チクロピジン
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
※※ マイトジン錠100mg
組成
組 成
- マイトジン錠100mgは1錠中チクロピジン塩酸塩100mgおよび添加物として乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、タルク、カルナウバロウを含有する。
禁忌
(1)出血している患者(血友病、毛細血管脆弱症、消化管潰瘍、尿路出血、喀血、硝子体出血等)
(2)重篤な肝障害のある患者
(3)白血球減少症の患者
- 〔本剤の副作用として白血球減少症が報告されているので、より重篤な症状になるおそれがある。〕
(4)チクロピジン塩酸塩による白血球減少症の既往歴のある患者
- 〔再投与により白血球減少症を起こすおそれがある。〕
(5)チクロピジン塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
1.血管手術および血液体外循環に伴う血栓・塞栓の治療ならびに血流障害の改善
2.慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの阻血性諸症状の改善
3.虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)に伴う血栓・塞栓の治療
4.クモ膜下出血術後の脳血管攣縮に伴う血流障害の改善
1.血管手術および血液体外循環に伴う血栓・塞栓の治療ならびに血流障害の改善には、チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日200〜300mg(2〜3錠)を2〜3回に分けて食後に経口投与する。
2.慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの阻血性諸症状の改善には、チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日300〜600mg(3〜6錠)を2〜3回に分けて食後に経口投与する。
3.虚血性脳血管障害に伴う血栓・塞栓の治療には、チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日200〜300mg(2〜3錠)を2〜3回に分けて食後に経口投与する。なお、1日200mg(2錠)の場合には1回に経口投与することもできる。
4.クモ膜下出血術後の脳血管攣縮に伴う血流障害の改善には、チクロピジン塩酸塩として、通常成人1日300mg(3錠)を3回に分けて食後に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(1)投与開始後2か月間は、原則として1回2週間分を処方すること。〔本剤による重大な副作用を回避するため、患者を来院させ、定期的な血液検査を実施する必要がある。〕(「警告」の項参照)
(2)手術の場合には、出血を増強するおそれがあるので、10〜14日前に投与を中止すること。 ただし、血小板機能の抑制作用が求められる場合を除く。
慎重投与
1)月経期間中の患者
2)出血傾向ならびにその素因のある患者
3)肝障害の既往歴のある患者
4)白血球減少症の既往歴のある患者
5)高血圧の患者
6)手術を予定している患者
7)高齢者
重大な副作用
1.血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)(主徴:血小板減少、破砕赤血球の出現を認める溶血性貧血、動揺する精神・神経症状、発熱、腎機能障害)(頻度不明)
- TTPがあらわれることがある(特に投与開始後2か月以内)ので、観察を十分に行い、TTPの初期症状である倦怠感、食欲不振、紫斑等の出血症状、意識障害等の精神・神経症状等が出現した場合には、ただちに投与を中止し、血液検査(網赤血球、破砕赤血球の同定を含む)を実施し、必要に応じ血漿交換等の適切な処置を行うこと。
2.無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、倦怠感等)(頻度不明)
- 無顆粒球症があらわれることがある(特に投与開始後2か月以内)ので、観察を十分に行い、初期症状が認められた場合には、ただちに投与を中止し、血液検査(血球算定等)および適切な処置を行うこと。
3.重篤な肝障害(劇症肝炎、胆汁うっ滞型肝障害があらわれることがある)(初期症状:悪心・嘔吐、食欲不振、倦怠感、そう痒感、眼球黄染、皮膚の黄染、褐色尿等)(頻度不明)
- 著しいAST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビン、総コレステロールの上昇を伴うの上昇を伴う肝、機能障害があらわれることがある(特に投与開始後2か月以内)ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、肝機能検査を実施し、必要に応じ適切な処置を行うこと。
4.下記の重大な副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
1 再生不良性貧血を含む汎血球減少症(頻度不明)
2 赤芽球癆(頻度不明)
3 血小板減少症(頻度不明)
4 出血(脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、意識障害、片麻痺等)、消化管出血等の重篤な出血)(頻度不明)
5 中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症、多形滲出性紅斑(頻度不明)
6 消化性潰瘍(頻度不明)
7 急性腎不全(頻度不明)
8 間質性肺炎(頻度不明)
9 SLE様症状(発熱、関節痛、胸部痛、胸水貯留、抗核抗体陽性等)(頻度不明)
薬効薬理
- チクロピジン塩酸塩は血小板のアデニル酸シクラーゼ活性を上昇させる。これによって血小板内c-AMP濃度が上昇し血小板内Ca2+濃度は低下し、結果的に血小板の凝集能は抑制される。また、血小板内Ca2+濃度の低下はリン脂質からアラキドン酸を遊離させる酵素ホスホリパーゼA2の活性を低下させ、トロンボキサンA2(TXA2)合成も抑制される。血管内皮細胞でのプロスタグランジンI2(PGI2)の生成は影響を受けない。チクロピジンは赤血球においてもアデニル酸シクラーゼ活性上昇、c-AMP上昇を通じて、その変形能を増大させて血液粘度を低下させ血液レオロジー的性状を改善する。チクロピジンはウサギでADP注入による微小塞栓形成のためと考えられている一過性の流血中血小板数の減少を抑制し3)、イヌで直径3mm以下の細小血管移植後の血栓による閉塞を抑制する作用が認められている4)。
有効成分に関する理化学的知見
- チクロピジン塩酸塩は白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、水又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
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商品
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- 英
- ticlopidine
- 化
- 塩酸チクロピジン ticlopidine hydrochloride
- 商
- ジルペンダー、ソーパー、ソロゾリン、チクピロン、ニチステート、パチュナ、パナピジン、パナルジン、パラクロジン、ビーチロン、ピエテネール、ヒシミドン、ファルロジン、マイトジン
- 関
- その他の血液・体液用薬
作用機序
- 血小板膜にあるACを持続的に活性化→細胞内cAMP↑→細胞内Ca増加抑制→血小板活性化抑制 (SPC.293)