- 英
- unexpected death, unnatural death
- 関
- 異状死、監察医制度、死体検案、死体検案書、検案、医師法#第21条
定義
- 異状死体とは犯罪性の有無にかかわらず、全ての外因子、死因が不明な死体、発症や死亡前後の状況に異状のある死体をいう(日本法医学会。異状死ガイドライン)
分類
- 犯罪死体 :明らかに犯罪に起因した異状死体
- 非犯罪死体:犯罪とは無関係な異状死体
- 変死体 :犯罪に起因しているか否かが不明
異状死体に該当する死体
- 参考1
- 1. 外因による死亡(診療の有無、診療の期間を問わない)
- 2. 外因による傷害の続発症、あるいは後遺障害による死亡
- 3. 上記1.または2.の疑いがあるもの
- 4. 診療行為に関連した予期しない死亡、およびその疑いがあるもの
- 5. 死因が明らかでない死亡
異状死体の届け出義務(医師法第21条)
- 医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。
参考
- http://www.jslm.jp/public/guidelines.html
国試
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/11 08:59:28」(JST)
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異状死体とは、医師によって病死であると明確に判断された内因死による死体以外の死体のこと。具体的には、外因死や医療事故による死亡、不詳の死(病死か外因死か判断が下せない死)などが相当する。この死に方を異状死と呼び、検視・検案の対象となる。医師が検案によって異状死体であると判断すると、医師法第21条「異状死体等の届出義務」に基づき、24時間以内に所轄警察署に届出をしなければならない。その後、必要があると判断されれば、司法解剖・行政解剖に回される。
目次
- 1 異状死体の死因
- 1.1 種類別割合及び主要死因
- 1.2 死因の詳解
- 2 関連項目
異状死体の死因
異状死体の死因を以下に示す。異状死体は急死、特に内因性急死が多いため、通常の死因割合とは異なるところが多い。
- 内因性急死とは、外見は健康に見えるが医師の診断の得られていない突然死や急性発症後24時間以内の不測死のことを言い、簡単に言えば病気による異状死のことを言う。
種類別割合及び主要死因
- 病死 64.9%
- 虚血性心疾患 43.0%
- その他の心疾患 7.8%
- 脳血管疾患 13.0%
- 大動脈~毛細血管疾患 3.3%
- 肺炎 4.2%
- アルコール性肝疾患 5.9%
- その他 22.7%
- 災害 10.9%
- 交通事故 32.0%
- 転倒・転落 16.2%
- 溺死 14.9%
- 窒息 15.1%
- 焼死 8.2%
- 中毒 3.8%
- その他 9.7%
- 自殺 18.6%
- 縊死 59.0%
- 飛び降り 20.3%
- 交通機関 6.4%
- 溺死 3.5%
- その他 10.8%
- 司法関係・他殺 2.1%
- その他・不詳の外因 1.4%
- 不詳の死 2.1%
※平成13年(2001年)の資料による。
死因の詳解
- 虚血性心疾患
- 心筋梗塞や心筋炎など。午前中に多い。
- 脳血管疾患
- クモ膜下出血が主。前交通枝動脈瘤の破裂によるものも多い。
- 肺炎
- 肺結核は世界に比べると多く、また増加傾向。肺動脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)も多い。
- 老人の異状死
- 高齢化社会の影響(さらに核家族化も影響に拍車)で増加傾向である。若年者と比較して体力が劣るため、夏場の熱中症と冬場の入浴関連死が多い。入浴関連死とは入浴中の血圧の上昇によって脳出血や脳症などによる意識障害が起こることにより溺死したり、単に浴槽内で足を滑らせて溺死すること。浴室内で転倒し死亡すること、入浴前後の寒冷暴露等による急性脳循環障害による死亡等、入浴行為に関わり発生した死亡を指す。また、統計されていないようだが、一日に排便行為が占める時間は余り長くないにも拘らず排便中の死亡事例が多い事は余り知られていない。この事は、注意を喚起するため特に記す。排便中の異常死は、入浴関連死と同様、一過性の血圧上昇によるものと考えられるが、尾籠な事でもあるため研究がなされていないのであると推定される。
関連項目
- 異状死
- 変死
- 変死体
- オートプシー・イメージング
- 法医学
- 司法解剖
- 監察医
- 行政解剖
Japanese Journal
- 異状死への対応 (日常診療に使えるガイドライン特集--より良い診療を目指して) -- (医療システム編)
- 死亡診断書(死体検案書) (精神科診療に必要な書式マニュアル 改訂版) -- (法務・司法)
Related Links
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- 福島県立大野病院産科医逮捕事件で医師が起訴されたことで医師業界の波紋が広がった際 ...
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★リンクテーブル★
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [098G067]←[国試_098]→[098G069]
[★]
- 医師の届出義務と関連する法律の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E029]←[国試_106]→[106E031]
[★]
- a. 農薬中毒によると思われる死体
- b. 他傷後の続発症によると思われる死体
- c. 異型輸血によると思われる死体
- d. 処方された薬剤の誤嚥によると思われる死体
- e. 肺癌患者の喀血によると思われる死体
[正答]
※国試ナビ4※ [095A067]←[国試_095]→[095A069]
[★]
- 医師の届け出義務が医師法に規定されているのはどれか。
- a 異状死体
- b 食中毒患者
- c 被虐待児童
- d 麻薬中毒患者
- e 医薬品による副作用
[正答]
※国試ナビ4※ [110E069]←[国試_110]→[110F002]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [105E001]←[国試_105]→[105E003]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [099D012]←[国試_099]→[099D014]
[★]
- a 応招義務
- b 医業の独占
- c 医師臨床研修
- d 異状死体の届出義務
- e 医療機関の管理者要件
[正答]
※国試ナビ4※ [111E014]←[国試_111]→[111E016]
[★]
- 英
- Physicians Law
- 関
- 医師が関与する法律
第一章 総則
第1条
(医師の任務)
- 医師は、医療及び保健指導を掌ることによつて公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。
- 医師には国民の健康的な生活を確保する任務がある
第二章 免許
第2条
- 医師になろうとする者は、医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けなければならない。
第3条
(絶対的欠格事項)
第4条
(相対的欠格事項)
- 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。 ← 禁止ではない
- 一 心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
- 二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
- 三 罰金以上の刑に処せられた者
- 四 前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者
第6条
- 免許は、医師国家試験に合格した者の申請により、医籍に登録することによつて行う。
- 医師国家試験に合格しただけでは医師免許は得られない → 医療行為はできない
- 2 厚生労働大臣は、免許を与えたときは、医師免許証を交付する。
- 3 医師は、厚生労働省令で定める二年ごとの年の十二月三十一日現在における氏名、住所(医業に従事する者については、更にその場所)その他厚生労働省令で定める事項を、当該年の翌年一月十五日までに、その住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に届け出なければならない。
第19条
(応召義務・診断書交付義務)
- 診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。
- 2 診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。
第20条
(無診療治療等の禁止)
- 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。
- 電話で看護師に投薬・注射を指示することはできない。 (cf.保健師助産師看護師法#第37条)
第21条
(異状死体の届け出義務) ← 異状死産児も
- 医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。
第22条
(処方箋交付義務)
- 医師は、患者に対し治療上薬剤を調剤して投与する必要があると認めた場合には、患者又は現にその看護に当つている者に対して処方せんを交付しなければならない。ただし、患者又は現にその看護に当つている者が処方せんの交付を必要としない旨を申し出た場合及び次の各号の一に該当する場合においては、この限りでない。
第24条
(診療録の記載及び保有)
- 医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。
- 2 前項の診療録であつて、病院又は診療所に勤務する医師のした診療に関するものは、その病院又は診療所の管理者において、その他の診療に関するものは、その医師において、五年間これを保存しなければならない。
参考
- http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO201.html
国試
[★]
- 英
- dissection、anatomy
- 関
- 解体、解剖学、解離、精査、切開、分析、解剖学的形態、郭清、ダイセクション
解剖の種類
- SUB12.33改変
[★]
- 関
- 解剖#解剖の種類、篤志解剖
国試
[★]
- 英
- postmortem examination
- 関
- 死体検案書、監察医制度。検視
- 異状死体の可能性がある死体について行う医師の検査 → 医師のみが可能
- 検死(医師が行う場合は検案)によって得られた医学的所見に加え、死亡者の既往歴、死体を取り巻く状況などを検討し、死因、死因の種類、死亡時刻、異状の有無を総合的に判断すること(SUB.38)
- 死体検案を行った結果、異状死と判断されれば、24時間以内に警察に届け出る義務がある。
- 死体検案を行った後に死体検案書を交付することになる。
国試
[★]
- 英
- judicial autopsy, forensic autopsy
- 関
- 異状死体、行政解剖、死体検案、解剖
[★]
- 英
- unnatural death
- 関
- 異状死体、死体検案。外因死、内因死
異状死の定義
- 標準救急医学 第4版 p.20
- 自然死もしくは病死以外はすべて異状死となる
- 1. すべての外因死とその後遺症による死亡(疑い例を含む)
- 2. 自殺、他殺
- 3. 死因不明(死因が不明である以上は外因死を完全に否定できない)
- 4. 病死が疑われるものの病名不詳、あるいは病死・自然死と外因死の区別がつかない(従って外因死を完全に否定できない)
ケース
- 094D001
異状死(外因死、または不明)
- 生後5ヶ月の乳児の保育所での突然死
- 高所から墜落した患者のショック死
- 救急来院時の病態不明の心肺停止死
- 交通事故による植物状態に起因する嚥下性肺炎による死亡 ← 交通事故なので来院時に警察に通報があるはずだが
病死(内因死)
国試
[★]
- 英
- corpse、carcass
- 関
- 屠殺体
死体
- 病死による死体
- 異状死体:異状死体とは犯罪性の有無にかかわらず、全ての外因子、死因が不明な死体、発症や死亡前後の状況に異状のある死体をいう(日本法医学会。異状死ガイドライン)
- 犯罪死体 :明らかに犯罪に起因した異状死体
- 非犯罪死体:犯罪とは無関係な異状死体
- 変死体 :犯罪に起因しているか否かが不明
[★]
- 英
- body
- ラ
- corpus、corpora
- 関
- 肉体、身体、本体、コーパス、ボディー