アスピリン、炭酸マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
※※ ファモター配合錠A81
組成
組 成
- 1錠中
アスピリン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・81mg
ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート・・・・11mg
炭酸マグネシウム・・・・・・・・・・・・・・・・22mg
添加物としてサッカリン、サッカリンナトリウム水和物、黄色5号アルミニウムレーキ、香料、トウモロコシデンプン、カルメロース、無水クエン酸、タルク、D−マンニトール、アラビアゴム末を含有する。
禁忌
本剤及び本剤の成分又はサリチル酸系製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
消化性潰瘍のある患者(ただし「慎重投与」の項参照)
- 〔胃出血の発現又は消化性潰瘍が悪化するおそれがある。〕
出血傾向のある患者
アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者
出産予定日12週以内の妊婦
低出生体重児、新生児又は乳児
効能または効果
・下記疾患における血栓・塞栓形成の抑制
- 狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)
心筋梗塞
虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)
・冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制
・川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)
・狭心症(慢性安定狭心症、不安定狭心症)における血栓・塞栓形成の抑制、心筋梗塞、虚血性脳血管障害(一過性脳虚血発作(TIA)、脳梗塞)冠動脈バイパス術(CABG)あるいは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)施行後における血栓・塞栓形成の抑制に使用する場合
- 通常、成人には1錠(アスピリンとして81mg)を1回量として、1日1回経口投与する。
なお、症状により1回4錠(アスピリンとして324mg)まで増量できる。
・川崎病(川崎病による心血管後遺症を含む)に使用する場合
- 急性期有熱期間は、アスピリンとして1日体重1kgあたり30〜50mgを3回に分けて経口投与する。解熱後の回復期から慢性期は、アスピリンとして1日体重1kgあたり3〜5mgを1回経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。
- ・空腹時の投与は避けることが望ましい。
- ・心筋梗塞及び経皮経管冠動脈形成術に対する投与に際しては、初期投与量として維持量の数倍が必要とされていることに留意すること1)。
- ・原則として川崎病の診断がつき次第、投与を開始することが望ましい2)。
- ・川崎病では発症後数ヵ月間、血小板凝集能が亢進しているので、川崎病の回復期において、本剤を発症後2〜3ヵ月間投与し、その後断層心エコー図等の冠動脈検査で冠動脈障害が認められない場合には、本剤の投与を中止すること。冠動脈瘤を形成した症例では、冠動脈瘤の退縮が確認される時期まで投与を継続することが望ましい2,3)。
- ・川崎病の治療において、低用量では十分な血小板機能の抑制が認められない場合もあるため、適宜、血小板凝集能の測定等を考慮すること。
慎重投与
消化性潰瘍の既往歴のある患者
血液の異常又はその既往歴のある患者
出血傾向の素因のある患者
肝障害又はその既往歴のある患者
腎障害又はその既往歴のある患者
高血圧の患者
- 〔血管や内臓等の障害箇所に出血が起こることがある。〕
過敏症の既往歴のある患者
気管支喘息のある患者
アルコール飲料の常用者
- 〔胃出血の危険性が増加することがある。(「相互作用」の項参照」)〕
高齢者
妊婦(ただし、出産予定日12週以内の妊婦は禁忌)又は妊娠している可能性のある婦人
小児
- 〔「重要な基本的注意」、「小児等への投与」の項参照〕
手術、心臓カテーテル検査又は抜歯前1週間以内の患者
非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者
- 〔ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。〕
月経過多の患者
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状:(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
出血:(頻度不明)
脳出血等の頭蓋内出血:
- 脳出血等の頭蓋内出血(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等:
- 肺出血、消化管出血、鼻出血、眼底出血等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、はく脱性皮膚炎:(頻度不明)
- 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、はく脱性皮膚炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少:(頻度不明)
- 再生不良性貧血、血小板減少、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
喘息発作の誘発:(頻度不明)
肝機能障害、黄疸:(頻度不明)
- >AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認めたれた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
消化性潰瘍、小腸・大腸潰瘍:(頻度不明)
- 下血(メレナ)を伴う胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがある。また、消化管出血、腸管穿孔を伴う小腸・大腸潰瘍があらわれることがるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
1.血小板凝集抑制作用
- 低用量アスピリンの経口投与は、虚血性脳疾患患者18)、虚血性心疾患患者19)及び川崎病患者20)においてADP、コラーゲン等による血小板凝集を抑制する。高用量のアスピリンは、解熱、鎮痛、抗炎症作用を示す21)。
1)作用機序
- アスピリンは、そのアセチル基によって血小板シクロオキシゲナーゼを不可逆的に阻害して血小板のトロンボキサンA2(TXA2)の産生を抑制することにより、血小板凝集を抑制し血小板血栓の形成を阻止する21)。一方、アスピリンの主代謝物であるサリチル酸は、抗炎症効果はアスピリンと同程度の効力を示すものの、血小板凝集抑制作用は示さない22)。アスピリンは、血管内皮細胞のシクロオキシゲナーゼも阻害してプロスタサイクリン(PGI2)の生成も抑制し、その結果、血小板凝集抑制作用が減弱される可能性が指摘されてきた(アスピリンジレンマ)。そのため低用量アスピリン(75mg/日〜325mg/日)の経口投与が推奨されている>。
2)作用持続時間
- アスピリンの経口投与後、アスピリンの血中濃度半減期は短いにもかかわらず、TXA2産生抑制作用や血小板凝集抑制作用は血小板の寿命期間(7〜10日)継続する。これは、アスピリンのアセチル基によるシクロオキシゲナーゼ阻害作用は不可逆的であり、かつ血小板はシクロオキシゲナーゼの合成能を有しないためと考えられている21)。
アスピリン(100mg)単回投与後の健常成人の血清TXB2の経日変化23)
(平均値±SD、n=4)
2.川崎病
- 川崎病の急性期において、アスピリンは高用量投与による抗炎症作用21)により血管や心筋の炎症を抑えて心血管後遺症の発生を抑制するとともに、発熱などの臨床症状を改善することを目的として使用される。そして、解熱後から慢性期においては、低用量投与による血小板凝集抑制作用により血栓形成を抑制することを目的として使用される2)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
化学名:
分子式:
分子量:
性状:
- アスピリンは白色の結晶、粒又は粉末で、においはなく、わずかに酸味がある。エタノール(95)またはアセトンに溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けやすく、水に溶けにくい。
本品は水酸化ナトリウム試液又は炭酸ナトリウム試液に溶ける。湿った空気中で徐々に加水分解してサリチル酸及び酢酸になる。
融点:約136℃(あらかじめ浴液を130℃に加熱しておく)
- 炭酸マグネシウムは白色の軽くてもろい塊又は粉末で、においはない。水、エタノール(95)、1−プロパノールまたはジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸に泡立って溶ける。飽和水溶液はアルカリ性である。
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アスピリン、炭酸マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート