IgM
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- the 13th letter of the Roman alphabet (同)m
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/07/27 10:15:57」(JST)
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IgMの構造。1はユニット単位、2は重鎖、3は軽鎖、4はJ鎖、5は分子内ジスルフィド結合
免疫グロブリンM(めんえきグロブリンM、Immunoglobulin M、IgM)は、B細胞に存在する抗体である。赤血球のABO式血液型の由来となるA抗原、B抗原に対する主な抗体である。またヒトの持つ中では最もサイズが大きな抗体でもある。抗体は無脊椎動物には見られず、軟骨魚類以降の脊椎動物で見つかっており、IgMのみがそのすべてで共通に見られる。
目次
- 1 構造と機能
- 2 発現
- 3 医療的な重要性
- 4 その他
- 5 出典
構造と機能
IgMでは、いくつかの免疫グロブリンがジスルフィド結合でつながって多量体を形成している。五量体が多いが六量体のものもあり、五量体の分子量は約900kDaである。1つの単量体が2つの抗原結合部位を持っているため、五量体のIgMには合計10個の抗原結合部位があることになる。しかし抗原のサイズが大きいため、通常IgMに10個の抗原が同時に結合することはない。
J鎖は五量体のIgMにはあるが、おそらく空間の制約のために六量体のIgMには現れない。またJ鎖を欠いた五量体もある。現在のところ、五量体のどの部位にJ鎖があるかも、五量体には2つ以上のJ鎖が含まれることがあるのかも分かっていない[1]。
IgMはとても大きな分子であるため拡散しにくく、少量が間質液中に存在し、ほとんどは血清中に存在する。
IgMは多量体であるため、親和力が大きく、補体活性も高い。
発現
生殖細胞では、重鎖のμ領域の遺伝子が最も先頭に位置している。このためIgMは成熟したB細胞で最初に発現する免疫グロブリンである。
またIgMは20週目ほどの胎児が最初に発現する免疫グロブリン、系統発生学的に最も早くに発達した免疫グロブリンでもある[2]。
医療的な重要性
IgM抗体は感染の初期に発現し、症状が進むと再び発現するようになる。またIgMはヒトの胎盤を通過できない。
これらの2つの生物学的性質によって、IgMは感染症の診断に用いられる。患者の血清の中にIgMが見つかると感染症に罹っていることを意味する。また新生児の血清から見つかると、先天性風疹など子宮内での感染があったことが分かる。
その他
IgMは、感染の体験がなく免疫がない時でも、血清中で特異的な抗原に結合していることがある。このためIgMは自然抗原と呼ばれることもある。この現象はおそらくIgMの抗原との高い親和性によるものであるものと思われる。例えば赤血球中でA抗原、B抗原と結合しているIgM抗体などである。
IgMは、血液型の違う輸血を受けた場合に血液が凝固する現象の主な原因である。
出典
- ^ Erik J. Wiersma, Cathy Collins, Shafie Fazel, and Marc J. Shulman Structural and Functional Analysis of J Chain-Deficient IgM J. Immunol., Jun 1998; 160: 5979 - 5989.
- ^ Review of Medical Physiology by William Francis Ganong
タンパク質の四次構造 |
|
全般 |
球状タンパク質 - 線維状タンパク質 - 膜タンパク質 - コイルドコイル
|
|
二量体 |
ロイシンジッパー
|
|
三量体 |
コラーゲン - ヘマグルチニン - オルニチントランスカルバミラーゼ
|
|
四量体 |
ヘモグロビン - 免疫グロブリンG - アビジン - スペクトリン
|
|
六量体 |
dnaBヘリカーゼ - ヘモシアニン - グルタミンデヒドロゲナーゼ1
|
|
八量体 |
ヌクレオソーム - ヘムエリスリン
|
|
微小繊維 |
アクチン - チューブリン - 鞭毛 - 性繊毛 - 線毛
|
|
複合体 |
転写開始前複合体 - 免疫グロブリンM - カルボキシソーム
|
|
機械 |
プロテアソーム - リボソーム - ATP合成酵素 - RNAポリメラーゼ - スプライソソーム
|
|
ウイルス |
カプシド
|
|
沈殿 |
塩析 - ホフマイスターシリーズ
|
|
分類方法 |
超遠心分離 - 分子排斥クロマトグラフィー
|
|
←三次構造
|
|
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Japanese Journal
- 免疫グロブリンM(IgM) (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・3)その数値をどう読むか) -- (免疫学的検査 免疫グロブリン)
- 佐々木 康人,中村 亨子,玉井 洋介
- 日本家政学会誌 49(12), 1291-1298, 1998-12-15
- … ヒトハイブリドーマ細胞(HF10B4)とヒトマクロファージ様細胞(U-M)の増殖を, 若干ではあるが促進した.一方, 他の穀物の抽出物は, 添加量に応じて, 増殖を抑制していた.さらにライ麦と小麦の抽出物は, HF10B4の免疫グロブリンMの産生を促進した.大麦の抽出物は, 腫瘍壊死因子の産生を若干ではあるが促進していた.これらの結果は, 穀類中に人体の恒常性を保つために役立つ何らかの機能物質が存在していることを示している. …
- NAID 110003168498
Related Links
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- IgM (免疫グロブリンM):IgMは抗原刺激によって最初に産生される免疫グロブリンで、 作用として補体結合性、凝集活性、オプソニン活性が強く、細菌に対する免疫防御反応 などがあり、胎盤移行性がないため、新生児での上昇は子宮内感染を示唆しています。
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★リンクテーブル★
[★]
- 同
- 免疫グロブリンM immunoglobulin M
- 関
- 免疫グロブリン, Ig
臨床関連
増加
[★]
- 英
- serum immunoglobulin M
[★]
- 英
- immunoglobulin, Ig
- 同
- 抗体
- 商
- HBグロブリン、ヴェノグロブリン、ガンマーグロブリン、ガンマガード、ガンマグロブリン、グロブリン、グロベニン-I、サイモグロブリン、サングロポール、ゼットブリン、テタノセーラ、テタノブリン、テタノブリンIH、はぶ抗毒素、ヒスタグロビン、ベニロン-I、ヘパトセーラ、ヘブスブリン、ヘブスブリンIH、ポリグロビン、まむし抗毒素、抗Dグロブリン、抗D人免疫グロブリン、抗HBs人免疫グロブリン、破傷風グロブリン
- 関
- 免疫、T細胞受容体、リンパ球抗原受容体
- IgM、IgD、IgG、IgA、IgE
構造
- H鎖とL鎖からなり、Igドメインをそれぞれ4つ(IgMとIgEは5つ)、2つもつ。
胎児の免疫グロブリン
- 胎児は母胎より免疫グロブリンをもらうが、生後六ヶ月で消失する (標準予防策実践マニュアル 南江堂 第2刷 p.12)
- 自分で抗体を作る能力は3-6歳で完成する (標準予防策実践マニュアル 南江堂 第2刷 p.12)
免疫グロブリンの特性 (IMM.161)
抗体
|
IgG1
|
IgG2
|
IgG3
|
IgG4
|
IgM
|
IgA1
|
IgA2
|
IgD
|
IgE
|
重鎖
|
γ1
|
γ2
|
γ3
|
γ4
|
μ
|
α1
|
α2
|
δ
|
ε
|
分子量
|
146
|
146
|
165
|
146
|
970
|
160
|
160
|
184
|
188
|
補体活性化(古典的経路)
|
++
|
+
|
+++
|
-
|
++++
|
-
|
-
|
-
|
-
|
補体活性化(代替経路)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
+
|
-
|
-
|
-
|
胎盤通過
|
+++
|
+
|
++
|
±
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
食細胞FcRへの結合
|
+
|
-
|
+
|
±
|
-
|
+
|
+
|
-
|
+
|
肥満細胞・好塩基球への結合
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
+++
|
staphylococcal Protein Aとの反応性
|
+
|
+
|
±
|
+
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
免疫グロブリンの遺伝子再構成 (IMM.144)
多様性の獲得機構
- 多数のV遺伝子
- VJとJDV遺伝子の組み換え
- 組み換え時の不正確性(塩基欠損、付加、N塩基)(CDR3)
- 体細胞突然変異(CDR1,CDR2)
- H鎖とL鎖の組み合わせ
シグナル伝達
基準値
- 小児基準値研究班(編):日本人小児の臨床検査基準値。日本公衆衛生協会、1997
- SPE.704
|
IgG
|
IgA
|
IgM
|
♂
|
♀
|
♂
|
♀
|
♂
|
♀
|
1ヶ月
|
400 ~ 1030
|
ー ~ 24
|
21 ~ 96
|
6ヶ月
|
290 ~ 950
|
8 ~ 50
|
46 ~ 176
|
1歳
|
460 ~ 1220
|
470 ~ 1210
|
16 ~ 128
|
14 ~ 98
|
57 ~ 260
|
81 ~ 314
|
3歳
|
530 ~ 1340
|
540 ~ 1340
|
25 ~ 174
|
22 ~ 150
|
63 ~ 279
|
86 ~ 332
|
6歳
|
630 ~ 1490
|
650 ~ 1530
|
45 ~ 258
|
38 ~ 238
|
72 ~ 305
|
92 ~ 353
|
12歳
|
750 ~ 1660
|
790 ~ 1740
|
71 ~ 352
|
63 ~ 373
|
72 ~ 306
|
100 ~ 380
|
成人
|
680 ~ 1620
|
84 ~ 438
|
380 ~ 1620
|
臨床関連
免疫グロブリンの量的変化による疾患
[★]
- 英
- immunity, immune
- 関
- 免疫系
免疫の種類 (PT.246-251)
T細胞の種類
ヘルパーT細胞の種類
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- globulin (Z)
- 商
- ヴェノグロブリン、ガンマーグロブリン、ガンマガード、ガンマグロブリン、グロブリン、グロベニン、サイモグロブリン、サングロポール、ゼットブリン、テタノセーラ、テタノブリン、テタノブリンIH、ヒスタグロビン、ベニロン、ヘパトセーラ、ヘブスブリン、ヘブスブリンIH、ポリグロビン、乾燥HBグロブリン、乾燥はぶ抗毒素、乾燥まむし抗毒素、抗Dグロブリン、抗D人免疫グロブリン、抗HBs人免疫グロブリン、破傷風グロブリン
- 関
- アルブミン、フィブリノーゲン
機能 (PT.234)
- α1-グロブリン
- α2-グロブリン
- ビタミンやホルモンを運搬
- α2-グロブリンの一種であるハプトグロビンは溶血により生じたヘモグロビンを捕捉し、尿細管の閉塞を防ぐ
- βグロブリン
- γグロブリン
[★]
メンデレビウム mendelevium