IgA
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- the 1st letter of the Roman alphabet (同)a
- the blood group whose red cells carry the A antigen (同)type_A, group A
PrepTutorEJDIC
- answer / ampere
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/10/26 15:39:26」(JST)
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免疫グロブリンA(めんえきグロブリンA、英: Immunoglobulin A, IgA)は、哺乳類および鳥類に存在する免疫グロブリンの一種であり、2つの重鎖(α鎖)と2つの軽鎖(κ鎖およびλ鎖)から構成される。IgA分子は2つの抗原結合部位を有しているが、気道や腸管などの外分泌液中ではJ鎖と呼ばれるポリペプチドを介して結合することにより2量体を形成して存在しているため4箇所の抗原結合部位を持つ。2量体IgA(分泌型IgA、SIgA)は粘膜免疫の主役であり、消化管や呼吸器における免疫機構の最前線として機能している。IgAをコードする遺伝子にはIgA1とIgA2の2種類が存在するが、血清中に存在する単量体あるいは2量体IgA(血清型IgA)にはIgA1が約90%と圧倒的に多い。その一方で分泌型IgAではIgA2の割合が30-50%と血清型に比べて多くなっている。全IgA中における血清IgAの占める割合は10-20%程度であり、IgAのほとんどは二量体として存在している。また、分泌型IgAは初乳中に含有され、新生児の消化管を細菌・ウイルス感染から守る働きを有している(母子免疫)。母子免疫には免疫グロブリンGも関与していることが知られているが、こちらは胎盤を介して胎児に移行する。ヒトにおけるIgAの産生量は各種免疫グロブリンの中でもIgGに次いで2番目に多い。分子量16万(単量体)。
機能
分泌型IgA。J鎖を介して2分子のIgGが結合し、それに対してさらに分泌成分(SC)が結合している。
1.重鎖(H鎖)
2.軽鎖(L鎖)
3.J鎖
4.SC
粘膜は常時抗原や微生物にさらされており、これらから粘膜面を防御する局所免疫機構が存在する。これを粘膜免疫防御系(英: Mucosa-associated Lymphoid Tissue, MALT)と呼び、分泌型IgAがその一部を構成している。代表的なMALTとして消化管免疫防御系(GALT)、気道免疫防御系(BALT)および鼻腔免疫防御系(NALT)が知られている。
粘膜免疫機構はIgAの産生誘導を行う誘導組織とIgAが分泌・機能する実効組織、そしてそれらをつなぐ帰巣経路から構成され、これらを合わせてCMIS(Common Mucosal Immune System)と呼ぶ。誘導組織において粘膜面に存在する抗原提示細胞はリンパ球を活性化させ、遊走させる働きを持っている。リンパ球はリンパ節で分化した後に実効組織に到達し、IgAを産生する。この際、一度誘導組織を離れたリンパ球は再び同じ組織に戻ってくる傾向を持ち、これをリンパ球のホーミング(帰巣現象)と呼ぶ。
IgAは実効組織の粘膜固有層に存在するIgA産生形質細胞(プラズマ細胞)により二量体として産生され、分泌される。形質細胞はリンパ球の一種であるB細胞から分化し抗体産生能を持つ細胞であり、通常IgMを産生する能力を持っている。この細胞がIgA産生能を獲得するためにはサイトカインの刺激を受ける必要があり、B細胞がトランスフォーミング増殖因子(TGF)-βやインターロイキン-4の作用を受けることにより免疫グロブリンのクラススイッチが誘導される。クラススイッチを終えた細胞はさらにインターロイキン-5およびインターロイキン-6の刺激を受けてIgA産生能を持つ形質細胞に分化する。これらの過程を通して見るとIgA産生形質細胞への分化にはTh2サイトカインが重要な働きをしていることが分かる。IgAは同様に形質細胞により産生されるJ鎖と結合し2量体として分泌される。2量体IgAはその後粘膜上皮細胞の基底膜側に発現している分泌成分(英: Secretory Component, SC)と結合して上皮細胞内へ取り込まれ、管腔側へと分泌される。分泌成分はIgAをタンパク質分解酵素による分解から保護する役割を有している。IgAはこれらの系を介して粘膜面への微生物の侵入を防ぎ、生体防御機構において重要な役割を果たしている。
近年、IgAに対するFc受容体であるFcαR(CD89)の遺伝子がクローニングされた[1]。血清中IgAは好酸球やマクロファージ等の細胞表面に存在するFcαRを介して細胞活性化を引き起こし、食作用や抗体依存性細胞傷害(ADCC)、炎症メディエータの遊離促進などの機構を介して免疫反応に関与していることが示唆されている。
関連項目
出典
- 今堀 和友、山川 民夫 編集『生化学辞典 第4版』 東京化学同人 2007年 ISBN 9784807906703
- 谷口 克、宮坂 昌之 編『標準免疫学 第2版』医学書院 2002年 ISBN 4260104527
- 本郷 利憲、廣重 力、豊田 順一 監修『標準生理学 第6版』医学書院 2005年 ISBN 9784260101370
参考文献
- ^ Morton HC,van Egmond M and van de Winkel JG.(1997)"Structure and function of human IgA Fc receptors (Fc alpha R).". Crit.Rev.Immunol.16,423–40. PMID 8954257
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Japanese Journal
- 4日間の連続した軽・中等度強度身体運動が唾液中分泌型免疫グロブリンAおよび気分に及ぼす影響 : 運動習慣のない男性を対象として
- 満石 寿,遠藤 伸太郎,石渡 貴之,安松 幹展,濁川 孝志,大石 和男
- 日本生理人類学会誌 17(3), 95-108, 2012-08-25
- NAID 110009496460
- 手のタクティールケアによるリラクセーション効果の検証
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
乾燥ボツリヌス抗毒素注射用「化血研」
組成
製法の概要
- 本剤は、A型,B型、E型及びF型ボツリヌストキソイドでそれぞれ別々の馬を免疫して得た血漿を精製処理し、4種の抗毒素を混合して凍結乾燥したものである。
- なお、本剤は免疫用抗原の製造工程でウシの肝臓、ウシの肉、ウシの乳由来成分(ポリペプトン)、ウシの膵臓由来成分(リボヌクレアーゼA)、ブタの胃由来成分(ペプトン)を使用している。また、製造工程でブタの胃由来成分(ペプシン)を使用している。
組成
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)20mLで溶解した液剤1mL中に次の成分を含有する。
有効成分
ボツリヌス抗毒素(ウマ免疫グロブリン)
A型抗毒素
有効成分
ボツリヌス抗毒素(ウマ免疫グロブリン)
B型抗毒素
有効成分
ボツリヌス抗毒素(ウマ免疫グロブリン)
E型抗毒素
有効成分
ボツリヌス抗毒素(ウマ免疫グロブリン)
F型抗毒素
効能または効果
- 本剤は、ボツリヌスの治療及び予防に使用する。
- ただし、中毒がE型ボツリヌス毒素によることが明らかな場合には、乾燥ボツリヌス抗毒素「E型」を使用すること。
- 本剤を添付の溶剤(日本薬局方注射用水)20mLで完全に溶解して使用する。
- ◎治療:通常、症状にもよるが、なるべく早期に20〜40mLを筋肉内(皮下)又は静脈内に注射するか、あるいは生理食塩液等で希釈して点滴静注する。
- なお、症状が軽減しないときは3〜4時間ごとに20mLないしそれ以上を追加注射する。
- ◎予防:中毒の原因食を食べた者に対して予防に使用するときは、なるべく早期に5〜10mLを筋肉内(皮下)又は静脈内に注射する。
- ウマ血清過敏症試験(適用上の注意参照)を行い、反応陰性あるいは軽微の場合は、本剤の1mLを皮下に注射して30分間反応を観察し、異常のない場合には、所要量を以下のとおり注射する。
- 筋肉内(皮下)又は静脈内に注射する場合には、ゆっくり時間をかけて注射すること。ショックは5〜10分の間に発現することが多いがその間は勿論、さらに30分後まで血圧を測定する。著しい血圧降下がおこったら、直ちにエピネフリンの注射等、適切な処置を行う。
- 点滴静注する場合は、本剤を生理食塩液等で10〜20倍に希釈して1分間1〜2mL位の速さで注射し、血圧測定その他の観察を続けること。
重大な副作用
- ショック、アナフィラキシー(頻度不明):急激な血圧降下、喉頭浮腫、呼吸困難等があらわれることがあるので、投与後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと1),4)。
薬効薬理
- 抗毒素は毒素を特異的に中和して、その毒作用を止めることにより毒素性疾患には特効的である。しかし、生体内で遊離状態にある毒素は完全に中和するが、組織に結合してしまった毒素は中和しにくい。
- したがって、治療に際し、発病後できるだけ早期に本剤を投与するのが効果的である。
- (参考)
- マウスを用いた抗毒素による治療効果の成績では、毒素注射後、抗毒素投与までの時間が長くなるにしたがい、治療に必要な抗毒素の量は大量となり、ある程度以上の時間が経過した後は、いくら大量の抗毒素を投与しても治療効果が示されないという報告がある。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- immunoglobulin A
- 同
- 免疫グロブリンA γA gamma A
- 関
- 免疫グロブリン Ig
概念
基準値
- 110-410 mg/dl (臨床検査法提要第32版)
臨床関連
[★]
- 英
- immunoglobulin A1、IgA1
- 関
- 免疫グロブリンA、免疫グロブリンA2
[★]
- 英
- immunoglobulin A2、IgA2
- 関
- 免疫グロブリンA、免疫グロブリンA1
[★]
- 英
- secretory immunoglobulin A
[★]
- 英
- serum immunoglobulin A
[★]
- 英
- immunoglobulin, Ig
- 同
- 抗体
- 商
- HBグロブリン、ヴェノグロブリン、ガンマーグロブリン、ガンマガード、ガンマグロブリン、グロブリン、グロベニン-I、サイモグロブリン、サングロポール、ゼットブリン、テタノセーラ、テタノブリン、テタノブリンIH、はぶ抗毒素、ヒスタグロビン、ベニロン-I、ヘパトセーラ、ヘブスブリン、ヘブスブリンIH、ポリグロビン、まむし抗毒素、抗Dグロブリン、抗D人免疫グロブリン、抗HBs人免疫グロブリン、破傷風グロブリン
- 関
- 免疫、T細胞受容体、リンパ球抗原受容体
- IgM、IgD、IgG、IgA、IgE
構造
- H鎖とL鎖からなり、Igドメインをそれぞれ4つ(IgMとIgEは5つ)、2つもつ。
胎児の免疫グロブリン
- 胎児は母胎より免疫グロブリンをもらうが、生後六ヶ月で消失する (標準予防策実践マニュアル 南江堂 第2刷 p.12)
- 自分で抗体を作る能力は3-6歳で完成する (標準予防策実践マニュアル 南江堂 第2刷 p.12)
免疫グロブリンの特性 (IMM.161)
抗体
|
IgG1
|
IgG2
|
IgG3
|
IgG4
|
IgM
|
IgA1
|
IgA2
|
IgD
|
IgE
|
重鎖
|
γ1
|
γ2
|
γ3
|
γ4
|
μ
|
α1
|
α2
|
δ
|
ε
|
分子量
|
146
|
146
|
165
|
146
|
970
|
160
|
160
|
184
|
188
|
補体活性化(古典的経路)
|
++
|
+
|
+++
|
-
|
++++
|
-
|
-
|
-
|
-
|
補体活性化(代替経路)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
+
|
-
|
-
|
-
|
胎盤通過
|
+++
|
+
|
++
|
±
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
食細胞FcRへの結合
|
+
|
-
|
+
|
±
|
-
|
+
|
+
|
-
|
+
|
肥満細胞・好塩基球への結合
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
+++
|
staphylococcal Protein Aとの反応性
|
+
|
+
|
±
|
+
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
免疫グロブリンの遺伝子再構成 (IMM.144)
多様性の獲得機構
- 多数のV遺伝子
- VJとJDV遺伝子の組み換え
- 組み換え時の不正確性(塩基欠損、付加、N塩基)(CDR3)
- 体細胞突然変異(CDR1,CDR2)
- H鎖とL鎖の組み合わせ
シグナル伝達
基準値
- 小児基準値研究班(編):日本人小児の臨床検査基準値。日本公衆衛生協会、1997
- SPE.704
|
IgG
|
IgA
|
IgM
|
♂
|
♀
|
♂
|
♀
|
♂
|
♀
|
1ヶ月
|
400 ~ 1030
|
ー ~ 24
|
21 ~ 96
|
6ヶ月
|
290 ~ 950
|
8 ~ 50
|
46 ~ 176
|
1歳
|
460 ~ 1220
|
470 ~ 1210
|
16 ~ 128
|
14 ~ 98
|
57 ~ 260
|
81 ~ 314
|
3歳
|
530 ~ 1340
|
540 ~ 1340
|
25 ~ 174
|
22 ~ 150
|
63 ~ 279
|
86 ~ 332
|
6歳
|
630 ~ 1490
|
650 ~ 1530
|
45 ~ 258
|
38 ~ 238
|
72 ~ 305
|
92 ~ 353
|
12歳
|
750 ~ 1660
|
790 ~ 1740
|
71 ~ 352
|
63 ~ 373
|
72 ~ 306
|
100 ~ 380
|
成人
|
680 ~ 1620
|
84 ~ 438
|
380 ~ 1620
|
臨床関連
免疫グロブリンの量的変化による疾患
[★]
- 英
- immunity, immune
- 関
- 免疫系
免疫の種類 (PT.246-251)
T細胞の種類
ヘルパーT細胞の種類
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- globulin (Z)
- 商
- ヴェノグロブリン、ガンマーグロブリン、ガンマガード、ガンマグロブリン、グロブリン、グロベニン、サイモグロブリン、サングロポール、ゼットブリン、テタノセーラ、テタノブリン、テタノブリンIH、ヒスタグロビン、ベニロン、ヘパトセーラ、ヘブスブリン、ヘブスブリンIH、ポリグロビン、乾燥HBグロブリン、乾燥はぶ抗毒素、乾燥まむし抗毒素、抗Dグロブリン、抗D人免疫グロブリン、抗HBs人免疫グロブリン、破傷風グロブリン
- 関
- アルブミン、フィブリノーゲン
機能 (PT.234)
- α1-グロブリン
- α2-グロブリン
- ビタミンやホルモンを運搬
- α2-グロブリンの一種であるハプトグロビンは溶血により生じたヘモグロビンを捕捉し、尿細管の閉塞を防ぐ
- βグロブリン
- γグロブリン
[★]