- 英
- ranibizumab
- 商
- ルセンティス
- 関
- 眼科用剤
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ラニビズマブ?
モノクローナル抗体 |
種類 |
Fabフラグメント |
原料 |
ヒト化 (マウスより) |
抗原 |
VEGF-A(英語版) |
臨床データ |
販売名 |
Lucentis |
Drugs.com |
monograph |
MedlinePlus |
a607044 |
ライセンス |
EMA:リンク |
胎児危険度分類 |
|
法的規制 |
- UK: 処方箋のみ (POM)
- US: ℞-only
|
投与方法 |
Intravitreal injection(英語版) |
薬物動態データ |
半減期 |
Approx. 9 days[1] |
識別 |
CAS番号
(MeSH) |
347396-82-1 |
ATCコード |
S01LA04 |
DrugBank |
DB01270en:Template:drugbankcite |
UNII |
ZL1R02VT79 |
KEGG |
D05697 en:Template:keggcite |
ChEMBL |
CHEMBL1201825en:Template:ebicite |
化学的データ |
化学式 |
C2158H3282N562O681S12 |
分子量 |
48,350 g/mol |
ラニビズマブ(Ranibizumab、商品名:ルセンティス)は血管内皮増殖因子-A(VEGF-A)に対するモノクローナル抗体のFab断片であり、血管新生阻害剤である。網膜の加齢性病変(滲出型加齢黄斑変性症、脈絡膜新生血管等)等、視力低下・変容を伴う病変の治療に用いられる。
有効性はベバシズマブと同等とされ[2][3][4]、副作用の発現率も同程度とされる[5]。
目次
- 1 効能・効果
- 2 禁忌
- 3 副作用
- 4 薬物動態
- 5 用法・用量
- 6 臨床試験
- 7 参考資料
- 8 外部リンク
効能・効果
承認項目は、以下の4疾患である。
- 中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症(承認取得:2009年1月[6])
- 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫(承認取得:2013年8月[7])
- 病的近視における脈絡膜新生血管(承認取得:2013年8月[7])
- 糖尿病黄斑浮腫(承認取得:2014年2月[8])
禁忌
- 眼又は眼周囲に感染或いはその疑いの有る患者
- 眼内に重度の炎症の有る患者
副作用
治験時の副作用発現率(通算)は41.1%で、その主なものは眼痛、眼圧上昇、結膜出血、硝子体浮遊物、眼の異物感等であった。又、眼以外の副作用として、頭痛、(予期)不安、悪心等が報告されている。
添付文書に記載されている重大な副作用は、網膜出血、硝子体剥離、網膜色素上皮剥離、網膜色素上皮裂孔、硝子体出血、裂孔原性網膜剥離、網膜剥離、網膜裂孔、医原性外傷性白内障、失明、眼内炎、脳梗塞、脳出血等である[9]。
2014年のコクランレビューでは、加齢黄斑変性の治療に用いた場合、ラニビズマブとベバシズマブの間で重篤な副作用の発現率や死亡率に有意差は見られなかった[5]が、エビデンスは充分とは言えず、明解な結論を出す事は出来ない。消化器系の副作用が少なく[5]、目に関する副作用も少ない。[10]
5%以上に発現する副作用は、虹彩炎、硝子体炎、虹彩毛様体炎、ブドウ膜炎、前房蓄膿、前房の炎症、結膜出血、眼圧上昇、眼刺激、眼の異物感、流涙増加である。
VEGF阻害剤を硝子体内注射されている患者は、理論的には動脈血栓塞栓症発症の可能性が有るが、比較臨床試験の結果では偽薬と同程度(4%未満)と低率であった。
薬物動態
硝子体注射後の半減期は約9日間である[9]。血中へ移行する濃度は硝子体中の約9万分の1であり、約1日で最高血中濃度に達し、その半減期は7.9日である。
用法・用量
滲出性加齢黄斑変性症に対しては、0.5mg/月×3回を硝子体内注射した後、維持期に移行し、1ヶ月以上の間隔(症状に依り適宜調整)を開けて注射する[9]。3ヶ月毎とする資料も有る[1]が、毎月投与する場合に比べて9ヶ月あたり書類1行分の視野が失われる[11]。
黄斑浮腫・脈絡膜新生血管に対しては、1ヶ月以上の間隔を開けて0.5mgを硝子体内注射する。
臨床試験
滲出性加齢黄斑変性症大規模第III相臨床試験(MARINA試験及びANCHOR試験)では、1年間の投与後ラニビズマブ群で95%の患者で視力が維持されたのに対して、偽薬群では62%であり、有意差が付いた(P < 0.01)。更に、40%近くの患者がチャート3行分の視野改善を示した。この試験では視力の維持又は喪失は、ETDRS(Early Treatment of Diabetic Retinopathy Study)チャート[注 1]を用い、15文字未満の視力減少を「維持」、15文字以上の減少を「喪失」と定義した[12]。
- ^ 文字の大きさを段階的に変えて1行に5文字ずつ記載されている視力検査表。
網膜中心静脈閉塞症(英語版)に因る黄斑浮腫(英語版)の患者に対する無作為化比較試験でも同様の結果が得られた。6ヶ月間毎月注射を受けた患者では、視力減少は13〜15文字だった[13][14]。
小規模のベバシズマブとの比較臨床試験ではラニビズマブの優越性は確認出来なかった[15]。2011年5月にNEJM 誌に掲載された[16]加齢黄斑変性症に対する大規模比較試験(CATT試験)の結果では、ラニビズマブとベバシズマブは「同じ間隔で投与すると同程度の有効性を示した」が、重篤な有害事象はベバシズマブ群の方が多かった。
その後、2つの抗VEGF薬の効果を直接比較する臨床試験が幾つか実施され、CATTと同様の知見が得られた。2012年のメタアナリシスでもIVAN試験[17]でも両薬剤の視力回復効果は同程度であった[18]。同メタアナリシスは、重篤な有害事象の幾つかがベバシズマブ群の方で多く、重篤な眼の有害事象は両群共に少なかったものの、ベバシズマブ群ではラニビズマブ群の2.8倍多く発現した事に注目して、「重篤な感染症および消化管障害の発現率が高」く、「治療開始前に両治療の有効性と安全性を充分に吟味しすべき」と結論した[3]。
参考資料
- ^ a b Lucentis Prescribing Information. Genentech. June 2010.
- ^ Formoso, G; Marata, AM; Magrini, N; Bero, L (Sep 15, 2014). “A clearer view of evidence in treating macular degeneration: off-label policies and independent research.”. The Cochrane database of systematic reviews 9: ED000090. doi:10.1002/14651858.ED000090. PMID 25228121.
- ^ a b Schmucker C, Ehlken C, Agostini HT, et al. (2012). “A safety review and meta-analyses of bevacizumab and ranibizumab: off-label versus goldstandard”. PLoS ONE 7 (8): e42701. doi:10.1371/journal.pone.0042701. PMC 3411814. PMID 22880086. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3411814.
- ^ Solomon, SD; Lindsley, K; Vedula, SS; Krzystolik, MG; Hawkins, BS (Aug 29, 2014). “Anti-vascular endothelial growth factor for neovascular age-related macular degeneration.”. The Cochrane database of systematic reviews 8: CD005139. doi:10.1002/14651858.CD005139.pub3. PMID 25170575.
- ^ a b c Moja, L; Lucenteforte, E; Kwag, KH; Bertele, V; Campomori, A; Chakravarthy, U; D'Amico, R; Dickersin, K et al. (Sep 15, 2014). “Systemic safety of bevacizumab versus ranibizumab for neovascular age-related macular degeneration.”. The Cochrane database of systematic reviews 9: CD011230. doi:10.1002/14651858.CD011230.pub2. PMID 25220133.
- ^ “加齢黄斑変性症治療剤「ルセンティス®硝子体内注射液2.3mg/0.23mL」の製造販売承認を取得”. ノバルティス (2009年1月21日). 2015年2月24日閲覧。
- ^ a b “「ルセンティス®」、新たに2つの適応症を承認取得:網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫および病的近視における脈絡膜新生血管”. ノバルティス (2013年8月20日). 2015年2月24日閲覧。
- ^ “「ルセンティス®」、糖尿病黄斑浮腫の適応症について日本で承認を取得”. ノバルティス (2014年2月21日). 2015年2月24日閲覧。
- ^ a b c “ルセンティス硝子体内注射液10mg/mL 添付文書” (2015年3月). 2016年6月29日閲覧。
- ^ Schmucker, C; Ehlken, C; Agostini, HT; Antes, G; Ruecker, G; Lelgemann, M; Loke, YK (2012). “A safety review and meta-analyses of bevacizumab and ranibizumab: off-label versus goldstandard.”. PLOS ONE 7 (8): e42701. doi:10.1371/journal.pone.0042701. PMC 3411814. PMID 22880086. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3411814.
- ^ “FDA Approvals: Lucentis and Zetia”. MedScape (2006年7月7日). 2015年2月24日閲覧。
- ^ Lai, T. Y. Y.; Lai, T. Y. (2013). “Long-term effectiveness of ranibizumab for age-related macular degeneration and diabetic macular edema”. Clinical Interventions in Aging 8: 467–483. doi:10.2147/CIA.S36811. PMC 3677930. PMID 23766636. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3677930.
- ^ Brown DM, Campochiaro PA, Singh RP, Li Z, Gray S, Saroj N, Rundle AC, Rubio RG, Murahashi WY, CRUISE Investigators (2010). “Ranibizumab for macular edema following central retinal vein occlusion: six-month primary end point results of a phase III study.”. Ophthalmology 117 (6): 1124–1133. doi:10.1016/j.ophtha.2010.02.022. PMID 20381871.
- ^ Braithwaite T, Nanji AA, Greenberg PB (2014). “Anti-vascular endothelial growth factor for macular edema secondary to central retinal vein occlusion”. Cochrane Database Syst Rev 10 (10): CD007325. doi:10.1002/14651858.CD007325.pub3. PMID 20927757.
- ^ Subramanian, M L; Abedi, G; Ness, S; Ahmed, E; Fenberg, M; Daly, M K; Houranieh, A; Feinberg, E B (2010). “Bevacizumab vs ranibizumab for age-related macular degeneration: 1-year outcomes of a prospective, double-masked randomised clinical trial”. Eye 24 (11): 1708–1715. doi:10.1038/eye.2010.147. PMID 20885427.
- ^ Catt Research, Group; Martin, DF; Maguire, MG; Ying, GS; Grunwald, JE; Fine, SL; Jaffe, GJ (2011). “Ranibizumab and Bevacizumab for Neovascular Age-Related Macular Degeneration”. New England Journal of Medicine 364 (20): 1897–1908. doi:10.1056/NEJMoa1102673. PMC 3157322. PMID 21526923. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=3157322.
- ^ Chakravarthy U; Harding SP; Rogers CA; Downes SM; Lotery AJ; Culliford LA; Reeves BC; IVAN study investigators (Oct 12, 2013). “Alternative treatments to inhibit VEGF in age-related choroidal neovascularisation: 2-year findings of the IVAN randomised controlled trial”. Lancet 382 (9900): 1258–67. doi:10.1016/S0140-6736(13)61501-9. PMID 23870813.
- ^ Jiang S; Park C; Barner JC (Jun 2014). “Ranibizumab for age-related macular degeneration: a meta-analysis of dose effects and comparison with no anti-VEGF treatment and bevacizumab”. J Clin Pharm Ther 39 (3): 234–9. doi:10.1111/jcpt.12146. PMID 24635444. http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jcpt.12146/full 2014年5月4日閲覧。.
外部リンク
UpToDate Contents
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- 1. 加齢黄斑変性:治療および予防 age related macular degeneration treatment and prevention
- 2. 糖尿病性網膜症の予防及び治療 prevention and treatment of diabetic retinopathy
- 3. 網膜静脈閉塞:治療 retinal vein occlusion treatment
- 4. 糖尿病視神経乳頭症 diabetic papillopathy
- 5. 原発性眼障害関連の網膜血管炎 retinal vasculitis associated with primary ocular disorders
Japanese Journal
- 視力良好な加齢黄斑変性症例に対するラニビズマブ単独療法の1年成績
- 臨床報告 視神経乳頭上血管腫に対してラニビズマブ硝子体投与が有効だった1例
- ポリープ状脈絡膜血管症に伴う黄斑下血腫に対するラニビズマブ併用硝子体内ガス注入術 (特集 第65回日本臨床眼科学会講演集(7))
Related Links
- ルセンティス(ラニビズマブ)の作用機序:網膜障害治療薬 視力障害を引き起こすことで失明に至る病気としては緑内障や糖尿病網膜症などが有名です。その他にも、加齢黄斑変性(AMD)や網膜静脈閉塞症(RVO)などが知られており ...
- ラニビズマブ(遺伝子組換え)] の製造販売承認を取得しました。「ルセンティス」の適応症となるAMDは、滲出型と呼ばれるタイプ で、視力を司る重要な部位である網膜の黄斑部に脈絡膜新生血管(CNV)という異常な血管が発生 *1 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
- 眼科用VEGF注1)阻害剤
(ヒト化抗VEGFモノクローナル抗体Fab断片)
注1)VEGF:vascular endothelial growth factor (血管内皮増殖因子)
販売名
ルセンティス硝子体内注射用キット10mg/mL
組成
成分・含量
- 1キット(0.165mL)中の含有量:ラニビズマブ(遺伝子組換え)1.65mg
1回の投与量である0.05mL中の含有量:ラニビズマブ(遺伝子組換え)0.5mg
*添加物
(1キット中)
- トレハロース水和物 16.5mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物 0.274mg
L-ヒスチジン 0.053mg
ポリソルベート20 0.0165mg
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 眼又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者〔眼内炎等の重篤な副作用が発現するおそれがある。〕
- 眼内に重度の炎症のある患者〔炎症が悪化する可能性がある。〕
効能または効果
- 中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症
- 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
- 病的近視における脈絡膜新生血管
- 糖尿病黄斑浮腫
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症
- ラニビズマブ(遺伝子組換え)として0.5mg(0.05mL)を1ヵ月毎に連続3ヵ月間(導入期)硝子体内投与する。その後の維持期においては、症状により投与間隔を適宜調節するが、1ヵ月以上の間隔をあけること。
網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管、糖尿病黄斑浮腫
- ラニビズマブ(遺伝子組換え)として1回あたり0.5mg(0.05mL)を硝子体内投与する。投与間隔は、1ヵ月以上あけること。
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症の場合
- 維持期においては、1ヵ月に1回視力等を測定し、その結果及び患者の状態を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。
網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、糖尿病黄斑浮腫の場合
- 1ヵ月に1回視力等を測定し、その結果及び患者の状態を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。
- 投与開始後、視力が安定するまでは1ヵ月毎に投与することが望ましい。
病的近視における脈絡膜新生血管の場合
- 定期的に視力等を測定し、その結果及び患者の状態を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。
- 疾患の活動性を示唆する所見(脈絡膜新生血管、視力低下等)が認められた場合に投与することが望ましい。
全効能共通
- 本剤による治療を開始するに際し、疾患・病態による視力等の予後を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。
- 定期的に有効性を評価し、有効性が認められない場合には漫然と投与しないこと。
- 臨床試験においては、両眼治療は行われていない。両眼に治療対象となる病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること。なお、初回治療における両眼同日投与は避け、片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行うこと。
慎重投与
- 緑内障、高眼圧症の患者〔本剤投与により眼圧が上昇することがある。〕(「重要な基本的注意」の項参照)
- 脳卒中(脳梗塞、脳出血等)又は一過性脳虚血発作の既往歴等の脳卒中の危険因子のある患者〔脳卒中があらわれることがある。〕(「副作用 重大な副作用」、「その他の注意」の項参照)
重大な副作用
眼障害
(頻度不明注2))
- 網膜出血、硝子体剥離、網膜色素上皮剥離、網膜色素上皮裂孔、硝子体出血、裂孔原性網膜剥離、網膜剥離、網膜裂孔、医原性外傷性白内障、失明、眼内炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
脳卒中
(頻度不明注2))
- 脳卒中(脳梗塞、脳出血等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「その他の注意」の項参照)
薬効薬理
作用機序
- ラニビズマブ(遺伝子組換え)は、VEGFに対するヒト化モノクローナル抗体のFab断片であり、CNVの形成及び血管からの漏出に重要な役割を果たしているVEGFを阻害する。
ラニビズマブ(遺伝子組換え)は、VEGFの2種のアイソフォーム(VEGF121及びVEGF165)及びプラスミン分解産物で生物活性を有するVEGF110に結合親和性を示した(in vitro)。24)また、VEGFによって誘発される血管内皮細胞(ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC))の増殖及び血管内皮細胞からの組織因子産生を抑制した(in vitro)。24,25)更に、モルモットの血管透過性皮膚モデルにおいてVEGFによる血管透過性を抑制した(in vivo)。24)ラニビズマブ(遺伝子組換え)は、抗体のFc領域を持たないため補体C1q及びFcγ受容体に結合しなかった(in vitro)。26)
カニクイザルのレーザー誘発CNVモデルに対する作用(in vivo)
- レーザー誘発CNVモデルに対するラニビズマブ(遺伝子組換え)硝子体内投与時の作用をフルオレセイン蛍光眼底造影法を用いて、レーザー照射の3週間前から2週間に1回の投与による予防的効果、及びレーザー照射の3週間後から2週間に1回の投与による治療効果をそれぞれ検討した。いずれの場合も0.5mgのラニビズマブ(遺伝子組換え)によりCNV形成及び血管外漏出が抑制された。27)更に、光線力学的療法(PDT)と2.0mgのラニビズマブ(遺伝子組換え)硝子体内投与(初回0.5mg)の併用により、PDT単独時と比較して優れたCNVからの血管外漏出抑制作用を示した。なお、投与スケジュール(1週間毎に交互に治療及び2週間毎に同一日に治療)による効果の違いは認められなかった。28)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- ラニビズマブ(遺伝子組換え)
Ranibizumab(Genetical Recombination)
分子式
分子量
本質
- ヒト化マウス抗ヒト血管内皮増殖因子モノクローナル抗体のFab断片で、445個のアミノ酸残基からなるたん白質
★リンクテーブル★
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