メチルジゴキシン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ラニラピッド錠0.05mg
組成
有効成分・含有量(1錠中)
添加物(1錠中)
- 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク
禁忌
- 房室ブロック、洞房ブロックのある患者[刺激伝導系を抑制し、これらを悪化させることがある。]
- ジギタリス中毒の患者[中毒症状が悪化する。]
- 閉塞性心筋疾患(特発性肥大性大動脈弁下狭窄等)のある患者[心筋収縮力を増強し、左室流出路の閉塞を悪化させることがある。]
- 本剤の成分又はジギタリス剤に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
○次の疾患に基づくうっ血性心不全
- 先天性心疾患、弁膜疾患、高血圧症、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)
○心房細動・粗動による頻脈、発作性上室性頻拍
ラニラピッド錠0.05mgの場合
急速飽和療法(飽和量:0.6〜1.8mg)
- 初回0.2〜0.3mg(4〜6錠)、以後、1回0.2mg(4錠)を1日3回経口投与し、十分効果のあらわれるまで続ける。
なお、比較的急速飽和療法、緩徐飽和療法を行うことができる。
維持療法
- 1日0.1〜0.2mg(2〜4錠)を経口投与する。
ラニラピッド錠0.1mgの場合
急速飽和療法(飽和量:0.6〜1.8mg)
- 初回0.2〜0.3mg(2〜3錠)、以後、1回0.2mg(2錠)を1日3回経口投与し、十分効果のあらわれるまで続ける。
なお、比較的急速飽和療法、緩徐飽和療法を行うことができる。
維持療法
- 1日0.1〜0.2mg(1〜2錠)を経口投与する。
- 飽和療法は過量になりやすいので、緊急を要さない患者には治療開始初期から維持療法による投与も考慮すること。
慎重投与
- 急性心筋梗塞のある患者[心筋収縮力増強により心筋虚血を悪化させるおそれがある。]
- 心室性期外収縮のある患者[中毒が発現した場合、鑑別ができないおそれがある。]
- 心膜炎、肺性心のある患者[少量で中毒を起こすおそれがある。]
- WPW症候群のある患者[副伝導路の伝導速度を速め、不整脈が悪化するおそれがある。]
- 電解質異常(低カリウム血症、高カルシウム血症、低マグネシウム血症等)のある患者[少量で中毒を起こすおそれがある。]
- 腎疾患のある患者[本剤の排泄が遅延し、中毒を起こすおそれがある。]
- 血液透析を受けている患者[本剤の排泄が遅延する。また、透析により、血清カリウム値が低下する可能性があるため、中毒を起こすおそれがある。]
- 甲状腺機能低下症のある患者[本剤の血中濃度が高くなり、作用が増強し、中毒を起こすおそれがある。]
- 甲状腺機能亢進症のある患者[本剤の血中濃度が低くなり、作用が減弱し、大量投与を要することがある。]
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重大な副作用
ジギタリス中毒
(頻度不明)
- 高度の徐脈、二段脈、多源性心室性期外収縮、発作性心房性頻拍等の不整脈があらわれることがある。また、さらに重篤な房室ブロック、心室性頻拍症あるいは心室細動に移行することがある。初期症状として消化器、眼、精神神経系症状[「その他の副作用」の項参照]があらわれることが多いが、それらの症状に先行して不整脈が出現することもある。このような症状があらわれた場合には、減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。[処置法は「過量投与」の項参照。]
非閉塞性腸間膜虚血
(頻度不明)
- 非閉塞性腸間膜虚血があらわれることがあり、腸管壊死に至った例も報告されているので、観察を十分に行い、激しい腹痛、血便等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- モルモットの摘出左心房標本において、電気的駆動による心収縮力に対するメチルジゴキシン及びジゴキシンの作用を比較した試験で、両薬物の心収縮力最大増加率及びその時の薬物濃度並びに心停止を起こす濃度は同等であった。また、イヌを用い、血圧、心拍数、心電図、左室内圧及び一次微分(dp/dt)を測定した結果、メチルジゴキシンはmax.dp/dtを著明に増加し、軽度の血圧上昇及び心拍数の減少を起こし、これらの作用はジゴキシンとほぼ同程度であった。また、心室性期外収縮及び心停止発現量はメチルジゴキシンとジゴキシンの間に差はみられなかった。11)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- メチルジゴキシン(Metildigoxin)(JAN)
化学名
- 3β-[2,6-Dideoxy-4-O-methyl-β-D-ribo-hexopyranosyl-(1→4)-2,6-dideoxy-β-D-ribo-hexopyranosyl-(1→4)-2,6-dideoxy-β-D-ribo-hexopyranosyloxy]-12β,14-dihydroxy-5β-card-20(22)-enolide―acetone(2/1)
分子式
分子量
性 状
- 本品は白色〜淡黄白色の結晶性の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミド、ピリジン又は酢酸(100)に溶けやすく、クロロホルムにやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)又はアセトンに溶けにくく、水に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- digoxin
- 商
- Lanoxin、ジゴシン、ジゴシンエリキシル、ジゴハン、ハーフジゴキシン、メチルジゴキシン、ラニラピッド
- 関
- ジギトキシン、ジギタリス、強心薬、抗不整脈薬
- 強心剤
- first aid step1 2006 p.84,241,244
薬理作用
- 心筋収縮力の増強、心拍数の抑制および刺激伝導速度の低下
- 心電図の変化
- ↑PR、↓QT、↓ST(盆状低下, scooping of ST segment)、陰性T波
動態
適応
注意
- β遮断薬:房室伝導を抑制するので(陰性変伝導作用)、完全ブロックを起こす危険が高まる
- カルシウム拮抗薬:β遮断薬とカルシウム拮抗薬は、心筋の収縮力をさげ、ジギタリスの作用を増強しうる
- K+-wasting diuretics:低カリウム血症からジギタリス中毒を引き越しやすくなる
禁忌
副作用
- 消化器症状(nausea, vomiting, diarrhea)
- 循環器症状(不整脈)
- blurry yellow vision
-
- 低カリウム血症では、Na-K ATPaseがリン酸化され、ジゴキシンはリン酸化されたNa-K ATPaseと親和性が高いため(PPC.338)
[★]
- 英
- cardiac stimulant、cardiotonic、cardiotonics
- 関
- 強心、強心性、強心薬、心保護薬
商品
[★]
- 英
- metildigoxin, methyldigoxin
- 商
- ラニラピッド
- 関
- ジゴキシン、ジギタリス
- 強心配糖体
- ジゴキシンより吸収率が高く、速やかに効果を現す
[★]
- 英
- leek
- 関
- タマネギ、リーキ