ボルテゾミブ
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ボルテゾミブ
|
|
IUPAC命名法による物質名 |
[(1R)-3-methyl-1-({(2S)-3-phenyl-2-[(pyrazin-2-ylcarbonyl)amino]propanoyl}amino)butyl]boronic acid |
臨床データ |
商品名 |
Velcade |
AHFS/Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a607007 |
ライセンス |
EMA:リンク、US FDA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
静脈注射 |
薬物動態的データ |
生物学的利用能 |
n/a |
血漿タンパク結合 |
83% |
代謝 |
肝臓, CYP extensively involved |
半減期 |
9 to 15 hours |
排泄 |
? |
識別 |
CAS番号 |
179324-69-7 |
ATCコード |
L01XX32 |
PubChem |
CID 387447 |
DrugBank |
DB00188 |
ChemSpider |
343402 |
UNII |
69G8BD63PP |
ChEMBL |
CHEMBL325041 |
化学的データ |
化学式 |
C19H25BN4O4 |
分子量 |
384.237 g/mol |
SMILES
- O=C(N[C@H](C(=O)N[C@H](B(O)O)CC(C)C)Cc1ccccc1)c2nccnc2
|
InChI
-
InChI=1S/C19H25BN4O4/c1-13(2)10-17(20(27)28)24-18(25)15(11-14-6-4-3-5-7-14)23-19(26)16-12-21-8-9-22-16/h3-9,12-13,15,17,27-28H,10-11H2,1-2H3,(H,23,26)(H,24,25)/t15-,17-/m0/s1
Key:GXJABQQUPOEUTA-RDJZCZTQSA-N
|
ボルテゾミブ (Bortezomib、治験コード:PS-341)は、分子標的治療薬の一つ。 商品名は「ベルケイド®(Velcade®)」で、武田薬品工業の子会社である米国の「ミレニアム製薬社」が開発した。
プロテアソーム阻害薬で、多発性骨髄腫に対して用いられる。また、2014年10月には、マントル細胞リンパ腫への適応が承認申請された[1]。
目次
- 1 開発
- 2 構造
- 3 作用機序
- 4 PK/PD
- 5 治療効果
- 6 副作用
- 7 外部リンク
- 8 参考資料
開発
ボルテゾミブは1995年に初めて合成された。多発性骨髄腫に対して小規模な第I相臨床試験が実施された後、1999年10月に次の段階の治験が開始された。
2003年、SUMMIT第II相臨床試験[2]の結果に基づき、米国で多発性骨髄腫の承認を取得した。
日本では上記の結果を受けて第I/II相臨床試験が実施され[3]、2006年10月に「再発又は難治性の多発性骨髄腫」について承認[4]された後、「未治療の多発性骨髄腫」に対して適応拡大[5]され、更に静脈注射に加えて皮下注射での承認を取得[6]して今に至っている。
構造
N-末端を保護されたジペプチドであり、ピラジン酸-フェニルアラニン-“カルボン酸をホウ酸に置換したロイシン”の順で結合している。
作用機序
酵母プロテアソームに結合したボルテゾミブ(ホウ素=ピンク、炭素=水色、窒素=青色、酸素=赤色)が蛋白質に囲まれている様子。活性中心であるトレオニン残基(青く滲んでいる部分)がボルテゾミブでブロックされている。
ボルテゾミブのホウ素原子が26Sプロテアソームに高親和性かつ特異的に結合する。通常、この酵素はユビキチン化された蛋白質を分解することで各種蛋白質の機能発現を制御し、同時に異常な配列な蛋白質や立体構造が変則な蛋白質を排除している。 前臨床並びに臨床試験の結果、プロテアソームは骨髄腫細胞の不死化に関与しており、固形癌の培養細胞及び異種移植片での実験結果も同様であった。様々な要素が関与していると思われるが、プロテアソームを阻害することでアポトーシス促進性因子の分解を阻止し、腫瘍性細胞のプログラム死を誘導していると思われる。
近年、ボルテゾミブはプロテアソームにより産生される細胞内ペプチドの量を急速かつ劇的に変化させる事が明らかとなった[7]。細胞内ペプチドの一部は生物学的活性を持つ為、ボルテゾミブに拠るペプチド量の変化が主作用及び/又は副作用に関わっている可能性が有る。
PK/PD
ボルテゾミブは静注後速やかに血中から消失する[8]。1時間後には血中から検出されない。PD実験によって、骨髄腫細胞系とマントル細胞系に於いて末梢血中の単核細胞と比較してプロテアソーム阻害活性が著しく亢進している事が明らかとなった。他の癌腫での感受性は明らかとなっていない。
治療効果
前治療の有る再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に対して非盲検の2つの第II相臨床試験(SUMMIT及びCREST)(21日周期のday 1,4,8,11でボルテゾミブ1.3mg/m2静注(デキサメタゾン有/無)を最大8コース投与)が実施された[9]。 また更に、高用量デキサメタゾンへの優位性を示す為、第III相臨床試験(APEX)が実施された。その結果、腫瘍増殖抑制期間(Time to progression)は6.2ヶ月(ボ群)対3.5ヶ月(デ群)、1年生存率は80%(ボ群)対66%(デ群)であった[9]。
日本における第I/II相臨床試験の結果は、「再発又は難治性の多発性骨髄腫」については奏効率30.3%(10/33)、「未治療の多発性骨髄腫」については奏効率72.4%(71/98)であった[3]。
副作用
重大な副作用として添付文書に記載されているものは、肺障害、心障害、末梢神経障害、骨髄抑制、イレウス、肝機能障害、低血圧、腫瘍崩壊症候群、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、発熱、可逆性後白質脳症症候群、進行性多巣性白質脳症 である。
この内、肺障害(間質性肺炎を含む)については、適正使用ガイド[3]でも繰り返し注意喚起されている。
外部リンク
プロテアソーム - 脳科学辞典
参考資料
- ^ “抗悪性腫瘍剤「ベルケイド®注射用3mg」マントル細胞リンパ腫の適応追加承認申請のお知らせ” (2014年10月17日). 2014年10月26日閲覧。
- ^ Adams J, Kauffman M (2004). "Development of the Proteasome Inhibitor Velcade (Bortezomib)". Cancer Invest 22 (2): 304–11. doi:10.1081/CNV-120030218. PMID 15199612.
- ^ a b c “ベルケイド®適正使用ガイド pp5”. 2014年10月26日閲覧。
- ^ “多発性骨髄腫治療薬「ベルケイド®注射用3mg」の承認を取得 date=2006-10-20”. 2014年10月26日閲覧。
- ^ “ベルケイド®、適応拡大 未治療の多発性骨髄腫に本剤が適応可能に date=2011-09-16”. 2014年10月26日閲覧。
- ^ “抗悪性腫瘍剤「ベルケイド®注射用3mg」皮下投与(SC)による新投与経路追加承認のお知らせ” (2012年12月21日). 2014年10月26日閲覧。
- ^ Gelman JS, Sironi J, Berezniuk I, Dasgupta S, Castro LM, Gozzo FC, Ferro ES, Fricker LD (2013). "Alterations of the intracellular peptidome in response to the proteasome inhibitor bortezomib". PLoS One 8 (8): e53263. doi:10.1371/journal.pone.0053263. PMC 3538785. PMID 23308178.
- ^ Voorhees PM, Dees EC, O'Neil B, Orlowski RZ (2003). "The proteasome as a target for cancer therapy". Clin Cancer Res 9 (17): 6316–25. PMID 14695130.
- ^ a b Curran M, McKeage K. (2009). "Bortezomib: A Review of its Use in Patients with Multiple Myeloma". Drugs 69 (7): 859–888. doi:10.2165/00003495-200969070-00006. PMID 19441872. doi:10.2165/00003495-200969070-00006
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Japanese Journal
- 骨髄腫 : ベルケイドの静脈投与から皮下投与へ (第5土曜特集 抗がん剤外来治療コンセプトシート2013) -- (抗がん剤の外来治療と注意点 : 各論)
- 日本人におけるボルテゾミブ治療関連肺障害の発現状況
- 向井 陽美,大屋敷 一馬,加藤 貴雄 [他],楠本 昌彦,弦間 昭彦,酒井 文和,杉山 幸比古,畠 清彦,福田 悠,工藤 翔二
- 臨床血液 52(12), 1859-1869, 2011-12-30
- NAID 10030462599
Related Links
- 新薬ベルケイド®(一般名 ボルテゾミブ)について教えてください ベルケイド®はプロテアソームという酵素の働きを抑える作用をもつ新しいタイプの抗がん剤です。 プロテアソームの働きが抑えられることで、がん細胞の増殖を抑えたり ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ベルケイド注射用3mg
組成
成分・含量
添加物
禁忌
- ボルテゾミブ、マンニトール又はホウ素に対して過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
,*未治療の多発性骨髄腫
- 他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を1、4、8、11、22、25、29、32日目に静脈内投与又は皮下投与し、10日間休薬(33〜42日目)する。この6週間を1サイクルとし、4サイクルまで投与を繰り返す。5サイクル以降は、1日1回、1、8、22、29日目に静脈内投与又は皮下投与し、13日間休薬(30〜42日目)する。この6週間を1サイクルとし、9サイクルまで投与を繰り返す。本剤は最低72時間空けて投与すること。
,*再発又は難治性の多発性骨髄腫
- 通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を週2回、2週間(1、4、8、11日目)静脈内投与又は皮下投与した後、10日間休薬(12〜21日目)する。この3週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤は最低72時間空けて投与すること。
8サイクルを超えて継続投与する場合には上記の用法・用量で投与を継続するか、又は維持療法として週1回、4週間(1、8、15、22日目)静脈内投与又は皮下投与した後、13日間休薬(23〜35日目)する。この5週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。
- 本剤を含むがん化学療法は、「臨床成績」の項の内容を熟知した上で、患者の状態や化学療法歴に応じて選択をすること。
- 他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、併用薬剤の添付文書を熟読すること。
- 未治療の多発性骨髄腫に対し、本剤単独投与での有効性及び安全性は確立していない。
- 本剤の投与については、以下に従って、適切に減量、休薬又は投与中止の判断を行うこと。
Grade 3/4*の副作用の場合(末梢性ニューロパシー又は神経障害性疼痛を除く)
- Grade 3以上の非血液毒性(末梢性ニューロパシー・神経障害性疼痛を除く)又はGrade 4の血液毒性に該当する副作用が発現した場合は、回復するまで休薬する。投与を再開する場合には、本剤の投与による有益性と危険性を慎重に検討した上で、下表を目安として減量等を考慮する。副作用が回復しない場合又は最低投与量(0.7mg/m2)でも再発する場合は、本剤の投与中止を考慮する。
Grade 3/4の副作用(末梢性ニューロパシー又は神経障害性疼痛を除く)に対する減量の目安
副作用発現時の投与量:1.3mg/m2
副作用発現時の投与量:1.0mg/m2
副作用発現時の投与量:0.7mg/m2
- 減量の目安:投与中止
- *NCI-CTCAE v4.0
- 末梢性ニューロパシー又は神経障害性疼痛について 本剤に起因すると考えられる末梢性ニューロパシー又は神経障害性疼痛が発現した場合は、以下に示す用法・用量変更の目安に従って減量、休薬又は中止すること。
末梢性ニューロパシー又は神経障害性疼痛に対する用法・用量変更の目安
NCI-CTCAE Grade*(症状)
疼痛又は機能消失を伴わないGrade 1(症状がない;深部腱反射の低下又は知覚異常)
NCI-CTCAE Grade*(症状)
疼痛を伴うGrade 1又はGrade 2(中等度の症状がある;身の回り以外の日常生活動作の制限)
- 用法・用量変更の目安
1.3mg/m2の場合1.0mg/m2へ減量又は1.0mg/m2の場合0.7mg/m2へ減量
NCI-CTCAE Grade*(症状)
疼痛を伴うGrade 2又はGrade 3(高度の症状がある;身の回りの日常生活動作の制限)
- 用法・用量変更の目安
回復するまで休薬。症状が回復した場合は、0.7mg/m2に減量した上で週1回投与に変更
NCI-CTCAE Grade*(症状)
Grade 4(生命を脅かす;緊急処置を要する)
- 用法・用量変更の目安
投与中止
- *NCI-CTCAE v4.0
注射液の調製法
静脈内投与
- 1バイアルを日局生理食塩液3.0mLで溶解して使用すること。
皮下投与
- 1バイアルを日局生理食塩液1.2mLで溶解して使用すること。
注射液の調製法
投与経路:静脈内投与
- ボルテゾミブ(mg/バイアル):3.0mg
日局生理食塩液:3.0mL
ボルテゾミブ最終濃度:1.0mg/mL
投与経路:皮下投与
- ボルテゾミブ(mg/バイアル):3.0mg
日局生理食塩液:1.2mL
ボルテゾミブ最終濃度:2.5mg/mL
慎重投与
- 間質性肺炎、肺線維症等の肺障害の既往歴のある患者[投与前に間質性陰影を認めた患者で致死的な急性肺障害の経過をたどる例が報告されている(「警告」、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)]。ただし、肺障害の危険因子は現時点では明確でないため、肺障害の既往歴のない患者においても、慎重な経過観察を行う必要がある。
- 肝障害のある患者[本剤のクリアランスが低下し、副作用が強くあらわれるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重大な副作用
,*肺障害注)
- 間質性肺炎(3.2%)、胸水(1.9%)、急性肺水腫(0.4%)、急性呼吸窮迫症候群(頻度不明)があらわれることがあるので、息切れ、呼吸困難、胸水、咳、及び発熱等の自覚症状や、胸部聴診所見、呼吸数等での異常の有無を慎重に観察すること。また、必要に応じて動脈血酸素飽和度や胸部CT等の検査を適切に実施し、慎重に経過を観察すること。肺障害と診断された場合には、適切な処置を行うこと。
,*心障害注)
- うっ血性心不全(2.5%)、心嚢液貯留(0.5%)、心肺停止、心停止、心原性ショック(いずれも頻度不明)があらわれることがある。また、投与前の左室駆出率に異常の無い患者においても左室駆出率低下が報告されているので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。外国臨床試験においてQT間隔延長の報告があるが、薬剤との関連性については明らかになっていない。
,*末梢神経障害注)
- 末梢性ニューロパシー(19.9%)、感覚減退(18.6%)、末梢性感覚ニューロパシー(2.7%)、神経障害性疼痛(1.5%)、末梢性運動ニューロパシー(1.1%)、錯感覚(0.5%)、灼熱感(0.5%)があらわれることがあり、重症の感覚性ニューロパシーも報告されているので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした外国第III相試験においてGrade 2以上の末梢性ニューロパシーを認めた患者では用量調整により末梢性ニューロパシーの改善あるいは回復が51%で認められた。また、外国第II相試験においてGrade 3以上の末梢性ニューロパシーを発現した患者又はGrade 2のニューロパシーを呈し、投与を中止した患者では、末梢性ニューロパシーの改善あるいは回復が73%で認められた。
,*骨髄抑制注)
- 血小板減少(71.3%)、白血球減少(39.9%)、貧血(27.1%)、好中球減少(26.7%)、リンパ球減少(20.8%)、発熱性好中球減少症(1.5%)、汎血球減少(0.5%)があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。骨髄機能が抑制された結果、感染症(敗血症性ショック等)があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。
,*イレウス注)
3.2%
- イレウスがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、食欲不振、嘔吐、便秘、腹部膨満感等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
,*肝機能障害注)
- AST(GOT)の増加(10.4%)、ALT(GPT)の増加(11.1%)、γ-GTPの増加(0.8%)、Al-Pの増加(12.9%)及び血中ビリルビンの増加(1.8%)等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
,*低血圧注)
- 低血圧(3.8%)、起立性低血圧(2.5%)があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。
,*腫瘍崩壊症候群注)
5.3%
- 腫瘍量の急激な減少に伴い、腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome)があらわれることがあるため、予防措置として、高尿酸血症治療剤の投与及び適切な水分補給等を考慮すること。急激に腫瘍量が減少した患者においては血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
,*皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)注)
頻度不明
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
,*発熱注)
29.7%
- 本剤の投与日から翌日にかけて高頻度にGrade 1〜2の薬剤性の発熱があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、必要に応じて解熱剤等による処置を考慮すること。また発熱が持続する場合や呼吸器症状を伴う場合には、肺障害の可能性について注意すること。
,*可逆性後白質脳症症候群注)
0.1%
- 可逆性後白質脳症症候群(症状:痙攣、血圧上昇、頭痛、意識障害、錯乱、視覚障害等)があらわれることがあるので、可逆性後白質脳症症候群が疑われた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
進行性多巣性白質脳症注)
頻度不明
- 進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用21)、22)、23)
- ボルテゾミブは、in vitro試験において、骨髄腫細胞株又は多発性骨髄腫患者から分離した骨髄腫細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導した。また、ドキソルビシン、ミトキサントロン、メルファラン又はデキサメタゾンに耐性となった骨髄腫細胞株に対しても増殖抑制作用を示した。
- ボルテゾミブは、骨髄腫細胞株を移植した担癌マウスにおいて、腫瘍の増大を抑制し、延命効果を示した。
作用機序21)、23)、24)
- ボルテゾミブは、骨髄腫細胞等のがん細胞のプロテアソームを阻害することにより、その増殖を抑制しアポトーシスを誘導する。
- ボルテゾミブは、細胞の増殖やアポトーシスを制御する転写因子NF-κBの活性化を阻害する。
- ボルテゾミブは、NF-κBの活性化を阻害することにより、骨髄腫細胞と骨髄ストローマ細胞の接着を阻害し、IL-6等のサイトカインの分泌を抑制し、骨髄腫細胞の増殖を抑制する。
有効成分に関する理化学的知見
性状
溶解性
分配係数
- k0=100.87(pH1〜8)
k1<0.1(pH8.5以上)
(1-オクタノール/水)
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- bortezomib
- 商
- ベルケイド
- 関
- その他の腫瘍用薬
[★]
人名
生理的な音の感受性を考慮した音の強さの単位
- 英
- bel
- 関
- デシベル