ナルトグラスチム
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顆粒球コロニー刺激因子(かりゅうきゅうコロニーしげきいんし、granulocyte-colony stimulating factor)とは、サイトカインの一種で顆粒球産出の促進、好中球の機能を高める作用がある。英語の略号でG-CSFと表記することが多い。
医薬品[編集]
遺伝子組換えヒトG-CSF製剤は、がん化学療法による好中球減少症や再生不良性貧血に伴う好中球減少症に用いられる。
フィルグラスチム(filgrastim、商品名グラン)、ナルトグラスチム(Nartograstim、商品名ノイアップ)、レノグラスチム(Lenograstim、商品名ノイトロジン)などの医薬品がある。いずれも、かなり高価なものである。
副作用としては、ショック、間質性肺炎、急性呼吸窮迫症候群、LDH上昇、Al-P上昇など。
骨髄系統 - 血液 (白血球 · 赤血球 · 血小板) |
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造血幹細胞
HSC |
骨髄系前駆細胞
(CFU-GEMM)
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顆粒球・単球系前駆細胞
(CFU-GM)
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骨髄芽球→前骨髄球→骨髄球→後骨髄球→桿状核球→分葉核球(好中球)
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マクロファージ
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組織球 · クッパー細胞 · 肺胞マクロファージ · 小膠細胞 · 破骨細胞 · 類上皮細胞 · 巨細胞 (ラングハンス巨細胞、異物巨細胞、トートン型巨細胞)
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CFU-DL
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樹状細胞 · ランゲルハンス細胞
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共通
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骨髄性単球
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CFU-Baso
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骨髄芽球→好塩基性前骨髄球→好塩基性骨髄球→好塩基性後骨髄球→(好塩基球)
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CFU-Eos
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骨髄芽球→好酸性前骨髄球→好酸性骨髄球→好酸性後骨髄球→好酸性桿状核球→好酸性分葉核球 (好酸球)
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MEP
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CFU-Meg
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巨核芽球 · 巨核球 · 血小板
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CFU-E
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赤芽球 · 網赤血球
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CFU-Mast
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肥満細胞前駆体
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非細胞 |
血漿
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Japanese Journal
- タンパク質誘導体新薬ノイアップ(KW-2228)の開発
- タンパク質誘導体新薬「ノイアップ」の開発 : 農芸化学技術賞
Related Links
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
ノイアップ注25
組成
- ノイアップ注25は、1瓶中に次の成分を含有する、用時溶解して用いる注射製剤である。溶解液としてノイアップ注25には日局生理食塩液1管0.5mLを添付している。
有効成分
添加物
- 日局乳糖水和物 5mg、日局ポリソルベート80 2.5μg、リン酸、日局リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素カリウム、pH調節剤
禁忌
- 本剤の成分または他の顆粒球コロニー形成刺激因子製剤に過敏症の患者
- 骨髄中の芽球が十分減少していない骨髄性白血病患者および末梢血液中に芽球の認められる骨髄性白血病患者
[芽球が増加することがある。]
効能または効果
成 人
- 通常、骨髄移植施行翌日ないし5日後よりナルトグラスチム(遺伝子組換え)として8μg/kgを1日1回静脈内投与する。
小 児
- 骨髄移植施行翌日ないし5日後よりナルトグラスチム(遺伝子組換え)として8μg/kgを1日1回静脈内投与する。
投与中止時期
- 好中球数が5,000/mm3以上に増加した場合は症状を観察しながら投与を中止する。
- なお、本剤投与の中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。年齢、症状により適宜増減する。
- がん化学療法による好中球減少症
- 急性リンパ性白血病
成人・小児
- 通常、がん化学療法剤投与終了後(翌日以降)から、ナルトグラスチム(遺伝子組換え)として2μg/kgを1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。出血傾向等の問題がない場合は1μg/kgを1日1回皮下投与する。
投与中止時期
- 好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm3に達した場合は投与を中止する。
- なお、本剤投与の開始時期および中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。年齢、症状により適宜増減する。
- 悪性リンパ腫、小細胞肺癌、胚細胞腫瘍(睾丸腫瘍、卵巣腫瘍など)、神経芽細胞腫、小児がん
成人・小児
- 通常、がん化学療法剤投与終了後(翌日以降)から、ナルトグラスチム(遺伝子組換え)として1μg/kgを1日1回皮下投与する。出血傾向等により皮下投与が困難な場合は2μg/kgを1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。
投与中止時期
- 好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm3に達した場合は投与を中止する。
- なお、本剤投与の開始時期および中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。年齢、症状により適宜増減する。
- その他のがん腫(急性骨髄性白血病は除く)
成人・小児
- 通常、がん化学療法剤投与終了後、好中球数1,000/mm3未満で発熱(原則として38℃以上)あるいは好中球数500/mm3未満が観察された時点から、ナルトグラスチム(遺伝子組換え)として1μg/kgを1日1回皮下投与する。出血傾向等により皮下投与が困難な場合は2μg/kgを1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。
また、がん化学療法により好中球数1,000/mm3未満で発熱(原則として38℃以上)あるいは好中球数500/mm3未満が観察された症例で、引き続き同一がん化学療法を施行する場合、次回以降のがん化学療法において、好中球数1,000/mm3未満が観察された時点からナルトグラスチム(遺伝子組換え)として1μg/kgを1日1回皮下投与する。出血傾向等により皮下投与が困難な場合は2μg/kgを1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。
投与中止時期
- 好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm3に達した場合は投与を中止する。
- なお、本剤投与の開始時期および中止時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定する。年齢、症状により適宜増減する。
- 小児再生不良性貧血に伴う好中球減少症
小 児
- 通常、好中球数1,000/mm3未満の状態を示した時点よりナルトグラスチム(遺伝子組換え)として4μg/kgを1日1回皮下投与または8μg/kgを1日1回静脈内投与する。
投与中止時期
- 好中球数が5,000/mm3以上に増加した場合は症状を観察しながら減量あるいは投与を中止する。年齢、症状により適宜増減する。
- 先天性・特発性好中球減少症
成 人
- 通常、好中球数1,000/mm3未満の状態を示した時点よりナルトグラスチム(遺伝子組換え)として2μg/kgを1日1回皮下投与または4μg/kgを1日1回静脈内投与する。
小 児
- 好中球数1,000/mm3未満の状態を示した時点よりナルトグラスチム(遺伝子組換え)として2μg/kgを1日1回皮下投与または4μg/kgを1日1回静脈内投与する。
投与中止時期
- 好中球数が5,000/mm3以上に増加した場合は症状を観察しながら減量あるいは投与を中止する。年齢、症状により適宜増減する。
がん化学療法による好中球減少症
- 胚細胞腫瘍で卵巣腫瘍に該当するものは、未熟奇形腫、未分化胚細胞腫、卵黄嚢腫瘍等である。
- その他のがん腫(急性骨髄性白血病は除く)に対する用法・用量における同一のがん化学療法とは、抗悪性腫瘍薬の種類およびその用量も同一の化学療法レジメンである。
- 本剤の投与により、好中球数が最低値を示す時期を経過後5,000/mm3に達した場合は投与を中止するが、好中球数が2,000/mm3以上に回復し、感染症が疑われるような症状がなく、本剤に対する反応性から患者の安全が確保できると判断した場合には、本剤の減量あるいは中止を検討すること。
慎重投与
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- アレルギー素因のある患者
- 肝・腎・心肺機能に高度な障害のある患者
[投与経験が少なく安全性が確立していない。]
- 小児
重大な副作用
ショック
- ショック(頻度不明)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
- 間質性肺炎(0.1%)が発現または増悪することがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難および胸部X線検査異常等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
急性呼吸窮迫症候群
- 急性呼吸窮迫症候群(0.02%)が発現することがあるので、観察を十分に行い、急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には本剤の投与を中止し、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。
薬効薬理
顆粒球系前駆細胞の分化・増殖促進作用16)
- ヒトおよびマウス骨髄細胞を用いて、コロニー形成試験および3H-チミジン取り込みを指標とした細胞増殖試験で、本剤が好中球への分化・増殖を選択的に促進することが認められた。なお、天然型hG-CSF(糖鎖非結合)と比較して本剤の比活性は約3倍高かった。
末梢血好中球数の増加作用17)〜19)
- サル、ラット、マウスにおいて末梢血好中球数を増加させる作用が認められ、また抗癌剤投与あるいは放射線照射による白血球減少マウスにおいて、用量依存的に好中球数の回復を促進した。更に、骨髄移植後の回復促進にも併用効果を示した。
好中球の活性化と貪食殺菌能の亢進20)〜22)
- 本剤を投与したマウスまたはラットから採取した好中球は、非特異的刺激剤あるいは生菌刺激による活性酸素の産生能が亢進した。また、マウス好中球における貪食殺菌能の亢進も認められた。
作用機序23)
- 好中球前駆細胞に本剤が選択的に作用するとともに、ヒト好中球に対する受容体結合試験では、本剤は好中球に存在する受容体に特異的に結合することが確認された。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ナルトグラスチム(遺伝子組換え)Nartograstim(genetical recombination)(JAN)
本 質
- ヒト末梢血中のマクロファージに由来するヒト顆粒球コロニー形成刺激因子を改変し組換え体で産生される175個のアミノ酸残基(C846H1336N226O245S8:分子量18849.82)から成る蛋白質
性 状
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商品
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