- 英
- quazepam
- 商
- ドラール
睡眠薬;長時間作用型;ベンゾジアゼピン系
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/05/26 10:13:33」(JST)
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クアゼパム
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IUPAC命名法による物質名 |
IUPAC名
7-chloro-5-(2-fluorophenyl)-1,3-dihydro-1-(2,2,2-trifluoroethyl)-2H-1,4-benzodiazepine-2-thione
|
臨床データ |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
|
投与方法 |
経口 |
薬物動態データ |
生物学的利用能 |
50% (suppository)
29-35% (oral) |
代謝 |
肝臓 |
半減期 |
39時間 |
排泄 |
腎臓 |
識別 |
CAS番号 |
36735-22-5 |
ATCコード |
N05CD10 |
PubChem |
CID: 4999 |
DrugBank |
DB01589 |
KEGG |
D00457 |
化学的データ |
化学式 |
C17H11N2 |
分子量 |
386.80 |
クアゼパム (Quazepam) は、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬のひとつ。中時間作用型。無臭、無味。メタノール、ジエチルエーテルにやや溶けやすく、水に溶けにくい。
日本では、田辺三菱製薬からドラールという商品名で発売されている。また、後発医薬品も各社より販売されている。
すべてのベンゾジアゼピンは乱用薬物である。向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定されている。麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬である。薬事法における習慣性医薬品である。
目次
- 1 適用
- 2 禁忌
- 3 併用禁忌
- 4 薬物動態
- 5 副作用
- 6 機序
- 7 関連項目
適用
他のベンゾジアゼピン系薬剤と同様に、不安や緊張をほぐし、睡眠を促す。短期的な不眠症の治療に用いられる。
禁忌
- 急性閉塞隅角緑内障のある者。
- 重症筋無力症のある者。
- リトナビルを投与中の者。
- 睡眠時無呼吸症候群のある者。
- クアゼパムに対する過敏症の既往歴のある者。
併用禁忌
- 食物(クアゼパムは胃の内容物により吸収が上がり、未変化体およびその代謝物の血中濃度が通常の2〜3倍に上昇することで、過度の鎮静や呼吸抑制を引き起こす可能性があるため。)
- リトナビル
薬物動態
アルコール、中枢神経抑制剤、モノアミン酸化酵素阻害薬、シメチジンとは併用に注意が必要である。
副作用
倦怠感、頭痛、集中力低下、ふらつき、脱力感、吐き気、発疹など
連用後に急激な中止すると離脱症状のおそれがある。
機序
脳にあるベンゾジアゼピン1受容体に親和性を示すことにより、受容体を介して、睡眠導入機構に作用すると考えられている。
関連項目
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催眠/鎮静薬 (N05C) |
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GABAA
アゴニスト/PAM |
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GABAB
アゴニスト |
- 1,4-ブタンジオール
- アセブル酸
- GABOB
- GHB (ナトリウムオキシベート)
- GBL
- GVL
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H1 インバース
アゴニスト |
抗ヒスタミン系: |
- カプトジアミン
- シプロヘプタジン
- ジフェンヒドラミン
- ドキシルアミン
- ヒドロキシジン
- メタピリレン
- フェニルアミン
- プロメタジン
- プロピオマジン
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抗うつ薬 |
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抗精神病薬 |
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α1-アドレナリン
アンタゴニスト |
抗うつ薬 |
- セロトニンアンタゴニストと再取り込み阻害薬
- 三環系抗うつ薬
- 四環系抗うつ薬
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抗精神病薬 |
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その他: |
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α2-アドレナリン受容体
アゴニスト |
- 4-NEMD
- クロニジン
- デトミジン
- デクスメドエトミジン
- ロフェキシジン
- メデトミジン
- ロミフィジン
- チザニジン
- キシラジン
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5-HT2A
アンタゴニスト |
抗うつ薬 |
- セロトニンアンタゴニストと再取り込み阻害薬
- 三環系抗うつ薬
- 四環系抗うつ薬
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抗精神病薬 |
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その他: |
- エプリバンセリン
- ニアプラジン
- プルバンセリン
- ボリナンセリン
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メラトニン
アゴニスト |
- アゴメラチン
- LY-156,735
- メラトニン
- ラメルテオン
- タシメルテオン
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オレキシン
アンタゴニスト |
- アルモレキサント
- SB-334,867
- SB-408,124
- SB-649,868
- スボレキサント
- TCS-OX2-29
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その他 |
- アセカルブロマール
- アリルイソプロピルアセチル尿素
- ブロムワレリル尿素
- カンナビジオール
- カルブロマール
- エンブトラミド
- エボキシン
- フェナジアゾール
- ガバペンチン
- カバラクロン
- サリドマイド
- メフェノキサロン
- オピオイド
- トケイソウ
- スコポラミン
- UMB68
- バルノクタミド
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- P-0523 一包化調剤時のクアゼパム錠の配合変化に関する検討(一般演題 ポスター発表,品質管理,Enjoy Pharmacists' Lifestyles)
- 更年期女性の睡眠障害に対するクアゼパムの臨床効果とquality of lifeの改善への寄与について
- 薬と食の相互作用(63)(3)薬と食事の相性(3)クアゼパムと食事
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- ドラールとは?クアゼパムの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 概説 寝つきをよくするお薬です。 作用 【働き】 脳の神経をしずめる作用があります。そして、不安や緊張感をほぐし気分 ...
- クアゼパムとは。効果、副作用、使用上の注意。中枢神経に作用して、眠りに導く催眠鎮静剤です。眠りに導く作用はバルビツール酸系催眠鎮静剤に比べると弱いのですが、薬物依存におちいる危険が少ない薬です。 不眠症の治療の ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ドラール錠15
組成
有効成分(1錠中)
添加物
- アルファー化デンプン,黄色5号,黄色5号アルミニウムレーキ,軽質無水ケイ酸,結晶セルロース,ステアリン酸マグネシウム,乳糖水和物,ラウリル硫酸ナトリウム
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 急性閉塞隅角緑内障のある患者〔眼圧を上昇させるおそれがある.〕
- 重症筋無力症のある患者〔重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある.〕
- 睡眠時無呼吸症候群の患者〔呼吸障害を悪化させるおそれがある.〕
- リトナビルを投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能または効果
- 不眠症
- 通常,成人にはクアゼパムとして1回20mgを就寝前に経口投与する.
なお,年齢,症状,疾患により適宜増減するが,1日最高量は30mgとする.
- 麻酔前投薬
- 手術前夜:通常,成人にはクアゼパムとして1回15〜30mgを就寝前に経口投与する.
なお,年齢,症状,疾患により適宜増減するが,1日最高量は30mgとする.
- 不眠症には,就寝の直前に服用させること.また,服用して就寝した後,睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと.
慎重投与
- 衰弱患者〔作用が強くあらわれるおそれがある.〕
- 高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
- 心障害のある患者〔心障害が悪化するおそれがある.〕
- 肝障害,腎障害のある患者〔肝障害,腎障害のある患者では一般に排泄が遅延する傾向があるので,薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること.〕
- 脳に器質的障害のある患者〔作用が強くあらわれるおそれがある.〕
- 統合失調症等の精神障害者(「重大な副作用」の項参照)
- 妊婦又は妊娠している可能性のある患者(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
- 小児等(「小児等への投与」の項参照)
重大な副作用
依存性
頻度不明
- 大量連用により薬物依存を生じることがあるので,観察を十分に行い,用量を超えないよう慎重に投与すること.また,大量投与又は連用中における投与量の急激な減少ないし投与中止により,痙攣発作,譫妄,振戦,不眠,不安,幻覚,妄想等の離脱症状があらわれることがあるので,投与を中止する場合には,徐々に減量するなど慎重に行うこと.
刺激興奮,錯乱
いずれも頻度不明
- 統合失調症等の精神障害者に投与すると逆に刺激興奮,錯乱等があらわれることがある.
呼吸抑制,炭酸ガスナルコーシス
いずれも頻度不明
- 呼吸抑制があらわれることがある.また,呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合,炭酸ガスナルコーシスを起こすことがあるので,このような場合には気道を確保し,換気を図るなど適切な処置を講ずること.
精神症状(幻覚,妄想等),意識障害,思考異常,勃起障害,興奮,運動失調,運動機能低下,錯乱,協調異常,言語障害,振戦
いずれも頻度不明
- 精神症状(幻覚,妄想等),意識障害,思考異常,勃起障害,興奮,運動失調,運動機能低下,錯乱,協調異常,言語障害,振戦があらわれたとの報告があるので,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
一過性前向性健忘,もうろう状態
いずれも頻度不明
- 一過性前向性健忘,また,もうろう状態があらわれることがあるので,本剤を投与する場合には少量から開始するなど,慎重に行うこと.なお,十分に覚醒しないまま,車の運転,食事等を行い,その出来事を記憶していないとの報告がある.異常が認められた場合には投与を中止すること.
薬効薬理
睡眠作用
- 各種動物実験(マウス,ラット,ネコ及びリスザル)において,他のベンゾジアゼピン系薬剤と同様の薬理学的スペクトラム(催眠鎮静,抗痙攣・馴化静穏,筋弛緩・運動失調作用など)を示した.マウスにおける睡眠増強作用と筋弛緩作用の選択性を検討したところ,睡眠増強作用の選択性の高い薬物であることが示唆された.
終夜睡眠ポリグラフィ6〜8)
- 健康成人男子に本剤15mg及び30mgの経口投与で総睡眠時間の延長傾向が認められた.また,服薬中止時の反跳性不眠及びREM睡眠の反跳はみられない.
作用機序9,10)
- 下部脳幹を起源とする睡眠導入機構を介して作用すること,ベンゾジアゼピン1受容体に対する親和性が高いことから,この受容体を介する覚醒系の抑制と睡眠に関係した神経系の刺激に関与すると考えられる.
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 7-chloro-5-(2-fluorophenyl)-1,3-dihydro-1-(2,2,2-trifluoroethyl)-2H-1,4-benzodiazepine-2-thione
分子式
分子量
性状
- 淡黄白色の結晶性の粉末で,におい及び味はない.クロロホルムに溶けやすく,メタノール又はジエチルエーテルにやや溶けやすく,エタノール(95)にやや溶けにくく,水にほとんど溶けない.
融点
★リンクテーブル★
[★]
- 関
- 睡眠薬、鎮静薬、抗不安薬
商品