シクレソニド
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Japanese Journal
- 138 当院呼吸器外来におけるアドエア・オルベスコの比較(2)(気管支喘息-治療7,第58回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 137 当院呼吸器外来におけるアドエア・オルベスコの比較(1)(気管支喘息-治療7,第58回日本アレルギー学会秋季学術大会)
- 吸入ステロイド喘息治療薬シクレソニド(ciclesonide : オルベスコ_【○!R】インヘラー)の薬理学的特徴と臨床効果
- 野中 崇司,勝浦 保宏,杉山 浩通 [他],宮城 文敬
- 日本薬理学雑誌 132(4), 237-243, 2008-10-01
- … オルベスコ®インヘラーは新規のプロドラッグ型ステロイドであるシクレソニドを主薬とする定量噴霧式エアゾール剤(pMDI)であり,本邦では初めての1日1回の用法による成人の吸入ステロイドとして承認された.本稿ではシクレソニドの非臨床成績および臨床成績について概説する.シクレソニドは肺に吸入された後,組織のエステラーゼによって活性代謝物である脱イソブチリル体(desisobutyryl-ciclesonide:des-CIC)へ …
- NAID 10024384051
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- オルベスコとは?シクレソニドの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 成分(一般名) : シクレソニド 製品例 : オルベスコ50μgインヘラー112吸入用、オルベスコ100μgインヘラー56吸入用 ...
- オルベスコ200μgインヘラー56吸入用 薬には効果(ベネフィット)だけでなく副作用(リスク)があります。副作用をなるべく抑え、効果を最大限に引き出すことが大切です。このために、この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
オルベスコ50μgインヘラー112吸入用
組成
成分・含量
1噴射中の主薬量※
1缶の噴射回数
添加物
- 無水エタノール
1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA-134a)
禁忌
- 有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[症状を増悪するおそれがある。]
- 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
成人
- 通常、成人にはシクレソニドとして100〜400μgを1日1回吸入投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日の最大投与量は800μgとする。
また、1日に800μgを投与する場合は、朝、夜の1日2回に分けて投与する。
小児
- 通常、小児にはシクレソニドとして100〜200μgを1日1回吸入投与する。なお、良好に症状がコントロールされている場合は50μg1日1回まで減量できる。
- 喘息症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量を投与すること。
- 1日1回投与の場合には、本剤を夜に投与することが望ましい。
慎重投与
薬効薬理
作用機序
- 活性代謝物である脱イソブチリル体のグルココルチコイド受容体に対する結合親和性は未変化体(シクレソニド)の100倍以上高く、脱イソブチリル体が薬理活性の本体と考えられる23)。
喘息抑制作用
- 卵白アルブミン感作したラットにおいて、シクレソニドは抗原吸入によって誘発される即時型及び遅発型の肺抵抗増大反応を抑制した24)。またメサコリンに対する気道反応性の亢進も抑制した24)。
- 気管支喘息患者に本剤を400μg/日、2週間反復吸入投与することにより、AMPに対する気道反応性の亢進を抑制した(外国人データ)25)。
抗炎症作用
- ヒト末梢血Tリンパ球を用いたin vitro 試験において、脱イソブチリル体は喘息の気道炎症反応において重要なIL-4やIL-5などの各種炎症性サイトカイン産生を抑制した23)。また卵白アルブミン感作したラットにおいて、シクレソニドは気道内への好酸球浸潤及びTNFα産生を抑制した23)。
全身へのステロイドの影響
- ラットにおいて、シクレソニドは胸腺重量や副腎重量の抑制などの全身作用を起こさない用量で、コットンペレット誘発肉芽腫形成を抑制した23)。
- 健康成人に本剤を1回800μgの用量で1日2回(1600μg/日)、7日間反復吸入投与しても血清及び尿中コルチゾール排泄量に異常変動を認めなかった4)。(本剤の承認された成人の用法・用量における1日の最大投与量は800μgである。)また成人気管支喘息患者に、本剤400又は800μg/日を8週間投与したとき、本剤の投与終了時の血清コルチゾール及びオステオカルシン濃度に臨床的に問題となる変動はみられなかった26)。
- 成人気管支喘息患者を対象にした長期投与試験(200〜800μg/日)において、本剤を12ヵ月間投与したとき、CRH負荷試験における血漿コルチゾールの反応性低下は認められなかった20)。
有効成分に関する理化学的知見
分子式
分子量
融点
性状
- 白色〜黄白色の結晶性の粉末で、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール(99.5)及びアセトンに溶けやすく、ヘキサンに極めて溶けにくく、水にはほとんど溶けない。
★リンクテーブル★
[★]
- 同
- 新型コロナウイルス感染症
- 関
- コロナウイルス、SARS-CoV-2
概念
- 2019年末頃にヒトへの感染が確認されている
- SARS-CoV-2による感染症である
感染経路
潜伏期間
- https://www.mhlw.go.jp/content/000609467.pdf
典型的な臨床経過
- 8割の罹患者は軽症であり、発症から一週間程度、感冒症状が持続し自然に軽快する。
- 2割程度の罹患者で、発症から7-10日程度で呼吸状態が悪化し、呼吸困難、咳嗽・喀痰が見られ入院を要する状態となる。
- 2-3%程度の罹患者では、重篤な肺炎のため10日前後の経過で気管挿管など集中治療室での治療を要する状態に陥る。
検査
CT
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32118615
- 胸膜下に小さいすりガラス影が散在しており、それら両肺、上葉、中葉/舌区、下葉に分布している。
- crazy-paving pattern (GGO with superimposed interlobular and intralobular septal thickening)が特徴的。
- 気管支肥厚や小葉間の肥厚を伴っている。
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する胸部 CT 検査の指針(Ver.1.0)
- 初期は片側性ないし両側性の胸膜直下のすりガラス影、背側または下葉優位
- 円形の多巣性のすりガラス影
- 進行すると crazy-paving pattern やコンソリデーションなどの割合が増加
- 器質化を反映した索状影の混在
- すりガラス影を伴わない区域性の浸潤影
- 空洞、境界明瞭な結節・腫瘤
- 小葉中心性の粒状影、tree-in-bud appearance
- 胸水(重症例ではみられることがある)
PCRによるウイルスゲノムの同定
- 咽頭粘膜より検体を得て、PCRにて核酸を増幅してSARS-CoV-2を検出する。
- 感度は高いが100%ではないものの、特異度は非常に高い。
- 時間がかかるというデメリットがあり、4-6時間程度かかる。さらに検査装置のある施設に検体を送ってからの検査となるので検査結果が出るのに7日間程度かかることもあるのが現状(2020/5/10時点)
抗原検査によるウイルスの検出
- インフルエンザの迅速検査と同様に粘膜より綿棒等によりぬぐって検体を採取し、適切な溶媒に懸濁してメンブレンの上に滴下し、メンブレン上の抗体と反応させ呈色反応にてウイルス検出を行う。
- 2020/5/9、米クイデル・コーポレーションの抗原検査の緊急使用が認可sれた
- 2020/5/13、国内初の抗原検査キットを薬事承認する方針の様子。みらかホールディングス子会社の富士レビオ(東京・新宿)の製品を承認する様子。(2020/5/10時点)
- デンカも抗原検査キットの開発をいそいでおり、栄研化学も開発をいそいでいるとのこと。
- 抗原検査キットが開発されれば、市中病院や診療所でインフルエンザの検査と同じような感覚で簡易に感染を判定できる。もちろん感度は劣るので感染の否定に使うのは不適切である。
診断
- 以下は私見 2020/5/10
- 症状がある人を対象として、PCRによりウイルスゲノムの検出するのがゴールドスタンダードと思われる。
- 日本の場合、すぐにPCRできるというわけではない。濃厚接触歴があればPCRに回すと思われるが、接触歴がはっきりしない方に対しては、胸部CTをとり胸膜下のスリガラス影を探索し肺炎が疑わしいものについてPCRに回している。
治療
- ウイルス感染症であり、SARS-CoV-2に特異的な治療は現在開発・治験段階である。
- 生活療法:安静、飲水・食事
- 対症療法:解熱薬、鎮咳薬、酸素投与、気管挿管、人工肺(ECMO)
- 特異的治療:確固たるものはないが、抗ウイルス薬、抗原虫薬などが候補になっている
- 点滴製剤。
- 米医薬大手ギリアド・サイエンシズが開発
- 元々はエボラ出血熱の治療のために開発されていた薬剤。
- 錠剤
- 商品名はアビガン。
- 富士フイルムが開発
- 元々は新型インフルエンザの治療のために開発していた薬剤。
- RNA合成酵素阻害薬として作用する。すなわち、三リン酸化体(T-705RTP)がウイルスRNAポリメラーゼを阻害する。
- ヒトの核酸合成酵素とも作用するようであり、動物実験で催奇形性の報告があるため、妊婦、および妊娠が疑われる女性への投与は禁忌であるし、それ以外の男女に投与する場合には七日間は性交を避けること警告されている。
- プロテアーゼ阻害薬である。
- SARS、MERSに対して効果があったと言うことで、用いられている。
- 気管支喘息の吸入用治療薬であるシクレソニド(商品名オルベスコ)。
- 国立感染症研究所で、COVID-19に対して特異的な抗ウイルス作用を持つことが示されている。
- 感染早期から中期、ないし肺炎初期に使用するのが好ましいとされている。
- クロロキンはかつてはマラリアの治療薬として使われていたが、クロロキン耐性マラリアの増加により使われなくなってきている。ヒドロキシクロロキンはクロロキンと類似した構造を有し、日本では全身性エリテマトーデスに対して使用されており、抗炎症作用や免疫調節作用を有するとされている。クロロキンはSARS-CoV-2の複製を抑制することがin vitroの実験で示されている。
予防
- 手洗い、うがい。
- 定期的な空気の入れ換え
- 濃厚接触の予防。
- 清潔な環境の維持:ドアノブ、机の上、キーボード、イスの拭き掃除
- ワクチン接種:現在、開発中である。
パンデミックの経過
- 2019年12月、中華人民共和国の湖北省武漢市で肺炎患者の集団発生が報告された。
- 2020年1月15日、日本で最初の感染者が報告される。
- 2020年1月30日、世界保健機関が公衆衛生上の緊急事態を宣言。
- 2020年2月1日、新型コロナウイルス感染症が指定感染症に指定された。
- 2020年1月~2月に中国武漢から日本国内に侵入したCOVID-19は3月末から4月中旬に封じ込められた(第一波)。感染源の特定は可能であった。
- 2020年4月7日、緊急事態宣言(7都府県)が発令された。緊急事態措置を実施すべき期間は2020年4月7日から5月6日とした。緊急事態措置を実施すべき区域は埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県とされた。
- 2020年4月16日、全都道府県を緊急事態措置の対象とする。
- 3月中旬~4月上旬あたりで、欧米から侵入したCOVID-19が国内で拡散している(第二波)。3月後半からはリンクが不明な発症例が増加してきた。
今後の見通し
- 2020/5外出制限が行われているが、解除された後は一過性に患者は増えるであろう。PCRに加えて抗原検査キットも加われば、今まで以上に迅速に疑い患者を同定でき、素早く外出制限・隔離を指導できる。懸念されている第三波は思ったより押さえ込めるのではないかと思われる。(2020/5/10)
- 緊急事態制限解除後は、一過性に患者が増え、そのうち一日数人レベルで患者が発生する日が続き、冬を迎えてインフルエンザと共に流行することが予想される。SAR-CoV-2の抗原を迅速に検出できるキットが医療現場に普及し、インフルエンザと同様に全国民レベルで予防ワクチンの接種が可能となれば、インフルエンザとほぼ同じ対応で対応できるようになる。そこに至れば、医療現場としては安心して仕事ができるのだが。来年に間に合うか。(2020/5/17)
著名人
- 志村けん:3月17日から倦怠感があり。自宅静養中に発熱と呼吸困難が出現。20日に重度の肺炎と診断されて入院。23日新型ウイルスが陽性と判明して以降、人工心肺装置などを装着するも3月29日ご逝去される。
- 岡江久美子:4月3日に発熱し、6日朝に容体が急変して緊急入院。その後の検査で新型ウイルスが陽性と判明。4月23日ご逝去される。
- 岡本行夫:3月下旬ご逝去。橋本政権などで首相補佐官を務めた外交評論家。
勉強会
- 第117回 日本内科学会講演会 緊急シンポジウム 開催日:2020年4月12日(日)
疫学
- 感染例には性差があり、男性患者が60%である。
- 20-50歳代が7割、60歳代以降の高齢者は3割である。
- 60歳以上の患者では集中治療での治療例が増加する。
重症化のリスク因子
- 単変量回帰
|
肺炎
|
人工呼吸器
|
死亡
|
男性
|
1.6
|
4.7
|
|
60歳以上
|
3.2
|
17
|
|
糖尿病
|
2.7
|
6.6
|
8.3
|
高血圧
|
|
3
|
|
脂質異常症
|
3.3
|
5.9
|
|
喘息
|
関係があるとはいえない
|
担癌
|
|
3
|
9.6
|
心血管
|
|
4.5
|
|
典型的な経過
- 感染後の症状があった例を対象とした解析
- 感染後 -(5.1日)→ 発症 -(6.3日)→ 診断 →
- -(16.6日)→ 退院
- -(13.3日)→ 死亡
- 診断時に症状が無くとも、3.5日後に半数が発症し、5/80の例で集中治療を要する。
SARSとCOVID-19の違い
- SARSでは殆どの感染例が重症化していた。
- COVID-19の感染例では、無症状、軽症、重症、死亡に分類される。
- COVID-19の軽症例では、上気道炎を呈する。感染力は高い。
- COVID-19の重症例では、肺炎を呈する。感染力は低い。
- COVID-19の感染者が全員感染力を持っているわけではない。ごく少数の人が二次感染を起こしている、
- SARSの場合、肺で増殖するので、エアロゾルを発生させるような手技を行わなければ、基本的には感染しない。このような手技は普通医療機関で行われる。
- COVID-19の場合、クラスターが可視化できない例がある。多くが無症候、軽症例のためであるからである。
- 三密の環境ではくしゃみや咳がなくても感染の可能性がある。
- クラスターを形成する人はウイルス量の量が多い人であり、咳やくしゃみ、発熱がない人がいる。
中国44672人COVID-19確定患者の重症度ピラミッド
- 2.3%死亡
- 4.7%重篤 呼吸不全、ショック、多臓器不全
- 13% 重症 R≧30, SpO2 < 93, PaO2/FiO2 <300, 浸潤影50%以上
- 80% 軽症 肺炎なし ~ 軽度肺炎
参考
- http://www.kansensho.or.jp/
- https://www.mhlw.go.jp/index.html
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
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商品
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- 英
- ciclesonide
- 商
- オルベスコ