- 英
- sympathetic trunk (B)
- ラ
- truncus sympathicus
- 同
- 交感神経節状索 、交感神経限界索
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
臨床関連
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/24 14:16:38」(JST)
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交感神経幹 |
交感神経幹の腹部部分。上端には腹腔神経節が見える。
|
一般的な脊髄神経の構造の模式図。数字は1.体性遠心性神経、2.体性求心性神経、3.4.5.内臓(交感神経)遠心性神経、6.7.内臓(交感神経)求心性神経
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ラテン語 |
truncus sympathicus |
英語 |
Sympathetic trunk |
器官 |
末梢神経 |
交感神経幹(こうかんしんけいかん、英: sympathetic trunk)は、脊椎の傍らにあり、ほぼ頭蓋骨の底部から尾骨まで縦走する神経線維の束。左右に一本ずつあり、この線維束の中に交感神経の神経節が並ぶ。
目次
- 1 構造
- 2 機能
- 3 追加画像
- 4 関連項目
- 5 参考文献
- 6 外部リンク
構造
交感神経幹は頭蓋骨底から脊椎の前外側を下行し、尾骨に至る。各脊髄神経またはその前根と交通枝(灰白交通枝)を介して接続している。
交感神経幹の上縁は、さらに上行して頸動脈管から頭蓋内に入り、内頸動脈上に神経叢を形成している。また下縁は尾骨の前方を走行して他方の神経幹と合わさり、不対神経節と呼ばれる構造を形成する(不対神経節は存在しないこともある)。
交感神経幹に沿って存在する神経節は、脊椎傍神経節と呼ばれる。脊椎傍神経節に分類される神経節としては、以下のようなものがある。
- 頸部
- 上頸神経節 - 第二頸椎(軸椎)と第三頸椎の間の高さにある。
- 中頸神経節 - 第六頸椎の高さにある。小さい神経節で、存在しないこともある。
- 星状神経節(頸胸神経節) - 頸神経節と第一胸神経節が癒合したもので、第七頸椎の高さにある。それぞれが独立してることもある。
- 胸部
- 第一から第十二胸神経節 - 第一から第四胸神経節からの神経線維が集まって心肺内臓神経が作られ胸腔内の内臓に分布している。同様に、第五から第九胸神経節から大内臓神経が、第十と第十一胸神経節から小内臓神経が作られ、腹腔内に分布する。第十二胸神経節からの最小内臓神経が作られる場合もある。
- 腰部
- 腰神経節 - ふつう3つ存在し、ここから腰内臓神経が起き、下腸間膜神経叢にいたる。
- 仙骨部
- 仙骨神経節 - 4つから5つ存在する。ここからは仙骨内臓神経が起き下腹神経叢にいたる。
機能
自律神経系のうち交感神経系の構成要素として、交感神経幹は重要なものである。脊髄神経はこの幹を経由して上位または下位の髄節の神経と交通している。また上述のように、ほとんどの内臓神経をはじめとして、交感神経幹から直接起きる神経も多い。
追加画像
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脊髄神経の構造。白交通枝と灰白交通枝が交感神経幹との交通枝になる。
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心臓、胸部大動脈脊髄の左側面図。左交感神経幹が下行している。
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骨盤側壁の断面。仙骨神経叢および陰部神経叢と交感神経幹の関係を示す。
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-
毛様体神経節と上頸神経節からの眼への自律神経線維の走行。赤が交感神経線維、青が副交感神経線維を示す。
関連項目
参考文献
- Parent, André, Carpenter's human neuroanatomy, 9th ed. Media: Williams & Wilkins, 1996, pp.293-301. ISBN 0683067524
外部リンク
- ニューヨーク州立大学ブルックリン健康科学センター - 縦隔内の左右迷走神経と交感神経幹
- ニューヨーク州立大学ブルックリン健康科学センター - 女性の骨盤、後外側壁を走行する交感神経幹
- ミシガン大学解剖学アトラス - 脊髄と自律神経系の関係
- メリーランド大学医学センター - 胸郭内の交感神経幹
神経解剖学: 脊髄 |
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脊髄神経 |
背側(後根、神経節、後枝) - 腹側(前根、前枝) - 交感神経幹 - 交通枝(灰白交通枝、白交通枝)
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灰白質/レクセドの層 |
後角(背核、ローランドの膠様質、固有核) - 側角 - 前角 - 中心管/中心膠様質
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白質 |
体性感覚/上行 |
後索/後索・内側毛帯路: 触覚・固有覚: 薄束 - 楔状束
側索: 固有覚: 脊髄小脳路(背側脊髄小脳路、腹側脊髄小脳路) - 温痛覚: 脊髄視床路(外側脊髄視床路、前脊髄視床路) - 後外側路 - 脊髄視蓋路
|
|
運動/下行 |
側索: 皮質脊髄路(外側) - 錐体外路系(赤核脊髄路、オリーブ脊髄路)
前索: 皮質脊髄路(前皮質脊髄路) - 錐体外路系(前庭脊髄路、網様体脊髄路、視蓋脊髄路)
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周囲 |
硬膜外腔 - 硬膜 - 硬膜下腔 - クモ膜 - クモ膜下腔 - 軟膜
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その他 |
歯状靱帯 - 脊髄円錐 - 馬尾 - 終糸 - 頸膨大 - 腰膨大 - 前正中裂
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
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- NAID 40021036369
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★リンクテーブル★
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- 大動脈弓の高さにおける解剖学的位置関係で誤っているのはどれか。
- a 胸腺は食道より前方に位置する。
- b 気管は食道より前方に位置する。
- c 横隔神経は椎体より前方に位置する。
- d 上大静脈は気管より前方に位置する。
- e 交感神経幹は大動脈弓より前方に位置する。
[正答]
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[★]
- 英
- ganglion of sympathetic trunk (B)
- ラ
- ganglia trunci ganglia sympathici
- 関
- 交感神経幹、椎傍神経節
[★]
- 英
- left sympathetic trunk
- 関
- 交感神経幹
[★]
- 英
- thoracic sympathetic trunk
[★]
- 英
- cervical sympathetic trunk
[★]
- 英
- right sympathetic trunk
[★]
- 英
- nerve
- ラ
- nervus
- 関
- ニューロン
解剖で分類
- 中枢神経 central nervous systen CNS
- 末梢神経 peripheral nervous system PNS
情報で分類
- 感覚神経 sensory nerve = 求心性線維 afferent nerve
- 運動神経 motor nerve = 遠心性線維 efferent nerve
機能で分類
- 体性神経 somatic nervous system SNS
- 自律神経 autonomic nervous system ANS
[★]
- 英
- sympathetic nerve (B), sympathetic nervous system
- ラ
- pars sympathica
- 関
- 自律神経、交感神経系、交感神経節前線維、交感神経節後線維
[★]
- 英
- nerve trunk, nerve trunks
- ラ
- trunci plexus
- 関
- 神経根、腕神経叢
[★]
- 英
- sympathetic
- 関
- 交感神経性