アスピリン、ダイアルミネート(ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、炭酸マグネシウム)
- 英
- Bufferin
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バファリン(Bufferin)は、米国ブリストル・マイヤーズ社が1950年代に開発・発売した解熱鎮痛剤の商品名である。オリジナルは主成分の消炎鎮痛剤・アスピリン(アセチルサリチル酸)と緩衝制酸剤・ダイアルミネート(アルミニウムグリシネート・炭酸マグネシウム)を合剤にしたものであり、日本では1963年に提携を結んだライオン歯磨(歯痛にも効く事からとされている)が大衆薬として販売を開始した[1]。主成分を変更・追加した製品群を展開して現在までロングセラー製品となっている。現在は、1980年にライオン油脂と合併したライオンが製造販売を行っている。昔からテレビCMでの広報活動を盛んに行っており、「♪頭痛にバファリン~」というサウンドロゴが有名である。
目次
- 1 特徴
- 2 日本での製造・販売
- 3 現在の製品群
- 3.1 一般用医薬品(OTC医薬品)
- 3.1.1 解熱鎮痛薬
- 3.1.2 かぜ薬
- 3.1.3 小児用かぜ薬
- 3.2 医療用医薬品
- 4 脚注
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
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特徴[編集]
アスピリン単体の解熱剤に比べて胃に負担がかからないことが最大の特徴。
サリチル酸の内服用解熱剤は素早い効果が期待されるが、胃細胞に取り込まれるとプロスタグランジン生産が抑制され、胃酸分泌制御・胃粘膜保護も同時に抑制するため、体質によっては胃痛や胃潰瘍を引き起こす。その問題を解決するために、バファリンはアセチルサリチル酸を緩衝制酸剤で包み、胃にアセチルサリチル酸が吸収されないようにすることで問題を克服した。そのため、昔から広告では、胃にやさしく速く効くという事を謳っている。
アスピリンとアルミニウム・マグネシウムという比較的原始的な成分であるため販売価格や製造コストが安価であり、かつ成分が広く知られている事から航空会社の機内サービスなど幅広い公共施設に常備されている点もロングセラーに拍車をかけている。
BMS社が販売する米国では、日本ほど勢いのある有力な製品ではなくなっているが現在もOTCとして手頃な価格で入手できる。
日本での製造・販売[編集]
日本ではライオン歯磨(当時)が、米ブリストル・マイヤーズ社(現・ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)社)から技術導入(輸入)を行い、販売もしていた。後に、ライオン歯磨(合併後はライオン)が製造を担当し、発売は万有製薬(現・MSD)が行った。1980年1月1日にライオン(ライオン油脂と対等合併した)が製造販売元となり、ライオンが販売する形態が20年以上続いた後、2004年に医療用についてはブリストル製薬(当時)が販売するようになる。さらに2007年7月をもって両社は合弁関係を解消と同時に「バファリン(Bufferin)」の中国を除くアジア・オセアニア地域の商標権をBMS社からライオンに譲渡(実質的には売却)することを決定した。これにより、日本など中国を除くアジア・オセアニア地域では、2007年8月よりライオンが製造・販売を行うことになり、ブリストルマイヤーズ・ライオンは2007年12月末に清算された。また、2008年以降、日本の「バファリン」のCMに他の同社が発売する医薬品同様に「LION 医薬品」が記されたが、企業スローガンの改定により2012年からは「今日を愛する。LION」に変更された(ただし、製品パッケージに「LION」のコーポレートロゴマークは記されていない)。
また、2008年5月に医療用の「バファリン81mg錠(現・バファリン配合錠A81)」並びに「バファリン330mg錠(現・バファリン配合錠A330)」の販売元をブリストル・マイヤーズからエーザイに変更するとともに、ライオンとエーザイにおいて、日本国内における独占的販売権許諾における契約を締結した。これにより、医療用のバファリンは2008年7月からエーザイが販売元となった。
CMでは「バファリンの半分はやさしさで出来ています」というキャッチコピーが有名であるが、質量比では、およそ4分の3をアスピリンが占めており、胃を守る緩衝制酸剤は4分の1にすぎない。なお、CMはライオンの提供枠で放送されるのとは別に、ブリストルマイヤーズ・ライオンが独自に出稿(提供クレジットは「バファリン」名義)することもあった。
また、「バファリン」の日本上陸から48年目の2010年9月に、「バファリン」ブランドのかぜ薬「バファリンかぜEX」を発売。かぜ薬に関しては小中学生用の「バファリンジュニアかぜ薬」が既に発売されているが、成人(15歳以上)向けのかぜ薬は「バファリン」ブランドでは初の発売となる。なお、当社としては2004年12月に中外製薬から譲り受けた「アルペン ゴールドカプセル【指定第2類医薬品】」が既に発売されているが、ピリン系のイソプロピルアンチピリンが配合されているなど、配合成分が異なる。さらに「アルペン」にはこどもかぜシロップ・こどもせきどめシロップ・こども鼻炎シロップもラインナップされており、「キッズバファリン」のかぜシロップ・せきどめシロップ・鼻炎シロップと重複するが、配合成分やフレーバーが異なることから、現在も両ブランド共に継続販売されている。
現在の製品群[編集]
一般用医薬品(OTC医薬品)[編集]
解熱鎮痛薬[編集]
アセチルサリチル酸含有製剤は、アレルギー症状(ショックやアスピリン喘息など)の既往症・またはそのおそれの有る人・15歳未満の小児・出産予定日12週以内の妊婦は服用禁忌である。また、空腹時の服用も避けるべきである。なお、血栓予防を目的として市販のバファリンもしくは医療用バファリン330mgを服用しても、含有量が大量であるため効果はほとんど無く(アスピリンのジレンマなどと言われている)、胃に負担をかけるので却って逆効果である。また現行の小児用バファリンはアセチルサリチル酸が元々含まれないので無意味である。
- (新)バファリンA【指定第2類医薬品】
- 2000年から発売されている。1錠あたりの主成分はアスピリン(アセチルサリチル酸)330mgと緩衝制酸剤・合成ヒドロタルサイト(ダイバッファーHT)100mgである。なお、眠くなる成分は含まれていない。
- 制酸剤をオリジナルのダイアルミネートからダイバッファーHTに差し替えた事により、錠剤の大きさが一回り程小型化した。これは同年タイレノール(パラセタモール)が日本の大衆薬に参入する事による対抗策と見られている。ダイバッファーHT(合成ヒドロタルサイド)もダイアルミネートと同様にアルミニウム製剤である。2000年から15歳未満の小児の服用は禁忌となっている。
- 内容量は最小容量の10錠から特大容量の80錠まで5サイズを設定している。2013年4月よりパッケージデザインが変更された。
- バファリン顆粒【指定第2類医薬品】
- 2007年9月発売。「バファリンA」の2つの有効成分(アスピリン(アセチルサリチル酸)660mg、合成ヒドロタルサイト(ダイバッファーHT)268mg)を服用しやすいシトラス味の顆粒にしたもの。「(新)バファリンA」同様、眠くなる成分は含まれていない。スティック包装になっているため、携帯性にも優れている。発売開始当初、「(新)バファリンA」のTVCMで紹介されていた。
- バファリンプラスS【指定第2類医薬品】
- 2009年10月発売。早く効く事を念頭に、1錠あたりの主成分は(アスピリン(アセチルサリチル酸)250mgと解熱鎮痛効果の高いパラセタモール(アセトアミノフェン)150mg、鎮痛補助成分としてアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインが加えられている。また、従来の「バファリンプラス」に配合されていなかった胃粘膜保護成分の乾燥水酸化アルミニウムゲルを追加配合し、より素早く錠剤が崩れる特許製法の「FASTab(ファスタブ)」技術を採用した。専用のTVCMが放映されており、女優の小雪を起用している。
- バファリンルナi【指定第2類医薬品】
- 当初は「バファリンL」で、2006年9月に「バファリンルナ」に改良。2012年3月に現在の商品となった。主に女性の生理痛や頭痛に即効性があるように、主成分を中枢神経の鎮痛効果が高いパラセタモール(アセトアミノフェン)とイブプロフェンにしたもの。イブプロフェンは全ての非選択性NSAIDの中で最も胃腸障害が少ない。今回の改良では難溶性のイブプロフェンを素早く溶けるように「バファリンかぜEX」で採用した「クイックメルト製法」を新たに採用することで溶けやすさを高めるとともに、乾燥水酸化アルミニウムゲル(胃粘膜保護成分)を新たに配合したことでより胃にやさしくなり、また、「バファリンルナ」では配合されていたアリルイソプロピルアセチル尿素を省いたことで、眠くならない処方となった(処方改良により第2類医薬品となったが、2012年9月にリスク区分の変更により、再び指定第2類医薬品となった)。内容量も12錠・24錠・36錠から20錠・40錠・60錠とサイズアップされた。「バファリンプラスS」同様に専用のTVCMが放映されており、こちらはベッキーを起用している[2]。
- バファリンルナJ【第2類医薬品】
- 2012年3月発売。生理痛に悩む小中学生が増えていることを背景に新たに発売した小中学生(7歳以上15歳未満)用の解熱鎮痛薬。小中学生にも服用が認められているパラセタモール(アセトアミノフェン)のみの単味剤で、授業中・試験・部活などの場面に支障をきたさないように眠くなる成分が含まれていない。また、苦みがあるパラセタモールを服用しやすくするためにコーティング技術を施すことで苦みを感じず、水なしでそのまま噛んで服用できるフルーツ味のチュアブル錠としている。また、PTPシートは上面に用法・用量を記載するとともに、携帯時に錠剤の飛び出しを防ぐために二つ折りができるようになっている。
- 小児用バファリンCII【第2類医薬品】
- ライ症候群の懸念から、主成分をアスピリン(アセチルサリチル酸)ではなく、パラセタモール(アセトアミノフェン)としたもの。飲み易いようにサッカリンなどの甘味料が加えられている。パッケージカラーはオレンジで、この商品とバファリンジュニアかぜ薬のみ、バファリンのロゴが旧式のものとなっていたが、2012年3月にパッケージデザインがリニューアルされ、バファリンのロゴが現行のものとなった。主成分がパラセタモールなので、胃を刺激せず、血液凝固、腎臓あるいは胎児の動脈硬化などの影響、興奮、眠け、などの副作用が無く、依存性、抵抗性および禁断症状に関する問題が完全になく、非常に安全な薬物であるが、抗炎症作用を殆ど持っていない。
- 小児用バファリンチュアブル【第2類医薬品】
- 「小児用バファリンCII」のチュアブルタイプ。水なしで飲めるから、旅行や外出先への携帯に最適。発売当初は東亜薬品が製造を行っていたが、現在は自社製造となっている。2012年3月にパッケージデザインをリニューアル。
かぜ薬[編集]
- バファリンかぜEX【指定第2類医薬品】
- 2010年9月発売。3種類の承認基準外成分(イブプロフェン・クレマスチンフマル酸塩・ブロムヘキシン塩酸塩)を配合し、つらい熱やのどの痛みなどのかぜの諸症状を緩和する成人(15歳以上)専用のかぜ薬。また、難溶性であるイブプロフェンをより速く溶け易くする為に、細かく粉砕して親水性成分でコーティングした特許技術の「クイックメルト製法」を採用。錠剤タイプの「バファリンかぜEX錠」とスティック細粒タイプの「バファリンかぜEX細粒」の2タイプ。サウンドロゴは、「♪かぜにもバファリン~」。2011年8月にはサイズラインナップの追加を行い、「バファリンかぜEX錠」にはPTP包装の追加サイズとして27錠を、「バファリンEX細粒」には小容量の6包を加えた。2012年春に「バファリンかぜEX錠」の30錠(瓶包装)と「バファリンかぜEX細粒」の20包を廃止し、現在は「バファリンかぜEX錠」は3サイズ(PTP18錠・PTP27錠・瓶45錠)、「バファリンかぜEX細粒」は2サイズ(6包・10包)となっている。
小児用かぜ薬[編集]
15歳未満の小児を対象としたシリーズ。アセトアミノフェンを解熱鎮痛成分とし、クロルフェニラミンマレイン酸塩やメチルエフェドリン塩酸塩などを配合したもの。服用年齢はバファリンジュニアかぜ薬は5歳~14歳、キッズバファリンシロップシリーズは3ヶ月~6歳(ただし、2歳未満の乳児は止むを得ない場合のみに服用する)。なお、キッズバファリンシロップシリーズは2008年6月にパッケージをリニューアルし、『セサミストリート』を起用したパッケージから、白いクマを起用したシンプルなものとなった。
- バファリンジュニアかぜ薬【指定第2類医薬品】
- アセトアミノフェンと5種類の有効成分を配合した錠剤(糖衣錠)タイプの風邪薬。かぜの諸症状の緩和に。
- キッズバファリンかぜシロップS/P/O【指定第2類医薬品】
- アセトアミノフェンと4種類の有効成分を配合したシロップタイプの風邪薬。発熱・せき・鼻みずなどのかぜの諸症状に。選べる3つのフレーバー(S:ストロベリー味、P:ピーチ味、O:オレンジ味)。
- キッズバファリンシロップS【第2類医薬品】
- アセトアミノフェンとジフェンヒドラミン塩酸塩を配合したシロップタイプの風邪薬。発熱や痛み(頭痛・のどの痛み)などのかぜの諸症状に。
- キッズバファリンせきどめシロップS【指定第2類医薬品】
- 鎮咳成分・去痰成分と生薬を配合したシロップタイプの鎮咳去痰薬。せき・たんに。
- キッズバファリン鼻炎シロップS【指定第2類医薬品】
- クロルフェニラミンマレイン酸塩・dl-メチルエフェドリン塩酸塩に生薬(サイシン流エキス)を配合したシロップタイプの鼻炎薬。鼻水・鼻づまりなどの鼻炎の諸症状に。
医療用医薬品[編集]
医療用はエーザイ株式会社が販売している(2008年6月まではブリストル・マイヤーズ株式会社が販売していた)。
- バファリン配合錠A330(従来の名称および旧大衆薬「バファリン」、2009年5月までは「バファリン330mg錠」)
- バファリン発売当初のオリジナルの配合(添加物などは変更されている)であり、主成分はアスピリン330mgとダイアルミネート150mg(アルミニウムグリシネート50mg・炭酸マグネシウム100mg)である。
- 一部のドラッグストアや薬局で零売として、医師の処方箋無しで購入でき、またその殆どが「バファリンA」よりも一錠あたりの単価が安く販売されていた(アセチルサリチル酸の含有量は一般用の「バファリンA」と同一であるが、制酸剤が従来のままであるため錠剤が大きい)。2009年の改正薬事法以降は原則、薬局でしか入手できなくなった。同年9月には効能・効果に関節リウマチが追加された。
- バファリン配合錠A81(2000年11月までは「小児用バファリン」、2009年5月までは「バファリン81mg錠」)
- 主成分はアスピリン81mgとダイアルミネート33mg(アルミニウムグリシネート11mg・炭酸マグネシウム22mg)である。
- 少量のアスピリン(アセチルサリチル酸)を継続服用することで、血栓の発生を抑制できる事から2000年に承認されて用いられている。
- 「(医療用)小児用バファリン」の名称だった当時は、文字通り小児(15歳未満)の解熱鎮痛消炎剤として使われてきたが、かねてから米国でインフルエンザや水疱瘡などの解熱にサリチル酸系医薬品を服用した小児がライ症候群を発症するリスクが指摘されていた為、2000年に「(医療用)小児用バファリン」の製造承認を取り下げ、入れ替わりに抗血小板剤として内容は同一の「バファリン81mg錠」が承認され販売されている。したがって、医療機関での小児の解熱には現在おもにアセトアミノフェンやイブプロフェン製剤が処方されている。
脚注[編集]
- ^ 成分は現行の医療用「バファリン配合錠A330」相当。
- ^ 同社の洗濯洗剤「トップNANOX」にも出演している。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- バファリン ブランドサイト
- バファリン一覧|製品情報|ライオン株式会社
- 医療用医薬品「バファリン81mg錠」「バファリン330mg錠」の販売について(ライオン株式会社)
- 医療用医薬品「バファリン81mg錠」「バファリン330mg錠」の販売について(エーザイ株式会社)
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 話題の製品を追う(新連載・第1回)「バファリンかぜEX」シリーズ(ライオン) 「大人用パーソナル」のさらなる活性化へ--早期の配荷で今後の展開に弾み
- ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略(file.19)ライオン「バファリン」 科学的マーケティングをいち早く導入 ブランドを活かした拡大を続ける
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
バファリン配合錠A330
組成
- 本剤は1錠中アスピリン330mg,ダイアルミネート(ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテート50mg及び炭酸マグネシウム100mg)150mgを含有する.
- 添加物として,トウモロコシデンプンを含む.
禁忌
- 本剤及び本剤の成分又はサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 消化性潰瘍のある患者(ただし,「慎重投与」の項参照)[胃出血の発現又は消化性潰瘍が悪化するおそれがある.]
- 重篤な血液の異常のある患者[血液の異常をさらに悪化させ,重篤な副作用が発現するおそれがある.]
- 重篤な肝障害のある患者[血中濃度が上昇し,重篤な副作用が発現するおそれがある.]
- 重篤な腎障害のある患者[血中濃度が上昇し,重篤な副作用が発現するおそれがある.]
- 重篤な心機能不全のある患者[血中濃度が上昇し,重篤な副作用が発現するおそれがある.]
- アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発するおそれがある.]
- 出産予定日12週以内の妊婦[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
- スルフィンピラゾンを投与している患者[「相互作用」の項参照]
効能または効果
- 頭痛,歯痛,月経痛,感冒の解熱,関節リウマチ,リウマチ熱,症候性神経痛
頭痛,歯痛,月経痛,感冒の解熱
関節リウマチ,リウマチ熱,症候性神経痛
- 通常,成人1回2?4錠,1日2?3回経口投与する.
- なお,いずれの場合も年齢,症状により適宜増減する.
慎重投与
- 消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍が再発するおそれがある.]
- 血液の異常又はその既往歴のある患者[副作用が強くあらわれることがある.]
- 出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがある.]
- 肝障害又はその既往歴のある患者[副作用が強くあらわれることがある.]
- 腎障害又はその既往歴のある患者[副作用が強くあらわれることがある.]
- 心機能異常のある患者[副作用が強くあらわれることがある.]
- 過敏症の既往歴のある患者
- 気管支喘息のある患者[喘息発作が誘発されるおそれがある.]
- 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
- 妊婦(ただし,出産予定日12週以内の妊婦は禁忌)又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
- 小児[「重要な基本的注意」の項,「小児等への投与」の項参照]
- 手術,心臓カテーテル検査又は抜歯前1週間以内の患者[失血量を増加させるおそれがある.]
- 非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で,本剤の長期投与が必要であり,かつミソプロストールによる治療が行われている患者(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが,ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので,本剤を継続投与する場合には,十分経過を観察し,慎重に投与すること.)
- アルコール飲料の常用者[胃出血の危険性が増加することがある.(「相互作用」の項参照)]
重大な副作用
ショック,アナフィラキシー様症状
- ショックやアナフィラキシー様症状(呼吸困難,全身潮紅,血管浮腫,蕁麻疹等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
出血
脳出血等の頭蓋内出血
- 脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛,悪心・嘔吐,意識障害,片麻痺等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
肺出血,消化管出血,鼻出血,眼底出血等
- 肺出血,消化管出血,鼻出血,眼底出血等があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
皮膚粘膜眼症候群,中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),はく脱性皮膚炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
再生不良性貧血,血小板減少,白血球減少
- 再生不良性貧血,血小板減少,白血球減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
喘息発作の誘発
肝機能障害,黄疸
- AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと.
消化性潰瘍,小腸・大腸潰瘍
- 下血(メレナ)を伴う胃潰瘍・十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがある.また,消化管出血,腸管穿孔を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
薬効薬理
鎮痛作用5)
- 酢酸の化学的刺激によるWrithing(マウス)の抑制及びRandall-Selitto法(ラット)による閾値の上昇からバファリンの鎮痛作用を確認した.
解熱作用5)
- 家兎にLPS(Lipopolysaccharide)を投与し,実験的発熱を誘起させ,バファリンの解熱作用を確認した.
抗炎症作用5)
- バファリンはカラゲニン惹起足蹠浮腫(ラット)に対して抑制作用が認められ,またカラゲニン,ヒスタミンによる血管透過性(ラット)にも抑制作用が認められた.
胃粘膜刺激性試験6)
- バファリンとアスピリンの胃障害の発生度合を腺胃部における潰瘍の長さおよび胃出血を指標として,非幽門結紮ラットについて比較した結果,バファリンは単味アスピリンに比較して胃障害の発生が有意に少なかった.
胃耐性試験7)
- 胃に対する刺激の頻度,胃出血などを二重盲検比較試験法により試験した結果,バファリンは単味アスピリン錠に比較し胃障害が少ないことが認められた.
有効成分に関する理化学的知見
アスピリン
一般名
化学名
分子式
分子量
融点
- 約136℃(あらかじめ溶液を130℃に加熱しておく)
性状
- 白色の結晶,粒又は粉末で,においはなく,わずかに酸味がある.エタノール(95)又はアセトンに溶けやすく,ジエチルエーテルにやや溶けやすく,水に溶けにくい.水酸化ナトリウム試液又は炭酸ナトリウム試液に溶ける.湿った空気中で徐々に加水分解してサリチル酸及び酢酸になる.
ジヒドロキシアルミニウム アミノアセテート
一般名
- アルミニウム グリシネート(Aluminum Glycinate)
化学名
- Dihydroxyaluminum Aminoacetate
分子式
分子量
性状
- 白色の粉末又は粒で,においはなく,味はわずかに甘い.
水又はエタノールにほとんど溶けない.希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に大部分溶ける.
炭酸マグネシウム
一般名
- 炭酸マグネシウム(Magnesium Carbonate)
化学名
分子式
分子量
性状
- 白色のもろい塊又は粉末で,においはない.水,エタノール(95),1-プロパノール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない.希塩酸に泡立って溶ける.飽和水溶液はアルカリ性である.
★リンクテーブル★
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商品
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アスピリン、炭酸マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート
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- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3