三酸化ヒ素
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- P1-283 三酸化ヒ素(トリセノックス)を用いたAPL治療に対して薬学的管理を実施した一事例について(一般演題 ポスター発表,癌薬物療法(入院化学療法),臨床から学び臨床へと還元する医療薬学)
- 岩切 詩子,林田 哲也,日高 里奈,窪田 敏夫,小林 大介,林 睦子,河野 徳明,末永 啓二,島添 隆雄
- 日本医療薬学会年会講演要旨集 20, 334, 2010-10-25
- NAID 110008108665
- 1 急性前骨髄球性白血病に対するトレチノイン(ベサノイド)および三酸化ヒ素(トリセノックス)による治療(第628回新潟医学会,がんの分子標的治療)
- 佐藤 直子,橋本 誠雄,藤原 正博,小池 正
- 新潟医学会雑誌 121(11), 597-600, 2007-11
- 急性前骨髄急性白血病(acute promyelocytic leukemia;APL)は,アズール穎粒・アウエル小体などの細胞形態,高率に併発する播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation;DIC),t(15;17)(q22;q23)の染色体転座など,いくつかの特徴を有する急性白血病である.過去においてAPLの治療は困難とされていたが,レ …
- NAID 110007146173
- P-34 当院における再発・難治性急性前骨髄球性白血病2症例へのトリセノックス注(三酸化ヒ素)の使用について(2.癌薬物療法(外来化学療法、緩和ケア等)1,医療薬学の未来へ翔(はばた)く-薬剤師の薬剤業務・教育・研究への能動的関わり-)
Related Links
- 日本骨髄腫患者の会 翻訳チーム 私たちは多発性骨髄腫の患者とその家族、翻訳ボランティア、医療関係者などからなるグループです。英文で発表された多発性骨髄腫に関する医療関連情報の中から、患者や治療にあたる臨床医師に有益で ...
- 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービスのウェブサイトです ... 急性前骨髄球性白血病(Acute Promyelocytic Leukemia:APL)は急性骨髄性白血病(AML)の1病型で、図1に示すように特徴的な形態を ...
- 作成又は改訂年月 ** 2009年8月改訂 (第5版、「指定医薬品」規制区分廃止に伴う改訂) * 2007年4月改訂 日本標準商品分類番号 874291 日本標準商品分類番号等 国際誕生年月 2000年9月 薬効分類名 再発・難治性急性前骨髄球性 ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
トリセノックス注10mg
組成
- 本剤は1管(10mL)中三酸化ヒ素10mgを含有する。
- 添加物として水酸化ナトリウム12mg及びpH調節剤を含有する。
禁忌
- ヒ素に対して過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能または効果
- 染色体検査〔t(15 ; 17)転座〕又は遺伝子検査(PML-RARα遺伝子)により急性前骨髄球性白血病と診断された患者に使用すること。本剤により完全寛解を得た後に再発した急性前骨髄球性白血病に対して、本剤の有効性・安全性は確立していない。
- 通常、三酸化ヒ素として、0.15mg/kgを5%ブドウ糖液あるいは生理食塩液に混合して100〜250mLとし、1〜2時間かけて投与する。
寛解導入療法
- 骨髄寛解が得られるまで1日1回静脈内投与する。合計の投与回数は60回を超えないこと。
寛解後療法
- 寛解が得られた場合には、寛解導入終了後3〜6週間後に開始する。5週間の間に1日1回、計25回静脈内投与する。
- 投与にあたっては5%ブドウ糖液あるいは生理食塩液に混合して使用し、他の薬剤又は輸液と混合しないこと。
- 本剤投与時に、急性の血管収縮・拡張に伴う症状(低血圧、めまい、頭部ふらふら感、潮紅、頭痛等)が認められた場合には4時間まで投与時間を延長することができる。
- 寛解後療法の用法・用量を複数回繰り返し(本剤の25回を超える投与)実施した場合の有効性・安全性は確立していない(投与経験が極めて少ない)。
慎重投与
- QT延長の既往歴のある患者、低カリウム血症又は低マグネシウム血症、心疾患(不整脈、虚血性心疾患等)のある患者
[QT延長の危険性が増大する。]
- QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者
(「相互作用」の項参照)
- 心疾患(心筋梗塞、心筋障害等)又はその既往歴のある患者
[症状が悪化するおそれがある。]
- 肝障害のある患者
[代謝機能の低下により、本剤の体内濃度が上昇する可能性がある。]
- 腎障害のある患者
[排泄機能の低下により、本剤の体内濃度が上昇する可能性がある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 小児等(「小児等への投与」の項参照)
重大な副作用
心電図QT延長
- 本剤はQT延長、完全房室ブロック等の不整脈を引き起こすことがあり、QT延長は致命的となりうるtorsade de pointes(TdP)タイプの心室性不整脈を引き起こすことがあるので、投与中は12誘導心電図を最低週2回実施し、異常所見が認められた場合には適切な処置を行うこと。また、症状によっては休薬あるいは投与中止も考慮に入れること。(「重要な基本的注意」の項参照)米国においてアムホテリシンBを併用していた1例で、本剤による寛解導入療法中にTdPが発症したとの報告がある。
APL分化症候群
- 本剤はAPL分化症候群(APL differentiation syndrome)と呼ばれるレチノイン酸症候群と類似した副作用が発現し、致死的な転帰をたどることがあるので、十分な経過観察を行うこと。このような症状があらわれた場合には休薬し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な処置を行うこと。
白血球増加症
- 本剤により高度の白血球増加症が引き起こされることがあるので、観察を十分に行い、末梢白血球数が30,000/mm3を超えた場合には、休薬し、経過観察や白血球数に応じた化学療法剤の使用等の適切な処置を行うこと。なお、化学療法剤の使用にあたっては、危険性を伴うので、十分注意すること(本剤と化学療法剤の併用についての有効性と安全性は確立されていない)。
汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少
- 汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 本剤の作用メカニズムは完全には解明されていない。三酸化ヒ素はin vitroでヒト前骨髄球性白血病細胞NB4の形態学的変化、アポトーシスに特徴的なDNA断片化を引き起こす10)。また、三酸化ヒ素は融合蛋白PML-RARαの分解を引き起こす11)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
慣用名
化学名
分子式
分子量
性状
- 本品は白色の粉末で、においはない。本品は水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。本品は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- arsenic trioxide
- 商
- トリセノックス
- 関
- 亜ヒ酸、三酸化二砒素
[★]
- 英
- bird、avian
- 関
- 鳥類