フィッシャー症候群
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- large dark brown North American arboreal carnivorous mammal (同)pekan, fisher cat, black cat, Martes pennanti
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- 《古》漁夫 / 魚を捕食する動物;(特に北米産の)フィッシャーテン
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 症例 興味ある経過をたどり抗ガングリオシド複合体抗体のみが陽性であったFisher症候群
- 眼球粗動 (ocular flutter) がみられた Fisher 症候群の1例
- 中安 弘毅,崎元 暢,南 正之,鴫原 俊太郎,石川 弘
- 日本眼科學会雜誌 114(6), 539-542, 2010-06-10
- NAID 10026925557
- 瞳孔散大と調節障害及び外転不全麻痺のみを呈した非定型的 Fisher 症候群の一例
- 小手川 泰枝,原 直人,向野 和雄,古野 久美子,國本 雅也
- 自律神経 = The Autonomic nervous system 47(2), 149-154, 2010-04-15
- NAID 10026905462
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- ギラン・バレー症候群(ギラン・バレーしょうこうぐん、Guillain-Barré syndrome)は、 急性・多発性の根神経炎の一つで、主に筋肉を動かす運動神経が障害され、四肢に力 が入らなくなる病気である。重症の場合、中枢神経障害性の呼吸不全を来し、この場合 には ...
- フィッシャー症候群(フィッシャーしょうこうぐん、英: Fisher's Syndrome)は、ギラン・ バレー症候群の亜型とされる疾患である。急性・単相性の疾患であり、先行感染や髄液 蛋白細胞解離を伴うという点ではギラン・バレー症候群と類似しているが、上肢の運動 麻痺 ...
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- 次の文を読み、22~24の問いに答えよ。
- 61歳の男性。複視と歩行障害とを主訴に来院した。
- 現病歴: 今日の午前10時頃、会議中に突然物が二重に見え、右上下肢が動かしづらいことに気付いた。様子をみていたが改善しないため午後5時に来院した。
- 既往歴: 10年前から糖尿病で、5年前からインスリンで加療中である。6年前から高血圧で加療中である。2年前に突然、右上下肢が動かしづらくなり、歩く時ふらつく症状があったため入院したことがある。それらの症状は数日で消失し、1週間で退院した。
- 家族歴: 兄と姉とが高血圧で加療中である。
- 現症: 意識レベルはJCS-1。顔の表情は正常。身長165cm、体重52kg。体温36.2℃。臥位で脈拍84/分、整。血圧156/80mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦で、圧痛と抵抗とを認めない。肝・脾を触知しない。右側方視で左眼は内転できず、右眼に水平眼振を認める。左側方視では両眼とも正常に動く。輻湊と垂直方向の眼球運動とは正常である。右上下肢の筋力低下と深部腱反射亢進とを認める。起立・歩行障害を認める。四肢に不随意運動はなく、頭痛、失語・失行・失認、項部硬直、顔面筋麻痺および聴力障害を認めない。
- 検査所見: 尿所見:蛋白(-)、糖1+。
- 血液所見:赤血球495万、Hb16.0g/dl、Ht44%、白血球6,500、血小板25万。
- 血清生化学所見:空腹時血糖240mg/dl、HbA1c8.2%(基準4.3~5.8)、総蛋白6.9g/dl、アルブミン4.8g/dl、尿素窒素9.2mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、AST18IU/l、ALT14IU/I。心電図と頭部単純CTとに異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [101E021]←[国試_101]→[101E023]
[★]
- 英
- Fisher syndrome, FS
- 同
- ミラー・フィッシャー症候群 Miller-Fisher症候群 Miller-Fisher syndrome、Miller Fisher syndrome、Fisher症候群
- 関
- ギラン・バレー症候群、ビッカースタッフ型脳幹脳炎、全眼筋麻痺、免疫介在性ニューロパチー
概念
- ギラン・バレー症候群の亜型であり、抗GQ1b-ガングリオシド抗体が出現している。GQ1b-ガングリオシドを多く含むCN III, IV, VI, VIIが主に障害される。
- 1956年Miller Fisherが報告。
- ミラー・フィッシャー症候群(Miller-Fisher syndrome)ないしフィッシャー症候群(Fisher syndrome)は急性の外眼筋麻痺・運動失調・腱反射消失を三主徴とする免疫介在性ニューロパチーである。
- 多くは上気道感染後に発症し、1-2週間進行した後に自然経過で改善に向かうという単相性の経過をとる。
- 先行感染、髄液蛋白細胞解離などのギラン・バレー症候群と共通する特徴を有し、同症候群の亜型と考えられている。
- フィッシャー症候群患者の80-90%において血清ガングリオシドGGQ1b IgG抗体が検出されており、この自己抗体が診断マーカーとなっている。
- 眼運動神経(動眼・滑車・外転神経)に他の脳神経や脊髄前後根よりGQ1bが豊富に発現していることからGQ1b抗体が外眼筋麻痺に関与していると考えられている。
- 参考2
- 三徴がそろわず、眼球運動障害のみ(急性外眼筋麻痺)や運動失調・腱反射低下のみ(急性失調性ニューロパチー)を呈する不全型が存在する。
病型
亜型
- 典型的フィッシャー症候群:(約半数例)外眼筋麻痺・運動失調・腱反射消失
- 不全型フィッシャー症候群:眼球運動のみ、運動失調と腱反射低下のみ
近縁疾患との関係・移行
疫学
- 欧米よりアジアにて多い
- 日本では、フィッシャー症候群例とギラン・バレー症候群例の和を分母とするとフィッシャー症候群例は全体の26%ないし34%といわれている。
- ギランバレー症候群は年間10万人中1.5人発症すると言われているため、日本でのフィッシャー症候群は0.5%と推測されている。日本の50例における男女比は34:16と男性優位であり、平均発症年齢は40歳であったが、発症年齢は13-78歳とあらゆる年代に渡っており、地域差は認めなかった。
病因
先行感染
- 平均潜伏期間(感染症状から神経症状発現まで):7日
- 80-90%で先行感染が認められ、80%が上気道炎、4-25%で胃腸炎が先行する。
論文報告
|
n
|
先行感染
|
上気道炎
|
胃腸炎
|
発熱
|
2001
|
50
|
0.8
|
0.76
|
0.04
|
0.02
|
2008
|
466
|
|
0.76
|
0.25
|
0.02
|
病原体
- 上気道炎:インフルエンザ桿菌
- 胃腸炎 :カンピロバクター
病態生理
- 自己抗体であるGQ1b IgG抗体がGQ1bの発現が高い眼神経運動、後根神経節大型感覚ニューロン、筋紡錘を障害するとの仮説が有力視されている。
症状
- 初発症状:複視(外眼筋麻痺)、ふらつき(運動失調)
その他の症状
- 瞳孔異常 42%
- 眼瞼下垂 58%
- 顔面神経麻痺 32%
- 球麻痺 26%
- 四肢しびれ・異常感覚 24%
- 表在覚低下 20%
- 深部覚・振動覚低下 18%
経過
- 典型的フィッシャー症候群の自然経過での回復は良好である。
- フィッシャー症候群患者50例の解析報告では、運動失調は発症から平均1ヶ月で、外眼筋麻痺は平均3ヶ月で消失した。発症から6ヶ月の段階で運動失調・外眼筋麻痺は48例で消失しており、2例で軽度の福祉が残存していた。
- フィッシャー症候群92名の解析では免疫グロブリン治療群、血液浄化療法群、免疫治療を受けなかった群では、外眼筋麻痺、運動失調の改善・消失時期を比較したところ優位さは認められなかった。
- 発症から6ヶ月の時点で眼球運動障害、運動失調はほとんどの例で消失。
- 再発例の報告はすくなからずある。
鑑別診断
- 急性の外眼筋麻痺
- 運動失調をきたす脳幹・あるいは多発脳神経を侵す疾患が鑑別となる。
国試
参考
- 1. 診断基準? Diagnostic and classification criteria for the Guillain-Barré syndrome.
- Van der Meché FG, Van Doorn PA, Meulstee J, Jennekens FG; GBS-consensus group of the Dutch Neuromuscular Research Support Centre.SourceUniversity Hospital, Rotterdam, The Netherlands. vandermeche@neur.azr.nl
- European neurology.Eur Neurol.2001;45(3):133-9.
- BACKGROUND: Diagnostic criteria for the Guillain-Barré syndrome (GBS) have been available since 1978. Since then, several variants have been described. More recently, a distinction has been made between pure motor forms, severe sensory forms, primary axonal and primary demyelinating varieties. Asso
- PMID 11306855
- 2.Fisher syndrome: clinical features, immunopathogenesis and management.
- Mori M, Kuwabara S, Yuki N.SourceDepartment of Neurology, Graduate School of Medicine, Chiba University, 1-8-1 Inohana, Chuo-ku, Chiba 260-8670, Japan. morim@olive.ocn.ne.jp
- Expert review of neurotherapeutics.Expert Rev Neurother.2012 Jan;12(1):39-51. doi: 10.1586/ern.11.182.
- Since Miller Fisher's first report in 1956, evidence has accumulated about clinical and laboratory features, immunopathogenesis and treatment of Fisher syndrome (FS). Our literature review revealed the nature of FS. It has relatively uniform clinical and laboratory features. Ophthalmoplegia, ataxia
- PMID 22149656
[★]
- 英
- Guillain-Barré syndrome Guillain-Barre syndrome GBS
- 同
- (国試)Guillain-Barre症候群
- 急性炎症性脱髄性多発神経根ニューロパチー acute inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy AIDP
- 感染性多発神経炎 infective polyneuritis infectious polyneuritis、急性炎症性多発ニューロパシー acute inflammatory polyneuropathy
- 関
- 免疫介在性ニューロパチー
病型
- SPE.645
- ギラン・バレー症候群:経過中に蛋白細胞解離が見られたもの
症状
- 知覚異常:(初発)腰痛、手足のしびれ感。感覚障害は軽度にとどまる
- 運動神経:下肢末梢から左右対称性、上行性の弛緩麻痺。腱反射消失
- 自律神経:自律神経の障害による症状(不整脈、洞性頻脈、血圧の変動、発汗異常)が見られることがある。
検査
-
- 抗原:GM1、GQ1b(→Fisher症候群と関連)、GD1a、GalNAc-GD1a、ガラクトセレブロシド
- 蛋白細胞解離。発症から1週間後の患者の80-90%の患者で見られる。近位神経根のレベルで血液神経関門の透過性が亢進したことによるのかもしれない(increased permeability of the blood-nerve-barrier at the level of the proximal nerve roots)。(参考1)
治療
- 免疫吸着療法(プラスマフェレーシス):侵襲の大きさから大量ガンマグロブリン静注療法が行われることが多いらしい。
- 大量ガンマグロブリン静注療法(高ガンマグロブリン大量静注法)
予後
- 予後良好:2週間程度で極期に達し徐々に回復する。しかしながら約5%の例で死亡、約10%の例では重篤な機能障害を残す。(IMD)
関連疾患
参考
- 1. [charged] Clinical features and diagnosis of Guillain-Barré syndrome in adults - uptodate [1]
- 2. [charged] Treatment and prognosis of Guillain-Barré syndrome in adults - uptodate [2]
国試
[★]
フィッシャー症候群
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候
[★]
フィッシャー
- 関
- Fischer