クリゾチニブ
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Japanese Journal
- 新薬くろ~ずあっぷ(142)ザーコリカプセル200mg,250mg(クリゾチニブ)
- Pharmacology profile of crizotinib (Xalkori®Capsules) and clinical findings on this drug
- 新薬収載 5月29日 ザーコリ等8成分10品目を収載
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ザーコリカプセル200mg
組成
1カプセル中:
有効成分
添加物
- 軽質無水ケイ酸
結晶セルロース
無水リン酸水素カルシウム
デンプングリコール酸ナトリウム
ステアリン酸マグネシウム
(カプセル本体)
ゼラチン
酸化チタン
三二酸化鉄
禁忌
効能または効果
- ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、ALK注)融合遺伝子陽性が確認された患者に投与すること。
- 本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
- 注:Anaplastic Lymphoma Kinase(未分化リンパ腫キナーゼ)
- 通常、成人にはクリゾチニブとして1回250mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
- 副作用により、本剤を休薬、減量、中止する場合には、副作用の症状、重症度等に応じて、以下の基準を考慮すること。[「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]
グレード注1):1
副作用
- 血液系注2):同一投与量を継続
グレード1以下の血中ビリルビン増加を伴うALT又はAST上昇:同一投与量を継続
グレード2-4の血中ビリルビン増加を伴うALT又はAST上昇注5):同一投与量を継続
間質性肺疾患:投与を中止する。
QT間隔延長:同一投与量を継続
グレード注1):2
副作用
- 血液系注2):同一投与量を継続
グレード1以下の血中ビリルビン増加を伴うALT又はAST上昇:同一投与量を継続
グレード2-4の血中ビリルビン増加を伴うALT又はAST上昇注5):投与を中止する。
間質性肺疾患:投与を中止する。
QT間隔延長:同一投与量を継続
グレード注1):3
副作用
- 血液系注2):グレード2以下に回復するまで休薬する。回復後は休薬前と同一投与量で投与を再開する。
グレード1以下の血中ビリルビン増加を伴うALT又はAST上昇:グレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は200mg1日2回から投与を再開する注4)。
グレード2-4の血中ビリルビン増加を伴うALT又はAST上昇注5):投与を中止する。
間質性肺疾患:投与を中止する。
QT間隔延長:グレード1以下に回復するまで休薬する。回復後は200mg1日2回から投与を再開する注4)。
グレード注1):4
副作用
- 血液系注2):グレード2以下に回復するまで休薬する。回復後は200mg1日2回から投与を再開する注3)。
グレード1以下の血中ビリルビン増加を伴うALT又はAST上昇:グレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後は200mg1日2回から投与を再開する注4)。
グレード2-4の血中ビリルビン増加を伴うALT又はAST上昇注5):投与を中止する。
間質性肺疾患:投与を中止する。
QT間隔延長:投与を中止する。
- 注1:グレードはNCI-CTCAEによる。
- 注2:日和見感染症等の臨床的事象を伴わないリンパ球減少症を除く。
- 注3:再発の場合は、グレード2以下に回復するまで休薬すること。回復後はさらに減量して投与を再開する。その後グレード4の再発が認められる場合は投与を中止する。
- 注4:再発の場合は、グレード1以下に回復するまで休薬すること。回復後はさらに減量して投与を再開する。その後グレード3又は4の再発が認められる場合は投与を中止する。
- 注5:胆汁うっ滞又は溶血がある場合を除く。
慎重投与
- 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者[間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)]
- 肝機能障害のある患者[安全性は確立していない。]
- QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者[QT間隔延長が起こるおそれがある。(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)]
- 重度の腎機能障害のある患者[安全性は確立していない。]
重大な副作用
間質性肺疾患(1.6%)
- 間質性肺疾患があらわれることがあり、死亡に至った症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」の項参照]
肝不全、肝機能障害
- ALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害(17.3%)があらわれることがあり、肝不全(頻度不明注))により死亡に至った症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」の項参照]
QT間隔延長(1.6%)
- QT間隔延長があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」の項参照]
血液障害
- 好中球減少症(7.1%)、白血球減少症(5.1%)、リンパ球減少症(2.4%)、血小板減少症(1.2%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、休薬又は減量するなど適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」の項参照]
薬効薬理
抗腫瘍効果18,19)
- クリゾチニブは、ALK遺伝子座の転座/逆位により、ALK融合蛋白質を発現するヒト非小細胞肺癌由来細胞株(NCI-H3122細胞株及びNCI-H2228細胞株)の増殖を抑制した。また、NCI-H3122細胞株を免疫不全マウスに移植した異種移植モデルにおいて、腫瘍の増殖を抑制した。
作用機序18,19)
- クリゾチニブはALK、肝細胞増殖因子受容体(c-Met/HGFR)、及びRecepteur d’Origine Nantais(RON)に対するチロシンキナーゼ阻害剤である。クリゾチニブは、ALKの発がん性変異体であるALK融合蛋白質のチロシンキナーゼ活性を阻害することにより、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 3-[(1R)-1-(2,6-Dichloro-3-fluorophenyl)ethoxy]-5-[1-(piperidin-4-yl)-1H-pyrazol-4-yl]pyridin-2-amine
分子式
分子量
性状
- 本品は白色〜微黄色の粉末である。N,N-ジメチルアセトアミドにやや溶けやすく、メタノール及びエタノール(95)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。本品は0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
分配係数(log D)
★リンクテーブル★
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商品
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