ビキサロマー
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- キックリンとは?ビキサロマーの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- 商品名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分 キックリンカプセル250mg Kiklin Capsules 250mg アステラス製薬 2190032M1027 ... 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 腸閉塞の患者[非吸収性ポリマーのため、腸管穿孔を ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
キックリンカプセル250mg
組成
有効成分(1カプセル中)
添加物
- 軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、カラギーナン、ソルビタン脂肪酸エステル
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 腸閉塞の患者[非吸収性ポリマーのため、腸管穿孔を起こすおそれがある。]
効能または効果
下記患者における高リン血症の改善
- 透析中の慢性腎不全患者
- 通常、成人には、ビキサロマーとして1回500mgを開始用量とし、1日3回食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日7,500mgとする。
- 投与量は血清リン濃度が3.5〜6.0mg/dLとなるよう、以下の基準を目安に適宜増減する。
- 本剤投与開始時又は用量変更時には、1週間後を目安に血清リン濃度の確認を行うこと。
- 増量を行う場合は1週間以上の間隔をあけて行うこと。
慎重投与
- 便秘のある患者[症状が悪化した場合、腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。]
- 腸管狭窄のある患者[非吸収性ポリマーのため、腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。]
- 腸管憩室のある患者[憩室部位に腸管穿孔を起こすおそれがある。]
- 腹部手術歴のある患者[腸管の癒着等が生じ、腸閉塞を起こすおそれがある。]
- 痔疾患のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
- 消化管潰瘍又はその既往歴のある患者[症状を悪化又は再発させるおそれがある。]
- 重度の消化管運動障害を有する患者[症状を悪化させるおそれがある。]
重大な副作用
虚血性腸炎(1%未満)
- 虚血性腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、病態が進行し腸管穿孔等の重篤な状態に至らぬよう、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
消化管出血、消化管潰瘍(各1%未満)
- 吐血、下血及び食道、胃、十二指腸、結腸、直腸等の潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、これらの病態が疑われる場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
便秘・便秘増悪(15%以上)
- 便秘・便秘増悪が高頻度で認められている。これらの症状があらわれた場合には本剤の減量又は休薬を考慮し、高度の場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
薬効薬理
薬理作用
血漿リン濃度及びCa×P積低下作用
- 高リン食摂餌5/6腎臓摘出慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは3%の混餌投与により、血漿リン濃度(AUC値)及びCa×P積(AUC値)を有意に低下させた11)。また、アデニン誘発慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは3%の混餌投与により、血漿リン濃度(AUC値)及びCa×P積(AUC値)を有意に低下させた12)。
血管石灰化抑制作用
- ビタミンD負荷アデニン誘発慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは2%の混餌投与により、大動脈中カルシウム量を有意に低下させた13)。
二次性副甲状腺機能亢進症改善作用
- 高リン食摂餌5/6腎臓摘出慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは3%の混餌投与により、血漿PTH濃度(AUC値)及び副甲状腺重量比を有意に低下させた14)。また、アデニン誘発慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは3%の混餌投与により、血漿PTH濃度(AUC値)及び副甲状腺重量比を有意に低下させた15)。
腎性骨異栄養症進展抑制作用
- アデニン誘発慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは 3%の混餌投与により、大腿骨の空隙面積率及び線維化面積率を低下させた。類骨面積率に対しては、ビキサロマー投与による有意な変化は認められなかった16)。
血液pH、重炭酸イオン濃度に対する作用
- アデニン誘発慢性腎臓病ラットにおいて、ビキサロマーは 3%の混餌投与により、血液pH及び血液重炭酸イオン濃度の低下を改善した17)。
作用機序
- ビキサロマーはアミン機能性リン酸結合性ポリマーであり、消化管内でリン酸と結合して糞中へのリン排泄を促進することにより、消化管からのリン吸収を抑制し血中リン濃度を低下させる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
本質
- 〔日本名〕ビキサロマーは、N,N,N’,N’-テトラキス(3-アミノプロピル)ブタン-1,4-ジアミンと 2-(クロロメチル)オキシランが1:2.1-2.4の比で反応して得られた架橋重合体である。
〔英名〕Bixalomer is a cross-linked polymer which is obtained by a reaction between N,N,N’,N’-tetrakis(3-aminopropyl)butane-1,4-diamine and 2-(chloromethyl)oxirane with a ratio of 1:2.1-2.4.
性状
- 白色〜帯黄白色の粉末である。水及びエタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性である。
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- bixalomer
- 商
- キックリン
- 関
- その他の循環器官用薬
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3