- 英
 
- tetrahydrofolate THF, tetrahydrofolic acid THFA H4FA
 
- 関
 
- メチルTHF、活性C1単位、葉酸、プテリジン
 
- dUMP→dTMP
 
- IMPの合成(IMPからはAMP, GMPができる)
 
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/23 02:48:49」(JST)
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| テトラヒドロ葉酸 | 
 | 
| 識別情報 | 
| CAS登録番号 | 
29347-89-5 | 
| PubChem | 
1129 | 
| MeSH | 
5,6,7,8-tetrahydrofolic+acid | 
| 特性 | 
| 化学式 | 
C19H23N7O6 | 
| モル質量 | 
445.43 g/mol | 
| 特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 | 
テトラヒドロ葉酸(テトラヒドロようさん、Tetrahydrofolic acid)は、葉酸誘導体の一つ。
目次
- 1 代謝
- 1.1 ヒトによる生合成
 
- 1.2 真正細菌による生合成
 
 
- 2 機能
 
- 3 生化学反応
- 3.1 5-メチルテトラヒドロ葉酸からの生成
 
- 3.2 5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸からの生成
- 3.2.1 セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼによる生成反応
 
- 3.2.2 チミジル酸シンターゼ (FAD)による生成反応
 
 
 
- 4 脚注
 
- 5 関連項目
 
 
代謝[編集]
ヒトによる生合成[編集]
ジヒドロ葉酸レダクターゼ(EC 1.5.1.3)によってジヒドロ葉酸から合成される。この酵素反応はメトトレキサートによって阻害される。ジヒドロ葉酸はこの後、グリシン開裂系またはセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(EC 2.1.2.1)によって5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸に転換される。
真正細菌による生合成[編集]
いくつかの真正細菌はジヒドロプテロイン酸シンターゼを使ってジヒドロプテロイン酸を合成する。この酵素はヒトには存在しない。この合成はスルホンアミド系抗生物質合成に役立ち、これは4-アミノ安息香酸(PABA)前駆体と競争する。
機能[編集]
テトラヒドロ葉酸は多くの反応、特にアミノ酸と核酸の代謝に関わる補酵素である。1炭素基ドナーとして機能するが、この炭素は他の生合成によって合成されたホルムアルデヒドから得る。テトラヒドロ葉酸はヌクレオチド合成を阻害するメトトレキサートによって還元される。
テトラヒドロ葉酸の欠乏は大球性貧血を引き起こす可能性がある。
- メトトレキサートは、骨髄抑制を起こすことがある。
 
生化学反応[編集]
テトラヒドロ葉酸(THF)による代謝とビタミンB12によるTHFの再生産、de:Folsäure=葉酸、DHF=ジヒドロ葉酸、THF=
テトラヒドロ葉酸、Vit.B12=ビタミンB12、Methyl-Vit.B12=メチルコバラミン、Methionin=メチオニン、Methionin Syntase=5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ、Homocystein=ホモシステイン、N5-Methyl-THF=5-メチルテトラヒドロ葉酸、N5,N10-Methylene-THF=5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸、N10-Formyl-THF=10-ホルミルテトラヒドロ葉酸、dUMP=デオキシウリジン一リン酸、NADPH、DNA
 
 
 
5-メチルテトラヒドロ葉酸からの生成[編集]
5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼは補因子であるメチルコバラミン(MeB12)を含み、5-メチルテトラヒドロ葉酸(N5-methyl-THF)とホモシステインを基質とする。
この酵素反応は二段階のピンポン機構で進行する。始めに、5-メチルテトラヒドロ葉酸(N5-methyl-THF)からのメチル基の転位でMeB12とテトラヒドロ葉酸(THF)が生成する。次に、メチル基がMeB12からホモシステインに転位し、コバラミン(B12)が再生すると同時にメチオニンが生成する。
5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸からの生成[編集]
セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼによる生成反応[編集]
テトラヒドロ葉酸 + L-セリン  5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸+ グリシン + H2O
チミジル酸シンターゼ (FAD)による生成反応[編集]
5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸 + デオキシウリジン一リン酸(dUMP) + FADH2 → チミジル酸(dTMP) + テトラヒドロ葉酸 + FAD
DNAの合成は、dUMP-dTMP-dTDP(チミジン二リン酸)-dTTP(チミジン三リン酸)と進むことで完結する[1][要高次出典]。葉酸は、DNA合成に必要であり、すべての細胞分裂に必要なビタミンB12が含まれる重要な反応についての基質である[2]。
脚注[編集]
- ^ 血液検査-巨赤芽球性貧血 1999/03/10の講義 中国労災病院中央検査部
 
- ^ Goh YI & Koren G (2008) Folic acid in pregnancy and fetal outcomes. J Obstet Gynaecol 28, 3-13.
 
関連項目[編集]
- メチオニン
 
- ホモシステイン
 
- 5-メチルテトラヒドロ葉酸
 
- 5-メチルテトラヒドロ葉酸-ホモシステインメチルトランスフェラーゼ
 
- ST合剤 … スルホンアミド系抗生物質とトリメトプリムの合剤
 
- 関節リウマチ … メトトレキセートが標準薬として治療される。リンパ球の活性を抑える。
 
| 
補因子 | 
 
 | 
 
| 補酵素 | 
 ビタミン: NAD+ (B3) - NADP+ (B3) - 補酵素A (B5) - THF / H4F (B9), DHF, MTHF - アスコルビン酸 (C) - メナキノン (K) - 補酵素F420 
非ビタミン: ATP - CTP - SAM - PAPS - GSH - 補酵素B - 補酵素M - 補酵素Q - メタノフラン - BH4 - H4MPT 
 | 
 
 | 
 
| 有機補欠分子族 | 
 ビタミン: TPP / ThDP (B1) - FMN, FAD (B2) - PLP / P5P (B6) - ビオチン (B7) - メチルコバラミン, コバラミン (B12) 
非ビタミン: ヘム - α-リポ酸 - モリブドプテリン - PQQ 
 | 
 
 | 
 
| 金属補欠分子族 | 
 Ca2+ - Cu2+ - Fe2+, Fe3+ - Mg2+ - Mn2+ - Mo - Ni2+ - Se - Zn2+ 
 | 
 
 | 
 
| 主要な生体物質:炭水化物(アルコール、糖タンパク質、配糖体) · 脂質(エイコサノイド · 脂肪酸/脂肪酸の代謝中間体 · リン脂質 · スフィンゴ脂質 · ステロイド) · 核酸(核酸塩基 · ヌクレオチド代謝中間体) · タンパク質(タンパク質を構成するアミノ酸/アミノ酸の代謝中間体) · テトラピロール · ヘムの代謝中間体 | 
 
 
 | 
 
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Japanese Journal
- メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)の共通遺伝子多型677C>TがAla222Valである理由
 
- 2-III-28 ヒト・メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)疾患型変異を導入したThermus thermophilus MTHFRの性質(一般演題,日本ビタミン学会第62回大会発表要旨)
 
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- 5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸(5,10-メチレンテトラヒドロようさん、5,10-  Methylenetetrahydrofolate、5,10-CH2-THF)は、5-メチルテトラヒドロ葉酸を生成する  メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼ(EC 1.5.1.20)によって使われる基質である。  チミジル酸シンターゼ ...
 
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★リンクテーブル★
  [★]
- 英
 
- methotrexate, MTX
 
- ラ
 
- methotrexatum
 
- 同
 
- メソトレキサート、メトトレキセート
 
- 商
 
- トレキサメット、メソトレキセート、メトトレキサート、メトレート、リウマトレックス
 
- 関
 
- 他に分類されない代謝性医薬品
 
[show details]
 
- 免疫抑制薬
 
- 葉酸の4-amino-N10-methyl誘導体
 
作用機序
- 特にthymidine monophosphateの合成が阻害される (SPC.416)
 
- RNA、タンパク質合成を阻害するので、S期に移行しにくくなり薬効は低下
 
薬理作用
適用
副作用
- 胃炎、下痢。消化管穿孔
 
- 骨髄抑制、肝線維症、腎尿細管壊死、脱毛
 
- メトトレキサート腎症
 
関節リウマチの治療薬として用いられる場合の副作用
- 参考1
 
- 胃腸障害、口内炎、脱毛、肝機能障害
 
- (重篤な副作用)間質性肺炎(MTX肺炎)(0.5-5%)、骨髄障害(1-2%)、リンパ腫の発生
 
葉酸欠乏に伴う副作用
- https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/MTX/05_ch4_MTX.pdf
 
- 症状:消化器症状(口内炎、下痢、食思不振)、肝酵素上昇、血球減少、脱毛など。用量依存性に出現する
 
- 治療の推奨:葉酸製剤の併用投与は、用量依存性副作用の予防や治療に有効であり、必要に応じて考慮する。MTX 8mg/週以上使用する場合や副作用リスクが高い症例(腎機能低下例、高齢者、複数のNSAIDs使用例)では葉酸併用投与が強く勧められる。葉酸製剤は5mg/週以内を、MTX最終投与後24-48時間以内に投与する。
 
注意
- 妊婦→妊娠初期三ヶ月における流産・奇形誘発
 
禁忌
添付文書
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/4222400D2020_2_01/4222400D2020_2_01?view=body
 
参考
- 1. 関節リウマチの診療マニュアル(改訂版) 診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン
 
- http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm400/library/guideline.html
 
- 2. 関節リウマチ治療におけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン
 
- http://www.ryumachi-jp.com/info/guideline_mtx.html
 
  [★]
- 英
 
- pteridine
 
- 関
 
- ジヒドロプテロイン酸
 
- |←dihydropteroate synthetase |-sulfonamides
 
- |+[グルタミン酸]]
 
- |←hidyrofolate reductase |-trimetoprim, methotrexate, pyrimethamine
 
  [★]
- 英
 
- methyltetrahydrofolate
 
- 同
 
- メチルTHF
 
- 関
 
- 葉酸、テトラヒドロ葉酸、5-メチルTHF
 
- 図:FB.425
 
- 還元型の葉酸(NADPHにより還元される。FB.424)(テトラヒドロ葉酸)の5位がメチル基に置換された化合物。
 
- メチル基転移反応の補因子としては5-メチルテトラヒドロ葉酸が利用される
 
  [★]
テトラヒドロ葉酸 tetrahydrofolate
  [★]
- 英
 
- 5
 
- 関
 
- 5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸デヒドロゲナーゼ
 
  [★]
- 英
 
- 5,10-methylenetetrahydrofolate dehydrogenase
 
- 関
 
- 5,10-メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素
 
  [★]
- 英
 
- tetrahydrofolate dehydrogenase
 
- 関
 
- テトラヒドロ葉酸脱水素酵素
 
  [★]
- 英
 
- [[]]
 
- 同
 
- 5dTHF
 
- 関
 
- [[]]
 
- 同
 
- 5dTHF
 
  [★]
メチオニンシンターゼ
  [★]
- 英
 
- folic acid folate FA
 
- 同
 
- プテロイルグルタミン酸 pteroylglutamic acid PteGlu, PGA、フォラシン folacin
 
- ラ
 
- acidum folicum
 
- 商
 
- M.V.I.-12、M.V.I.-3、アミノレバンEN配合、エルネオパ1号輸液、エレンタールP、エレンタール配合、エンシュア・リキッド 、オーツカMV、ダイメジン・マルチ、ツインラインNF配合、ツインライン配合、ネオパレン1号輸液、ネオラミン・マルチV、パンビタン末、ビタジェクト、フェニルアラニン除去ミルク配合、フォリアミン(単剤)、フルカリック1号輸液、ヘパンED配合、マルタミン、ラコールNF配合、ラコール配合、ロイシン・イソロイシン・バリン除去ミルク配合
 
- 関
 
- テトラヒドロ葉酸(THF)。プテリン、パラアミノ安息香酸
 
概念
- 様々な酸化状態のC1基を転移する
 
吸収
機能
C1単位の調達
- セリン→グリシン (FB.421)
 
- グリシン開裂系 (FB.421)
 
- ヒスチジン代謝 (FB.423)
 
- THF=H4PteGlu
 
C1単位の転移
- 5,10-CH2H4PteGlu
 
臨床検査
- 全血もしくは血清で定量する。
 
- HPLC法により測定する
 
- 単位:ng/ml x 2.266 = nmol/L
 
基準範囲
| 年齢
 | 
平均(範囲)ng/mL
 | 
| 血清
 | 
全血
 | 
| 新生児
 | 
24.5
 | 
(3-59)
 | 
315
 | 
(100-960)
 | 
| 3-4月
 | 
12.2
 | 
(5-30)
 | 
99
 | 
(20-318)
 | 
| 6-8月
 | 
7.7
 | 
(3.5-16)
 | 
77
 | 
(32-176)
 | 
| 1歳
 | 
9.3
 | 
(3-35)
 | 
86
 | 
(31-400)
 | 
| 成人
 | 
13.1
 | 
(7-20)
 | 
195
 | 
(24-400)
 | 
臨床関連
  [★]
- 英
 
- acid
 
- 関
 
- 塩基
 
ブランステッド-ローリーの定義
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  [★]
- 英
 
- hydro
 
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- ハイドロ