- 英
- acute epiglottitis
- 関
- 喉頭炎
- 発熱、嚥下痛/咽頭痛、流涎、stridor、嗄声
- 病原体:インフルエンザ菌b型が多い。その他、化膿性連鎖球菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌でも起こりうる。
- 検査:これはあまりやらない → 頚部側面単純X線写真:thumb sign
参考
- http://www.nurs.or.jp/~academy/igaku/w/w421.htm
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/08/20 23:56:50」(JST)
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Epiglottitis |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
J05.1 |
ICD-9 |
464.3, 476.1 |
DiseasesDB |
4360 |
MedlinePlus |
000605 |
eMedicine |
emerg/169 emerg/375 ped/700 |
MeSH |
D004826 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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急性喉頭蓋炎(きゅうせい・こうとうがいえん、英: acute epiglottitis)は、喉頭蓋の細菌感染による上気道疾患である。重症例では急速に進行し、予期せぬ窒息を来たすことがある。[1]なお、単に喉頭蓋炎と言った場合もほとんどはこの急性喉頭蓋炎を指す。感冒との鑑別が困難なことが多い。
目次
- 1 疫学
- 2 症状[4]
- 3 検査
- 4 治療
- 5 外部リンク
- 6 関連事項
- 7 引用・文献
疫学
小児(2〜5歳程度)に多いが成人例も散見される。細菌感染が主である。インフルエンザ菌b(Hib)による症例が多く[2]、次いで肺炎球菌、溶連菌がみられる。 欧米諸国ではHibワクチンのため、小児のインフルエンザ菌による髄膜炎・喉頭蓋炎は減少している。ワクチンの効果を失った成人患者の割合が増加している。[3]
症状[4]
- 咽頭痛(sore throat)
- 嚥下痛(odynophagia, swallowing pain)
- 嚥下困難
- 流涎(りゅうぜん・涎を垂れ流すこと)
- 発熱(fever)
- 構語障害 (dysphonia)
- 吸気性喘鳴 (stridor)
- 呼吸困難(dyspnea): 窒息にいたることもある[5]
- 嗄声(hoarse): いわゆる「しゃがれ声」「ハスキーボイス」
- 含み声: muffled voice,hot potato voiceとも呼ばれる、マフラーを巻いたような声。
検査
- 喉頭鏡: 直接腫脹した喉頭蓋を確認できる。
- 頸部側面X線写真: 気道と喉頭蓋、頸部軟部組織の形態を評価する。X線写真上で肥大した喉頭蓋は「thumb sign」と呼ばれる。
- クループとの鑑別のため頸部正面X線写真も参考となる。
-
-
左列は上:正常喉頭蓋と下:シェーマ。右列は上:喉頭蓋炎症例、右下は同シェーマ。青点線で喉頭蓋を示す。
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治療
- 抗生物質の投与。嚥下困難があるため、経静脈投与が主体となる。
- インフルエンザ菌bは、現在BLNARなどの耐性菌が増えている。生命にかかわる事態では、抗生物質が効かないことは許されないため、当初より第三世代セフェム系(ロセフィンなど)やニューキノロン系抗菌剤(クラビット注など)が投与される。
- 喉頭蓋の腫脹がひどい時には、経静脈的にステロイドを投与し、浮腫を軽快させ気道を広げる治療も行われる。
- 病勢によっては気管内挿管や緊急気管切開が行われることもある。着手が遅れると、死亡したり[6]、後遺症が残ることがある。[7]
外部リンク
- http://ww3.tiki.ne.jp/~ogarin/page035.html
- http://hs.nakamoto-plan.co.jp/groups/naika/items/literature/epiglotittis.html
- http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1009990 New England Journal of Medicine
関連事項
- レミエール症候群
- 亜急性甲状腺炎
- 咽頭後壁膿瘍
- クループ
- ジョージ・ワシントン...急性喉頭蓋炎で亡くなったとの説がある。
引用・文献
- ^ INFECTION FRONT, 22: 33-35, 2011.
- ^ Khilanani U, et al: Am J Med Sci 287:65, 1984
- ^ http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1009990
- ^ 医療係争事例から学ぶ 54; 日医雑誌 138;9:1798-9.
- ^ http://ops.umin.ac.jp/ops/paper/051215aeml_data/pre98_11_3.html
- ^ 急性喉頭蓋炎を風邪と診断して死亡に至った例. 判例時報 1224号96-104.
- ^ 「急性喉頭蓋炎の患者が低酸素脳症から重度後遺症。最初に診療した個人経営の病院及び転送先の県立病院に対して、定期金賠償を含む損害賠償の支払いを命じた判決」平成16年1月21日大阪地裁判決(判例時報1907号85頁)
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非定型肺炎
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肺真菌症
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ニューモシスチス肺炎 - クリプトコッカス症 - アスペルギルス症
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レジオネラ菌 - マイコプラズマ - クラミジア肺炎 - オウム病
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抗酸菌症
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結核 - 非結核性抗酸菌症
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機序
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市中肺炎 - 院内肺炎 - 誤嚥性肺炎
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病態
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肺胞性肺炎
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大葉性肺炎 - 気管支肺炎
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化膿性肺炎
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胸壁 |
膿胸
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Japanese Journal
- 東谷 敏孝,執行 寛,林 達哉,原渕 保明
- 耳鼻咽喉科臨床 104(7), 509-515, 2011
- Acute epiglottitis can produce airway obstruction, so we must usually treat these patients immediately with airway control. In Japan, acute epiglottitis in adults is common, but acute epiglottitis in …
- NAID 130000804905
- クループ症候群,RSウイルス性細気管支炎 (特集 当直でよくみる症候・疾患ABC) -- (おもな疾患の診断と初期対応)
Related Links
- 急性喉頭蓋炎。急性喉頭蓋炎とはどんな病気か 気道の一部である声門(声帯のあるところ)のすぐ上に喉頭蓋という部分があります。急性喉頭蓋炎では、喉頭蓋が急激にはれるため、気道をふさぎ、はれがひどい場合には窒息 ...
- 喉頭蓋炎と急性喉頭蓋炎と慢性喉頭蓋炎の違い、ひどくなったらどうなる?病院の何科?検査と診断、症状、原因、治療法(治し方)、完治しても再発する?うつる?喉頭蓋炎になりやすい人と職業、手術、自然治癒について解説してます。
- にも関わらず丁寧に応対してくれました。 “急性喉頭蓋炎? 緊急入院? もう少しで窒息?” 既に考える気力もありませんでした。家族によく話を 聞いてもらい、すぐに点滴が開始されました。半日後には 食事も食べられるように ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 23歳の男性。のどの痛みを主訴に来院した。
- 現病歴:2日前からのどの痛みと発熱とを自覚していた。痛みが次第にひどくなったため23時に救急外来を受診した。痛みが強く唾液を飲み込むことができないため口から吐き出している。
- 既往歴: 15歳時に虫垂炎の手術を受けた。
- 家族歴:特記すべきことはない。
- 現 症:意識は清明。体温38.2℃。脈拍92/分、整。血圧124/80mmHg。呼吸数20/分。眼瞼結膜に貧血を認めない。咽頭後壁粘膜はやや発赤しているが、口蓋扁桃の腫脹はみられない。頸部に圧痛を認め、軽度喘鳴を聴取する。心音に異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [106E058]←[国試_106]→[106E060]
[★]
- 54歳の男性。5日前からの咽頭痛と発熱とを主訴に来院した。意識は清明。開口制限はないが、軽度の喘鳴がある。前頸部に発赤、腫脹および圧痛を認める。咽頭に軽度の発赤と腫脹とを認める。身長172cm、体重54kg。体温38.2℃。脈拍84/分、整。血圧100/66mmHg。呼吸数20/分。SpO2 92%(room air)。血液所見:赤血球438万、Hb 14.4g/dl、Ht 42%、白血球21,100、血小板15万。CRP 41mg/dl。頸部の写真(別冊No.5A)と頸部造影CT(別冊No.5B、C)とを別に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [107E047]←[国試_107]→[107E049]
[★]
- 58歳の男性。嗄声と慢性的な咳とを主訴に来院した。6か月前から誘因なく、のどの異物感を自覚している。呼吸困難と嚥下障害とはない。喫煙は40本/日を38年間。飲酒は機会飲酒。喉頭内視鏡の写真(別冊No、23 (①~⑤)を別に示す。
- この患者の喉頭内視鏡写真として考えられるのはどれか。 2つ選べ。
[正答]
※国試ナビ4※ [104A054]←[国試_104]→[104A056]
[★]
- 2歳の男児。息が荒く喘鳴があることに気付いた母親に連れられて来院した。2日前から発熱と咳とがあり近くの診療所で上気道炎として治療されていたが喘鳴が出現したため救急外来を受診した。体温 37.5℃。咽頭に軽度の発赤を認める。胸部聴診で吸気時に喘鳴を認める。頸部エックス線写真の正面像(別冊No. 7A)と側面像(別冊No. 7B)を別に示す。
- 考えられる疾患はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [109E051]←[国試_109]→[109E053]
[★]
- 32歳の男性。4日前から咽頭痛と発熱とがあったが放置していた。昨日から高熱が出現し、嚥下困難や開口障害を伴うようになってきたので来院した。
- 血液所見:赤血球480万、Hb13.0g/dl、白血球13,600。
- 血清生化学所見;AST(GOT)30単位(基準40以下)、ALT(GPT)28単位(基準35以下)。CRP 13.6mg/dl (基準0.3以下)。
- 咽頭の写真を以下に示す。
- 最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096D010]←[国試_096]→[096D012]
[★]
- 56歳の男性。呼吸困難と嚥下痛とのため来院した。昨日から咽頭痛があり、今朝から呼吸困難が出現した。吸気性喘鳴を聴取する。喉頭内視鏡写真を以下に示す。最も考えられるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A011]←[国試_099]→[099A013]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [106B062]←[国試_106]→[106C002]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [114B001]←[国試_114]→[114B003]
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[正答]
※国試ナビ4※ [102A016]←[国試_102]→[102A018]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [104A018]←[国試_104]→[104A020]
[★]
- 英
- larynx (KL,K)
- 関
- 咽頭
解剖
- 第4~6頚椎の高さにある。約5cm (KL.612) <→ C3-C6椎体の高さにある(M.571)
組織
- 呼吸器の上皮の移行
- 呼吸上皮
- 重層扁平上皮:喉頭蓋、声帯遊離縁
- 声帯以外の粘膜下組織中には喉頭腺が存在。喉頭室部に多い。
リンパ
- 上喉頭動静脈に沿って舌骨甲状膜を貫通 → 上内頚静脈リンパ節、中内頚静脈リンパ節
- 喉頭粘膜のリンパ網は、仮声帯、喉頭入口部でよく発達。喉頭蓋基部の小孔を通じて喉頭蓋前間隙のリンパ組織に連絡し、さらに内深頚リンパ節につらなっている。このため声帯上部癌のリンパ節転移率は喉頭癌のうち最も高率(SOTO. 560)
- 下喉頭動静脈に沿って喉頭前リンパ節・気管リンパ節 → 下内頚静脈リンパ節
- 喉頭前リンパ節、気管周囲リンパ節につながっている(SOTO. 560)
機能
喉頭の固有筋→喉頭筋
臨床関連
- 喉頭先天性疾患
- 喉頭外傷
- 喉頭異物
- 喉頭炎症
- 喉頭非腫瘍性病変
- 喉頭ポリープ(声帯ポリープ):声帯縁にに好発する広基性、有茎性の浮腫性腫瘤。声帯前1/3に好発。一側性が多い。表面平滑、色調は声帯と異なる。種々の嗄声を示す。保存療法(沈黙療法)で軽快しなければ手術的に切除。
- 声帯結節:声帯の前1/3に好発。両側性が多い。女性に多く、声を酷使する職業に多い。幼児・学童では男性に多い。表面の色調は声帯と変わらない。嗄声をしめし、気息性嗄声が主。保存療法(沈黙療法)で軽快しなければ手術的に切除。
- ポリープ様声帯
- 喉頭肉芽腫
- 喉頭嚢胞
- 喉頭角化症/喉頭白色病変/喉頭白色病変/喉頭白板症
- 喉頭癌
[★]
- 関
- 炎光、炎症
[★]
- 英
- acute
- 関
- 急性的、鋭い、鋭形、急性型
[★]
- 英
- epiglottitis
- 関
- 喉頭蓋
[★]
- 英
- cranium
- 関
- 頭蓋骨