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成分
薬効分類
薬効
【希少疾病用医薬品】
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Japanese Journal
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
トラクリア錠62.5mg
組成
成分・含量
- 1錠中ボセンタン62.5mg
(ボセンタン水和物として64.54mg)
添加物
- トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチNa、ポビドン、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリン酸Mg、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリアセチン、タルク、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、エチルセルロース
禁忌
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 中等度あるいは重度の肝障害のある患者[肝障害を増悪させるおそれがある]
- シクロスポリン又はタクロリムスを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
- グリベンクラミドを投与中の患者[「相互作用」の項参照]
- 本剤及び本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 肺動脈性肺高血圧症(WHO機能分類クラスII、III及びIV)
- WHO機能分類はNYHA(New York Heart Association)心機能分類を肺高血圧症に準用したものである。[末尾の「参考」の項参照]
- 原発性肺高血圧症及び膠原病に伴う肺高血圧症以外の肺動脈性肺高血圧症における有効性・安全性は確立していない。
- 通常、成人には、投与開始から4週間は、ボセンタンとして1回62.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。投与5週目から、ボセンタンとして1回125mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。
なお、用量は患者の症状、忍容性などに応じ適宜増減するが、最大1日250mgまでとする。
- 本剤投与中に、AST(GOT)又はALT(GPT)値が基準値上限の3倍を超えた場合、用量調節と肝機能検査を以下の基準を参考に行うこと。
AST(GOT)/ALT(GPT)値:>3及び≦5×ULN
- 投与法と肝機能検査の実施時期:減量又は投与を中止する。その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、適宜投与を継続又は再開※する。
AST(GOT)/ALT(GPT)値:>5及び≦8×ULN
- 投与法と肝機能検査の実施時期:投与を中止する。その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、投与の再開※を考慮する。
AST(GOT)/ALT(GPT)値:>8×ULN
- 投与法と肝機能検査の実施時期:投与を中止し再投与してはならない。
- ULN:基準値上限
- ※:再投与する場合は、開始用量から始めること。AST、ALT値は3日以内に確認し、2週間後に再度確認後、上記の投与法と肝機能検査の実施時期を参考にして投与する。
- AST、ALT値の上昇が肝障害の臨床症状、例えば、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛、黄疸、嗜眠又は疲労、インフルエンザ様症状(関節痛、筋痛、発熱)などを伴う場合、又はビリルビン値が基準値上限の2倍以上の場合は投与を中止すること。
- 体重40kg未満の患者では忍容性を考慮し、投与5週目以降もボセンタンとして1回62.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与することを考慮するなど、増量は慎重に検討すること。
慎重投与
- 投与開始前のAST(GOT)、ALT(GPT)値のいずれか又は両方が基準値上限の3倍を超える患者[肝機能障害を増悪させるおそれがある]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 低血圧の患者[血圧を一層低下させるおそれがある]
- ワルファリンを投与中の患者[本剤との併用によりワルファリンの効果が減弱することがあるので、本剤投与開始時、増量・減量時及び中止時には必ずINR値の確認を行い、ワルファリン投与量の調節を行うこと。適切なINR値になるまでは2週に1回の検査が望ましい。「相互作用」及び「薬物動態」の項参照]
重大な副作用
重篤な肝機能障害(1.3%注1))
- AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、定期的な検査及び十分な観察を行い、肝機能検査値の異常が認められた場合はその程度及び臨床症状に応じて、減量及び投与中止など適切な処置をとること。[「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照]
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(頻度不明注2))
- 汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(ヘモグロビン減少)があらわれることがあるので、定期的な検査及び十分な観察を行い、異常が認められた場合には減量及び投与中止など適切な処置をとること。[「重要な基本的注意」の項参照]
薬効薬理
血管収縮の阻害24)
- ラットの内皮を剥離した大動脈リング標本(ETA受容体を保持)において、ボセンタンはET-1による血管収縮を拮抗的に阻害し、pA2は7.2であった。また上皮を剥離したラットの摘出気管リング標本(ETB受容体を保持)において、ボセンタンはサラホトキシンS6c(ETB作動薬)の血管収縮作用を拮抗的に阻害し、そのpA2は6.0であった。
細胞増殖の阻害25)、26)
- ボセンタンはET-1のETAとETB両受容体を介した細胞増殖を阻害した。自然発症高血圧ラットより採取した動脈血管平滑筋細胞(大部分はETA受容体を保持)とラットの気管平滑筋細胞(ETAとETB受容体を保持)において、ET-1の細胞増殖促進作用を阻害した。
血管内皮機能の改善
- ボセンタンはラットの単離心臓標本において、虚血/再灌流時に冠血管に認められるアセチルコリン誘発内皮依存性弛緩機能の障害を抑制することにより、内皮機能を高めた27)。このモデルにおいてボセンタンは左心室圧と冠血流の回復を改善することにより、心筋の機能を高めた。また別のモデルでは一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害剤によって誘発した昇圧を抑制した28)。
病態モデルに対する作用
肺動脈高血圧動物モデル29)
- ボセンタンは低酸素曝露で誘発される肺動脈高血圧動物モデルにおいて全身血圧に影響せず、平均肺動脈圧の上昇を抑制した。また、ボセンタンは低酸素の慢性曝露で誘発される右心室心筋重量比の増大並びに小肺動脈内壁の肥厚を有意に抑制した。
食塩高血圧ラットモデル30)
- DOCA食塩高血圧ラットにおいて、ボセンタンは左室壁の肥厚を低下させ、心内膜下の間質コラーゲンの割合と血管周囲コラーゲン量を低下させた。しかし、動脈圧への影響は小さかった。
肺線維症動物モデル26)
- ブレオマイシン肺線維症動物モデルにおいて、ボセンタンは結合組織の体積分率の上昇及び気腔の体積分率の低下を抑制した。
作用機序
- ボセンタンは、ヒトで知られているエンドセリンのETAとETBの両受容体に非選択的に結合するエンドセリン受容体拮抗薬である。両受容体を阻害することにより、ET-1の上昇に伴う種々の有害作用、特に血管収縮、細胞の増殖と肥大、細胞外マトリックスの形成等を抑制する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- ボセンタン水和物 Bosentan hydrate(JAN)
化学名:
- 4-(1,1-Dimethylethyl)-N-[6-(2-hydroxyethoxy)-5-(2-methoxyphenoxy)-2-(pyrimidin-2-yl)pyrimidin-4-yl]benzenesulfonamide monohydrate
- ボセンタン水和物は白色〜やや黄色の粉末である。アセトニトリル、ジクロロメタン、N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、メタノールに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
商品
[★]
- 英
- bosentan
- 化
- ボセンタン水和物 bosentan hydrate
- 商
- トラクリア
[★]
- 英
- clear
- 関
- 明らか、清澄、明白、明瞭