アモバルビタール
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アモバルビタール
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臨床データ |
法的規制 |
?
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識別 |
ATCコード |
N05CA02 |
KEGG |
D00555 |
化学的データ |
化学式 |
C11H18N2O3 |
アモバルビタールは、催眠、重度の不眠症治療、鎮静、けいれんや麻酔前投薬に用いるバルビツール酸系の催眠鎮静剤である。アミタールとも呼ばれる。商品名はイソミタール等。また、医師・薬剤師が「イソミタール」とブロムワレリル尿素「ブロバリン」を配合処方することがある(通称イソブロ)。
中枢神経を全体的に抑制する作用を示す。
アモバルビタール塩(Sodium Amytal)は、自白薬としての使用を行った人により、全く起こらなかった出来事を思い出させる作用があるとして悪評がもたらされた。アモバルビタール塩はマイケル・ジャクソンの1993年の訴訟でも用いられ話題となった[1]。
目次
- 1 特徴と作用
- 2 用法
- 3 副作用
- 4 出典
- 5 関連項目
特徴と作用
通常、不眠症の治療に用いられる。また精神病患者の鎮静を目的としても使われることがある。最高血中濃度到達時間は2~4時間、消失半減期は16~24時間の中間時間作用型である。
バルビツール酸系睡眠薬の特徴として、飲み始めてから比較的速やかに耐性が形成されるため(通常2 - 3日から1ヶ月)、通常の服用量では同等の効果が得られなくなり、服用量がどんどん増えてゆく。そのため、服用量が増えるに従って中毒症状が強く出てくる危険性がある(依存性)。また、急激な減薬により、禁断症状(不眠、イラ立ち、不安感など)が出やすい。
睡眠薬としては一般的ではなく、ひどい不眠や、ベンゾジアゼピン系など他の睡眠薬でよい効果がえられないときに使われることがある。
脳全体の神経を鎮める作用があるため、鎮静・催眠作用のほか抗けいれん作用もある他、レム睡眠を抑制する働きもあることが知られた。レム睡眠を抑制する働きは、悪夢などの症状を減らしたり、より深い睡眠を得ることができる。
用法
不眠症には、アモバルビタールとして、通常成人1日0.1 - 0.3gを就寝前に経口服用する。不安緊張状態の鎮静には、アモバルビタールとして、通常成人1日0.1 - 0.2gを2 - 3回に分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する(2008年1月現在、すでに錠剤型[イソミタール錠]は廃止されており、粉剤のみが存在している)。
副作用
最も一般的なのは服用直後のふらつきやめまい、健忘や翌日への持ち越し(眠気、倦怠感)、依存性の形成である。非常に稀であるが、重い皮膚症状を起こす可能性があることが報告されている。
毒性:ウサギLD50(皮下注射)0.15g/kg、マウスLD50(250mg/kg)[2]。
出典
- ^ “Seeking the truth about false memory”. Times Online (2004年1月8日). 2011年9月25日閲覧。
- ^ 『化学大辞典』 東京化学同人、1989年、1、91-92頁。ISBN 9784807903238。
関連項目
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睡眠導入剤と鎮静剤 (N05C) |
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GABAA
アゴニスト/PAM |
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GABAB
アゴニスト |
- 1,4-ブタンジオール
- アセブル酸
- GABOB
- GHB (ナトリウムオキシベート)
- GBL
- GVL
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H1 インバース
アゴニスト |
抗ヒスタミン系: |
- カプトジアミン
- シプロヘプタジン
- ジフェンヒドラミン
- ドキシルアミン
- ヒドロキシジン
- メタピリレン
- フェニルアミン
- プロメタジン
- プロピオマジン
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抗うつ薬 |
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抗精神病薬 |
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α1-アドレナリン
アンタゴニスト |
抗うつ薬 |
- セロトニンアンタゴニストと再取り込み阻害薬
- 三環系抗うつ薬
- 四環系抗うつ薬
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抗精神病薬 |
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その他: |
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α2-アドレナリン受容体
アゴニスト |
- 4-NEMD
- クロニジン
- デトミジン
- デクスメドエトミジン
- ロフェキシジン
- メデトミジン
- ロミフィジン
- チザニジン
- キシラジン
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5-HT2A
アンタゴニスト |
抗うつ薬 |
- セロトニンアンタゴニストと再取り込み阻害薬
- 三環系抗うつ薬
- 四環系抗うつ薬
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抗精神病薬 |
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その他: |
- エプリバンセリン
- ニアプラジン
- プルバンセリン
- ボリナンセリン
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メラトニン
アゴニスト |
- アゴメラチン
- LY-156,735
- メラトニン
- ラメルテオン
- タシメルテオン
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オレキシン
アンタゴニスト |
- アルモレキサント
- SB-334,867
- SB-408,124
- SB-649,868
- スボレキサント
- TCS-OX2-29
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その他 |
- アセカルブロマール
- アプロナール
- ブロミソバル
- カンナビジオール
- カルブロマール
- エンブトラミド
- エボキシン
- フェナジアゾール
- ガバペンチン
- カバラクロン
- メフェノキサロン
- オピオイド
- トケイソウ
- スコポラミン
- UMB68
- バルノクタミド
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 全生活史健忘患者に対するイソミタール面接施行についての1考察
- 裁判事例から学ぶ精神科看護の技術・倫理・専門性(10)薬剤投与上の経過観察義務違反--イソミタール注射後の死亡の場合
- イソミタール面接を行った解離性同一性障害の1例 (第18回日本催眠学会 メインテーマ「トラウマと催眠」) -- (シンポジウム 多重人格と催眠)
Related Links
- イソミタールとは?アモバルビタールの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べ られる(おくすり110番:薬事典版)
- アモバルビタールは、催眠、重度の不眠症治療、鎮静、けいれんや麻酔前投薬に用いる バルビツール酸系の催眠鎮静剤である。アミタールとも呼ばれる。商品名はイソミタール 等。また、アモバルビタール「イソミタール」とブロムワレリル尿素「ブロバリン」を配合 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
組成
禁忌
効能または効果
- 不眠症には、アモバルビタールとして、通常成人1日0.1〜0.3gを就寝前に経口投与する。
不安緊張状態の鎮静には、アモバルビタールとして、通常成人1日0.1〜0.2gを2〜3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
- 不眠症には、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと。
慎重投与
- 幼小児、高齢者、虚弱者
[呼吸抑制を起こすことがある。]
- 頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症等の脳の器質障害のある患者
[脳血流量の低下により、脳障害が悪化するおそれがある。]
重大な副作用
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
薬効薬理
催眠・鎮静作用
- アモバルビタールはバルビタールに比し強い催眠作用を示し、作用発現は早く、持続時間は短い(マウス3)、イヌ4))。また低用量で鎮静作用を示す(マウス5))。
その他
- 抗痙攣作用(ウサギ6))、血圧低下作用(ウサギ3),5))を示し、呼吸(マウス3)、ウサギ3),5))及び心機能(ネコ7))を抑制する。
有効成分に関する理化学的知見
融点
性状
- 本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。
本品はエタノール(95)、アセトン又はジエチルエーテルに溶けやすく、クロロホルムにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
本品は水酸化ナトリウム試液又は炭酸ナトリウム試液に溶ける。
本品の飽和水溶液のpHは5.0〜5.6である。
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 睡眠薬、鎮静薬、抗不安薬
商品
[★]
- 英
- amobarbital、amobarbital sodium
- ラ
- amobarbitalum
- 同
- アミロバルビトン amylobarbitone
- 商
- イソミタール、イソミタールソーダ
- 関
- アモバルビタールナトリウム。アミタール
[★]
- 英
- Isomytal-interview
- 関
- アミタール・インタビュー