エリブリン
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- 新規乳がん治療薬エリブリン(ハラヴェン^【○!R】静注1mg)の抗腫瘍メカニズムと臨床効果
- 小山 則行,徳永 武志,小笠原 若菜 [他],村上 美幸,山下 雄次
- 日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica 138(5), 209-217, 2011-11-01
- エリブリンはクロイソカイメンから発見された抗がん物質ハリコンドリンBの誘導体である.微小管阻害薬であるが従来の類薬とは異なり,微小管の重合部位に選択的に高親和性に結合し微小管を阻害する.細胞周期のG2/M期でがん細胞の増殖を停止させアポトーシスを誘導する.エリブリンのin vitroの検討では,様々ながん細胞の増殖を阻害し,in vivoにおける検討では,乳がん,大腸がん,黒色腫,卵巣がんのモデル …
- NAID 10029896412
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ハラヴェン静注1mg
組成
- 本剤は、下記の成分を含有する無色澄明な注射剤である。
有効成分:エリブリンメシル酸塩
添加物:無水エタノール
添加物:塩酸
添加物:水酸化ナトリウム
禁忌
- 高度な骨髄抑制のある患者
〔骨髄抑制を悪化させる可能性がある。〕
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
〔「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照〕
効能または効果
- 本剤の術前・術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 本剤の投与を行う場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤及びタキサン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法を施行後の増悪若しくは再発例を対象とすること。
- 通常、成人には、エリブリンメシル酸塩として、1日1回1.4mg/m2(体表面積)を2〜5分間かけて、週1回、静脈内投与する。これを2週連続で行い、3週目は休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
- 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
- 本剤の投与にあたっては、以下の基準を参考に必要に応じて、投与を延期、減量又は休薬すること。
各サイクル1週目
投与開始基準
- 下記の基準を満たさない場合、投与を延期する。
・好中球数:1,000/mm3以上
・血小板数:75,000/mm3以上
・非血液毒性:Grade2注1)以下
減量基準
- 前サイクルにおいて以下の副作用等が発現した場合、減量した上で投与する注2)。
・7日間を超えて継続する好中球数減少(500/mm3未満)
・発熱又は感染を伴う好中球数減少(1,000/mm3未満)
・血小板数減少(25,000/mm3未満)
・輸血を要する血小板数減少(50,000/mm3未満)
・Grade3注1)以上の非血液毒性
・副作用等により、2週目に休薬した場合
各サイクル2週目
投与開始基準
- 下記の基準を満たさない場合、投与を延期する。
・好中球数:1,000/mm3以上
・血小板数:75,000/mm3以上
・非血液毒性:Grade2注1)以下
投与再開基準
- 投与延期後1週間以内に上記の投与開始基準を満たした場合、減量して投与する注2)。
休薬基準
- 投与延期後1週間以内に上記の投与開始基準を満たさない場合は、休薬する。
- 注1)Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)v3.0に基づく。
- 注2)減量を行う際、次の用量を参考にすること。
- 減量前の投与量:1.4mg/m2 → 減量後の投与量:1.1mg/m2
- 減量前の投与量:1.1mg/m2 → 減量後の投与量:0.7mg/m2
- 減量前の投与量:0.7mg/m2 → 減量後の投与量:投与中止を考慮
- 肝機能障害を有する患者に投与する場合は、減量を考慮すること。〔「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照〕
- 本剤投与時、希釈する場合は日本薬局方生理食塩液を使用すること。
慎重投与
- 骨髄抑制のある患者
〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 肝機能障害のある患者
〔肝機能障害患者では、本剤のAUCが増加し、好中球減少の発現頻度が高くなる傾向がある。「薬物動態」の項参照〕
- 高齢者
〔「高齢者への投与」の項参照〕
重大な副作用
骨髄抑制注1)
- 好中球減少(98.8%)、白血球減少(98.8%)、リンパ球減少(54.3%)、ヘモグロビン減少(32.1%)、発熱性好中球減少(13.6%)、血小板減少(11.1%)、貧血(7.4%)、赤血球減少(6.2%)、汎血球減少(頻度不明注2))等の骨髄抑制があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量や休薬等の適切な処置を行うこと。
感染症
- 敗血症(頻度不明注2))、肺炎(頻度不明注2))等の感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量や休薬等の適切な処置を行うこと。
末梢神経障害(末梢性ニューロパチー)注1)
- 末梢神経障害(24.7%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、しびれ等の症状が認められた場合には、減量や休薬等の適切な処置を行うこと。
肝機能障害注1)
- 肝機能障害(6.2%)があらわれることがあるので、肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量や休薬等の適切な処置を行うこと。
間質性肺炎注1)
- 間質性肺炎(1.2%)があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- エリブリンメシル酸塩は、チューブリンの重合を阻害して微小管の伸長を抑制することで正常な紡錘体形成を妨げる。その結果、G2/M期で細胞分裂を停止させてアポトーシスによる細胞死を誘導し、腫瘍増殖抑制作用を示す。11) 12) 13) 14)
抗腫瘍効果
in vitro試験
- エリブリンメシル酸塩は、ヒト乳癌由来細胞株(MDA‐MB‐231、MDA‐MB‐435、MDA‐MB‐468及びHCC1806)に対して、細胞増殖抑制作用を示した。11) 15)
- β‐チューブリン変異を有するパクリタキセル耐性ヒト卵巣癌由来細胞株(1A9PTX10及び1A9PTX22)に対して、エリブリンメシル酸塩の細胞増殖抑制作用は減弱しなかった。15)
in vivo試験
- エリブリンメシル酸塩は、ヒト乳癌由来細胞株(MDA‐MB‐435、MX‐1及びUISO‐BCA‐1)皮下移植マウスに対して、腫瘍増殖抑制作用を示し、実験終了時点まで腫瘍の完全退縮が維持されていたマウスも観察された。11) 16) 17)
有効成分に関する理化学的知見
一 般 名
- エリブリンメシル酸塩(Eribulin Mesilate)
化 学 名
- (2R, 3R, 3aS, 7R, 8aS, 9S, 10aR, 11S, 12R, 13aR, 13bS, 15S, 18S, 21S, 24S, 26R, 28R, 29aS)‐2‐[(2S)‐3‐Amino‐2‐hydroxypropyl]‐3‐methoxy‐26‐methyl‐20, 27‐dimethylidenehexacosahydro‐11, 15:18, 21:24, 28‐triepoxy‐7, 9‐ethano‐12, 15‐methano‐9H, 15H‐furo[3, 2‐i]furo[2´, 3´:5, 6]pyrano[4, 3‐b][1, 4]dioxacyclopentacosin‐5(4H)‐one monomethanesulfonate
分 子 式
分 子 量
構 造 式
物理化学的性状
- エリブリンメシル酸塩は白色の粉末である。
本品は水、メタノール、エタノール(99.5)、ベンジルアルコール及びジメチルスルホキシドに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくい。
融 点
分配係数
- 2.25(1‐オクタノール/緩衝液、イオン強度0.3)
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- eribulin
- 商
- ハラヴェン Halaven
- 化
- エリブリンメシル酸塩 eribulin mesilate
- 関
- その他の腫瘍用薬