- 英
- spinothalamic tract
- ラ
- tractus spinothalamicus
- 関
- 上行性伝導路
概念
- 体幹や四肢の皮膚感覚の中でも生命の維持に重要な原始的感覚、すなわち痛覚、温度覚、および識別力のない触覚や圧覚を中枢に伝達する原始性感覚路をいう。系統発生学的に古い伝導路である。
走行
- 後根から入力を受けた後、直ちに交差して対側の前側索を上行し、視床に達する。
- 脊髄視床路起始ニューロンには、腹側基底核や後核群など視床外側部に終わるものと、髄板内核など内側部に終わるものがある(SP.231)。
- 温覚 + 痛覚 + 粗大な触圧覚(識別力なし)(B.P-2)
感覚の伝導路
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/01/19 06:07:52」(JST)
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脊髄視床路(せきずいししょうろ、英: spinothalamic tract)は脊髄から発している感覚伝導路である。痛覚、温度覚、触覚、圧覚といった情報を視床に伝達する。
脊髄視床路には、前脊髄視床路と外側脊髄視床路の2つがある。前脊髄視床路は、触覚と圧覚に関与する伝導路である。外側脊髄視床路は、痛覚と温度覚に関与する伝導路である。
関連項目[編集]
神経解剖学: 脊髄 |
|
脊髄神経 |
背側(後根、神経節、後枝) - 腹側(前根、前枝) - 交感神経幹 - 交通枝(灰白交通枝、白交通枝)
|
|
灰白質/レクセドの層 |
後角(背核、ローランドの膠様質、固有核) - 側角 - 前角 - 中心管/中心膠様質
|
|
白質 |
体性感覚/上行 |
後索/後索・内側毛帯路: 触覚・固有覚: 薄束 - 楔状束
側索: 固有覚: 脊髄小脳路(背側脊髄小脳路、腹側脊髄小脳路) - 温痛覚: 脊髄視床路(外側脊髄視床路、前脊髄視床路) - 後外側路 - 脊髄視蓋路
|
|
運動/下行 |
側索: 皮質脊髄路(外側) - 錐体外路系(赤核脊髄路、オリーブ脊髄路)
前索: 皮質脊髄路(前皮質脊髄路) - 錐体外路系(前庭脊髄路、網様体脊髄路、視蓋脊髄路)
|
|
|
周囲 |
硬膜外腔 - 硬膜 - 硬膜下腔 - クモ膜 - クモ膜下腔 - 軟膜
|
|
その他 |
歯状靱帯 - 脊髄円錐 - 馬尾 - 終糸 - 頸膨大 - 腰膨大 - 前正中裂
|
|
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Japanese Journal
- 顔面をふくまない半身の温痛覚障害のみを呈した延髄外側梗塞の67歳男性例
- 柏村 陽子,川井 元晴,小笠原 淳一,古賀 道明,根来 清,神田 隆
- 臨床神経学 49(5), 262-266, 2009-05-01
- NAID 10024899499
- In vivo パッチクランプ記録法の実際と応用 : 大脳皮質体性感覚野のシナプス応答
- 吉村 恵,土井 篤,水野 雅晴,古江 秀昌
- 日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA 128(6), 381-387, 2006-12-01
- … -118(2004)」に詳細をのべた.そこで,本稿では大脳皮質体性感覚野に焦点をあわせ,筆者らが開発した方法と実験結果について紹介したい.周知のように体性感覚情報は脊髄で修飾・統合をうけたのち,脊髄視床路や後索―内側毛帯路,または脊髄網様体視床路を通り,第一次体性感覚野に投射される.また,網様体視床路の一部は扁桃体や前帯状回,島などに送られ情動的な変化を誘起する.体性感覚野は視床から …
- NAID 10018553362
- 脳深部刺激装置, 脊髄硬膜外刺激装置(<特集>慢性疼痛治療における医療機器の現状と展望)
- 小林 一太,片山 容一
- 医科器械学 75(3), 121-124, 2005-03-01
- … 痛みの求心路として重要な脊髄視床路系ないしは脊髄視床路系への入力がいずれかで遮断されると, その支配領域に自発痛が生ずることがある. …
- NAID 110002521848
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- 外側脊髄視床路: LSTT Lateral spinothalamic tract =新脊髄視床路 neospinothalamic tract 外側系 ←→脊髄切截術 ←→脊髄前交連切断術 脊髄後角第I層のNSニューロンと第IV-VI層のWDRニューロンから。 2(3)次ニューロンの ...
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[★]
- 次の文を読み、22~24の問いに答えよ。
- 56歳の男性。会議中に突然めまいと吐き気とが出現したため救急車で搬送された。
- 現病歴 :半年前から会社の仕事が忙しく睡眠不足が重なり、過労気味であった。今朝、起床した時はいつもと変わらなかったが、14時ころ会社の会議室で立って発言中に突然、周りがぐるぐる回るめまいと吐き気とが出現し、立っていられなくなった。すぐ、同僚にかかえられて横になったが、めまいと吐き気とが持続した。
- 既往歴・家族歴:40歳ころから高血圧と糖尿病とを指摘され、食事療法を続けている。父親に高血圧と脳梗塞との既往がある。
- 現症 : 意識は清明。身長168cm、体重82kg。体温36.0℃。呼吸数20/分。心拍90/分、整。血圧170/nommHg。貧血と黄疸とはない。心雑音はない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・脾を触知せず、圧痛と抵抗とを認めない。下肢に浮腫を認めない。神経学的診察では、左顔面と頭部から下の右半身とに温痛覚低下、左上下肢の小脳性運動失調、構音障害、嚥下障害および回転性眼振を認める。運動麻痺、難聴、触覚・深部感覚障害、深部(腱)反射の異常、病的反射および膀胱直腸障害は認めない。
- 検査所見 : 血液所見:赤血球470万、Hb12.8g/dl、白血球6,500、血小板25万。
- 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン4.6g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン1。。0mg/dl、総コレステロール280 mg/dl、トリグリセライド190 mg/dl、AST28単位、ALT22単位、Na 140mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 104mEq/l。CRP 0.1mg/dl、15時に行った頭部単純CTでは異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [099I022]←[国試_099]→[099I024]
[★]
- 24歳の女性。1週前から両手足の先がしびれてきたので来院した。四肢遠位部の表在感覚と深部感覚との低下および四肢深部腱反射の低下を認める。病変部位はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [096F004]←[国試_096]→[096F006]
[★]
- 英
- ascending pathway (KL)
- 関
- 伝導路、下行性伝導路
上行性伝導路を伝導する感覚
各伝導路の概要 (SP.231)
皮膚、特に四肢遠位端無毛部の触圧覚受容器や筋、関節受容器からの太い有髄線維は、脊髄に入り同側の後索を上行する。延髄レベルで、上下肢からの線維はそれぞれ楔状束核、薄束核のニューロンに終わる。これら後索核ニューロンの軸索は交差して内側毛帯となり、その大部分が視床外側部の腹側基底核に、一部は後核群にも終わっている(SP.231)。
深部感覚+繊細な触圧覚、振動覚(B.P-2)
後根から入力を受けた後、直ちに交差して対側の前側索を上行し、視床に達する。
脊髄視床路起始ニューロンには、腹側基底核や後核群など視床外側部に終わるものと、髄板内核など内側部に終わるものがある(SP.231)。
温覚+痛覚+粗大な触圧覚(識別力なし)(B.P-2)
視床下部や大脳辺縁系を介して痛みの情動的側面に関係(SP.231)。
視床、脳幹網様体を介して睡眠覚醒サイクル、意識レベル、注意などに影響を及ぼす(SP.231)。
[★]
- 英
- Wallenberg's syndrome, Wallenberg syndrome
- 同
- ワレンベルグ症候群、Wallenberg症候群
- 延髄外側症候群 lateral medullary syndrome LMS
- 関
- 後下小脳動脈血栓、橋延髄外側症候群
[show details]
- 表:BET.235(脳神経を侵す脳幹障害)
- 図:BET.370,376 N.159(自律神経),164(脊髄の動脈)
障害部位:5, 8(vestibular n.), 9, 10, Sympathetic, Cerebellar, Lateral spinothalamic tract
疫学
- 若年に多く、椎骨動脈の解離が原因であることが多い。
病因
障害部位
- see BET.376
症状
- 全身:頭痛、回転性めまい、悪心・嘔吐
- 同側:顔面の温度・痛覚消失(感覚解離)、角膜反射低下、ホルネル症候群、眼振(回旋性眼振)、眼球側方突進、発声困難、嚥下困難、小脳性運動失調、筋緊張低下
- 対側:体幹・上下肢の温度・痛覚消失
[show details]
BET.235
症候
|
障害側
|
健側
|
CN V(感覚解離)
|
半身感覚解離(顔面をのぞく)
|
CN IX, Xの麻痺
|
|
ホルネル症候群
|
小脳性運動失調、眼振
|
- 椎骨動脈が脳底動脈となるより下位で後下小脳動脈(PICA)を分枝。PICAは延髄を後方に回り込み小脳の下面に分布
国試
[★]
- 英
- brainstem reticular formation (KL), reticular formation of brain stem
- ラ
- formatio reticularis truncus cerebri
- 関
- 網様体、脳幹
脳幹網様体
入出力
(KL.708)
機能 (KL.709)
- 大脳:上行性網様体賦活系
- 体性運動:骨格筋の筋緊張を維持し、筋活動を調節する
- 内臓運動:内蔵の機能の反応・調節に関与(特に延髄網様体)
- 線維連絡:自律神経中枢、脳神経の自律神経性核、脊髄の自律神経性ニューロン
[★]
- 英
- anterior spinal artery syndrome
- 同
- 前脊髄動脈血栓症 thrombosis of anterior spinal artery
- 関
- 大前根動脈
病態
[★]
- 英
- pain sensation, algesthesia, algesia
- 同
- 痛感覚、侵害感覚 nociception
- 関
- 上行性伝導路、痛覚の中枢
2007年度後期生理学授業プリント
痛みの分類
内因性発痛物質
- ブラディキニン・ヒスタミン・セロトニン・プロスタグランジン・乳酸・K+
痛覚過敏
痛覚の伝導路
[★]
- 英
- lateral spinothalamic tract (B)
- ラ
- tractus spinothalamicus lateralis
- 関
- 上行性伝導路、脊髄視床路
- 温痛覚を伝える。
- 脊髄レベルで対側に入り、外側脊髄視床路を通って上行する。
- 橋レベルでは背外側(やや腹側寄り)を通過する → ワレンベルグ症候群で巻き込まれる
臨床関連
[★]
- 英
- anterior spinothalamic tract (B)
- ラ
- tractus spinothalamicus anterior
- 関
- 上行性伝導路。脊髄視床路
[★]
- 英
- thalamus
機能 (KL.719-722)
解剖 (KL.719-722)
-
-
7.中心正中核
8.視床網様核
[★]
- 英
- spinal cord (M)
- ラ
- medulla spinalis
- 成人の脊髄は大後頭孔からL1-L2の椎骨まで達する (M.279)
解剖
[★]
- 英
- tract
- ラ
- tractus