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。
小児悪性固形腫瘍(横紋筋肉腫、神経芽腫、肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍、髄芽腫等)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
- 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、シスプラチンの投与量及び投与方法は、シスプラチンとして60〜100mg/m2(体表面積)を1日1回投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
もしくは、他の抗悪性腫瘍剤との併用において、シスプラチンの投与量及び投与方法は、シスプラチンとして20mg/m2(体表面積)を1日1回、5日間連続投与し、少なくとも2週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、投与量及び投与日数は疾患、症状、併用する他の抗悪性腫瘍剤により適宜減ずる。
- 本剤の投与時には腎毒性を軽減するために下記の処置を行うこと。
成人の場合
- 本剤投与前、1,000〜2,000mLの適当な輸液を4時間以上かけて投与する。
- 本剤投与時、投与量に応じて500〜1,000mLの生理食塩液又はブドウ糖−食塩液に混和し、2時間以上かけて点滴静注する。
なお、点滴時間が長時間に及ぶ場合には遮光して投与すること。
- 本剤投与終了後、1,000〜2,000mLの適当な輸液を4時間以上かけて投与する。
- 本剤投与中は、尿量確保に注意し、必要に応じてマンニトール及びフロセミド等の利尿剤を投与すること。
小児の場合
- 本剤投与前、300〜900mL/m2(体表面積)の適当な輸液を2時間以上かけて投与する。
- 本剤投与時、投与量に応じて300〜900mL/m2(体表面積)の生理食塩液又はブドウ糖−食塩液に混和し、2時間以上かけて点滴静注する。
なお、点滴時間が長時間に及ぶ場合には遮光して投与すること。
- 本剤投与終了後、600mL/m2(体表面積)以上の適当な輸液を3時間以上かけて投与する。
- 本剤投与中は、尿量確保に注意し、必要に応じてマンニトール及びフロセミド等の利尿剤を投与すること。
◇M-VAC療法
【効能・効果】
【用法・用量】
- メトトレキサート、ビンブラスチン硫酸塩及びドキソルビシン塩酸塩との併用において、通常、シスプラチンとして成人1回70mg/m2(体表面積)を静注する。
標準的な投与量及び投与方法は、メトトレキサート30mg/m2を1日目に投与した後に、2日目にビンブラスチン硫酸塩3mg/m2、ドキソルビシン塩酸塩30mg(力価)/m2及びシスプラチン70mg/m2を静注する。15日目及び22日目にメトトレキサート30mg/m2及びビンブラスチン硫酸塩3mg/m2を静注する。これを1コースとし、4週毎に繰り返す。
- シスプラチンの投与時には腎毒性を軽減するために、シスプラチン通常療法の【用法・用量】の3.に準じた処置を行うこと。
- 胚細胞腫瘍に対する確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法(BEP療法(ブレオマイシン塩酸塩、エトポシド、シスプラチン併用療法))においては、併用薬剤の添付文書を熟読すること。
- 再発又は難治性の胚細胞腫瘍に対する確立された標準的な他の抗悪性腫瘍剤との併用療法(VeIP療法(ビンブラスチン硫酸塩、イホスファミド、シスプラチン併用療法))においては、併用薬剤の添付文書を熟読すること。
- 再発・難治性悪性リンパ腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、関連文献(「抗がん剤報告書:シスプラチン(悪性リンパ腫)」等)及び併用薬剤の添付文書を熟読すること。
- 小児悪性固形腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、関連文献(「抗がん剤報告書:シスプラチン(小児悪性固形腫瘍)」等)及び併用薬剤の添付文書を熟読すること。
- 悪性胸膜中皮腫に対するペメトレキセドとの併用療法においては、ペメトレキセドの添付文書を熟読すること。
慎重投与
- 腎障害のある患者[腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。]
- 肝障害のある患者[代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。]
- 骨髄抑制のある患者[骨髄抑制を増悪させるおそれがある。]
- 聴器障害のある患者[聴器障害を増悪させるおそれがある。]
- 感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症を増悪させるおそれがある。]
- 水痘患者[致命的全身症状があらわれるおそれがある。]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 小児[「小児等への投与」の項参照]
- 長期間使用している患者[腎障害、骨髄抑制等が強くあらわれ、遷延性に推移することがある。]
重大な副作用
急性腎不全(頻度不明)
- 急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、頻回に臨床検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。BUN、血清クレアチニン、クレアチニン・クリアランス値等に異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。その他、血尿、尿蛋白、乏尿、無尿があらわれることがある。
汎血球減少等の骨髄抑制(頻度不明)
- 汎血球減少、貧血、白血球減少、好中球減少、血小板減少等があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。
ショック(頻度不明)、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、チアノーゼ、呼吸困難、胸内苦悶、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
聴力低下(頻度不明)、難聴(頻度不明)、耳鳴(頻度不明)
- 高音域の聴力低下、難聴、耳鳴等があらわれることがある。また、投与量の増加に伴い聴器障害の発現頻度が高くなり、特に1日投与量では80mg/m2以上で、総投与量では300mg/m2を超えるとその傾向は顕著となるので十分な観察を行い投与すること。
うっ血乳頭(頻度不明)、球後視神経炎(頻度不明)、皮質盲(頻度不明)
- うっ血乳頭、球後視神経炎、皮質盲等の視覚障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止すること。
脳梗塞(頻度不明)、一過性脳虚血発作(頻度不明)
- 脳梗塞、一過性脳虚血発作があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
溶血性尿毒症症候群(頻度不明)
- 血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血小板、赤血球等)及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
心筋梗塞(頻度不明)、狭心症(頻度不明)、うっ血性心不全(頻度不明)、不整脈(頻度不明)
- 心筋梗塞、狭心症(異型狭心症を含む)、うっ血性心不全、不整脈(心室細動、心停止、心房細動、徐脈等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸痛、失神、息切れ、動悸、心電図異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
溶血性貧血(頻度不明)
- クームス陽性の溶血性貧血があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止すること。
間質性肺炎(頻度不明)
- 発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(頻度不明)
- 低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等の適切な処置を行うこと。
劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
- 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。
消化管出血(頻度不明)、消化性潰瘍(頻度不明)、消化管穿孔(頻度不明)
- 消化管出血、消化性潰瘍、消化管穿孔があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。
急性膵炎(頻度不明)
- 急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血清アミラーゼ値、血清リパーゼ値等に異常が認められた場合には投与を中止すること。
高血糖(頻度不明)、糖尿病の悪化(頻度不明)
- 高血糖、糖尿病の悪化があらわれることがあり、昏睡、ケトアシドーシスを伴う重篤な症例も報告されているので、血糖値や尿糖に注意するなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
- 横紋筋融解症があらわれることがあるので、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)(頻度不明)
- 白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)があらわれることがあるので、歩行時のふらつき、舌のもつれ、痙攣、頭痛、錯乱、視覚障害等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序5)
- シスプラチンは、癌細胞内のDNAと結合することにより、DNA合成とそれに引き続く癌細胞の分裂を阻害するものと考えられている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- (SP-4-2)-Diamminedichloroplatinum
分子式
分子量
性状
- 本品は黄色の結晶性の粉末である。
本品はN,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けにくく、水に溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- cisplatin
- 同
- シスプラチナム cis-platinum, シスジアミンジクロロプラチナム cis-diamine-dichloroplatinum CDDP
- 商
- Platinol。ブリプラチン、プラトシン、ランダ、アイエーコール
- 関
- アルキル化剤
- first aid step1 2006 p.208,307,309
特徴
- 抗悪性腫瘍薬
- 白金錯化合物 platinum coordination complexes
- 細胞周期非依存的に作用 (GOO.1320)
- DNAと共有結合してDNA合成、細胞分裂を阻害
- 静脈内投与のみ
- 腎排泄
- the aquated species of the drug then reacts with nucleophilic sites on DNA and proteins
適応
- 精巣癌、卵巣癌、頭頚部癌、膀胱癌、食道癌、肺癌、直腸癌
- testicular, bladder, ovary, and lung carcinomas(first aid step1 2006 p.309)
副作用
- 重篤な腎障害、骨髄抑制、聴力障害、消化器毒性
- 視覚障害、脳梗塞、うっ血性心不全、悪心嘔吐
- nephrotoxicity and acoustic nerve damage(first aid step1 2006 p.309)
禁忌
-CDDP