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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/08/31 08:39:47」(JST)
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後根神経節(こうこんしんけいせつ、英:dorsal root ganglion)とは、脊髄後根(背根)にある神経節であり、末梢からの感覚情報の中継点として機能する神経細胞の集団である。背根神経節ともいう。後根のみに神経節が存在することから、根の名を付さずに脊髄神経節とも呼ばれる。
脊髄から前根(腹根)を通って出る運動神経路と、後根を通って感覚情報を伝える知覚神経路の最も大きな違いは、後根のみに神経節が存在する事実である。神経節とは、中枢神経外に存在し特定の機能を担った神経細胞体の集合と定義され、中枢内における神経核と対比される。
後根神経節にある神経細胞は、発生中に神経管の背側に形成される「神経堤」と呼ばれる部分からの細胞が、両側へ遊走した後に神経細胞へと分化することが明らかになっている。神経節に定着した細胞からは、二本の平行した神経突起が出るが、その突起は間もなく二方向にそれぞれ伸びることとなる。一方の突起は脊髄に向かい後根を形成しながら脊髄内へ進入し、脊髄髄質で種々の中継核に接続する場合が多いが、中継なしに後索を上行する線維もある。他方の突起は逆に伸長して、皮膚に終わったり、種々の感覚器と結合する。こうして後根神経節の細胞は、末梢の知覚が脊髄に運ばれる情報の中継点として機能することになる。
後根神経節の内部には、神経細胞体のほかに、それよりも小さな細胞が数多く存在する。これは神経細胞と同じく神経堤に由来しており、衛星細胞または外套細胞と呼ばれる。この細胞は中枢におけるグリア細胞や末梢の軸索周囲にあるシュワン細胞と同様、ミエリンを形成したり神経細胞を栄養する機能を持っている。
反射弓の回路は、後根神経が脊髄内で介在神経を介して運動神経に結合することによってできるから、後根神経の神経は、この回路の構築に極めて重要だと言える。後根神経は、数種の皮膚知覚(熱痛覚、粗大触覚、識別覚、深部知覚)の他、腱(ゴルジ腱器官)や筋紡錘からの、固有知覚などに関する多様な神経を含む集団である。
神経解剖学: 脊髄 |
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脊髄神経 |
背側(後根、神経節、後枝) - 腹側(前根、前枝) - 交感神経幹 - 交通枝(灰白交通枝、白交通枝)
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灰白質/レクセドの層 |
後角(背核、ローランドの膠様質、固有核) - 側角 - 前角 - 中心管/中心膠様質
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白質 |
体性感覚/上行 |
後索/後索・内側毛帯路: 触覚・固有覚: 薄束 - 楔状束
側索: 固有覚: 脊髄小脳路(背側脊髄小脳路、腹側脊髄小脳路) - 温痛覚: 脊髄視床路(外側脊髄視床路、前脊髄視床路) - 後外側路 - 脊髄視蓋路
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運動/下行 |
側索: 皮質脊髄路(外側) - 錐体外路系(赤核脊髄路、オリーブ脊髄路)
前索: 皮質脊髄路(前皮質脊髄路) - 錐体外路系(前庭脊髄路、網様体脊髄路、視蓋脊髄路)
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周囲 |
硬膜外腔 - 硬膜 - 硬膜下腔 - クモ膜 - クモ膜下腔 - 軟膜
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その他 |
歯状靱帯 - 脊髄円錐 - 馬尾 - 終糸 - 頸膨大 - 腰膨大 - 前正中裂
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Japanese Journal
- 症例報告 長い髄節におよぶ脊髄後索病変を呈した抗amphiphysin抗体陽性のparaneoplastic neurological syndromeの1例
- 音成 秀一郎,原 直之,竹島 慎一 [他]
- 臨床神経学 = Clinical neurology 54(7), 572-576, 2014-07
- NAID 40020149702
- ラット腱板完全断裂モデルに対する肩関節内注射の効果の検討
- 山口 毅,落合 信靖,山崎 博範,佐々木 裕,木島 丈博,見目 智紀
- 肩関節 38(2), 679-682, 2014
- … 腱板断裂の保存治療として注射療法が行われているが,ステロイドとヒアルロン酸どちらが有効かは一定の見解が得られていない.本研究の目的は,ラット腱板断裂モデルにおける肩関節を支配する後根神経節(DRG)の感覚神経支配を評価し,注射後の疼痛抑制効果を検討することである.ラット肩腱板断裂モデルを作成し,術後21日目に逆行性神経トレーサーであるFluorogoldを肩関節内に注入し,術後26日目に生理食 …
- NAID 130004695663
- 長い髄節におよぶ脊髄後索病変を呈した抗amphiphysin抗体陽性のparaneoplastic neurological syndromeの1例
- 音成 秀一郎,原 直之,竹島 慎一,岩城 寛尚,下江 豊,高松 和弘,栗山 勝
- 臨床神経学 54(7), 572-576, 2014
- … 症例は53歳の女性である.下肢の感覚異常と著明な深部覚障害による失調性歩行障害が半年で進行した.筋緊張異常や錐体路徴候はみとめない.脊椎MRIでC1からT11の脊髄後索主体に信号変化をみとめられた.脊髄後索,後根神経節(dorsal root ganglion; …
- NAID 130004679000
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★リンクテーブル★
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- spinal cord (M)
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- 成人の脊髄は大後頭孔からL1-L2の椎骨まで達する (M.279)
解剖
[★]
- 英
- spinal ganglion (KH)
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- ganglion spinale
- 同
- 脊髄知覚神経節、後根神経節 dorsal root ganglion DRG
-図:N.250(腹部)
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- dorsal root ganglion、dorsal root ganglia
- 関
- 後根神経節、脊髄後根神経節
[★]
- 英
- spinal sensory ganglion (N)
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- 脊髄神経節、後根神経節 dorsal root ganglion
[★]
- 英
- diagnosis-related group、DRG
- 関
- 後根神経節
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS
[★]
- 英
- ganglion、ganglia、node、knot、(分類学)section、(文章)clause、nodal、ganglionic
- 関
- 結節、結節型、結節状、結節性、神経節、セクション、切片、結び目、ノット、薄切、部門、リンパ節、割面、ノード、結節腫、ガングリオン
[★]
- 英
- dorsal root, posterior root
- ラ
- radix dorsalis, radix posterior
- 関
- 脊髄神経
[★]
- 英
- ganglion