- 英
- ribosome
- 関
- 細胞
- mRNAを元にアミノ酸を重合してタンパク質を合成する細胞小器官
- rRNAとタンパク質からなる
- HE染色では好酸性に染まる。核酸成分(rRNA)が多いため青染することになる。
- 原核生物:70S = 30Sサブユニット + 50Sサブユニット
- 真核生物:80S = 40Sサブユニット + 60Sサブユニット
タンパク質合成 (ECB.252)
- mRNAの5'側にE部位が位置し、P部位、A部位の順に並んでいる。
- 1. コドンに対応するアミノアシルtRNAがA部位に取り込まれる
- 2. アミノアシルtRNAのアミノ酸に、ペプチジルtRNAに結合しているペプチドが転移される
- リボソームがスライドすることで、ペプチドを渡したtRNAはE部位に、ペプチジルtRNAはP部位に移動する。
- 3. E部位のtRNAはリボソームから遊離する
- 4. 1.へもどる
抗菌薬の作用点
WordNet
- an organelle in the cytoplasm of a living cell; they attach to mRNA and move down it one codon at a time and then stop until tRNA brings the required amino acid; when it reaches a stop codon it falls apart and releases the completed protein molecule for u
PrepTutorEJDIC
- リボゾーム(細胞質に含まれ,蛋白質とリボ核酸から成る微小粒子)
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/06/13 11:42:45」(JST)
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典型的な動物細胞の模式図: (1) 核小体(仁)、(2) 細胞核、(3)
リボソーム、(4) 小胞、(5) 粗面小胞体、(6) ゴルジ体、(7) 微小管、(8) 滑面小胞体、(9) ミトコンドリア、(10) 液胞、(11) 細胞質基質、(12) リソソーム、(13) 中心体
リボソームまたはリボゾーム(英語:Ribosome; ライボソーム)はあらゆる生物の細胞内に存在する構造であり、粗面小胞体(rER)に付着している。mRNAの遺伝情報を読み取ってタンパク質へと変換する機構である翻訳が行われる場である。大小2つのサブユニットから成り、これらはタンパク質(リボソームタンパク、ribosomal protein)とRNA(リボソームRNA、rRNA; ribosomal RNA)の複合体である。細胞小器官に分類される場合もある。2000年、X線構造解析により立体構造が決定された。
目次
- 1 分布・構造
- 2 機能
- 3 リボソーム阻害剤
- 4 参考文献
- 5 関連人物
|
分布・構造[編集]
真正細菌
Thermus thermophilusの30Sサブユニットの構造。タンパク質は青で、rRNAはオレンジ色で表わされている。
[1]
古細菌(好塩菌)
Haloarcula marismortuiの50Sサブユニットの構造。タンパク質は青で、二つのrRNAは黄色とオレンジ色で表わされている。
[2] 中心にある小さな緑色の部分は、サブユニットの活性部位である。
リボソームは、RNAの情報からタンパク質を合成するという容易ならざる作業を正確に行うため、大きく複雑な構造体となっている。リボソームは50種類以上のタンパク質と、少なくとも3種類のRNA分子から構成され、分子量としては大腸菌では2.7 MDa、哺乳類では4.6 MDaにもなる。またミトコンドリアや葉緑体も独自に真正細菌のものと類似したリボソームをもつ。真正細菌と古細菌には細胞核がない。つまり転写と翻訳が同区画で行われるため、リボソームは転写されている mRNA に速やかに集まり翻訳を開始する。真正細菌や古細菌の平均的な翻訳速度は毎秒20アミノ酸で、mRNAにおける60ヌクレオチドである。この値はRNAポリメラーゼによる合成速度である毎秒50~100ヌクレオチドに近い。真核生物では核と細胞質が核膜によって隔てられているため、mRNA は様々な修飾を受けた後、リボソームのある細胞質へと移行する必要がある。真核生物の翻訳は毎秒2~4アミノ酸というゆっくりした速度で進む。[3]
一本の mRNA に複数のリボソームが連結した状態をポリリボソーム(polyribosome)またはポリソーム(polysome)と呼ぶ。小胞体のうち、粗面小胞体上にはリボソームが大量に結合している。
リボソームはリボソームRNAとリボソームタンパク質の複合体である大小2つのサブユニットからなり、それぞれのサブユニットは遠心力をかけたときの沈降速度によって名づけられている。沈降速度に使われる単位はスベドベリ(Svedberg、略してS)で、Sが大きいほど沈降速度が速い。真正細菌と古細菌では小さいサブユニットは30Sサブユニット、大きいサブユニットは50Sサブユニットと呼ばれ、この2つからなる完全なリボソームは70Sリボソームと呼ばれる。30Sと50Sからなるリボソームがなぜ80Sではなく70Sなのかというと、沈降速度は質量と形態の両方で決まるためである。真核生物のリボソームは少し大きく、40Sサブユニットと60Sサブユニットからなり、あわせて80Sリボソームとなる。スベドベリ単位はrRNAを区別するのにも使われる。たとえば真核生物の60Sサブユニットには160ヌクレオチド、120ヌクレオチド、4700ヌクレオチドの3種のrRNAが含まれるが、それぞれ5.8S rRNA、5S rRNA、28S rRNAと呼ばれる。[3]
リボソームの基本的な機能は全生物でおおむね共通するが、構造は各ドメインや界ごとに少しずつ異なる。例えば古細菌や真正細菌で23S rRNAと呼ばれるRNAは、真核生物では二つに分かれており、28S rRNA、5.8S rRNAと呼ばれる。タンパク質は真正細菌が57、ユリアーキオータ(古細菌)が63、クレンアーキオータ(古細菌)が68、真核生物が78。真正細菌のものが他の生物とやや異なる。真核生物は古細菌のものをほぼ引き継ぐ(67のタンパク質が共通する)が、新たに11のタンパク質が追加されている。
機能[編集]
リボソームは、一連の伝令RNA(en: Messenger RNA)を読み取り、転移RNA(en: Transfer RNA (TRNA))に結びついたアミノ酸から所定のタンパク質を組み立てる。
小胞体に分泌されるタンパク質を組み立てている
リボソーム
リボソームはコドンに応じてtRNAが運んでくるアミノ酸を連結させペプチド鎖を作る反応を触媒する。小サブユニットには暗号解読センター(decoding center)があり、mRNAのコドンを1つ1つ解読してtRNA と結合させる役割をもつ。大サブユニットにはペプチジル転移酵素中心(peptidyl transferanse center)がありペプチド結合の形成に働く。[3]ペプチド結合形成の触媒作用の中心的な働きは、タンパク質ではなく厳密に折りたたまれたrRNAが担っている。rRNAはリボソーム内部でコアを形成し、リボソームタンパク質は通常リボソーム表面に存在して折りたたまれたrRNAの隙間を埋めている。リボソームタンパク質の主な役割はRNAコアの安定化である[4]。この他、翻訳の開始・終結地点の決定、翻訳の制御・維持などもタンパク質が行っている。
リボソーム阻害剤[編集]
リボソームや翻訳を阻害する薬剤は生物のタンパク質の合成を停止させるために毒性を示す。例えば、毒物のリシンはリボソームを不活性化することで毒性を発揮する。ただしその一方で、リボソーム阻害剤は病原細菌の増殖停止を目的にした感染症の化学療法薬にも利用されている。真正細菌とヒトなどの真核生物ではリボソームの構造が異なるため、真正細菌のリボソームにのみ特異的な阻害剤は、病原細菌に対する毒性は高いがヒトに対する毒性が低い、選択的治療薬として働くためである。このような薬として、抗生物質であるアミノグリコシド系化合物(ストレプトマイシン、ネオマイシン、カナマイシン)やテトラサイクリン、クロラムフェニコール、マクロライド系化合物などが挙げられる。
参考文献[編集]
- ^ Schluenzen F, Tocilj A, Zarivach R, Harms J, Gluehmann M, Janell D, Bashan A, Bartels H, Agmon I, Franceschi F, Yonath A (2000). “Structure of functionally activated small ribosomal subunit at 3.3 angstroms resolution”. Cell 102 (5): 615-23. doi:10.1016/S0092-8674(00)00084-2. PMID 11007480.
- ^ Ban N, Nissen P, Hansen J, Moore P, Steitz T (2000). “The complete atomic structure of the large ribosomal subunit at 2.4 A resolution”. Science 289 (5481): 905–20. doi:10.1126/science.289.5481.905. PMID 10937989.
- ^ a b c James D. Watson, T. A. Baker, S. P. Bell他 『ワトソン 遺伝子の分子生物学【第5版】』 中村桂子 監訳、東京電機大学出版局、2006年3月、p.423-430
- ^ Bruce Alberts, Dennis Bray, Karen Hopkin他 『Essential 細胞生物学(原書第2版)』 中村桂子・松原謙一 監訳、南江堂、2005年9月、p.251-252
関連人物[編集]
- トマス・A・スタイツ
- アダ・ヨナス
- ヴェンカトラマン・ラマクリシュナン
タンパク質の四次構造 |
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全般 |
球状タンパク質 - 線維状タンパク質 - 膜タンパク質 - コイルドコイル
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二量体 |
ロイシンジッパー
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三量体 |
コラーゲン - ヘマグルチニン - オルニチントランスカルバミラーゼ
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四量体 |
ヘモグロビン - 免疫グロブリンG - アビジン - スペクトリン
|
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六量体 |
dnaBヘリカーゼ - ヘモシアニン - グルタミンデヒドロゲナーゼ1
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八量体 |
ヌクレオソーム - ヘムエリスリン
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微小繊維 |
アクチン - チューブリン - 鞭毛 - 性繊毛 - 線毛
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複合体 |
転写開始前複合体 - 免疫グロブリンM - カルボキシソーム
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機械 |
プロテアソーム - リボソーム - ATP合成酵素 - RNAポリメラーゼ - スプライソソーム
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ウイルス |
カプシド
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沈殿 |
塩析 - ホフマイスターシリーズ
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分類方法 |
超遠心分離 - 分子排斥クロマトグラフィー
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←三次構造
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細胞小器官 |
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内膜系 |
細胞膜 - 核 (核小体) - 小胞体 - ゴルジ体 - ペルオキシソーム - パレンテソーム
小胞 (エキソソーム - リソソーム - エンドソーム - ファゴソーム - 液胞)
顆粒 (メラノソーム - 微小体 - グリオキシソーム - バイベル・パラーデ小体)
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内部共生体 |
ミトコンドリア - 色素体 (葉緑体 - 有色体 - 白色体)
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細胞骨格 |
マイクロフィラメント - 中間径フィラメント - 微小管 - 原核生物の細胞骨格
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外部組織 |
細胞壁 - 繊毛/鞭毛 - 先体
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その他 |
細胞質 - リボソーム - 微小管形成中心 (中心体/中心小体 - 基底小体 - 紡錘極体) - ヴォールト - プロテアソーム - フィコビリソーム
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- RNA品質管理における停滞リボソーム解離複合体の普遍的機能
- マクロライド耐性マイコプラズマ (多剤耐性菌の検査と臨床)
- 田村 浩二
- Viva origino 39(1-4), 31-37, 2012-06-20
- Peptide bond formation catalyzed on the ribosome is a crucial event in the life on earth. The ribosome is a supercomplex of ribonucleoprotein particles containing both RNAs and proteins, and the pepti …
- NAID 110009470535
Related Links
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- macrolide antibiotic macrolide antibiotics, macrolides, MLs
- 同
- マクロライド系抗生物質 ←厳密には違うが、多くの人が間違って使っている
- 関
- 抗菌薬
特徴
- 抗菌スペクトルが広い
- 静菌的に作用
- 大きな環状構造を有する。14員環-16員環
- タンパク質合成阻害薬
- 抗生物質としての作用の他に、抗炎症作用を有するらしい
- 炎症の抑制 ex.びまん性汎細気管支炎
構造
- http://www.sigmaaldrich.com/life-science/life-science-catalog/product-catalog.html?TablePage=14572877
- Macrolide antibiotics contain a many-membered lactone ring (14-membered rings for erythromycin and clarithromycin and a 15-membered ring for azithromycin) to which are attached one or more deoxy sugars. Clarithromycin differs from erythromycin only by methylation of the hydroxyl group at the 6 position, and azithromycin differs by the addition of a methyl-substituted nitrogen atom into the lactone ring. These structural modifications improve acid stability and tissue penetration and broaden the spectrum of activity.(GOO. chapter 46)
作用機序
- inhibit bacterial protein synthesis by reacting with the 50s ribosomal subunit and preventing the release of the uncharged tRNA.
薬理作用
動態
抗菌スペクトル
- ペニシリンより広い抗菌スペクトル
- グラム陽性球菌、グラム陰性球菌、グラム陰性桿菌、スピロヘータ、一部のリケッチア、ウイルス
適応
- マイコプラズマ肺炎、クラミジア感染症、カンピロバクター腸炎、レジオネラ症
- びまん性汎細気管支炎:14員環マクロライドのみ
- URIs, pneumonias, STD
注意
禁忌
副作用
- 悪心、嘔吐、消化器の蠕動を促進
- テオフィリン
- 喘息の治療薬。CYP3A4で代謝される。中毒域と治療域がちかいので注意する
マクロライド系抗菌薬
14員環
15員環
16員環
14員環 (ケトライド系抗菌薬)
有効性 (SMB.147)
- ○:殺菌的、△静菌的
[★]
- 英
- aminoglycoside antibiotic
- 関
- 抗菌薬、アミノグリコシド系薬、アミノグリコシド
GOO. chapter.45
- タンパク質合成阻害による抗菌薬は静菌的なのもが多いが、アミノグリコシド系抗菌薬は「殺菌的」に作用
構造
- amino sugars linked to an aminocyclitol ring by glycosidic bonds (GOO.1155)
- 名前の通りアミノ基-NH2を多数有しているため正電荷を帯びる
- →経口吸収不良
- →脳脊髄液に移行しにくい。
- →腎排泄されやすい
動態
- 内服不可能→外来患者に使いにくい
- 細胞膜(内膜)の通過は膜電位ポテンシャルに依存している。ここが律速段階となる。 → 細胞内移行性悪
- 阻害、拮抗要素:二価陽イオン、高浸透圧、pHの低下、嫌気的条件
- 膿瘍など嫌気的条件、酸性の高浸透圧尿など細菌の膜電位ポテンシャルが低下する場合に薬効低下
作用機序
- 1. 翻訳開始を阻害
- 2. 翻訳を停止させる
- 3. 誤ったアミノ酸を取り込ませる
- 異常蛋白が細胞膜に挿入され、膜の透過性を変えてさらにアミノグリコシド系抗菌薬の取り込みを促す
薬理作用
- 薬効は迅速。濃度依存的。
- post-antibiotic effectがある。
- 抗菌薬の血漿濃度がminnimum inhibitory concentration以下になっても殺菌活性が残存。殺菌活性の残存時間は濃度依存的
抗菌スペクトル
副作用
- 腎障害:近位尿細管の壊死変性。用量依存的
- 耳毒性:CN VIII障害。内耳の有毛細胞を破壊。用量依存的
- 神経・筋遮断作用:(稀であるが)神経筋遮断作用(およびこれによる無呼吸)を呈する。遮断作用はネオマイシンが一番強く、カナマイシン、アミカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシンがこれに続く。通常、胸腔内、腹腔に大量投与した時に生じるが、静脈内、筋肉内、あるいは経口投与でも起こりうる。大抵の発作(神経筋接合部が遮断される発作)は麻酔薬やその他の神経筋接合部遮断薬の投与で生じる(←どういう意味?)。重症筋無力症の患者はアミノグリコシド系抗菌薬による神経筋接合部遮断作用を受けやすい。(GOO.1164)
アミノグリコシド系抗菌薬
[★]
- 英
- tetracyclines antibiotics
- 関
- 抗菌薬
- first aid step1 2006 p.170
特徴
- 静菌的作用
- 抗菌薬の1st choiceになりやすい
構造
作用機序
薬理作用
抗菌スペクトル
- グラム陽性菌、グラム陰性菌、リケッチア、マイコプラズマ、アメーバ
動態
- 酸に強く経口投与可能
- 上部消化管から吸収される
- 脳脊髄液には移行しづらい。
- 胆汁、尿にそのまま排泄される
適応
注意
禁忌
副作用
- 歯牙の着色:妊婦、授乳中の女性、8歳以下の子供には避ける
- 日光過敏
- 催奇性:骨の発育阻害
- 菌交代症
[★]
- 英
- Nissl body
- 同
- ニッスル顆粒 Nissl granule、虎斑物質 tigroid substance、色素親和体 chromophile substance Nissl substance
- 関
- 虎斑溶解
[★]
- 英
- organelle, cell organelles cell organellae
- ラ
- organellae cytoplasmicae
- 同
- 細胞器官、細胞内小器官
- 関
- 細胞、ミトコンドリア、葉緑体、中心体、リボソーム、小胞体、ゴルジ体、リソソーム。ミクロトラベキュラ網
[★]
- 英
- ribosomal protein
- 関
- リボソーム
[★]
- 英
- ribosomal protein
- 関
- リボソーム
[★]
- 英
- ribosomal subunit、ribosome subunit
[★]
- 英
- ribosomal RNA gene、rRNA gene