- 英
- thyroid stimulating antibody TSAb, thyroid-stimulating antibody
- 関
- TSH受容体抗体、甲状腺ホルモン、グレーブス病
-TSAb
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例報告 TRAb,TSAb陽性で,特異な甲状腺シンチグラム像を呈した亜急性甲状腺炎の1症例
- ECLIA TRAb(全自動電気化学発光免疫測定法)およびMc4-TSAb(Thyretain bioreporter assay法)について (特集 甲状腺検査の最近の進歩--甲状腺機能検査の標準化に関して)
Related Links
- 内分泌学検査 甲状腺. 入力コード, 05520. 項目名, TSH刺激性レセプター抗体(TSAb)( 甲状腺刺激抗体) TSH stimulating antibody ... 臨床的意義, 甲状腺機能亢進症で陽性 率が高く、抗体価と亢進症の病勢がよく相関する自己抗体。 TSHレセプターは分子量 ...
- バセドウ病では、甲状腺ホルモンが異常に大量に産生されるようになりますが、その 原因は甲状腺刺激抗体(TRAb, TSAb)という自己抗体 ... この甲状腺刺激抗体を作って いるのが、自分の白血球(正確にはリンパ球といわれる白血球のうちの一部)なのです。
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★リンクテーブル★
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- 英
- Graves' disease, Graves disease
- 同
- バセドー病 バセドウ病 (国試)Basedow病 Basedow disease Basedow's disease、グレーヴス病 Graves病、exophthalmic goitre、中毒性びまん性甲状腺腫 toxic diffuse goiter、パリー病 Parry disease
- ラ
- morbus Basedowii
- 関
- 甲状腺中毒症
概念
病因
- 甲状腺刺激免疫グロブリン thyroid stimulating immunoglobulin
- 甲状腺増殖刺激免疫グロブリン thyroid re-growth-stimulating immunoglobulin (TGI)
- TSH結合阻害免疫グロブリン TSH-binding inhibitor immunoglobulin (TBIIs)
- 自己抗体であるTSH受容体抗体の産生 → 甲状腺濾胞上皮細胞のTSH受容体に結合して活性化 → 甲状腺ホルモン分泌↑
- 抗TSH受容体抗体は95-98%の症例で出現する。
疫学
頻度
- 住民検診などで見つかる Basedow病は、1,000人に対し 1-6人と報告されている。
- 男女比は1:4で女性に多い。特に、20-50歳の女性に多い。
- 家族内集積が高い。
病変形成&病理
- 自己抗体により、濾胞のホルモン産生が刺激され、甲状腺は瀰漫性に腫大(正常の数倍から200gまで)。
症状
- 頻脈、体重減少、手指振戦、発汗増加等
- 心臓肥大、リンパ組織過形成、真皮の肥厚
- 2. びまん性甲状腺腫大(表面は平滑で柔らかい、血管雑音)
- 3. 眼球突出または特有の眼症状
- 未治療or適切な治療が行なわれていなかった状態、感染、外傷などの誘因が加わった時に機能亢進症が急速に増悪する状態。頻脈、ショック。
合併症
検査
- 1. FT4、FT3のいずれか一方または両方高値
- 2. TSH低値
- 3. TSH受容体抗体陽性、または甲状腺刺激抗体陽性
- 4. 放射線ヨード甲状腺摂取率高値 ← 甲状腺ホルモンの生合成が亢進
エコー
診断
(Basedow病の診断ガイドライン(日本甲状腺学会 第7次案))
- 所見
- 1. 頻脈、体重減少、手指振戦、発汗増加等の甲状腺中毒症所見
- 2. びまん性甲状腺腫大
- 3. 眼球突出または特有の眼症状
- 1. 遊離T4、遊離T3のいずれか一方または両方高値
- 2. TSH低値(0.1μU/ml以下)
- 3. 抗TSH受容体抗体(TRAb,TBII) 陽性、または刺激抗体(TSAb) 陽性
- 4. 放射線ヨード(またはテクネシウム) 甲状腺摂取率高値、シンチグラフィでびまん性
- 診断
- a) の1つ以上に加えて、b) の4つを有するもの
- a) の1つ以上に加えて、b) の1、2、3を有するもの
3) Basedow病の疑い
- a) の1つ以上に加えて、b) の1と2を有し、遊離T4、遊離T3高値が3カ月以上続くもの
- 付記
- 1. コレステロール低値、アルカリフォスターゼ高値を示すことが多い.
- 2. 遊離T4正常で遊離T3のみが高値の場合が稀にある.
- 3. 眼症状がありTRAbまたはTSAb陽性であるが、遊離T4およびTSHが正常の例はeuthyroid
Graves’diseaseまたはeuthyroidophthalmopathyといわれる.
- 4. 高齢者の場合、臨床症状が乏しく、甲状腺腫が明らかでないことが多いので注意をする.
- 5. 小児では学力低下、身長促進、落ち着きの無さ等を認める.
- 6. 遊離T3(pg/ml) /遊離T4(ng/dl) 比は無痛性甲状腺炎の除外に参考となる
治療
の二種類である。薬効の高さや作用持続時間の長さの利点からMMIを第一選択とするが、胎盤移行や乳汁移行、副作用の出現頻度を考慮しPTUを用いることもある。治療中止の時期は甲状腺機能の正常化はもちろんのこと、抗TSH受容体抗体が陰性であることも必要である。
- 治療期間:長い。1-2年維持量でコントロールし、TSH受容体抗体が陰性化したら減量し、さらに6ヶ月したら休薬(YN.D-31)
治療の中止
- 4点がそろえば中止。中止後、10-25%が再発する。
- 1. メルカゾール1錠/日-1錠/隔日で甲状腺機能が正常 (TSH, FT4の両方が正常)
- 2. 投薬継続期間が2年以上
- 3. 甲状腺腫が小さくなった
- 4. TSH受容体抗体が陰性
βブロッカー
- 脈拍、動悸、振戦を軽減 ← 甲状腺ホルモンの「心筋細胞のカテコールアミン受容体を増加させる作用」に対して
放射性ヨード療法
- 131Iのβ線により甲状腺組織を破壊
- 効果は2-3週後に出現し、最大効果は6-12週後。
外科的治療法
比較
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放射性ヨード療法 131療法
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外科的治療法
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抗甲状腺薬
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長所
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治療法が簡単
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どの年代の患者でも可能(妊娠・妊娠中も可能)
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成人合併例でも治療可能
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通院での治療可能
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比較的短期間で寛解
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短期間に治癒
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永続寛解率が高い
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高い寛解率
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侵襲が少ない
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不可逆的な甲状腺機能低下は稀
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短所
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特別な施設が必要
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手術侵襲
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副作用(無顆粒球症・肝障害)
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永続的甲状腺機能低下症が年ごとに増加
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永続的甲状腺機能低下症
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妊娠、授乳期では禁忌
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瘢痕
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治療期間が長い
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術後合併症(反回神経麻痺、テタニー)
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永続寛解率が低い
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術後再発
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回避・禁忌
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30歳以下は避ける
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妊娠予定、妊娠中、授乳中は禁忌
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適応
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欧米の第一選択
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日本の第一選択
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老人で早期治療を望む場合
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早期治癒を望む場合(社会的・妊娠希望)
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小児、妊婦
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抗甲状腺薬で副作用の例
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抗甲状腺薬で副作用の例
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外科的療法、放射性ヨード療法の明らかな適応外
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抗甲状腺薬で永続治癒の可能性低
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抗甲状腺薬で永続治癒の可能性低
|
FT4軽度上昇例
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服薬・治療コンプライアンス低
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服薬・治療コンプライアンス低
|
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手術適応だが合併症、患者の意志により回避される場合
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通院が困難
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手術後再発例
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甲状腺腫が大
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甲状腺腫が小
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病理
- 濾胞上皮の著明な過形成、上皮細胞の丈が増して円柱上となる、濾胞上皮が乳頭状に濾胞腔に突出する、間質の軽度の線維化、リンパ球集簇、リンパ濾胞、腫大した上皮細胞は濾胞中央部のコロイドを活発に吸収するため、コロイドの辺縁部に空泡が見える。
グレーブス病、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎の比較
- YN.D-40改変
参考
- 1. D.産科疾患の診断・治療・管理 8.合併症妊娠の管理と治療 - 日産婦誌60巻3 号
- http://www.jsog.or.jp/PDF/60/6003-041.pdf
[★]
- 英
- thyroid stimulating hormone receptor antibody TRAb, thyroid-stimulating hormone receptor antibody
- TSH結合阻害免疫グロブリン TSH-binding inhibiting immunoglobulin
- 同
- TSH受容体抗体、TSHレセプター抗体、抗TSH受容体抗体 TSH receptor antibody
- 関
- 甲状腺、TSH
- TSH受容体に対する自己抗体を測定する。バセドウ病では90%以上が陽性となる
- TSH受容体に結合してシグナルを入力する自己抗体(TSAb)と、シグナルの入力を妨げるもの(TSBAb)を同時に検出する。
[★]
- 英
- thyroid-stimulating hormone receptor antibody, TSHRAb, thyrotropin receptor antibody, TRAb
- 関
- 甲状腺刺激抗体、甲状腺刺激阻害抗体
[★]
- 英
- human thyroidadenylate cyclase stimulator HTACS
- 同
- ヒト甲状腺刺激物質 human thyroid stimulator HTS
- 関
- 甲状腺刺激抗体
[★]
甲状腺刺激抗体 thyroid stimulating antibody
[★]
- 英
- thyroid gland
- ラ
- glandula thyroidea
- 関
- 甲状腺ホルモン、副甲状腺(上皮小体)
- 喉頭
- 図:N.24(全面の筋),25(全面の筋),70(血管),71(血管)
解剖学
部位
性状
- 成人の正常重量15-25g、女性の方が少し重い。妊娠中や性周期で重量が変化する。分泌期初期(early secretary phase排卵後2-5日目)には50%も重量が増加する。
大きさ
- よくわかる甲状腺疾患のすべて 永井書店 (2004/01) ISBN 481591673X
- 単位はmm?
|
n
|
峡部
|
横断厚
|
横径
|
縦経(右)
|
縦経(左)
|
男性
|
34
|
1.8±0.6
|
18±3.0
|
48±4.8
|
49±3.7
|
49±3.8
|
女性
|
16
|
1.3±0.8
|
16±2.2
|
46±3.6
|
45±6.0
|
46±3.0
|
血管
動脈
静脈
神経
- 声帯を支配する神経が甲状腺の裏側を通過 N.71
画像
- (高エコー)筋肉>甲状腺>気道(低エコー) ← 要確認
組織学
- 成人甲状腺全体の0.1%を占める
- カルシトニン産生細胞、HEでは判別困難。
- 銀染色(Glimerius)、免疫組織化学(chromogranin A、synaprophysin, carcitoninなど)により明らかとなる。
- 電顕では、electron dense な顆粒を有する(神経内分泌顆粒)。
機能
発生
神経支配
- 上頚部交感神経節、中頚部交感神経節。交感神経神経線維は濾胞近傍に終末し、分泌に影響を及ぼす。
臨床関連
診察所見と疾患
非腫瘍性疾患
- a) 無形成 Agenesis
- b) 低形成 Hypoplasia
- c) 異所性甲状腺:異残物
- mynocyclineによるblack thyroid:消耗性色素リポフスチンと他の物質(lipid-drug complexによりlysosomeに色素が沈着する)。
- a) 濾胞腺腫 follicular adenoma
- a) 乳頭癌 papillary carcinoma 88%
- b) 濾胞癌 follicular carcinoma 4.2% 甲状腺濾胞癌 thyroid follicular carcinoma
- c) 低分化癌 poorly differentiated carcinoma
- d) 未分化癌 undifferentiated carcinoma 1.5%
- e) 髄様癌(C細胞癌) medullary carcinoma, C-cell carcinoma 1.4%
- f) 悪性リンパ腫 malignant lymphoma 3.5%
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
分類
[★]
- 英
- antibody, Ab
- 関
- γ-globline、免疫グロブリン
- 抗原を特異的に認識する糖蛋白質である免疫グロブリンの一種。
- 血液・リンパ液中で抗原と非結合状態のものを指す
- 液性免疫に関与
[★]
- 英
- (刺激そのもの)stimulus、stimuli。(行為)stimulation、、stimulate、irritate、incite、(薬物や抗原で)prime
- 同
- impulse
- 関
- 刺激作用、煽動、抗原刺激、扇動、予備刺激
[★]
- 英
- body
- ラ
- corpus、corpora
- 関
- 肉体、身体、本体、コーパス、ボディー