肺炎 | 人工呼吸器 | 死亡 | |
男性 | 1.6 | 4.7 | |
60歳以上 | 3.2 | 17 | |
糖尿病 | 2.7 | 6.6 | 8.3 |
高血圧 | 3 | ||
脂質異常症 | 3.3 | 5.9 | |
喘息 | 関係があるとはいえない | ||
担癌 | 3 | 9.6 | |
心血管 | 4.5 |
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2020/05/03 10:35:21」(JST)
「新型コロナウイルス感染症」はこの項目へ転送されています。その他の用法については「コロナウイルス感染症」をご覧ください。 |
この項目では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)及びその医療対策について説明しています。
|
このページの一部を「COVID-19ワクチン、COVID-19抗体医薬」に分割することが提案されています。 議論は「ノート:2019新型コロナウイルスによる急性呼吸器疾患#分割提案(ワクチン)」を参照してください。なお、分割を行う際には履歴不継承にならないように注意してください。(2020年4月) |
このページに関するコメント依頼が提出されており、コメントを広く求めています。 「ノート:新型コロナウイルス感染症 (2019年)#「新型コロナウイルス感染症」への改名提案」にてコメントをお願いします。(2020年4月) |
この記事は最新の出来事を記載しています。情報は出来事の進行によって急速に変更される可能性があります。(2020年2月) |
ウィキペディアは出典のある情報「のみ」を提供しています。情報源がないものは匿名編集者が個人的・勝手な憶測を記載していると見なされ、即座に本文から除去されます。 |
2019年新型コロナウイルス感染症 | |
---|---|
Symptoms of coronavirus disease 2019 (COVID-19) | |
症候学 | 発熱、咳嗽、呼吸困難 |
原因 | 2019新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) |
診断法 | PCR法 |
[ウィキデータで編集] |
2019年新型コロナウイルス感染症(2019ねんしんがたコロナウイルスかんせんしょう、英: Novel Coronavirus disease 2019[2], COVID-19〈コビッド19〉[3])は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がヒトに感染することによって発症するウイルス性呼吸器疾患である。日本では「新型コロナウイルス感染症」と呼ばれ[4]、感染症法に基づいて強制入院などの措置を取ることができる指定感染症(二類感染症相当)に指定された[4]。
2019年11月22日に中華人民共和国湖北省武漢市で初めて検出された新興感染症であり[5]、以降世界各地で感染が拡大(パンデミック)している[6][7][8]。
2020年1月9日、世界保健機関(WHO)により中国武漢市における肺炎の集団発生に関する声明[9]が出されると、日本の厚生労働省検疫所はウェブサイト上で「武漢肺炎」の症例として記述している[10]。
同月1月28日、「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令」[4]において、名称を「新型コロナウイルス感染症」と定め、厚生労働省[11]や日本感染症学会[12]もこれに準じている。
同年2月11日、世界保健機関(WHO)がCOVID-19(コビッド19)と命名した[13][14][15][16][17]。なお、COVIDは“Coronavirus disease”(コロナウイルス疾患)の略称で、19は最初にウイルスが発見された2019年を表している[18][13]。WHOは、ヒトに感染する新たな感染症やウイルスの名称に地域、人名、動物や食品名、特定の文化や産業名を、含むべきではないとしており[19][20][21][22]、この命名について、固有の地名などと関連付けることで起こる特定の集団へのスティグマを防ぐよう考慮したと説明した[23]。日本においては「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」などと併記される場合もある[24][25][26][27][28][29]。
中華民国(台湾) の衛生福利部疾病管制署では、COVID-19の簡称として「武漢肺炎」の呼称を公的文書で使用しているほか[30]、香港や韓国、日本などの一部報道においても「武漢肺炎」や「武漢熱」などの表記が用いられている[31][32][33][34]。また麻生太郎財務大臣[35]や米国のマイク・ポンペオ国務長官[36]など、各国の政治家の間でも発生源となった地名(中国や武漢)を含めて呼ぶべきとの意見が出ている。
この節の加筆が望まれています。 |
SARS-CoV-2(サーズコロナウイルス2[37])に感染することによって発症する[3]。
感染経路としては、ウイルスが付着した手で鼻や目や口を触ることによる接触感染と、咳やくしゃみによる飛沫感染がある[38]。
空気感染は確認されていないが、エアロゾルを発生する医療処置がなされた際には、感染に関与する可能性が指摘されている[39]。中華人民共和国の衛生当局は、飛沫感染・接触感染に加えて「閉鎖された環境で長時間、高濃度のウイルスの粒子を吸った場合」のエアロゾル感染も追加した[40]。
気道が主要のウイルス伝播経路になるとみられるが、SARSコロナウイルス感染と同様、消化管および粘膜組織(結膜など)もウイルスの体内侵入方法である可能性がある[41]。
SARS-CoV-2は、SARSコロナウイルスと同じく宿主細胞のアンジオテンシン変換酵素II(ACE2)受容体に結合して感染するとみられている[42]。ACE2受容体は気管支、肺、心臓、腎臓、消化器等に発現している[43]。Human Protein Atlas(英語版)によればACE2受容体は腸や腎臓に多く発現している[44]。
通常、ACE2受容体は刺激されるとアンジオテンシンIIを分解することで血圧上昇のためのレニン・アンジオテンシン系(RA系)を阻害するが、このRA系阻害作用は臓器の保護に重要な可能性がある[45][46][47]。SARSコロナウイルスではマウスでの動物実験においてACE2受容体の発現を減少させるとされ[48]、新型コロナウイルス感染症の患者の血漿においてもアンジオテンシンIIが高いレベルにあるという情報がある[49]。そのため、新型コロナウイルス感染症の治療においてRA系の阻害が提案されている[50][49]。
なお、高血圧患者は新型コロナウイルス感染症で重症化しやすいとされる[51]。
症状[39] | % |
---|---|
発熱 | 87.9 |
空咳 | 67.7 |
倦怠感・だるさ | 38.1 |
痰 | 33.4 |
嗅覚障害・味覚障害[52] | 30 - 66 |
息切れ | 18.6 |
筋肉痛・関節痛 | 14.8 |
のどの痛み | 13.9 |
頭痛 | 13.6 |
悪寒 | 11.4 |
吐き気・嘔吐 | 5.0 |
鼻づまり | 4.8 |
下痢 | 3.7 - 31[53] |
喀血 | 0.9 |
結膜充血 | 0.8 |
症状は特異的ではなく、症状のないもの(無症候性)から重症の肺炎、死亡まで幅広い。典型的な症状・徴候としては発熱、空咳、疲労、喀痰、息切れ、咽頭痛、頭痛、下痢などがある(表参照)[39]。くしゃみ、鼻水、のどの痛みなどの上気道症状は少ない[54]。WHOの進藤奈邦子シニアアドバイザーは、この病気は下気道に親和性が強く、排ウイルスのピークは発症日から3、4日後くらいと報告している[55]。
初期症状は、風邪とそっくりであるために、発症早期の段階では区別が困難である[56]。感染から潜伏期間(推定2日間-14日間)を経た後に、微熱発熱と風邪症状が約1週間続く。2020年1月25日時点での中国では、初期症状は、肺炎に特有の発熱や咳だけとは限らず、下痢や吐き気、頭痛や全身のだるさなど、消化器系や神経系の症状の場合もあり、早期の診断を難しくしていると伝えられた[57]。また特に発症早期の場合は発熱が必ずしも現れるわけではないため、発熱検知装置だけで検出できない可能性がある[58]。
一方、2月14日の横浜での緊急シンポジウムで、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は、現在は「軽微な呼吸器症状を見極め、感染者を早期に見つけることが重要な時期」として以下のように述べた[55]。
胸部レントゲンとCT検査の両方を実施した41歳日本人男性の症例では、CTのみで左肺の尖部と舌区に一部湿潤影を伴うすりガラス影を認めて肺炎と診断できた。レントゲンではとても見抜けない非常に小範囲な陰影だった。通常、こうした臨床像の患者にCTを撮ることは現実ではないが、背景に感染の流行という特殊な状況があったため実施してキャッチできた。
複数の軽微な症例を診察した結果、感冒症状が一週間続き、かつ倦怠感が強いという臨床上の経過は、感冒やインフルの経過と明らかに異なる。
— 国際感染症センター長・大曲貴夫 、 [55]
2020年3月30日、日本耳鼻咽喉科学会は、新型コロナウイルス感染症で嗅覚(におい)や味覚(あじ)の低下があるとの報道を受け、「嗅覚や味覚の障害は(中略)必ずしも新型コロナウイルスだけが原因ではなく、また、新型コロナウイルス感染症による嗅覚や味覚の障害は自然に治ることが多く、特効薬もない」として、2週間は出来るだけ不要不急の外出を控え毎日体温を測り様子を見るよう、声明を出した[59]。
二次的な細菌性肺炎もあるが、感染後1 - 2週間以内に発症した肺炎はウイルス性のものが多いと見られている[60]。
重症化すると急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や急性肺障害(ALI)などを起こし[61]、人工呼吸適応となる場合が多い[62]。
この節の加筆が望まれています。 (2020年3月) |
潜伏期間については、世界保健機関(WHO)は2日間から10日間[63]、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は2日間から14日間[64]とそれぞれ推定している。
暫定推定値1 - 12.5日間、平均5日程度。ただし極少数ながらそれ以上の潜伏期間例報告もある。[要出典]
ある感染者の発症(1次症例)から、2次感染者の発症(2次症例)までの「発症間隔」は、SARSの 5.3 - 19日に対して、本症は 3.5 - 5.9日と見られており、潜伏期間に感染能力を持つ可能性が指摘されている[65]。
約1週間の初期症状期に回復しない場合は、高熱、気管支炎、肺炎の初期症状などが併発してくる。重症例では、呼吸不全が起こる。また、血液に乗ってウイルスが体内に拡散され、肝不全、腎不全、心不全、脳炎もしくは中枢神経系感染、多臓器不全などを引き起こすことが確認されている[66][67][68]。
中国本土ではウイルス性脳炎や髄膜炎疑い症例が報告されており、日本では2020年3月7日に山梨県で髄膜炎の発症が初めて報告された[69]。髄膜炎徴候患者の髄液を採取してPCR検査したところ陽性だった[69]。
2020年3月、このウイルス(中国内外の103例)を北京大学など中国の研究チームが遺伝子解析した結果、コウモリ由来のウイルスに近く古くからあるとみられるS型(全体の3割)と毒性の強弱は不明だが頻度が高いとみられるL型(全体の7割。武漢市の流行では大半を占めるが、市外の流行では現在は減少傾向にある)という塩基配列の異なる2つの型に分類できることが分かった[70][71][72][73]。
患者の多くは片方の型にしか感染していないものの両方の型に感染した例も確認されており、ウイルスに一度感染し症状が治っても別の型に「再感染する」と言う報道もあるが[70][72]。再感染の可能性および原因については議論があり今後の研究・検討を要する[74]。
2020年3月23日の時点では以下の事が判明している。本ウイルスの主要な株はL型(L亜型)とS型(S亜型)に分かれる[75][76]。ウイルスのRNAの第28,144番目の塩基の違いにより指定されるアミノ酸がロイシン(L型)かセリン(S型)かによって区別される[77]。
中国武漢市での初期流行ではL型が支配的[77]。当初の報告ではL型はより攻撃的で、より急速に蔓延するとされていた[注 1]。そのため、流行対策による人的介入のため選択圧が掛かり割合的に減少したと見られている[76]。ただし、後に「感染力が強い」と言う点については修正され、「頻度が高い」に表現が改められている[78]。
進化的に古く、変異前(先祖型)のものと見られている。攻撃性が低いため選択圧が弱く、相対的に割合が増加したと見られる[75][76]。
2020年4月のイギリス・ケンブリッジ大学などによる報告では、このウイルスはA、B、Cの3つの型に分けられるとした。Aは中国のコウモリ由来のウイルスに近く、中国や日本の感染者でも見つかったが、米国やオーストラリアの感染者が多かった。Aから変異したBが武漢市を中心として中国や近隣諸国で爆発的に増えたとみられ、欧米などに飛び火した例は少なかった。Bから変異したCはイタリア、フランス、英国など欧州で多かった[79][80]。
株式会社日本バイオデータによる査読前論文では、ウイルスのRNA配列のうち第8782番目、第28144番目、第29095番目の塩基に着目し、本ウイルスをTCC、TCT、CTCの3つの型に分類した[81]。TCCおよびTCTは中国のグループの示すS型、イギリスのグループが示すA型に相当する。またCTCは中国のグループが示すL型、イギリスのグループが示すB型およびC型に相当する。
この節の加筆が望まれています。 (2020年3月) |
他のウイルス性気道感染症、細菌性肺炎その他から外観所見上は鑑別が難しいのでレントゲン画像または肺CT画像による。病変は中国の81症例中、無症候の時期の病変は、片側性、multifocal(多発斑状)、すりガラス状陰影が優位であり、発症後1週間以内では両側性やすりガラス状陰影が卓越、びまん性が優位となる。発症後1週間を越えるとコンソリデーションや混在病変が優位となる[82]。
病変は末梢に分布しやすく、リング状陰影(reversed halo sign)は特徴的である。胸水やリンパ節腫脹は少ないが有る[82]。
免疫抑制下では易感染でありニューモシスチス肺炎との鑑別が重要である[83]。
COVID-19臨床検査には、ウイルスの存在を検出する方法と、抗体を検出する方法がある。ウイルスのウイルスの存在診断にはPCR検査法があり、日本では新型コロナウイルスの遺伝子領域からオープンリーディングフレーム(ORF)1aとスパイクタンパク質を検出する2-step RT-PCR 法(2ステップ逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法)またはリアルタイム one-step RT-PCR 法(TaqMan プローブ法)が使用される[84]。その他に補助的な検査として、血液検査やコンピュータ断層撮影を用いた画像検査などを用いる。
この節の加筆が望まれています。 |
2020年1月末の時点で各国の暫定的な治療指針はあっても、確立された治療法はなく[85]、解熱や鎮咳などの対症療法のみが行われている[85]。医学界・製薬業界では、次の両面戦略を進めている[86][87][88][89]。
2020年4月現在、日本において有望と注目されている主な薬剤は以下である(五十音順)[90][91][92][93][注 2]
- クロロキン(リン酸クロロキン (抗マラリア薬)・アルビドール (抗インフルエンザ薬)・完治患者の血漿)または ヒドロキシクロロキン(プラケニル)
- シクレソニド(帝人ファーマのオルベスコ)
- トシリズマブ(中外製薬のアクテムラ)
- ナファモスタットメシル酸塩(日医工のフサン)
- ファビピラビル(富士フイルム富山化学の 抗インフルエンザ薬アビガン)[注 4]
- レムデシビル(ギリアドのGS-5734)
- ロピナビル・リトナビル(アッヴィのカレトラ配合錠):抗HIV薬;プロテアーゼ阻害剤
- 武田薬品工業の高免疫グロブリン製剤 TAK-888(3月18日に開発着手発表)
- インターフェロン
3月17日に、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」が作成された[95]。
医学論文誌『ランセット』に掲載された、中国の2020年1月2日までに発症した41人の患者の研究報告によれば[96]、38人(93%)の患者に抗インフルエンザ薬のオセルタミビル(タミフル)を処方した。さらに、9人(22%)の患者に副腎皮質ホルモンが全身[注 5]投与された。
中華人民共和国国家衛生健康委員会(NHC)は1月23日公表の指針で、暫定的に抗HIV薬リトナビル(カレトラ)、その効果を補強する経口抗ウイルス薬サキナビル(インビラーゼ)およびアルファインターフェロンのネブライザーによる投与を推奨した[97][98]。
また、中華人民共和国国家衛生健康委員会(NHC)は「対新型コロナウイルス肺炎診療方案(第7版)」の中で、「十.治療 (二)一般治療 3.鼻カニューラ、酸素マスク、経鼻ハイフロー酸素療法など、効果的な酸素療法をタイムリーに実施。条件があえば、電気分解式水素ガス吸入器(H2/O2:66.6%/33.3%)を加えて治療をする(原文は中国語)」と水素ガス吸入療法いた治療方法の提案を発表している[99]。
2020年1月25日、中国の20以上の機関からなる研究グループは、有効な可能性のある薬剤等のスクリーニング(探索)を行った結果、候補物質30種類を発見したと発表した[100]。そのリストには、インジナビル、サキナビル、ロピナビル、カルフィルゾミブ、リトナビル、その他12の抗HIV薬、また、サンズコン(山豆根)などの漢方薬、イタドリ(虎杖)などの天然物も含まれている。
1月29日、中国科学院(CAS)の軍事医学科学院および武漢病毒研究所(WIV)の共同研究により、本ウイルス阻害効果がまずまずよい(fairly good)既存薬を3種類発見したと報道された[101]。すなわち、RNAポリメラーゼ阻害剤レムデシビル[102][103][104][105]、クロロキン および リトナビル である。それらは臨床使用承認申請手続中と述べた。
そのレムデシビル、また、I型インターフェロン、ロシアの抗ウイルス剤トリアザビリン(Triazavirin(英語版))[106][107]の試験はその時期に始まった。
ノルウェー科学技術大学のPetter I. Andersenらは、人体に対して安全で薬効範囲の広い120種類の抗ウイルス薬からなるデータベースを作成し、本ウイルス疾患の治療に有効な可能性のある31種類の薬剤を以下のように例示されている (2020年2月12日第6版)。
- 抗感染症薬の ダルババンシン[108](Dalbavancin)(米国商品名 DALVANCE[109]、欧州商品名 XYDALBA)(ラクオリア創薬、アイルランドのアラガン社(旧社名:Actavis)、カナダ・米国などに拠点をもつCorrevio Pharma社(旧社名:Cardiome Pharma)[110])[111]、
- 抗生物質のテイコプラニン[112](Teicoplanin)(沢井製薬)、
- 抗生物質 モネンシン、
- 抗菌薬 オリタバンシン[113](Oritavancin)(Melinta Therapeutics の Orbactiv)、
- 催吐薬及び抗原虫薬 エメチン
- RNAポリメラーゼ阻害剤 レムデシビル(上記)、抗HIV薬 ロピナビル(上記)、抗HIV薬 リトナビル(上記)、
- 抗マラリア剤 クロロキン、抗マラリア剤かつ全身性・皮膚エリテマトーデス治療薬 ヒドロキシクロロキン
- 抗インフルエンザ薬 アルビドール(下記)。
なお、「2019-nCoV(SARS-CoV-2)の処方に目的変更(repurposing[114])が可能かもしれない」とある[115] — preprints.org、 DOI 10.20944/preprints201910.0144.v6
ロピナビル・リトナビル(商品はこれらの成分からなる合剤である。商品名 カレトラ(Kaletra)配合錠またはアルビア(Aluvia);略称 LPV/r)は、上記のように中国での初期の治療から広く用いられている(→ #中国での探索研究)。ロピナビルとリトナビルはどちらもHIV感染症に対するHAART療法に用いられ、プロテアーゼを阻害する作用を持つ。
2020年2月26日の日本感染症学会の文書でも、現時点で日本での入手可能性や有害事象等の観点を考慮した抗ウイルス薬の選択肢として筆頭に名前が上がっている[116]。日本の症例報告レベルでも有効とする報告がみられる一方[117][118]、復旦大学のチームが2020年1月から2月に行ったロピナビル・リトナビル投与群52例を含む134例の比較臨床試験の結果、「症状緩和やウイルス除去促進の影響が見られなかった」と報告した[119]。また、同様の時期に行われた、中国 首都医科大学など多くの医療機関の共同研究でも、計199例で半数にロピナビル・リトナビルを投与する無作為化対照非盲検試験を行った結果、「重度の患者では標準治療を超える利益(benefit)は観察されなかった」と報告した。[120]。
米製薬会社アッヴィは2020年1月26日、中国保健当局からの要請でアルビア(英語版)を試験的に使用していることを明らかにした[97]。アルビアは、冷蔵不要という特徴がある[121]。
2月2日、タイ保健省はバンコクの病院で中国人女性旅行客(70代)の患者に対し、本剤と抗インフルエンザ薬オセルタミビル (oseltamivir)(商品名 タミフル等)の併用によって、投与後48時間以内にコロナウイルスが消失したと発表した[122][123][124]。
2月4日、浙江大学教授李蘭娟研究チームはロピナビルとリトナビルは大きな効果はなく、しかも副作用があると述べた[125]。(→#アビドルとダルナビル)
2月10日、上海市公共衛生臨床センターの 陈军凌云(Chen Jun LY)らは、134症例中52例が経口LPV/r治療、34例は経口 アビドール治療、残り48例は抗ウイルス薬を不使用(なお、全例でインターフェロン-α2b スプレーと対症療法は実施)で、結果、両方の薬剤とも、症状緩和の効果もウイルス除去促進の効果も見つからず、有効性についてさらなる調査が必要と結論づけた[126][119]。
3月3日、杏林大学医学部付属病院のグループは症例研究で、LPV/rを投与しても呼吸状態が増悪したことを説明し、上記復旦大学チームの報告書[119]を引いて、「LPV/r は中国からの報告ではウイルス量の低下、症状の改善には影響を与えておらず、COVID-19肺炎への過度な期待は難しい」と考察した[127]。
3月3日、国際医療福祉大学熱海病院のチームは、無症状から高熱と肺炎に増悪した患者に LPV/r を投与して治療を行ったところ、投与から2日後に解熱など好転し、入院後20日間でPCR検査で陰性化し退院したと報告した[128][117]。「本例に限って言えばカレトラは好意的に評価できる。酸素化低下などの重症化の徴候を待たず、肺炎の診断を得た時点で早期に治療介入を行うことで、重症化の阻止、致命率の低下ができるかもしれない」と考察している。
3月10日、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院のグループは、入院4日目に低酸素血症と全身倦怠感の増悪があり急性肺傷害に移行する懸念があった患者にLPV/rを投与したところ、投与2日目には解熱鎮痛薬なしでも発熱しない状態になったと報告した[129][118]。これは、有効性の高い対象症例であった可能性と、投与時期が的確であった可能性があると考察している。
3月18日、中国で行われたCOVID-19を対象としてLPV/rを投与する臨床試験の結果が報告されたが、LPV/rの有効性を示すことができなかった[120]。
ロピナビル・リトナビル配合剤「カレトラ」の副作用として膵炎、高血糖,糖尿病の悪化、出血性関節症、肝機能障害,肝炎、徐脈性不整脈、中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,多形紅斑がある[130]。また、ピモジド、エルゴタミン、ミダゾラムなどの薬剤を服用中の患者には併用禁忌である[130]。
また、リトナビル単剤の副作用は、錯乱、痙攣発作、脱水、高血糖、糖尿病、肝炎、肝不全、過敏症、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、突発性出血性関節症、アナフィラキシーなどがある[131]。また、下記の薬剤を服用中の患者には併用禁忌である[131]。キニジン、ベプリジル、フレカイニド、プロパフェノン、アミオダロン、ピモジド、ピロキシカム、アンピロキシカム、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン等。
2020年1月23日、米国の製薬大手ギリアド・サイエンシズは、エボラ出血熱治療の実験薬 レムデシビル(開発コード GS-5734)[132]がこの治療で有効かどうかを検証中であると表明した[133]。レムデシビルはコンゴのエボラ出血熱の治療法を緊急に見い出すために2019年に精力的に臨床試験が行われていた4種類の薬剤のうちのひとつで、試験の結果、エボラ出血熱の患者生存率改善効果を示した[134]。
1月31日の、米ワシントン州2019-nCoV症例調査チーム[135]の報告[136]「2019年の新規コロナウイルスの米国での最初の症例」(直訳)によれば、以下のように上記レムデシビルの効果があったという。
1月15日に武漢を訪ね米国に戻った男性(35)の症例では、咳と発熱があり検査後自宅隔離。
1月20日新型コロナウイルス陽性で入院。発病9日めから肺炎症状で酸素飽和度は90%に低下し酸素補給。
10日めには基底の筋状混濁や両肺のラ音[注 6]を認め非定型肺炎の所見となりバンコマイシンとセフェピムの投与を開始した。
11日め夕方から、コンパッショネート使用(未承認薬の人道的使用)としてレムデシビルの静脈注射を行い他の薬剤を順次停止。
翌日状態が改善し食欲が出て、酸素補給なしに酸素飽和度96%に落ち着いた。
軽い咳を除きすべての症状が解消した。
2月2日、中国当局にレムデシビルの臨床試験申請が受理された。さっそく2月3日には北京の中日友好医院により武漢で臨床試験が開始された[137]。軽・中等度の肺炎を発症した患者のうち最大270人が無作為に選ばれ、二重盲検とプラセボ対照の試験に参加[138]。同年4月に結果が出る予定[139]。
同社は進行中の臨床試験外の緊急治療(コンパッショネート使用)を目的にレムデシビルを提供している。日本国内でも2月22日、加藤勝信厚生労働大臣が、患者に対し2月中にもレムデシビルの投与を開始し、3月にもレムデシビルの承認を目指した臨床試験を始める考えを示した[140][141]。
中国を視察した世界保健機関(WHO)の担当者が24日、レムデシビルは「現時点で本当に治療効果があるとみられる唯一の薬」と発言した[142]。ある製薬会社担当者の意見では「緊急性を考えて特例扱いだとしても、最短でも2020年内の承認だろう」という。
2月26日、ギリアド・サイエンシズは、レムデシビルのふたつの第III相試験の治験届がFDAに受理されたと発表した[139][143]。この治験で、世界各国から重度約400人、中等度約600人の被験者で3月にも開始し、順調なら4月にも結果が出る[140]。3月11日、数百人のCOVID-19患者が本剤で治療を受けた[144][145]。アメリカ合衆国保健福祉省はその前週、日本の重症患者に未承認薬のコンパッショネート使用の一環としてレムデシビルを提供するため、同省公衆衛生局士官部隊が、在日米国大使館、日本の厚生労働省、ギリアドと協力していると発表している。
4月10日、レムデシビルのコンパッショネート使用例61例の報告が掲載された[146]。
抗インフルエンザ薬のファビピラビル(商品名 アビガン錠; 中国語: 法維拉韋)は富山化学工業が開発し、神奈川県が国家戦略特別区域で2013年から開発に協力してきた[147][148]。2016年に「浙江海正薬業股份有限公司(Zhejiang Hisun Pharmaceutical)」に中華人民共和国におけるライセンスを導出済[149]。2020年3月現在、日本では、「他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品」であり、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症に対する本剤の投与経験はない[150]。
中国ではCOVID-19に対する治療選択肢の1つとして挙げられている[151]。中国科学技術部は2月15日、ファビピラビルをCOVID-19治療の臨床試験を実施していると発表[152]。比較的高い治療効果と副作用が少ないとされた(ただし、日本では後述するように副作用が報告されている)(治験番号 ChiCTR2000029548[153])。2月18日、国家薬監局は、ファビピラビル[154]の販売を許可した[155]。
2020年2月22日、厚生労働大臣加藤勝信は「アビガンが効くということになれば、全国に展開をして治療に使っていきたい」「効果があると考えられている他の治療薬の使用も並行して考えていく」と述べた[156][157]。アビガンは新型インフルエンザ治療薬として日本国内で製造され、約200万人分が備蓄されている。神奈川県知事黒岩祐治は、アビガンの人道的使用と臨床試験の早期開始を国に提言した[158][159]。
2020年1月28日、販売元の富士フイルム富山化学は、本ウイルスへの効果の検証に取り組んでいないが[160]、日本でも治験(非盲検試験)が開始され[161][162]、2月22日から日本の医療機関で本疾患の患者にアビガンの投与が始まった[141]。
3月17日、中国政府はファビピラビルが有効であったと発表した[151]。ファビピラビルはロピナビル・リトナビルとの非盲検比較試験において、ウイルス排出期間を短縮し(4日 vs. 11日)、X線画像の改善率を高め(91.43% vs. 62.22%)、さらに安全性にも問題がなかった(後に論文は撤回された)[163]。
4月、ドイツ政府がアビガン数百万セットを大量購入すると報道された[164][165]。
注意 本剤は動物実験において初期胚の致死および催奇形性(サル、マウス、ラット、ウサギ)が確認されており、胎児への曝露の危険性があり、妊婦への投与は禁忌である[154]。本剤は精液中へ移行するので、その危険性について十分に説明し、投与期間中及び投与終了後7日間まで、性交渉を行う場合は必ずコンドームを着用する[154]。
痛風、高尿酸血症の患者では、症状が悪化するおそれがある[154]。国内臨床試験では副作用が501例中100例(19.96%)に認められ、血中尿酸増加24例(4.79%)、下痢24例(4.79%)、好中球数減少9例(1.80%)、AST(GOT)増加9例(1.80%)、ALT(GPT)増加8例(1.60%)等であった[154]。
重大な副作用としては、他の抗インフルエンザウイルス薬 (類薬)で、ショック、アナフィラキシー、肺炎、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性腎障害、白血球・好中球・血小板減少、意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等の精神神経症状、出血性大腸炎などが報告されている[154]。
シクレソニド[166](商品名 オルベスコ(帝人ファーマ)[167]、Covis Pharma[168]のAlvesco)は気管支喘息を適応症として承認済の吸入ステロイド薬である[169][170][171]。
2020年2月19日、国立感染症研究所村山庁舎コロナウイルス研究室は基礎実験でシクレソニド(オルベスコ)が強い抗ウイルス活性を有すると報告した。他の吸入ステロイドには同様の抗ウイルス効果が見られず、シクレソニド特有の作用と考えられた。本知見をもとに神奈川県立足柄上病院のチームはCOVID-19患者3名への投与治療をすぐに行った。その結果、3例とも2日ほどで状態が好転、という著しい効果があったとする症例報告を3月2日、日本感染症学会のサイトで以下内容で発表した[172][173]。
- クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」に乗り合わせたCOVID-19陽性者で、肺炎が増悪中の患者3名にシクレソニドを投与したところ、良好な結果が得られた。うち2例は咽頭ぬぐいPCR検査でまだ陽性のため、吸入量を増量して継続中。
- COVID-19は(多くの報告のとおり)初期が軽症でも発症後7-10日で急速に悪化する印象。シクレソニドの投与時期は、重症化する前の、感染早期〜中期あるいは肺炎初期が望ましい。
- ウイルスの早期陰性化や重症肺炎への進展防止効果が期待される。
- 本ウイルスが肺胞上皮細胞で増殖し、肺障害を引き起こしながら、同時に肺胞マクロファージ等に感染し局所の炎症を起こすと推定され、それに対しシクレソニドの持つ抗ウイルス作用と抗炎症作用が、重症化しつつある肺傷害の治療に有効であることが期待されている。
- COVID-19に対し広く投与されているロピナビル/リトナビル(カレトラ錠)(略号 LPV/r)[174]対シクレソニドの比較
- in vitro(試験管レベルでの研究)でウイルス増殖防止効果は同等以上、
- 肺胞到達時の組織濃度は数十倍、
- 副作用は前者が「下痢,吐き気,嘔吐,腹痛等」で高齢者における薬物動態については十分な検討がなされていない[174]。後者は添付文書に副作用の記載はあるが、未熟児・新生児から高齢者まで広く用いられる安全な薬剤で、報告時点までで同院で有害事象はなかった。
- 価格は前者が 1,289.6円/日、後者は1キット2,169円(同院の1,200μg/日処方で)と安価。
— 日本感染症学会、COVID-19肺炎初期~中期にシクレソニド吸入を使用し改善した3例
- この3例のみの症例数で効果を論じることはできないので、今後症例の蓄積と検討が望まれる。
3月2日に韓国パスツール研究所などのチームが発表(→ #韓国での探索研究)したCOVID-19有効薬剤候補の中にも、本剤シクレソニドが含まれていた。候補はMERSコロナウイルス株を使ったスクリーニング研究で得られたもの。
3月6日、国立感染症研究所は、上記3症例について「シクレソニドが、ウイルスの遺伝情報を担うリボ核酸(RNA)の複製を阻害した」との見方を示した。また、MERSで抗ウイルス作用を示したとのデータがあったと述べた[175]。
3月9日に厚生労働省健康局結核感染症課より要請を受け、帝人ファーマと親会社の帝人は翌10日、オルベスコの供給体制を(本剤使用中の気管支喘息患者への安定供給を確保した上で)2万本分確保すると発表した[176][177][178]。オルベスコは海外のメーカーから導入していて帝人の一存では増産できないが、メーカーと協議しながら確保していく[176]。
3月10日、日本環境感染学会は「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第2版改訂版 ver.2.1)」を公開し[179]、治療に関する説明の中に、3月2日の前版にはなかった本剤に関する記載を追加した(下線部)[180]。
治療・予防(ワクチン) 新型コロナウイルス感染症(COVID- 19) に対して、現在、有効性が証明された治療法はありません。ただし、抗HIV薬のロピナビル/リトナビル、抗インフルエンザ薬のアビガン、エボラ出血熱の治療薬として開発されたレムデシビル、および吸入ステロイドの喘息治療薬であるシクレソニドなどが治療薬の候補として挙がっており、今後の検証によって効果が証明されれば治療薬として用いられる可能性があると思われます。
— 日本環境感染学会、 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第2版改訂版 ver.2.1)
3月12日に掲載された国立感染症研究所松山州徳らの審査前論文によれば、シクレソニドはコロナウイルスのもつ非構造タンパク質であるNSP15に作用してウイルスのRNA複製を抑制する[181]。したがって、シクレソニドはコロナウイルスであるMERSまたはCOVID-19の患者の治療の候補薬となる。
3月16日の時点で、オルベスコで治療を受けているCOVID-19の患者は、10人程度であった[182]。
3月20日、韓国のパスツール研究所のSangeun JeonらのチームはbioRxivサイト(未査読論文掲載サイト)に、「直訳:FDA承認済み医薬品からのSARS-CoV-2に対する抗ウイルス薬候補の特定)」と題する論文を掲載した[183][184]。同研究所は既にMERS株でのスクリーニング結果を発表していた(→ # 韓国での探索研究)。発表によれば、同研究所は「COVID-19の治療にアルベスコ(シクロソニド)が有効である」と判断した。同研究所では本ウイルスSARS-CoV-2を入手してスクリーニングで24種の薬剤を抽出した。これらは、レムデシビル、カレトラおよびクロロキンと同等かそれ以上の抗ウイルス活性を細胞実験で確認した。特に、シクレソニドの安全性、薬効、関連する海外の症例、および韓国国内での同剤の販売状況をレビューした結果、シクレソニドを「最も実現可能な医薬品(most feasible medication)」に選んだ。また、シクレソニドと並んでサナダムシ駆虫薬ニクロサミド(富士フイルム和光純薬、関東化学などが販売)(別名 ニクロシド)[185]にも注目した。
3月22日、国立感染症研究所の松山州徳室長は次のことを明らかにした[186]。
- 同研究所では2年前から、MERSに効く薬を1,200種の薬剤ライブラリからスクリーニング研究を実施し、シクレソニドが有効である可能性を見つけていた。
- 今回新型コロナウイルスに感染させた細胞にシクレソニドを作用させる実験を行ったところ、ウイルス量は100分の1程度にまで減った。
- シクレソニドはウイルスの増殖を抑えると同時に、炎症を抑える効果もあると思われる。
3月23日、国立国際医療研究センターは、肺炎症状のないCOVID-19患者を対象として、シクレソニドの臨床試験(特定臨床研究)を早期に始める予定でプロトコール検討中であることを明らかにした[187][188][189]。(なお、同時期に、肺炎があり参加条件を満たす患者はレムデシビルの国際共同臨床試験に参加させる。一方、肺炎があるが当該条件を満たさない患者には、ファビピラビル(富士フイルム富山化学のアビガン)、ナファモスタットメシル酸塩(日医工のフサン)での臨床試験を検討中、と述べた。)
3月29日、韓国パスツール研究所は、Alvesco(オルベスコ)をCOVID-19軽症患者141例に投与する臨床試験を韓国で実施すると発表した[190]。韓国FDAは、通常30日かかる承認を特別に申請の翌日に行った。
3月30日(日本時間)、ユネスコが開催した世界127カ国の閣僚級やWHOの専門家等が出席したテレビ会議で、韓国科学技術情報通信部は、シクレソニドおよびニクロサミドがCOVID-19に効果があったという事実を共有した[191]。
3月31日の日本集中治療医学会の報告[192]によれば、体外式膜型人工肺(ECMO)によるCOVID-19治療対象患者(の一部)である21例のうち43%の9例の治療でシクレソニド(オルベスコ)投与。ちなみに、同じ統計で、ファビピラビル(アビガン)は38%の8例、リン酸クロロキンは5%の1例、カレトラは95%の21例(※ 母集団は厳密に同一ではない模様)。
4月14日に、インドのガウタムブッダ大学のチームが、未査読論文サイトに発表したところによれば、彼らはSARS-CoV-2のメインプロテアーゼ(Mpro)[193]を標的に、FDAの承認市販薬化合物からヒトの抗ウイルスおよび抗菌特性を備えたものを文献調査で12種選び、それらをコンピュータシミュレーションで仮想スクリーニングにかけて候補を探した。その結果最強のリファンピシン(抗生物質)の次に有望な薬剤として出てきたのは、シクレソニドであった[194]。リファンピシンとシクレソニドは、参照用化合物として使用した、COVID-19治療によく使われてきたカレトラの成分2剤(ロピナビルとリトナビル)よりも、Mproとの結合親和性に優れていた。
4月14日、帝人ファーマは、COVID-19への取り組みの一環で、本剤の「追加的な供給の実現に向けた協議を輸入先とおこなって」いることを公表した[195]。
4月18日の日本感染症学会の学術講演会「COVID-19 シンポジウム ―私たちの経験と英知を結集して―」[196]で、シクレソニドの観察研究の4月8日時点中間報告が紹介された。それによれば、国内24施設から85症例が登録された。そのうち死亡は2例、また、投与後に気管挿管が必要になった悪化例は3例にとどまった。座長の土井洋平教授(藤田医科大学)は「シクレソニドは抗炎症効果と抗ウイルス作用をあわせもつ。幅広い年齢層に使われてきたので、安全に使えることが大きい」と期待感を示した[197]。
国立国際医療研究センターでも、肺炎のない比較的軽症のCOVID-19患者をシクレソニド7日間吸入群と非吸入群にランダムに割り付け8日目の肺炎発症割合を検討する、という形の特定臨床試験が行われている[198]。
感染症患者の症状を増悪するおそれがある[199]。588例中45例(7.7%)に副作用がみられ、血管浮腫等過敏症、発疹、そう痒、呼吸困難、味覚異常、AST(GOT)およびALT(GPT)の増加、尿中蛋白、動悸、気管支痙攣などが報告されている[199]。また、ウサギの動物実験で副腎皮質ステロイド剤に共通した催奇形作用が、ラットの動物実験で乳汁への移行が報告されている[199]。
日本産科婦人科学会では、4月7日時点で「本薬剤は喘息の妊婦にも有益性投与が認められています。しかしながら保険適用外である点に加えてまだ十分なエビデンスが無く、副作用の問題や高度の全身管理が必要であるため酸素投与が必要となった重症例には本人と家族に十分なInformed Consentのうえ呼吸器科や救命救急科医師の意見を求めたうえで投与を検討してください.」としている[200]。なお、2020年4月現在、COVID-19の各治療薬の添付文書では、妊娠中の安全性について、本剤オルベスコ、カレトラ、フォイバン、フサン、プラケニル、ストロメクトールは「有益性投与」で、アビガンは「禁忌(不可)」とされている[201]。
ウミフェノビル(Umifenovir、アルビドルまたはアルビドール; Arbidol、アビドル; Abidol)は中国とロシアで使用されている抗インフルエンザ薬である。
2020年2月4日、浙江大学教授李蘭娟の研究チームは、細胞実験で、ウミフェノビルとダルナビル(Darunavir)の2種類の薬剤がコロナウイルスを効果的に阻害するのに有効であると発表した[125]。この報道により米株先物取引が急伸した[202]。
- 李教授によれば、前臨床試験(preliminary tests)の in vitro 細胞実験で、アビドル(Abidol)とダルナビル(Darunavir)の2種類の薬剤がこのウイルスを阻害するのに有効であることが分かった。
- 李教授は、新たに感染した患者の緊急治療を強化しようという望みをかけて、中国東部の浙江省から中国中央の湖北省に医療従事者を連れてきた。
- 李教授は、現在使用されている 抗HIV薬ロピナビル・リトナビル錠(商品名Kelizhi[203])(前述カレトラ配合錠に相当)はあまり大きな効果はなく、しかも副作用が複数あると述べた。
- 李教授は、2つの新薬を、コロナウイルスによる新型肺炎の国家衛生健康委員会の治療プログラムに含めることを推奨した。
- チームの別の研究者、陳作炳(Chen Zuobing)は、2つの薬は医学的指導なしに服用すべきではない、と釘をさした。
- 浙江大学医学院附属第一医院の副理事長 (deputy president) でもある陳作炳は、この2つの薬は浙江省でこのウイルスに感染した患者たちの治療に使用されてきており、次の段階で、有効性で劣っているほかの薬に取って代わるだろうと述べた[125]。
なお中国語の阿比多尔をラテン文字表記した際の混乱があり、当初はインドで販売されている鎮痛薬の商品名Abidol[204]であるとする報道も見られたが、中国当局は阿比多尔が抗ウイルス薬であると主張していることから、正しくはウミフェノビルの商品名Arbidolであると考えられる[205]。
2020年2月18日、中国政府の専門家チームは、本ウイルスの診療ガイドラインを新たに発表し、抗インフルエンザ薬の「アルビドール」を治療薬として加えた[40]。
中国の公式の「新型コロナウィルス肺炎診療方案」では、2020年2月18日の試行第6版から、病状の進行が比較的に早い重症(severe)または重篤(critically ill)な患者向けに、回復者血漿療法が追加された[206][207][208]。
2020年3月27日、中国・南方科技大学第二附属医院などのチームは、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を併発した重症COVID-19患者5例に対して、COVID-19から回復した患者より採取した中和抗体を含む回復期血漿を投与して有効であったと報告した[209][210]。それによれば、COVID-19の回復例(ドナー)5例(18~60歳)から、回復期血漿を採取し、採取当日中に各患者に投与した。投与のタイミングは入院後10~22日目であった。その結果、4例で投与後3日以内に体温が正常化した。投与後12日で全例のウイルス量が陰性化した。投与後12日目に4例でARDSが軽快した。投与後2週間以内に3例が人工呼吸器から離脱した。体外式膜型人工肺(ECMO)使用は1例で、投与後5日めに離脱した。
アメリカや日本でも臨床試験が開始されることになった[211][212]。
2020年1月27日、中国国家中医薬管理局は本疾患の予防と治療のための中医薬(漢方薬)の効果的処方を発見するための臨床研究を開始し[213]、山西省、河北省、黒竜江省、陝西省で漢方薬の清肺排毒湯(中国語 清肺排毒汤)での治療の臨床的観察とデータ分析を行った。臨床的に有効なデータ214件により、2月6日、国家衛生健康委員会と国家中医薬管理局は共同で全国に、清肺排毒湯の使用を勧告する文書を発行した。発表されている効果は以下のとおり。
2月19日の中国国家中医薬管理局の発表[214]によると、10省57指定医療機関で701例を投与して観察した結果、130例(19%)が治癒して退院、51例(7%)が症状が消失し、268例(38%)で症状が改善し、212例(30%)は症状が安定し悪化しなかったという[214]。
そのうち351症例が詳しく分析され、うち112人の患者の体温が37.3°Cを超えていたところ、服薬1日後で51.8%、服薬6日後で94.6%の患者が平熱に戻り、また、咳症状214人のうち46.7%が服用して短期に改善した[215]。
また、だるさや吐き気、のどの痛みなどの症状にも顕著な治療効果が見られた。351例の中でひとりも、軽度の患者も普通の患者は重篤にはなっていないという[216]。
効果100%ではないものの約半数以上の改善がみられることから、中国国家衛生健康委員会と国家中医薬管理局は2月6日、清肺排毒湯の使用を推奨するむね中国全土に通達した[217]。
2月19日付、国民健康衛生委員会発行の「新型コロナウイルス肺炎の診断と治療(試行6版)」[218]とその解説[219][220][221]によれば、以下のとおり。
一般的な処方“清肺排毒湯”は臨床治療期間中に推奨される。軽度、一般的、重度、重大、および回復期間の臨床症状がえられた。推奨される処方と投与量、および投与方法は、3つの側面から説明されている。
2月21日の中国国務院の記者会見で、全国6万例以上の症例で西洋医学に漢方薬を併用して結果良好と以下のように発表された。
漢方薬の併用により、臨床症状が消えるまでが2日間短縮、平熱への解熱が1.7日間短縮、入院日数は2.2日間短縮、CT画像は22%改善され、臨床治癒率はが33%改善、重症化率は27.4%減少、リンパ球は70%増加したという[222]。
清肺排毒湯を処方された患者たちのインタビューが2月23日に記事になり国家中医薬管理局のサイトに掲載された[223]。
なお、日本では、漢方薬と中医薬を同じものだと認識しているが、中国当局は、漢方薬と中医薬は厳密には別の物であると認識しているため留意が必要である。
2020年2月18日、中国政府の専門家チームは、抗マラリア薬の「リン酸クロロキン」と抗インフルエンザ薬の「アルビドール」を本疾患の治療薬候補として発表した[40]。このうちリン酸クロロキンは「特効薬ではないが検討に値する」「ウイルス検査で陰性になるのが早いほか、副作用も大きくない」という。北京市や広東省などの病院に入院する患者に対する臨床試験で症状の改善を確認した。15日の会議で臨床試験の対象拡大で一致した[224][225]。
ヒドロキシクロロキン(商品名 プラケニル)は全身性エリテマトーデス治療薬として承認されている。日本でCOVID-19患者2例に投与し、有効であったと報告されている[226]。
一方で、リン酸クロロキンの副作用として強い心臓毒性があり、キニジン様作用が発現し、致死性不整脈、心臓に還流する血液量が不十分な循環虚脱となり、心停止に至ることが報告されている[227][228]。また2〜4年連用すると網膜が変性し失明に至る慢性毒性もある[227]。日本では1971年よりクロロキン網膜症事件が薬害事件として社会問題となって訴訟が起こり、日本の製薬会社は製造を中止した[229][230]。日本ではクロロキンの製造・販売は禁止されている[227]。
また、ヒドロキシクロロキンにも網膜障害が発現する副作用があるほか、黄斑変性も報告されており、網膜症や黄斑症患者への投与は禁忌である[231]。さらにキニーネ過敏症、グルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症、ポルフィリン症、乾癬、肝機能障害、腎機能障害、胃腸障害、神経系障害、血液障害、SLE網膜症などの患者や、妊婦への投与には十分に注意し、本剤の投与は安全性及び有効性について十分な知識とエリテマトーデスの治療経験をもつ医師のもとでのみ実施されるべきであるとされている[231]。
抗生物質のアジスロマイシン(商品名 ジスロマックまたはアジスロシン)はヒドロキシクロロキンと併用すると上気道からのウイルス消失効果がより高い可能性があるという研究が3月20日にフランスの大学病院研究所(I.H.U.)[232]地中海感染症院などの研究チームから発表された[233][234]。
SARS-CoV-2ウイルスは細胞内のウイルスRNA認識受容体MDA5/RIG-Iを阻害してI型インターフェロン生産を抑制することなどにより免疫応答を逃れる可能性がある[235]。アジスロマイシンはin vitroにおいてウイルス誘発性インターフェロン産出を促すことにより抗ウイルス作用を発揮し、ライノウイルスに対して効果のあることが見つかっていた[236][237]。
ドイツの研究によればセリンプロテアーゼ阻害剤のカモスタットはin vitroにおいてSARS-CoV-2が細胞へと侵入する際に使われる宿主側酵素のTMPRSS2プロテアーゼを阻害するため、新型コロナウイルスに効果のある可能性がある[238][239]。SARSコロナウイルスでは動物実験においてカモスタット単独投与の効果が確認されており[240]、その用量をヒトに当てはめると日本で既に承認されている量でも効果のある可能性がある[241]。東京大学大学院医学系研究科は新型コロナウイルス感染症患者に対するカモスタット投与の臨床研究を計画している[242]。
また中国の研究によればセリンプロテアーゼ阻害剤のナファモスタットはVero E6細胞においてSARS-CoV-2の感染を防いだものの、その50%効果濃度 (EC50値) は高めの22.50μMとなっている[243]。東京大学医科学研究所は新型コロナウイルス患者に対しナファモスタットの試験投与を行う予定となっている[244]。
日本ではカモスタットは慢性膵炎や術後逆流性食道炎に、ナファモスタットは膵炎や播種性血管内凝固症候群などに対して保険適用されている[245][246]。
カモスタットおよびナファモスタットの副作用として、ショック、アナフィラキシー様症状などのアレルギー、過敏症、高カリウム血症、低ナトリウム血症、血小板や白血球減少、肝機能障害、黄疸などが報告されている[247][248]。
トシリズマブ(Tocilizumab (英語版))(中外製薬のアクテムラ[249])(ロシュのActemra/RoActemra)は、強力なIL-6阻害薬である。
2020年3月4日、中華人民共和国国家衛生健康委員会はトシリズマブのCOVID-19患者に対する投与を認可し[250]、医療規定の標準治療に組み込んだ[251]。
3月5日、中国科学技術大学附属第一医院(安徽省立医院)と安徽富陽第二人民病院のチームは、2020年2月5日から2月14日のあいだ、COVID-19重症患者20例に、通常の治療に加えてトシリズマブを投与して分析した結果を、未査読論文サイトに発表した[252]。それによれば、その結果、20人の患者のうち15人(75.0%)は摂取酸素量が減り、1人の患者は酸素療法も不要となった。CTスキャンにより、19人の患者(90.5%)で肺の病変の濁りは消えた。目立った副作用はなかった。19人の患者(90.5%)はトシリズマブによる治療後平均13.5日で退院し、残りも良好に回復中と述べられている。
また、イタリアでも、COVID-19重症患者2人に対しトシリズマブの投与が行われ、これにより24時間で症状が改善した[253]。この投与は在コッリ病院会社(イタリア語版)及びIRCCS財団国立がん研究所(イタリア語版)の協力によってコトゥーニョ病院(イタリア語版)の患者に対し行われた[253]。
3月24日、ロシュは、重症COVID-19での入院患者330例を対象に、Actemra/RoActemraの第III相臨床試験を実施すると発表した[254]。
4月8日、中外製薬はCOVID-19を対象としたアクテムラの第3相臨床試験の実施に向け、治験届を提出した[255]。
4月9日、中国科学技術大学附属第一医院らのチームは、IL-6受容体を標的とした薬剤トシリズマブによる治療したCOVID-19重症患者2名の末梢血単核細胞を分析した結果、過剰に活性化された炎症性免疫応答は減弱していた一方、抗ウイルス免疫応答は保たれたことを未査読論文サイトに報告した[256]。
4月15日のMedical Tribuneの記事によれば、COVID-19の主な死因に免疫システムの暴走、すなわち「サイトカインストーム」で肺の細胞が壊れるARDS(急性呼吸窮迫症候群)がある。ARDSの予後不良例でIL-6、IL-8などの炎症性バイオマーカーの値が高いことがある。トシリズマブはIL-6の働きを阻害し、炎症反応を抑えるため期待されているという[257]。
関節リウマチ薬のヒト型抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体である、サリルマブ(Sarilumab(英語版))(サノフィのケブザラ[258])がある。これも、トシリズマブと同様、免疫システムの暴走を抑えてCOVID-19重症患者の治療に有効ではないかと期待されている[257]。
4月2日、サノフィは、重症COVID-19患者を対象としたケブザラ(サリルマブ)の臨床試験の一環として、米国外で第1例の患者に投与したことを発表した[259]。本試験は、イタリア、スペイン、ドイツ、フランス、カナダ、ロシアおよび米国で実施している。
ルキソリチニブ(商品名 ジャカビ)はJAK阻害薬であり、真性多血症などの治療薬である。サイトカインストームを伴うCOVID-19患者におけるジャカビを評価するため臨床試験が計画されている[260]。
審査前論文ではあるものの中国温州の病院の報告によれば、多くのCOVID-19患者が尿からのカリウムイオン (K+) 排出によって軽度〜重度の低カリウム血症を起こしており、カリウム補充療法は回復傾向の患者で良い反応を示したとされる[261]。
また日本感染症学会に報告された症例において低ナトリウム血症が報告されており、その場合に電解質輸液剤による補液が行われている[262]。
なおSARSにおいても低カリウム血症および低ナトリウム血症が報告されていた[263]。
酸水素混合吸入は中国においてCOVID-19の治療に使われている[264][265]。
2020年2月5日、上海潓美医療科技の酸水素吸入器 (水素66.66%/酸素33.33%) が武漢中央病院、武漢大学中南医院(中国語版)などの病院へと届けられ、使用されるようになった[264]。この酸水素吸入器は慢性閉塞性肺疾患 (COPD)、喘息、気管支拡張症、気道狭窄などに向けて開発されていた[264]。
2月17日、中国非公立医療機構協会 (CNMIA)がこの酸水素吸入器を推奨し[264][266]、3月3日、中華人民共和国国家衛生健康委員会(NHC)はガイドライン第七版で酸水素吸入器を標準治療に組み込んだ[265][251]。ただし二重盲検比較試験は行われておらず論争も起きている[264][265]。
新型コロナウイルス感染症の患者の血漿では著しく高いレベルのアンジオテンシンIIが確認されており[267]、それによる障害を防ぐためにアンジオテンシンII受容体拮抗薬 (ARB) を使うことがインドマハラシュトラ保健大学の Mrudula Phadke 教授から提案された[267][268](#宿主細胞受容体も参照)。ARBにはテルミサルタン、ロサルタンなどがある[268]。
欧州製薬団体連合会(英語版) (EFPIA)は、降圧剤であるアンジオテンシンII生成を阻害するアンジオテンシン変換酵素阻害薬 (ACE阻害剤) の効果の検証を含む治療法の特定を、会員企業に求めている[269]。
ACEI又はARBの静脈内投与がACE2受容体の発現を増やし重症化リスクを高める可能性があるとする仮説も存在する[270]が、中国におけるCOVID-19患者のメタアナリシスの審査前論文によれば65歳以上の高血圧患者におけるARBの服用者は重症化リスクが有意に低かったとされる[271]。
ヒト組み換え可溶性ACE2はin vitroにおいてSARS-CoV-2の細胞への感染を阻害することが見つかっている[272][273]。SARSでの研究ではマウスでの動物実験においてアンジオテンシンIIの分解を行うリコンビナント(組み換え)ACE2の投与がSARSの重症化を防ぐことが見つかっている[274]。
ヒト組み換え可溶性ACE2にはApeiron Biologics製の「APN01」が存在し[272]、既に第II相臨床試験を開始している[275]。また、日本の医薬基盤・健康・栄養研究所は量産可能なバクテリア由来のACE2様酵素「B38-CAP」を発見し、それが新型コロナウイルス患者の重症化抑制に使える可能性のあることを発表した[276][277]。
ACE2以外のウイルス受容体としてCD147が関与している可能性が示唆されている。抗CD147抗体であるメプラズマブによりウイルス陰性化までの期間が短縮されたと報告された(2020年3月26日現在、査読前論文であるため解釈に注意が必要)[278]。
ハーバード大学医学大学院国際保健リサーチコア教授メガン・マリーは3月13日、BCGワクチンの再接種によって上気道感染症が減った報告や、trained immunity(訓練免疫状態)[注 7]によるオフターゲット効果の可能性にも触れ、BCGワクチンのCOVID-19への効果の研究価値があると述べた[280][281]。BCG接種状況[282][283]と世界のCOVID-19感染率の類似が指摘されている[284][285]。
オランダの研究チームは医療従事者にBCGワクチン接種を行う者1000人を募集したと『サイエンス』誌が3月23日に掲載した[286]。このグループはBCGが血液のエピジェネティックを変化させるという仮説を人間で確かめることを目的としている[279]。
マウントサイナイ医科大学助教授アニー・スパローは、2016年のWHOのシステマティック・レビューでもBCGワクチンのオフターゲット効果[注 8]の有効性が報告されているとし[287]、BCGワクチンが医療従事者を救う可能性については研究する価値があると3月24日に述べた[288][281]。
マードック・チルドレンズ研究所(英語版)はBCGワクチンが免疫力を高め、SARS-CoV-2にも効果のある可能性があるとして臨床試験することを発表したと3月27日に報じられた[289]。
大阪大学名誉教授(免疫動態学)の宮坂昌之は、BCG投与で、結核ではない感染症が子供で減ることがわかってきており、BCGの刺激によって自然免疫が強化されたことが考えられると述べた[281]。
BCGワクチン接種での副反応も報告されており、重篤例としてリンパ節炎や骨髄炎などの播種性BCG感染症の発症や、重症複合型免疫不全症(SCID)や慢性肉芽腫症などの先天性免疫不全症(原発性免疫不全症候群)では重症化することが多い[290]。またアナフィラキシーや皮膚結核様病変も報告されている[291]。
4月3日、日本ワクチン学会は「『新型コロナウイルスによる感染症に対してBCGワクチンが有効ではないか』という仮説は、いまだその真偽が科学的に確認されたものではなく、現時点では否定も肯定も、もちろん推奨もされない。」「定期接種としての乳児へのBCGワクチンの安定供給が影響を受ける事態は避けなければならない。」などの見解を示した[292]。
日本小児科学会も同日にBCGは新生児や乳児を対象に接種が行われており、成人を対象とした知見は十分ではない、また、結核菌の既罹患者やBCG菌に対する免疫を有する者に接種した場合、強い接種局所反応などの副反応が出現する可能性もあると発表した[293]。
厚生労働省も「BCGワクチンは、乳児の定期接種のために製造されており、メーカーが出荷できる量は出生数と同程度で、余剰はありません。」と発信した[294]。
4月10日、BCGを扱っていない日本の医療機関において、BCGワクチンを新型コロナウイルス感染症の予防のために接種を希望した成人に、誤って全量注射し、発熱やじんましん、血尿などの健康被害が出ていたことが報告された[295]。BCGは腕に塗ったBCG溶液のうち微量だけ体内に入れる方式で、説明文書には「絶対に注射してはならない」と記載されている[295]。
経皮接種用の濃厚なワクチンであり、もし皮内等に注射すると強い局所反応を呈するので、絶対に注射してはならない。 — 日本ビーシージー製造株式会社 乾燥BCGワクチン添付文書
マックス・プランク研究所は3月21日、BCGワクチンをベースにしたワクチン候補であるVPM1002が、SARS-CoV-2の感染に対して有効かどうかドイツの病院で高齢者と医療従事者を対象に第III相試験に入ることを発表した[296]。VPM1002は、ステファン・H・E・カウフマンのグループが結核ワクチンとして開発したもので、従来の標準的なBCGワクチンよりも安全で、結核や癌に効果があるとされる[296]。このワクチンは現在インドで第III相の治験がされており、2020年半ばに完了予定で、SARS-CoV-2に特化したワクチンが開発されるまでの間の利用が期待されている[296]。Vakzine Project Management(VPM)と世界最大級のワクチンメーカーであるインド血清研究所(Serum Institute of India )と共同で開発する[296]。
2020年4月4日、オーストラリア南東部メルボルンのモナッシュ大学の研究チームは、イベルメクチン(Ivermectin)(MSD社、マルホ社のストロメクトール)が、実験の結果、本ウイルスの抑制に効果があったと発表した。1回量のイベルメクチンで本ウイルスの複製を48時間以内に止めることができた。今後臨床試験を行い、できるだけ早くCOVID-19の治療薬に応用したいとしている[297][298]。
2020年4月19日、ユタ大学の研究チームは、169病院においてイベルメクチンを用いずに治療した704人の死亡率が8.5%(人工呼吸器を使用した重症者に限れば21.3%)であるのに対し、イベルメクチンを投与した704人の死亡率が1.4%(重症者に限れば7.3%)と低いことを発表した[299][300][301]。
イベルメクチンは、数々の業績をあげて2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した化学者で北里大学特別栄誉教授の大村 智により開発された[302]。
なお、重大な副作用に、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)がある[303]。
2020年4月14日に、インドのガウタム ブッダ大学のチームが、未査読論文サイトに発表したところによれば、彼らはSARS-CoV-2のメインプロテアーゼ(Mpro)を標的に、FDAの承認市販薬化合物からヒトの抗ウイルスおよび抗菌特性を備えたものを文献調査で12種選び、それらをコンピュータシミュレーションで仮想スクリーニングにかけて候補を探した。その結果最も有望な薬剤として出てきたのは、結核の治療で定評のある、抗生物質のリファンピシン(第一三共のリファジン[304])(Rifampicin(英語版))であった。そしてリファンピシンがCOVID-19の治療に使えるかもしれないと提案した[194]。
タンパク質間相互作用(PPI)に関する原理的な知見として、相互作用を生じるふたつのタンパク質などは、それらの一部同士が空間的に合致する(嵌まる)形であることが多いことが分かっている。この原理を利用して、本ウイルスSARS-CoV-2の立体構造に対して、既知のあらゆるタンパク質の立体構造をいろいろ当ててみてどこかが嵌まらないかとしらみつぶしに調べることで、抗SARS-CoV-2薬の候補となるタンパク質群を発見するアプローチが可能である。しかしこれには膨大な計算量が必要になる。そこで、1台のコンピュータだけでなく多数のコンピュータで分散して計算させることが、発見の近道となる。世界中から無償ボランティアを募集してコンピュータを自動的に借りながら発見作業を進めるというオープンなプロジェクトが、いくつかスタートしている。
こうしたプロジェクトには世界の誰でも参加して自分のパソコンで薬剤発見に貢献できる[305]。インストールしたプログラムアプリがデータを自動的にダウンロードして解析してサーバに次々報告する。参加者はインストールと必要に応じて設定を行えばよい[306]。
その代表的なものとして、2020年2月末、セントルイス・ワシントン大学に拠点を持つ分散コンピューティングプロジェクトのFolding@home(FAH、フォールディング・アット・ホーム)では、本ウイルスへの取り組みの基盤を提供し、個人・企業が所有するパソコンの余剰パワーの提供を募集した[307]。
グレッグ・ボウマン博士は「近い将来に最も期待がかかるのは、いずれかの部位に結合できる既存の薬剤を見つけられるかどうかだ」と述べた[307]。NVIDIAやGitHubなどIT大手、redditのパソコン・ゲーム愛好家グループなど2週間で40万人以上が専用アプリをダウンロードした[307]。3月25日、Folding@homeの演算能力は約1.5エクサFLOPSに達した[308]。TOP500の上位100スーパーコンピュータの合算を上回る能力を獲得し、これまでの数千倍長いタンパク質を対象とするシミュレーションが可能となっている。
この節の加筆が望まれています。 |
重症患者における高濃度ビタミンC点滴が武漢大学中南医院(中国語版)で第II相臨床試験中となっている[309][310][311]。
COVID-19患者に対する亜鉛の静脈内投与がオーストラリアのメルボルンにあるオースティン病院(英語版)で臨床試験されている[312][313]ものの、エビデンスはまだ無く、安全かも分かっていない[312]。
亜鉛イオンには抗ウイルス作用があり、この作用はウイルスのポリタンパク質プロセシングを阻害することなどによるものとされている[314]。
イスラエル工科大学は新生児呼吸窮迫症候群 (RDS) のために開発されたサーファクタント補充療法を改良し、そのSARS-CoV-2に対する治験を計画している[315][316]。
埼玉県立循環器・呼吸器病センターによれば、COVID-19が感染するために使用するACE2は肺において主にII型肺胞上皮細胞で発現しているため、SARS-CoV-2ではその細胞への感染によって肺サーファクタントの産生が阻害されて肺胞体積低下に陥ると推察している[317]。
この節の加筆が望まれています。 |
本感染症の感染拡大を受けて、
などを緊急に開発しようという取り組みが複数はじまった。
2020年1月21日、米国の感染症薬メーカー、ノババックス (Novavax Inc.) は、本ウイルスの感染予防のためのワクチンの開発をはじめたと語った[318][319]。
感染症流行対策イノベーション連合 (CEPI; Coalition for Epidemic Preparedness Innovations)はノルウェー政府、インド政府、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、および公益信託団体ウェルカム・トラストの出資によって2017年にダボス会議(スイス)にて発足した、公的機関、民間機関、慈善団体および市民団体の間でのグローバルな協働体である[320]。日本の厚生労働省も創設に関わり2017年より拠出を行ってきた[321]。
2020年1月23日、CEPIは以下3研究チームがワクチン開発に向けた作業を開始し、少なくとも1種類のワクチンの臨床試験を6月までに開始すると発表した[322][321]。また、夏にも人へ臨床試験を行い、ワクチン承認は早ければ年内になるとも述べた[323]。
この他、米Vir Biotechnology社もワクチン開発計画に加わり、SARSやMERSの生存者から同定されたモノクローナル抗体(mAbs)が本ウイルスに有効かどうか調べる[324]。
イノビオはMERSの最も先進的なワクチン候補 INO-4700をもっており[325]、ウイルスのDNA塩基配列が公表されて3時間以内にウイルスをデザインできた。CEPIから最大900万ドル(約9億8000万円)の助成金を受け、2020年初夏にも中東・アフリカ現地での第II相臨床試験に入る予定[326][327]で、大規模な臨床試験は年末までに中国で行いたいという[328]。
2月3日、英グラクソ・スミスクライン(GSK)はパンデミックワクチンで確立されたアジュバント(抗原性補強剤)の基盤技術を提供するためにCEPIの協働に参加すると発表した[329]。
2月25日、モデルナは開発中のCOVID-19のワクチンを、ヒトに投与する安全性試験(第I相試験)向けに米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)に出荷した。ヒトへの臨床試験は2カ月以内の開始を見込むが、一般に入手できるようになるには1年半かかる可能性があるという[330]。
2020年1月26日、中国CDC(疾病管理予防センター)の関係者は、ワクチンの開発を開始したと語った[331]。1月29日、広州のロシア領事館は新型コロナウイルスのゲノムが中国からロシアに提供され、中露がワクチンの共同開発に着手したと発表した[332]。
(上記と同じものかどうかは分からないが)開発したワクチンの治験開始が3月17日に中国で承認され、陳薇をリーダーとする中国人民解放軍軍事科学院軍事医学研究院の研究者らが治験を開始[333]。3月18日に中国中央電視台も報道した[334]。
3月23日、軍事科学院軍事医学研究院生物工程研究所と康希諾生物(CanSino Biologics)は、独自に開発した新型コロナウイルスワクチン(アデノウイルス媒体)の108人への第1期臨床試験を開始すると報道した[335]。プロジェクト責任者は陳薇(Chen Wei)少将で、複製欠陥型ヒト5型アデノウイルスを媒体とし、新型ウイルスのS抗原を作る[335]。感染予防のため、陳薇チーム7人はすでに接種済みである[335]。陳薇少将はウイルスのワクチンの研究で博士号を取得しており、これまでに抗SARSウイルス製剤やエボラ出血熱のワクチン開発に成功したと発表されている[334]。
2020年1月29日、米医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、COVID-19 ワクチンの開発に着手したと発表した。エボラ出血熱のワクチン開発に利用した技術を応用する。このワクチンは現在、コンゴ民主共和国とルワンダで投与されている[133]。「すでに多数の研究者をワクチン開発に投入しており、1ヶ月以内には何らかの成果が出せると確信している。世界市場に向けた量産体制はすでに整っているので、ワクチンが完成すれば、1年以内に億単位の出荷が可能」という[336]。
2020年2月18日、フランスのサノフィは、米国保健福祉省(HHS)の生物医学先端研究開発局(BARDA)と協力して、COVID-19 のための遺伝子組換えワクチンの速やかな開発を目指すと発表した[337]。
2020年3月5日、大阪大学発の創薬企業アンジェスは、本ウイルスのワクチンを大阪大学と共同で開発し、タカラバイオが製造すると発表した[338][339]。DNAプラスミド技術を活かしDNAワクチンという種類とするので、他の方法のワクチンよりも短期間に製造工程が作れるという。
2020年2月4日、米国厚生省(保健福祉省; HHS)は、米製薬大手リジェネロン・ファーマシューティカルズ(英語版)と提携し、本ウイルス感染症の治療のためのモノクローナル抗体の開発を行っていると発表した。HHSによると、リジェネロンはコンゴ民主共和国内で発生したエボラ出血熱の試験薬を開発する際に使用された技術と同様の技術を使用するという[340][341]。同社は2月6日、同治療法が数カ月以内には一部の患者に使える可能性が大きいと発表した。その治療法には、コンパッショネート使用(未承認薬の人道的使用)が適用されるかもしれないという[342]。
2020年2月27日、医薬品開発の「Trans Chromosomics(トランスクロモソミックス)」社[343](鳥取県米子市)は、独自の抗体作製技術などを活用し、本ウイルスの治療用の抗体医薬(ヒト型モノクローナル抗体)の作製に着手すると発表した[344]。同社は、鳥取大学発の創薬ベンチャーである「カイオム・バイオサイエンス」社[345]の共同研究先[346]。
2020年3月2日に米国の製薬会社ファイザーが明らかにした情報によれば、本ウイルスを抑制する可能性のある抗ウイルス性化合物を同定し、第三者機関と検査を進めている。同年3月末までに検査終了、2020年末までに臨床試験開始を目指す[347]。
2020年3月4日、武田薬品工業は、本疾患に対して、2019年に買収したアイルランドの大手製薬会社シャイアーが持っていた血液由来の医薬品技術で治療薬を開発すると発表した[348]。免疫機能を高める治療薬「TAK-888」を作るとされ、これは回復した患者の血漿から採取した病原体特異的な抗体を濃縮したもので、これを投与すると患者の免疫系の活性が高まり、回復の可能性が高まることが期待できるという[349]。すでに米国やアジア、欧州の規制当局と調整を進めている。9カ月から18カ月程度で治験を終える計画としている。
新型コロナに対する治療薬ではギリアドのレムデシビル、アッヴィのカレトラ、富士フイルムのアビガンなどの有効性が指摘されてきたが、いずれも既存薬の応用で、新規開発を表明したのは武田薬品が初となる[348]。
3月17日、世界保健機関(WHO)の報道官は、本ウイルス感染の疑いがある場合、医師の助言なしに抗炎症薬「イブプロフェン」を服用しないよう注意を促した。抗炎症作用の少ない「アセトアミノフェン」服用が望ましいとしていたが[350]、3月20日に「通常の副作用以外に、症状を悪化させるという報告はなかった」ことから「控えることを求める勧告はしない」とし、先の発表を事実上撤回した[351]。そのため、3月20日時点において禁忌薬に指定されている薬品は存在しない。ただし、ロキソニンなどのNSAIDSはサイトカインストームを起こし肺炎の可能性を上げるリスクは肯定もされていないが否定もされていない状況であるため、可能なら使わないほうが無難といえる。一般的な副作用を防ぐという観点も含め、解熱剤としての第一選択はアセトアミノフェンをと考えるのが現時点では妥当なところである(もちろん副作用のためアセトアミノフェンが使えない患者も存在する)。
新型コロナウイルスは急性呼吸窮迫症候群や肺炎をもたらし、肺にダメージを与える[352]。治療法がまだない現状では、重篤化した場合に人工呼吸器が必要不可欠な医療機器となる[352]。イギリスの呼吸器疾患・救命救急医ラハルデブ・サーカーは「集中治療室に入った患者の死亡率は50―60%と推測される」とし、重篤患者に人工呼吸器を使用できなければ「数時間で死に至る」と言う[353]。米国の人工呼吸器メーカーであるベンテック・ライフ・システムズのキプルCEOは「ワクチンが開発されるまでのあいだ、命を救うために人工呼吸器の供給に注力せざるをえない」と述べる[353]。
WHOは3月1日、各国に人工呼吸器の確保を求めた[354]。
中国の医療機器メーカー北京誼安医療系統は1月20日以来、24時間体制・3交代制で、研究開発部門のスタッフまでも生産ラインで働き、対応している。誼安医療は外国からの注文殺到で、昨年の数倍の売上高を見込んでいる[355]。
また、北京誼安医療はバルブやタービンといった主要コンポーネントをスイス、米国、オランダから輸入しており、パンデミックによるサプライチェーンの途絶えで困難な状況もある[353]。
3月6日、イタリア政府は医療機器企業シアレ・エンジニアリング・インターナショナル・グループ(ボローニャ)に協力を求めた[353]。陸軍技術者も同社の生産管理者と協力し、通常月間生産量160台のところ、4カ月で2000台の生産を目指す。[353]。
エミリアロマーニャ州の医師チームは、1台の人工呼吸器から2人の患者に酸素を供給する方法を開発した[353]。
3Dプリンター事業のイシンノーバ(Isinnova)は、ロンバルディア州にあるガルドーネ・バル・トロンピア病院の元医長レナート・ファベロの提案で、3Dプリント技術を使ったシュノーケリングマスクと人工呼吸器をつなぐ医療用バルブの試作に成功した[356]。イシンノーバはこのバルブの特許権を取得したが、設計図を公開している[356]。また、イシンノーバが使用したのは仏デカトロン社製のシュノーケリング用マスクで、デカトロンは協力に前向きで、すぐにマスクの設計図を提供したという[356]。
イギリスでは、NHSに成人用人工呼吸器が5000人分、子ども用900人分が備蓄されている[357]。英国政府は予備人工呼吸器を約8000台に積み増し、NHSは数週間で1万2000台弱まで増やすと述べた[353]。
3月15日、イギリス政府は人工呼吸器またはそのコンポーネントの供給に関して企業に支援を要請した[357]。7つのF1チームはユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、イノベートUK、ハイ・バリュー・マニュファクチャリング・カタパルトと提携し取り組むとした[357]。ほか、ロールス・ロイス、ジャガーランドローバー、エアバスなども要請を受けた[357]。コングロマリットであるマクラーレン・グループは、簡易人工呼吸器の設計を検討し、また日産自動車は、既存の人工呼吸器メーカーの支援に向けて他社と協調する[353]。
3月20日、マット・ハンコック英保健相は「生産可能な台数はすべて必要になるし、買い上げる」と述べた[353]。
3月27日、家電メーカーダイソンが、政府の依頼を受けて10日間で設計した新型人工呼吸器CoVentを開発したと発表した[358]。新型コロナウイルス感染症の患者に特化して対応できるもので、4月初めまでに使用態勢が整う[358]。政府からの注文は1万台で、この他ダイソンは各国に5000台を寄付するとしている[358]。
掃除機や芝刈り機のメーカーのジーテック(Gtech)も2種類の人工呼吸器試作品を政府に提出して審査を受けている[358]。
米国には16万台の人工呼吸器があり、さらに国家戦略備品として1万2700台があるが、3月22日、トランプ大統領はフォード、ゼネラルモーターズ、テスラによる人工呼吸器製造を要請した[352]。GMはベンテック・ライフ・システムズと提携し、テスラはメドトロニックとの提携を発表した[352][359]。テスラは一時閉鎖していたニューヨーク州の太陽電池工場を再稼働させて人工呼吸器を組み立てるという[360]。また、既存メーカーから購入した数百台の人工呼吸器をニューヨーク市の病院に寄付した[360]。フォードは「危機を前に国を支えるために力を合わせることが不可欠だ。そうすることでこれまでにも増して強くなる」と述べた[352]。
これに先立ち、3月18日にトランプ大統領は、緊急時に政府が産業界を直接的に統制できる権限を付与する国防生産法を発動した[361][362][360]。
3月27日、トランプ米大統領は国防生産法に基づき、GMに人工呼吸器の生産を正式に命令した[360]。GMは同日、医療機器メーカーと組んで生産を始めると表明、トヨタ自動車も人工呼吸器メーカーの増産を支援すると発表した[360]。これにより、GMには連邦政府の発注を優先する義務が生じる[360]。GMはインディアナ州の電子部品工場に呼吸器の生産設備を導入し、4月から月間1万台のペースで生産する[360]。トヨタは人工呼吸器のメーカー2社と連携して部品供給や物流を支援し、また3Dプリンターで医療用の簡易フェースガードを生産し、マスクの生産準備も進めている[360]。
全米病院協会は、旧式の人工呼吸器の復活や、麻酔機器の転用を検討している[353]。国防総省から同協会へ2000台の人工呼吸器が寄贈された[353]。
オランダ電機大手フィリップスは3月22日、人工呼吸器の製造を今後約2カ月で倍増、9月までに4倍にすると発表した[363]。フィリップスは現在、週千台生産している[363]。ドイツのドレーゲルとも連携する[363]。
スイスの医療機器メーカー、ハミルトン・ボナドゥーツ株式会社は、感染拡大が最も深刻なイタリアに優先的に製品を届けており、2020年3月現在昨年1年分の販売台数1500~2000台が1カ月で売れるという[364]。クローズドループ制御換気機能のある最新世代の人工呼吸器の価格は約6万フラン(約670万円)[364]。
ハミルトンCEOヴィーランドは「スイスには現在、合計1000~1200台の人工呼吸器がある。もしイタリア同様に感染状況が深刻になれば、需要は絶対に満たせないだろう」と述べた[364]。
スイスのハミルトンの昨年の生産台数は1万5000台だったが、今年は約2万1000台を目指す。ハミルトンは年間10億ドル以上の規模の人工呼吸器のグローバル市場で、売上高シェア約4分の1を占める[353]。
ハミルトンはルーマニア工場で人工呼吸器用ホースを製造しているが、「重要な医療機器」を理由として数週間ルーマニア当局によって出荷が止められるという問題も発生したが、政府を通じて解決した[353]。
ドイツでは、感染拡大が始まる前に各病院が約2万台の人工呼吸器を保有していたが、連邦政府はドレーゲルベルクに1万台を発注した[353]。
レーベンスタイン・メディカル・イノベーションのフランス支社長クリストフ・ヘンツェは、フランスにおける需要は、通常は年間約1000―1500台だが、現在では週に数百台まで増加しているという[353]。
日本政府では経済産業省で人工呼吸器を3000台確保している[365]。
3月25日、旭化成は同社傘下の米国ゾールメディカルが米国内の部品メーカーから供給を受け増産し、現在の生産数の約25倍となる月1万台の生産を目指す[366][367]。
3月27日、広島大学トランス レーショナルリサーチセンターの木阪智彦准教授と国立病院機構新潟病院の石北直之医師は、3Dプリンターによる人工呼吸器代用装置のデータを無償提供すると発表した[368][369]。この装置は電気制御の必要がない[368]。
3月29日、西村康稔経済財政再生相は人工呼吸器増産に向けた調整を開始すると発表した[365]。
重症例に対してECMOが使用されている[370]。
飛沫感染や接触感染を防ぐために個人用防護具(personal protective equipment,PPE)が各種ある。保護衣(ガウン、エプロン)、マスク(N95マスク、サージカルマスク)、ゴーグル、フェイスシールド、手袋、帽子(キャップ)、シューカバーなど[371]。
初期の報告では重症化率が32%、死亡率が15%と高いものであったが[54]、症例の集積に伴い、現在では重症化率、死亡率はそれより低いことが判明している。WHOからの報告では軽症~中等症例が約80%、重症例が13.8%、重篤例が6.1%とされている[39]。死者の多くは、高血圧、糖尿病、免疫系を損なう心血管疾患など、他の疾患を併せ持っていた[373]。また、免疫系の過剰反応であるサイトカインストームによる重篤化するケースもある[374]。死亡に至った初期症例によると、疾病の判明から死亡までの中央値は14日であり、6日から41日までの幅があった[375]。
2020年現在の流行では致死率が時間とともに変化し、疾患が診断可能になるまで進行した感染者の割合が不明なため、感染による全体的な死亡率と罹患率も不明である[376][377]。致命率(致死率)は、感染者数に占める死者の割合で、2020年現在のように感染が流行している段階では、感染者数値が変動するのに応じて致死率も変動する(例えば2月6日時点で武漢の致死率4.1%、湖北省以外の地域0.17%[378]。2月17日時点で武漢の致死率3.2%[378]。2月18日時点で湖北省以外の地域の致死率は0.63%[378]など、これは治療中の重症患者が死亡するケースが増えているためとみられる[378])。
予備調査では2%から3%の致死率が得られている[379]。WHOの予備調査で致命率は3%程度と推定[380]。[要出典]
3月6日、厚生労働省は「最悪の場合、発症者は人口の1割を超える」とする流行シナリオを公表した[381][382]。そのシナリオは次のピーク時の医療需要の目安 (1日あたり)の式によって表される[382]。
なお、各地によってピーク期が異なるため、全国の人口で計算することや単純に各自治体が算出するピークの数値を足し合わせることは、不適切な取扱いとなることに留意する必要がある[382]。また、この式は今後変更される可能性がある[382]。
- 外来患者数:(0-14歳人口)×0.18/100+(15-64歳人口) ×0.29/100+(65歳以上人口) ×0.51/100
- 入院患者数:(0-14歳人口)×0.05/100+(15-64歳人口)×0.02/ 100+(65歳以上人口) ×0.56/100
- 重症者数:(0-14歳人口)×0.002/100+(15-64歳人口) ×0.001/100+(65歳以上人口) ×0.018/100
ピーク時は、感染が拡大した時点から概ね3か月後に到来すると推計されている[382]。ただし、公衆衛生対策を行うことで、ピークが下がるとともに後ろ倒しされる[382]。
3月11日、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)の長官ファウチ (Anthony S. Fauci) は中国を含めたデータから致死率は約3%だが、無症状患者もいるので実際の感染者はさらに多く、約1%と推定している[383]。[要出典]
3月12日、イギリスは最悪シナリオの罹患率はドイツの70%を上回る80% (全国民における割合)に設定して計画すると発表した[384]。
3月30日医学誌ランセットに発表した論文でICLの研究者は致死率(訳文では死亡率)を0.66%とした[385][386]。これ未確定例を含む場合で、感染確定例の死亡率は1.38%だった[385]。年齢別では80歳以上の死亡率は7.8%、50歳以上で入院確率が大幅に高くなり死亡率も高まり、40歳未満では0.16%、9歳未満の死亡率は0.00161%であった[386]。
致死率は、感染者が最終的には死亡か快復かで確定する。今後、どのように致死率が推移するか不明であるが、2020年5月1日現在の全世界の感染者の事象確定者が死亡
233,792人、診断された症例数3,276,373人であり致死率7.1%となる[387]。 同データベースを元にした日本の場合の致死率は3.1%(430/14,088)である。
WHOは、SARSについて当初は致死率は4%だとしていたが、最終的に致死率は9.6%と発表した[388]。
確認されている感染者と死亡者の比(国別)
COVID-19による進行中の致死率(国別)
致死率 | 備考 | |
---|---|---|
スペインインフルエンザ (スペイン風邪) (H1N1型)[389] |
2-2.5%[390] またはそれ以上 (日本:2%[注 9]) |
1918-1919年流行。 患者数:世界人口の25-33%または5億人[391] 死者:4,000万~1億人 (世界人口8億人)[391] (日本:患者2300万人、死亡者38万~45万人)[391] 第一波は感染性は高かったが致死性ではなかった。 第二波は10倍の致死率。15~35歳の若年者層において最多の致死となり死亡例の99%が65歳以下だった[391]。 |
アジアインフルエンザ (アジアかぜ) (H2N2亜型) |
0.5%[390] (日本:0.02%[注 10]) |
1956-1957年流行。 中華人民共和国の貴州省・雲南省で発生し、世界へ伝播した[392]。 死者:200万人 (世界人口28.5億人)[390] (日本:罹患300万人、死者5,700人)[392] |
エボラ出血熱 (アフリカ) |
80-90% (ウイルスによって異なる[393]) |
アフリカで1976年から度々流行[393]。 軍隊により封じ込め、住民を外出させないことで収束したこともある[390]。 2014年にギニア・リベリア・シエラレオネ・マリ・ナイジェリアで大流行[393]。 2018年以降はコンゴ民主共和国北キヴ州・イトゥリ州で大流行、2019年7月WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態 (PHEIC)」に指定した[393]。 予防:流行地域へ旅行しない。動物や患者に触れない。洞窟に入らない[393]。 モノネガウイルス目フィロウイルス科エボラウイルス属 (コウモリ由来のウイルス) |
高病原性鳥インフルエンザウイルス (H5N1型) |
30-80%[390] (または56%[394]-60%[389]) |
|
季節性インフルエンザ | 0.1% | [395][378] |
新型インフルエンザ (H1N1型) |
0.1%以下[390] (日本:0.001%、70歳以上は0.03%[395]) |
2009年流行。 死者:2万人 (世界人口68億人)[390] 「日本における2009年新型インフルエンザ」も参照。 |
風邪 (ヒトコロナウイルス229E、OC43、NL63、HKU1) | 不明 (非常に低い) | 人類全体に蔓延しており感染数は70億人とも推計され、風邪症候群の10〜15% (流行期35%) の原因を占める[396]。 ニドウイルス目コロナウイルス科 (ヒトコロナウイルス229E、OC43、NL63、HKU1の4種)[396] |
SARS (重症急性呼吸器症候群) |
9.6%[397]-11%[398] | 2002-2003年流行[397]。 ニドウイルス目コロナウイルス科 (コウモリ由来のウイルス) 致死率は24歳未満では1%未満、25〜44歳で6%、45〜64歳で15%、65歳以上で50%以上[397] |
MERS (中東呼吸器症候群) |
35% | 2012年から流行[399]。 ニドウイルス目コロナウイルス科 (ヒトコブラクダ由来ウイルス) |
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) |
不明。 以下、推定致死率。 *0.1-1% (米保健省ブレット・ジロワー次官補)[400][401] *0.66%(ICL)[385][386] *1%以下[402][401] *1% (NIAID[383]) *2-3% (予備調査[379]) |
2020年現在流行中。 ニドウイルス目コロナウイルス科 (コウモリ由来ウイルス) |
また、CDCはインフルエンザ・パンデミック重度指数 (Pandemic severity index, PSI) を作成している。
カテゴリー | 致命率 | 例 |
---|---|---|
1 | 0.1% 以下 | 季節性インフルエンザ、豚インフルエンザ[404][405] |
2 | 0.1–0.5% | アジアかぜ、香港かぜ |
3 | 0.5–1% | |
4 | 1.0%–2.0% | |
5 | 2.0% 以上 | スペインかぜ |
この節の加筆が望まれています。 |
中国武漢の病院でPCR検査により診断されたCOVID-19患者に対して、PCRと血液、血清の診断の詳細を調べる研究があった。39例中15例が治療後も腸管や血液にウイルスを有していた。また、同病院の16例の研究で、0日めに口腔サンプルが陰性でも5日めに肛門サンプルが陽性化したのが4例あり、また、血清検査では治療直後陰性が治療5日後に検査すると陽転化するものが多かったという[406]。
一方、PCR検査で陽性反応が出て入院し、その後の検査で陰性となり症状も落ち着いたため退院したが、最初の発症から2週間以上経過して再び検査で陽性となったケースも出てきており、ウイルスの再活性化か別の型などの再感染の可能性が指摘されている[407][408][409][410]。今後の研究が待たれる。
(注意:以下のガイドライン、対応策は随時改訂されるので、最新情報の確認が必要)
2020年2月4日、日本透析医学会は透析例への対応策[411]を発表した。
2月6日、日本産科婦人科学会が妊産婦への対応策[412]を発表した。
2月12日、日本環境感染学会は、「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第1版)」を公開した[413]。
2月16日、日本臨床腫瘍学会は、がん患者への対応を発表した。「明らかなエビデンスはないものの、米国CDC のガイダンス(2020年1月30日付)では、がんの罹患は重症化リスクの一つであるとされて」いる、また、「免疫抑制状態もリスク因子とされている」と記載されている[414]。
2月17日、日本医師会は、COVID-19への医療機関が講じるべき対応策の見直しを[415]配下の各医師会に通知し特設サイト にも掲載した[416]。要点は以下のとおり。
— 日本医師会、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対策の見直しについて(R02.2.17)」(PDF) - 新型コロナウイルス関連感染症 都道府県医師会宛て通知
- 「新型インフルエンザ等発生時の診療継続計画作りの手引き」(2013年8月31日) [417]も参照し院内感染を防ぎ診療継続計画を見直すこと[418]。
- 今後、PCR検査は原因不明の肺炎で重症化が疑われる事例が主体となる。
- 特に、高齢者/糖尿病・心不全・透析・呼吸器疾患(COPD等)などの基礎疾患のある人/免疫抑制薬、抗がん薬等の使用者/妊婦 など高リスク例への対応に注意し、速やかに帰国者・接触者相談センター(外部リンク直・厚労省案内サイト)に相談すること。
2月26日、日本感染症学会は「COVID-19に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第1版」を公表した。要点は以下のとおり[116]。
- 日本で行える治療は、現在、承認済薬剤の適応外使用である(手続要)。
- 抗ウイルス薬を開始すべき時期は、患者が低酸素血症を発症し、酸素投与が必要であることを必要条件とする。そのうえで、
- 概ね50歳未満の患者では肺炎を発症しても自然経過の中で治癒する例が多いため、必ずしも抗ウイルス薬を投与せずとも経過を観察してよい。
- 概ね50歳以上の患者では重篤な呼吸不全を起こす可能性が高く、死亡率も高いため、低酸素血症を呈し酸素投与が必要となった段階で抗ウイルス薬の投与を検討する。
- 糖尿病・心血管疾患・慢性肺疾患、喫煙による慢性閉塞性肺疾患、免疫抑制状態等のある患者においても上記2に準じる。
- 年齢にかかわらず、酸素投与と対症療法だけでは呼吸不全が悪化傾向にある例では抗ウイルス薬の投与を検討する。
— 日本感染症学会、「COVID-19に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第1版」(PDF)
- 抗ウイルス薬の選択としては、現時点で日本での入手可能性や有害事象等の観点より、ロピナビル・リトナビル(カレトラ®配合錠)、ファビピラビル(アビガン錠)を提示する。
- 他に使用できる可能性のある抗ウイルス薬には、レムデシビル、インターフェロン、クロロキン などがあるが、それらの効果や併用効果に関しては今後の知見が待たれる。
2月7日、武漢大学病院で検出された感染者のうち4割は、同大学病院で院内感染したと発表された[419]。患者138人のうち41%(57人)が院内感染で、17人が入院患者、40人が医療スタッフだった[420]。
韓国でも慶尚北道の病院で院内感染が発生した[421][420]。
日本の病院でも、牧田総合病院(東京都大田区)[422]、相模原中央病院[423]、相模原協同病院[424]、済生会有田病院(和歌山県湯浅町)[425]、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市[426])などで院内感染が発生し、一時的に休診となった。
病院での感染(院内感染)のおそれがあるため、厚生労働省は2月28日、オンライン診療の手続きを簡略化した[427]。
オンライン診療が認められるのは複数回受診しているかかりつけ医で同じ薬を処方してもらう場合などに限られる[427]。
オンライン診療の手順としては、スマートフォンのテレビ電話を通じて、かかりつけの医師の診察を受け、問診を受けると薬の処方箋が薬局に送られる[427]。薬局での服薬指導もスマートフォンで受けることができ、その後、薬が自宅に配送される[427]。
ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生学部のBruce Y. Leeは感染拡大を抑えるための社会的距離戦略として以下を列挙する[428]。(上記と重複するものもある)
中国疾病予防管理センターは2020年2月15日、新型コロナウイルスには感染経路が複数あり、(例えばノロウイルスのように)糞口・経口感染することが「急速な感染の一因だと考えることができる」と論文で発表している[429]。
中国の外食産業は新型コロナウイルスへの対策として非接触化を進めており、非接触配達サービスや非接触レストランが登場している[430]。
会社業務などではリモートワーク (テレワーク・在宅勤務) の推進が行われている[431][432]。仕事や学業を効率化し、会議なども最小化してメールでできること(特に連絡事項)はすべてメールやチャットを使用し、自宅でできる仕事は自宅で行う対策が取られる。
また遠隔接客ロボットも登場している[433]。
この節は世界的観点から説明されていない可能性があります。ノートでの議論と記事の発展への協力をお願いします。(2020年3月) |
厚生労働省は2020年3月1日、これまでの日本の集団感染(クラスター)事例にスポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テントなどがあったとし、換気が悪く、人が密集して過ごす空間、不特定多数の人が接触する場所に行くことを避けるよう勧告した[434]。
集団感染の事例としては、さっぽろ雪まつりでの屋台[435]、住宅設備展示会(北海道北見市)[436]、病院(東京[422]、相模原市[423][424]、和歌山県湯浅町での院内感染[425]、大阪のライブハウス[437]
[438][439]、ライブバー(北海道)[440]、名古屋市ではスポーツクラブ(感染36人)と福祉施設(感染45人)でクラスターが発生した[441]。
3月3日には、日本の集団感染9件では、そこからつながりのある感染者数が80人以上になることがわかった[436]。これは調査対象となった感染者260人のうち約30%を占める[436]。
韓国での感染者の行動履歴の事例では、はじめにキリスト教会で集団感染が発生し、うち一人が老人福祉施設の食堂で食事をして5人が感染。さらにその福祉施設会員の感染が病院で確認され、さらにその病院で院内感染が発生した[442]。
10人以上への感染拡大の感染源となった患者をスーパー・スプレッダーという[443]。韓国のMERS流行では特定の数名がスーパースプレッダーで、1人から86人に感染させた患者もいた[444]。
日本での新型コロナウイルス感染者の8割は他人に感染させていないが、残りの2割が1人以上の人に感染させており、1人から9人へ感染させた事例(屋形船)や、1人から12人へ感染させた事例(スポーツジム)もある[445]。感染症専門医忽那賢志もスーパースプレッダーにならないためには密集空間を避けるべきだとしている[444]。
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は3月9日、これまで集団感染が確認された場所は、1.換気の悪い密閉空間[注 11]、2.多くの人が密集、3.近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声という3つが重なった場であり、このような場所を避けるよう勧告した[446]。同会議は集団感染を防ぐために以下を強く推奨した[446]。
- 換気のために窓を開ける
- 会場を広くし、お互いの距離を1〜2mあける
- 近距離での会話や発声、高唱を避ける
- こまめな手指衛生、咳エチケットの徹底、共用品を使わない、使う場合は十分に消毒[446]
3月12日、第一種感染症指定医療機関である都立駒込病院の今村顕史感染症科長は、現在の日本の状況では流行を抑えるために一番重要なのはクラスター(感染集団)対策であるとする[381]。クラスターの中で複数の人に感染を広げている人が見つかったら、徹底的に接触者(濃厚接触者)を調べるとする[381]。ジムに通っていた陽性者で、濃厚接触者数が約1400人となった例があった[381]。
3月19日に専門家会議は、現状は持ちこたえているが、あるとき突然爆発的に患者が急増(オーバーシュート)して、医療が提供できなくなれば、強硬なロックダウン措置(都市封鎖・店舗閉鎖・外出自粛など)を取らざるを得なくなると懸念した[447]。その上で引き続き、集団感染 (クラスター)の早期発見、重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保を維持し、また各地域は感染状況に応じて、密閉空間でのイベントや集会(3つの条件の重なる場所)など感染リスクの高いものは徹底的に回避しながら、感染が拡大していない地域においては感染リスクの低い活動から徐々に解除することもありえるとした[447]。
上記までの見解を踏まえ、新型コロナウィルス厚生労働省対策本部では、リスク要因の一つである「換気の悪い密閉空間」を改善するため、多数の人が利用する商業施設等においてどのような換気を行えば良いのかについて、有識者の意見を聴取しつつ、文献、国際機関の基準、国内法令基準等を考察し、推奨される換気の方法として、「「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法」を取りまとめた。
3月28日、新型コロナウイルス感染症対策本部より、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」が発表され、この中で感染者を抑えること、医療提供体制や社会機能を維持することが重要であり、「三つの密」(密閉空間・密集場所・密接場面)を避けること、疫学調査等によるクラスター発生の封じ込めが推進された[448]。なお、この三つの密のある空間を「3密」と表現され[449]、広報されている[450]。
日本の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は3月2日に「感染症のなかには、大多数の人々が感染することによって、感染の連鎖が断ち切られ、感染していない人を保護する仕組みが機能できる」として集団免疫の考えに言及した[451]。
集団免疫は、市中感染が拡大する以前の隔離政策、またワクチンがない場合の対策として見なされている[451]。
東京大学名誉教授で獣医師の唐木英明は「新型コロナ騒動は、集団免疫を得るまでは終わらない。そうであれば、厳しい対策により感染者をゼロに近づけようと努力するのではなく、ドイツや英国に倣つて、医療崩壊を起こさないように注意しながら、ある程度の感染を容認して、集団免疫を得ることを考えるべきではないだろうか。そんなことをしたら死亡者が増える、という反対がある。しかし、感染の速度に関わらず、感染者が国民の最低60%にならないと新型コロナ問題は終わらないのだ。重症者の治療法を早期に確立して、死亡率を低下させることが最重要の課題である。」と指摘している[451]。
3月12日に英国政府は集団免疫で対策すると表明した[451]。
3月14日、イギリスの科学者は「社会距離戦略の即時実施提言」を発表し、政府の対応は不十分で、もっと厳しい「社会距離戦略」を速やかに実施すれば、国内の感染拡大を劇的に遅らせ、数万人の命を救うと主張した(3月16日迄に501人署名)[452][453]。また現時点で『集団免疫』を追求するのは有効ではないとした[453]。バーミンガム大学のウィレム・ファン・シャイク教授(微生物学)は、集団免疫の効果を目指すには、国内だけで3600万人が感染し回復しなくてはならないが、その人的コストの予測は不可能で、数万人から数十万人が死亡するとし、「NHSがパンクしてしまわないよう、数百万人の感染が長期間にわたり散発的に起きるように流行期間を引き伸ばすしかない」と述べた[453]。
イギリス保健省は「集団感染は、我々の行動計画の一部ではなく、感染症流行の自然な副産物だ。人命を救い、最も弱い立場の人たちを守り、NHSの負担を軽減することが、私たちの目標だ」とし、「感染対策はすでに封じ込めフェーズを過ぎて、感染拡大を遅らせる段階にきている」「今後数カ月の間に国内の免疫力がどういうレベルになるか、予測できている」と反論した[453]。
世界各国で感染拡大を抑えるために外出を制限する都市封鎖(ロックダウン)政策が取られた。
厚生労働省によれば、ウイルスなどによる感染対策の原則としては、
- (病原体を)持ち込まない
- (病原体を)持ち出さない
- (病原体を)拡げない
の3つがある[460]。
新型インフルエンザなどのウイルスによる感染対策には、医薬品による対策と、医薬品を使わない対策がある[461][462]。
→新型コロナ感染症の治療法、新規治療薬・予防薬参照
- 社会的距離を置く(Social distancing)
- 学校、職場、イベント、集会など日頃集団が密集するような空間で、相互に間隔を置く。
- 閉鎖 (Closures)
- 学校、職場、イベント、スポーツ、宗教的な集会、フェスティバル、会議など人が集まる場所の閉鎖。
- 検疫の強化、水際対策
- 個人レベルでの予防対策
- (2020年日本での感染例から厚労省は、密集した空間などでクラスターが発生したため、換気を良くする、お互いの距離を1〜2mあける、近距離での会話や高唱を避けるよう勧告した)
新型ウイルスに対して人間は免疫を持っていないので感染が拡大するが、ワクチンが使用できない場合はNPIsは感染を制御する有効な方法とされる[463]。これまでの疫学解析で、最も有効な対策の組み合わせを最適なタイミングで実施することでかなりの程度被害が抑えられる[461]。
パンデミック発生リスクのフェーズが3から4(効率的なヒト-ヒト感染の発生)になった段階[464]
で、サーベイランス(監視調査)中心の対策から、
といった戦略が段階的に検討され、さまざまな対策が実施される[461]。
参考:Nonpharmaceutical Interventions (NPIs)、Community Mitigation Guidelines(CDC)
など、他多数。
[脚注の使い方] |
(1) 現時点で日本での入手可能性や有害事象等の観点より、
- ロピナビル・リトナビル(カレトラ配合錠):抗HIV薬;プロテアーゼ阻害剤の合剤
- ファビピラビル(アビガン錠)
(2) 他に有効な可能性のある薬剤例として、
- レムデシビル(→ #レムデシビル (抗エボラ出血熱薬))
- インターフェロン
- クロロキン(→ #リン酸クロロキン_(抗マラリア薬)・ヒドロキシクロロキン(全身性エリテマトーデス治療薬))
3月2日、吸入ステロイド・喘息治療薬 シクレソニド の三例の著効例もサイトに掲載し反響を呼んだ。
<ref>
タグです。
「nikei
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていませんウィキメディア・コモンズには、新型コロナウイルス感染症 (2019年)に関連するカテゴリがあります。 |
分類 |
D
|
---|---|
外部リソース |
|
|
|
典拠管理 |
|
---|
Coronavirus disease 2019 (COVID-19) | |
---|---|
Other names |
|
Symptoms of COVID-19 | |
Pronunciation |
|
Specialty | Infectious disease |
Symptoms | Fever, cough, shortness of breath, loss of smell, none[4][5][6] |
Complications | Pneumonia, viral sepsis, acute respiratory distress syndrome, kidney failure |
Usual onset | 2–14 days (typically 5) from infection |
Causes | Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) |
Risk factors | Travel, viral exposure |
Diagnostic method | rRT-PCR testing, CT scan |
Prevention | Hand washing, face coverings, quarantine, social distancing |
Treatment | Symptomatic and supportive |
Frequency | 3,424,254[7] confirmed cases |
Deaths | 243,674 (7.1% of confirmed cases)[7] |
Coronavirus disease 2019 (COVID-19) is an infectious disease caused by severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2).[8] The disease was first identified in December 2019 in Wuhan, the capital of China's Hubei province, and has since spread globally, resulting in the ongoing 2019–20 coronavirus pandemic.[9][10] As of 3 May 2020, more than 3.42 million cases have been reported across 187 countries and territories, resulting in more than 243,000 deaths. More than 1.09 million people have recovered.[7]
Common symptoms include fever, cough, fatigue, shortness of breath, and loss of smell and taste.[5][11][12] While the majority of cases result in mild symptoms, some progress to viral pneumonia, multi-organ failure, or cytokine storm.[9][13][14] The time from exposure to onset of symptoms is typically around five days but may range from two to fourteen days.[5][15]
The virus is primarily spread between people during close contact,[a] often via small droplets produced by coughing,[b] sneezing, or talking.[6][16][18] The droplets usually fall to the ground or onto surfaces rather than remaining in the air over long distances.[6] People may also become infected by touching a contaminated surface and then touching their face.[6][16] On surfaces, the amount of virus declines over time until it is insufficient to remain infectious, but it may be detected for hours or days.[6][18][19][20] It is most contagious during the first three days after the onset of symptoms, although spread may be possible before symptoms appear and in later stages of the disease.[21] The standard method of diagnosis is by real-time reverse transcription polymerase chain reaction (rRT-PCR) from a nasopharyngeal swab.[22] Chest CT imaging may also be helpful for diagnosis in individuals where there is a high suspicion of infection based on symptoms and risk factors; however, guidelines do not recommend using it for routine screening.[23][24]
Recommended measures to prevent infection include frequent hand washing, maintaining physical distance from others (especially from those with symptoms), covering coughs, and keeping unwashed hands away from the face.[25][26] In addition, the use of a face covering is recommended for those who suspect they have the virus and their caregivers.[27][28] Recommendations for face covering use by the general public vary, with some authorities recommending against their use, some recommending their use, and others requiring their use.[28][29][30] Currently, there is not enough evidence for or against the use of masks (medical or other) in healthy individuals in the wider community.[6]
Currently, there is no available vaccine or specific antiviral treatment for COVID-19.[6] Management involves the treatment of symptoms, supportive care, isolation, and experimental measures.[31] The World Health Organization (WHO) declared the 2019–20 coronavirus outbreak a Public Health Emergency of International Concern (PHEIC)[32][33] on 30 January 2020 and a pandemic on 11 March 2020.[10] Local transmission of the disease has occurred in most countries across all six WHO regions.[34]
Symptom | Range |
---|---|
Fever | 83–99% |
Cough | 59–82% |
Loss of appetite | 40–84% |
Fatigue | 44–70% |
Shortness of breath | 31–40% |
Coughing up sputum | 28–33% |
Muscle aches and pains | 11–35% |
Fever is the most common symptom, although some older people and those with other health problems experience fever later in the disease.[4][35] In one study, 44% of people had fever when they presented to the hospital, while 89% went on to develop fever at some point during their hospitalization.[4][36]
Other common symptoms include cough, loss of appetite, fatigue, shortness of breath, sputum production, and muscle and joint pains.[4][5][37][38] Symptoms such as nausea, vomiting, and diarrhoea have been observed in varying percentages.[39][40][41] Less common symptoms include sneezing, runny nose, or sore throat.[42]
Some cases in China initially presented with only chest tightness and palpitations.[43]
A decreased sense of smell or disturbances in taste may occur.[44][45] Loss of smell was a presenting symptom in 30% of confirmed cases in South Korea.[12][46]
As is common with infections, there is a delay between the moment a person is first infected and the time he or she develops symptoms. This is called the incubation period. The incubation period for COVID‑19 is typically five to six days but may range from two to 14 days,[47][48] although 97.5% of people who develop symptoms will do so within 11.5 days of infection.[49]
A minority of cases do not develop noticeable symptoms at any point in time.[50][51] These asymptomatic carriers tend not to get tested, and their role in transmission is not yet fully known.[52][53] However, preliminary evidence suggests they may contribute to the spread of the disease.[54][55] In March 2020, the Korea Centers for Disease Control and Prevention (KCDC) reported that 20% of confirmed cases remained asymptomatic during their hospital stay.[55][56]
In some, the disease may progress to pneumonia, multi-organ failure, and death.[57][58] Neurological manifestations include seizures, stroke, encephalitis, and Guillain–Barré syndrome.[59] Cardiovascular-related complications may include heart failure, irregular electrical activity, blood clots, and heart inflammation.[60]
In some people, COVID‑19 may affect the lungs causing pneumonia. In those most severely affected, COVID-19 may rapidly progress to acute respiratory distress syndrome (ARDS) causing respiratory failure, septic shock, or multi-organ failure.[61][62] Complications associated with COVID‑19 include sepsis, abnormal clotting, and damage to the heart, kidneys, and liver. Clotting abnormalities, specifically an increase in prothrombin time, have been described in 6% of those admitted to hospital with COVID-19, while abnormal kidney function is seen in 4% of this group.[63] Approximately 20-30% of people who present with COVID‑19 demonstrate elevated liver enzymes (transaminases).[64] Liver injury as shown by blood markers of liver damage is frequently seen in severe cases.[65]
As COVID-19 is a new disease, many aspects as to how it spreads are under investigation.[6][16][18] The disease is spread during close contact, often by small droplets produced during coughing, sneezing, or talking.[6][18] The droplets are transmitted, and cause new infection, when inhaled by people in close contact (1 to 2 metres, 3 to 6 feet). They are produced during breathing out, however as they are relatively heavy, they usually fall to the ground or surfaces.[6][18]
After the droplets fall to floors or surfaces, they still can infect other people, if they touch contaminated surfaces and then their eyes, nose or mouth with unwashed hands.[6] On surfaces the amount of active virus decreases over time until it can no longer cause infection.[18] However, experimentally, the virus can survive on various surfaces for some time, (for example copper or cardboard for a few hours, and plastic or steel for a few days).[18][20] Surfaces are easily decontaminated with household disinfectants which kill the virus outside the human body or on the hands.[6] Notably, however disinfectants or bleach should never be swallowed or injected as a treatment or preventative measure, as this is harmful or potentially fatal.[66]
Sputum and saliva carry large amounts of virus.[6][16][18] Some medical procedures may result in the virus being transmitted easier than normal for such small droplets, known as airborne transmission.[6][18]
The virus is most contagious during the first three days after onset of symptoms, although spread is known to occur up to two days before symptoms appear (presymptomatic transmission) and in later stages of the disease.[16][18][67][68] Some people have been infected and recovered without showing symptoms, but uncertainties remain in terms of asymptomatic transmission.[18]
Although COVID-19 is not a sexually transmitted infection, kissing, intimate contact, and faecal oral routes are suspected to transmit the virus.[69][70]
Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2 (SARS-CoV-2) is a novel severe acute respiratory syndrome coronavirus, first isolated from three people with pneumonia connected to the cluster of acute respiratory illness cases in Wuhan.[71] All features of the novel SARS-CoV-2 virus occur in related coronaviruses in nature.[72] Outside the human body, the virus is killed by household soap, which bursts its protective bubble.[23]
SARS-CoV-2 is closely related to the original SARS-CoV.[73] It is thought to have a zoonotic origin. Genetic analysis has revealed that the coronavirus genetically clusters with the genus Betacoronavirus, in subgenus Sarbecovirus (lineage B) together with two bat-derived strains. It is 96% identical at the whole genome level to other bat coronavirus samples (BatCov RaTG13).[42] In February 2020, Chinese researchers found that there is only one amino acid difference in the binding domain of the S protein between the coronaviruses from pangolins and those from humans; however, whole-genome comparison to date found that at most 92% of genetic material was shared between pangolin coronavirus and SARS-CoV-2, which is insufficient to prove pangolins to be the intermediate host.[74]
The lungs are the organs most affected by COVID‑19 because the virus accesses host cells via the enzyme angiotensin-converting enzyme 2 (ACE2), which is most abundant in type II alveolar cells of the lungs. The virus uses a special surface glycoprotein called a "spike" (peplomer) to connect to ACE2 and enter the host cell.[75] The density of ACE2 in each tissue correlates with the severity of the disease in that tissue and some have suggested that decreasing ACE2 activity might be protective,[76][77] though another view is that increasing ACE2 using angiotensin II receptor blocker medications could be protective and these hypotheses need to be tested.[78] As the alveolar disease progresses, respiratory failure might develop and death may follow.[77]
SARS-CoV-2 may also cause respiratory failure through affecting the brainstem as other coronaviruses have been found to invade the central nervous system. The exact mechanism for SARS-CoV-2 remains unclear given the low levels of ACE2 in the brain and may first involve invasion of peripheral nerves.[79][80] Common neurological symptoms include a loss of smell, headaches, nausea, and vomiting. Encephalopathy has been noted to occur in some patients (and confirmed with imaging), with some reports of detection of the virus after cerebrospinal fluid assays although the presence of oligoclonal bands seems to be a common denominator in these patients.[81]
The virus also affects gastrointestinal organs as ACE2 is abundantly expressed in the glandular cells of gastric, duodenal and rectal epithelium[82] as well as endothelial cells and enterocytes of the small intestine.[83]
The virus can cause acute myocardial injury and chronic damage to the cardiovascular system.[84] An acute cardiac injury was found in 12% of infected people admitted to the hospital in Wuhan, China,[40] and is more frequent in severe disease.[85] Rates of cardiovascular symptoms are high, owing to the systemic inflammatory response and immune system disorders during disease progression, but acute myocardial injuries may also be related to ACE2 receptors in the heart.[84] ACE2 receptors are highly expressed in the heart and are involved in heart function.[84][86] A high incidence of thrombosis (31%) and venous thromboembolism (25%) have been found in ICU patients with COVID‑19 infections and may be related to poor prognosis.[87][88] Blood vessel dysfunction and clot formation (as suggested by high D-dimer levels) are thought to play a significant role in mortality, incidences of clots leading to pulmonary embolisms, and ischaemic events within the brain have been noted as complications leading to death in patients infected with SARS-CoV-2. Infection appears to set off a chain of vasoconstrictive responses within the body, constriction of blood vessels within the pulmonary circulation has also been posited as a mechanism in which oxygenation decreases alongside the presentation of viral pneumonia.[89]
Another common cause of death is complications related to the kidneys[89]—SARS-CoV-2 directly infects kidney cells, as confirmed in post-mortem studies. Acute kidney injury is a common complication and cause of death; this is more significant in patients with already compromised kidney function, especially in people with pre-existing chronic conditions such as hypertension and diabetes which specifically cause nephropathy in the long run.[90]
Autopsies of people who died of COVID‑19 have found diffuse alveolar damage (DAD), and lymphocyte-containing inflammatory infiltrates within the lung.[91]
Although SARS-COV-2 has a tropism for ACE2-expressing epithelial cells of the respiratory tract, patients with severe COVID‑19 have symptoms of systemic hyperinflammation. Clinical laboratory findings of elevated IL-2, IL-7, IL-6, granulocyte-macrophage colony-stimulating factor (GM-CSF), interferon-γ inducible protein 10 (IP-10), monocyte chemoattractant protein 1 (MCP-1), macrophage inflammatory protein 1-α (MIP-1α), and tumour necrosis factor-α (TNF-α) indicative of cytokine release syndrome (CRS) suggest an underlying immunopathology.[40]
Additionally, people with COVID‑19 and acute respiratory distress syndrome (ARDS) have classical serum biomarkers of CRS, including elevated C-reactive protein (CRP), lactate dehydrogenase (LDH), D-dimer, and ferritin.[92]
Systemic inflammation results in vasodilation, allowing inflammatory lymphocytic and monocytic infiltration of the lung and the heart. In particular, pathogenic GM-CSF-secreting T-cells were shown to correlate with the recruitment of inflammatory IL-6-secreting monocytes and severe lung pathology in COVID‑19 patients.[93] Lymphocytic infiltrates have also been reported at autopsy.[91]
The WHO has published several testing protocols for the disease.[95] The standard method of testing is real-time reverse transcription polymerase chain reaction (rRT-PCR).[96] The test is typically done on respiratory samples obtained by a nasopharyngeal swab; however, a nasal swab or sputum sample may also be used.[22][97] Results are generally available within a few hours to two days.[98][99] Blood tests can be used, but these require two blood samples taken two weeks apart, and the results have little immediate value.[100] Chinese scientists were able to isolate a strain of the coronavirus and publish the genetic sequence so laboratories across the world could independently develop polymerase chain reaction (PCR) tests to detect infection by the virus.[9][101][102] As of 4 April 2020[update], antibody tests (which may detect active infections and whether a person had been infected in the past) were in development, but not yet widely used.[103][104][105] The Chinese experience with testing has shown the accuracy is only 60 to 70%.[106] The FDA in the United States approved the first point-of-care test on 21 March 2020 for use at the end of that month.[107]
Diagnostic guidelines released by Zhongnan Hospital of Wuhan University suggested methods for detecting infections based upon clinical features and epidemiological risk. These involved identifying people who had at least two of the following symptoms in addition to a history of travel to Wuhan or contact with other infected people: fever, imaging features of pneumonia, normal or reduced white blood cell count, or reduced lymphocyte count.[108]
A study asked hospitalised COVID‑19 patients to cough into a sterile container, thus producing a saliva sample, and detected the virus in eleven of twelve patients using RT-PCR. This technique has the potential of being quicker than a swab and involving less risk to health care workers (collection at home or in the car).[109]
Along with laboratory testing, chest CT scans may be helpful to diagnose COVID-19 in individuals with a high clinical suspicion of infection but are not recommended for routine screening.[23][24] Bilateral multilobar ground-glass opacities with a peripheral, asymmetric, and posterior distribution are common in early infection.[23] Subpleural dominance, crazy paving (lobular septal thickening with variable alveolar filling), and consolidation may appear as the disease progresses.[23][110]
In late 2019, WHO assigned the emergency ICD-10 disease codes U07.1 for deaths from lab-confirmed SARS-CoV-2 infection and U07.2 for deaths from clinically or epidemiologically diagnosed COVID‑19 without lab-confirmed SARS-CoV-2 infection.[111]
Few data are available about microscopic lesions and the pathophysiology of COVID‑19.[112][113] The main pathological findings at autopsy are:
Preventive measures to reduce the chances of infection include staying at home, avoiding crowded places, keeping distance from others, washing hands with soap and water often and for at least 20 seconds, practising good respiratory hygiene, and avoiding touching the eyes, nose, or mouth with unwashed hands.[122][123][124] The CDC recommends covering the mouth and nose with a tissue when coughing or sneezing and recommends using the inside of the elbow if no tissue is available.[122] Proper hand hygiene after any cough or sneeze is encouraged.[122] The CDC has recommended the use of cloth face coverings in public settings where other social distancing measures are difficult to maintain, in part to limit transmission by asymptomatic individuals.[125] The U.S. National Institutes of Health guidelines do not recommend any medication for prevention of COVID‑19, before or after exposure to the SARS-CoV-2 virus, outside of the setting of a clinical trial.[126]
Social distancing strategies aim to reduce contact of infected persons with large groups by closing schools and workplaces, restricting travel, and cancelling large public gatherings.[127] Distancing guidelines also include that people stay at least 6 feet (1.8 m) apart.[128] There is no medication known to be effective at preventing COVID‑19.[129] After the implementation of social distancing and stay-at-home orders, many regions have been able to sustain an effective transmission rate ("Rt") of less than one, meaning the disease is in remission in those areas.[130] In a simple model needs on average over time be kept at or below zero to avoid exponential growth.[citation needed]
As a vaccine is not expected until 2021 at the earliest,[131] a key part of managing COVID‑19 is trying to decrease and delay the epidemic peak, known as "flattening the curve".[118] This is done by slowing the infection rate to decrease the risk of health services being overwhelmed, allowing for better treatment of current cases, and delaying additional cases until effective treatments or a vaccine become available.[118][121]
According to the WHO, the use of masks is recommended only if a person is coughing or sneezing or when one is taking care of someone with a suspected infection.[132] For the European Centre for Disease Prevention and Control (ECDC) face masks "... could be considered especially when visiting busy closed spaces ..." but "... only as a complementary measure ..."[133] Several countries have recommended that healthy individuals wear face masks or cloth face coverings (like scarves or bandanas) at least in certain public settings, including China,[134] Hong Kong,[135] Spain,[136] Italy (Lombardy region),[137] and the United States.[125]
Those diagnosed with COVID‑19 or who believe they may be infected are advised by the CDC to stay home except to get medical care, call ahead before visiting a healthcare provider, wear a face mask before entering the healthcare provider's office and when in any room or vehicle with another person, cover coughs and sneezes with a tissue, regularly wash hands with soap and water and avoid sharing personal household items.[27][138] The CDC also recommends that individuals wash hands often with soap and water for at least 20 seconds, especially after going to the toilet or when hands are visibly dirty, before eating and after blowing one's nose, coughing or sneezing. It further recommends using an alcohol-based hand sanitiser with at least 60% alcohol, but only when soap and water are not readily available.[122]
For areas where commercial hand sanitisers are not readily available, the WHO provides two formulations for local production. In these formulations, the antimicrobial activity arises from ethanol or isopropanol. Hydrogen peroxide is used to help eliminate bacterial spores in the alcohol; it is "not an active substance for hand antisepsis". Glycerol is added as a humectant.[139]
Prevention efforts are multiplicative, with effects far beyond that of a single spread. Each avoided case leads to more avoided cases down the line, which in turn can stop the outbreak in its tracks.
Handwashing instructions
People are managed with supportive care, which may include fluid therapy, oxygen support, and supporting other affected vital organs.[140][141][142] The CDC recommends that those who suspect they carry the virus wear a simple face mask.[27] Extracorporeal membrane oxygenation (ECMO) has been used to address the issue of respiratory failure, but its benefits are still under consideration.[36][143] Personal hygiene and a healthy lifestyle and diet have been recommended to improve immunity.[144] Supportive treatments may be useful in those with mild symptoms at the early stage of infection.[145]
The WHO, the Chinese National Health Commission, and the United States' National Institutes of Health have published recommendations for taking care of people who are hospitalised with COVID‑19.[126][146][147] Intensivists and pulmonologists in the U.S. have compiled treatment recommendations from various agencies into a free resource, the IBCC.[148][149]
Per the World Health Organization, as of April 2020, there is no specific treatment for COVID‑19.[6] On May 1, 2020, the United States gave Emergency Use Authorization (not full approval) for remdesivir in people hospitalized with severe COVID-19 after a study suggested it reduced the duration of recovery.[150] Researchers continue working on more effective treatments and many vaccine candidates are in development or testing phases.
For symptoms, some medical professionals recommend paracetamol (acetaminophen) over ibuprofen for first-line use.[151][152][153] The WHO and NIH do not oppose the use of non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) such as ibuprofen for symptoms,[126][154] and the FDA says currently there is no evidence that NSAIDs worsen COVID‑19 symptoms.[155]
While theoretical concerns have been raised about ACE inhibitors and angiotensin receptor blockers, as of 19 March 2020, these are not sufficient to justify stopping these medications.[126][156][157][158] One study from April 22 found that people with COVID-19 and hypertension had lower all-cause mortality when on these medications.[159]
Steroids, such as methylprednisolone, are not recommended unless the disease is complicated by acute respiratory distress syndrome.[160][161]
The Australasian Society of Clinical Immunology and Allergy recommend that tocilizumab should be considered as an off-label treatment option for those with COVID-19 related acute respiratory distress syndrome. It recommends this because of its known benefit in cytokine storm caused by a specific cancer treatment, and that cytokine storm may be a significant contributor to mortality in severe COVID-19. [162]
Medications to prevent blood clotting have been suggested for treatment,[87] and anticoagulant therapy with low molecular weight heparin appears to be associated with better outcomes in severe COVID‐19 showing signs of coagulopathy (elevated D-dimer).[163]
Precautions must be taken to minimise the risk of virus transmission, especially in healthcare settings when performing procedures that can generate aerosols, such as intubation or hand ventilation.[165] For healthcare professionals caring for people with COVID‑19, the CDC recommends placing the person in an Airborne Infection Isolation Room (AIIR) in addition to using standard precautions, contact precautions, and airborne precautions.[166]
The CDC outlines the guidelines for the use of personal protective equipment (PPE) during the pandemic. The recommended gear is a PPE gown, respirator or facemask, eye protection, and medical gloves.[167][168]
When available, respirators (instead of facemasks) are preferred.[169] N95 respirators are approved for industrial settings but the FDA has authorised the masks for use under an Emergency Use Authorisation (EUA). They are designed to protect from airborne particles like dust but effectiveness against a specific biological agent is not guaranteed for off-label uses.[170] When masks are not available, the CDC recommends using face shields or, as a last resort, homemade masks.[171]
Most cases of COVID‑19 are not severe enough to require mechanical ventilation or alternatives, but a percentage of cases are.[172][173] The type of respiratory support for individuals with COVID‑19 related respiratory failure is being actively studied for people in the hospital, with some evidence that intubation can be avoided with a high flow nasal cannula or bi-level positive airway pressure.[174] Whether either of these two leads to the same benefit for people who are critically ill is not known.[175] Some doctors prefer staying with invasive mechanical ventilation when available because this technique limits the spread of aerosol particles compared to a high flow nasal cannula.[172]
Severe cases are most common in older adults (those older than 60 years,[172] and especially those older than 80 years).[176] Many developed countries do not have enough hospital beds per capita, which limits a health system's capacity to handle a sudden spike in the number of COVID‑19 cases severe enough to require hospitalisation.[177] This limited capacity is a significant driver behind calls to flatten the curve.[177] One study in China found 5% were admitted to intensive care units, 2.3% needed mechanical support of ventilation, and 1.4% died.[36] In China, approximately 30% of people in hospital with COVID‑19 are eventually admitted to ICU.[4]
Mechanical ventilation becomes more complex as acute respiratory distress syndrome (ARDS) develops in COVID‑19 and oxygenation becomes increasingly difficult.[178] Ventilators capable of pressure control modes and high PEEP[179] are needed to maximise oxygen delivery while minimising the risk of ventilator-associated lung injury and pneumothorax.[180] High PEEP may not be available on older ventilators.[citation needed]
Therapy | Recommendations |
---|---|
High-flow nasal oxygen | For SpO2 <93%. May prevent the need for intubation and ventilation |
Tidal volume | 6mL per kg and can be reduced to 4mL/kg |
Plateau airway pressure | Keep below 30 cmH2O if possible (high respiratory rate (35 per minute) may be required) |
Positive end-expiratory pressure | Moderate to high levels |
Prone positioning | For worsening oxygenation |
Fluid management | Goal is a negative balance of 0.5–1.0L per day |
Antibiotics | For secondary bacterial infections |
Glucocorticoids | Not recommended |
Research into potential treatments started in January 2020,[181] and several antiviral drugs are in clinical trials.[182][183] Remdesivir appears to be the most promising.[129] Although new medications may take until 2021 to develop,[184] several of the medications being tested are already approved for other uses or are already in advanced testing.[185] Antiviral medication may be tried in people with severe disease.[140] The WHO recommended volunteers take part in trials of the effectiveness and safety of potential treatments.[186]
The FDA has granted temporary authorisation to convalescent plasma as an experimental treatment in cases where the person's life is seriously or immediately threatened. It has not undergone the clinical studies needed to show it is safe and effective for the disease.[187][188][189]
In February 2020, China launched a mobile app to deal with the disease outbreak.[190] Users are asked to enter their name and ID number. The app can detect 'close contact' using surveillance data and therefore a potential risk of infection. Every user can also check the status of three other users. If a potential risk is detected, the app not only recommends self-quarantine, it also alerts local health officials.[191]
Big data analytics on cellphone data, facial recognition technology, mobile phone tracking, and artificial intelligence are used to track infected people and people whom they contacted in South Korea, Taiwan, and Singapore.[192][193] In March 2020, the Israeli government enabled security agencies to track mobile phone data of people supposed to have coronavirus. The measure was taken to enforce quarantine and protect those who may come into contact with infected citizens.[194] Also in March 2020, Deutsche Telekom shared aggregated phone location data with the German federal government agency, Robert Koch Institute, to research and prevent the spread of the virus.[195] Russia deployed facial recognition technology to detect quarantine breakers.[196] Italian regional health commissioner Giulio Gallera said he has been informed by mobile phone operators that "40% of people are continuing to move around anyway".[197] German government conducted a 48 hours weekend hackathon with more than 42.000 participants.[198][199] Two million people in the UK used an app developed in March 2020 by King's College London and Zoe to track people with COVID‑19 symptoms.[200] Also, the president of Estonia, Kersti Kaljulaid, made a global call for creative solutions against the spread of coronavirus.[201]
Individuals may experience distress from quarantine, travel restrictions, side effects of treatment, or fear of the infection itself. To address these concerns, the National Health Commission of China published a national guideline for psychological crisis intervention on 27 January 2020.[202][203]
The Lancet published a 14-page call for action focusing on the UK and stated conditions were such that a range of mental health issues was likely to become more common. BBC quoted Rory O'Connor in saying, "Increased social isolation, loneliness, health anxiety, stress, and an economic downturn are a perfect storm to harm people's mental health and wellbeing."[204][205]
This article relies too much on references to primary sources. Please improve this by adding secondary or tertiary sources. (March 2020) (Learn how and when to remove this template message) |
The severity of COVID‑19 varies. The disease may take a mild course with few or no symptoms, resembling other common upper respiratory diseases such as the common cold. Mild cases typically recover within two weeks, while those with severe or critical diseases may take three to six weeks to recover. Among those who have died, the time from symptom onset to death has ranged from two to eight weeks.[42]
Children make up a small proportion of reported cases, with about 1% of cases being under 10 years and 4% aged 10–19 years.[18] They are likely to have milder symptoms and a lower chance of severe disease than adults; in those younger than 50 years the risk of death is less than 0.5%, while in those older than 70 it is more than 8%.[212][213][214] Pregnant women may be at higher risk for severe infection with COVID-19 based on data from other similar viruses, like SARS and MERS, but data for COVID-19 is lacking.[215][216] In China, children acquired infections mainly through close contact with their parents or other family members who lived in Wuhan or had traveled there.[212]
Some studies have found that the neutrophil to lymphocyte ratio (NLR) may be helpful in early screening for severe illness.[217]
Most of those who die of COVID‑19 have pre-existing (underlying) conditions, including hypertension, diabetes mellitus, and cardiovascular disease.[218] The Istituto Superiore di Sanità reported that out of 8.8% of deaths where medical charts were available for review, 97.2% of sampled patients had at least one comorbidity with the average patient having 2.7 diseases.[219] According to the same report, the median time between the onset of symptoms and death was ten days, with five being spent hospitalised. However, patients transferred to an ICU had a median time of seven days between hospitalisation and death.[219] In a study of early cases, the median time from exhibiting initial symptoms to death was 14 days, with a full range of six to 41 days.[220] In a study by the National Health Commission (NHC) of China, men had a death rate of 2.8% while women had a death rate of 1.7%.[221] Histopathological examinations of post-mortem lung samples show diffuse alveolar damage with cellular fibromyxoid exudates in both lungs. Viral cytopathic changes were observed in the pneumocytes. The lung picture resembled acute respiratory distress syndrome (ARDS).[42] In 11.8% of the deaths reported by the National Health Commission of China, heart damage was noted by elevated levels of troponin or cardiac arrest.[43] According to March data from the United States, 89% of those hospitalised had preexisting conditions.[222]
The availability of medical resources and the socioeconomics of a region may also affect mortality.[223] Estimates of the mortality from the condition vary because of those regional differences,[224] but also because of methodological difficulties. The under-counting of mild cases can cause the mortality rate to be overestimated.[225] However, the fact that deaths are the result of cases contracted in the past can mean the current mortality rate is underestimated.[226][227] Smokers were 1.4 times more likely to have severe symptoms of COVID‑19 and approximately 2.4 times more likely to require intensive care or die compared to non-smokers.[228]
Concerns have been raised about long-term sequelae of the disease. The Hong Kong Hospital Authority found a drop of 20% to 30% in lung capacity in some people who recovered from the disease, and lung scans suggested organ damage.[229] This may also lead to post-intensive care syndrome following recovery.[230]
Age | 0–9 | 10–19 | 20–29 | 30–39 | 40–49 | 50–59 | 60–69 | 70–79 | 80-89 | 90+ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Canada as of 29 April[231] | 0.0 | 0.2 | 0.6 | 5.5 | 17.3 | |||||
China as of 11 February[207] | 0.0 | 0.2 | 0.2 | 0.2 | 0.4 | 1.3 | 3.6 | 8.0 | 14.8 | |
Denmark as of 30 April[232] | 0.2 | 4.5 | 15.9 | 24.8 | 39.9 | |||||
Israel as of 30 April[233] | 0.0 | 0.0 | 0.5 | 0.5 | 1.4 | 2.8 | 9.3 | 24.5 | 33.3 | 27.3 |
Italy as of 28 April[210] | 0.1 | 0.0 | 0.1 | 0.3 | 0.9 | 2.6 | 9.8 | 24.2 | 29.0 | 24.7 |
Netherlands as of 25 April[234] | 0.0 | 0.3 | 0.1 | 0.2 | 0.5 | 1.5 | 7.6 | 23.2 | 30.0 | 29.3 |
Portugal as of 28 April[235] | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.2 | 0.7 | 3.0 | 8.7 | 17.2 | |
South Korea as of 30 April[208] | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.2 | 0.2 | 0.8 | 2.6 | 10.4 | 24.3 | |
Spain as of 29 April[209] | 0.3 | 0.4 | 0.2 | 0.3 | 0.6 | 1.4 | 4.7 | 13.7 | 20.8 | 21.6 |
Sweden as of 26 April[236] | 0.0 | 0.0 | 0.4 | 0.4 | 1.0 | 2.3 | 6.9 | 21.2 | 30.0 | 34.0 |
Switzerland as of 30 April[237] | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.1 | 0.0 | 0.5 | 2.8 | 10.5 | 25.2 |
Age | 0–19 | 20–44 | 45–54 | 55–64 | 65–74 | 75–84 | 85+ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
United States as of 16 March[238] | 0.0 | 0.1–0.2 | 0.5–0.8 | 1.4–2.6 | 2.7–4.9 | 4.3–10.5 | 10.4–27.3 |
Note: The lower bound includes all cases. The upper bound excludes cases that were missing data. |
0–9 | 10–19 | 20–29 | 30–39 | 40–49 | 50–59 | 60–69 | 70–79 | 80+ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Severe disease | 0.0 (0.0–0.0) |
0.04 (0.02–0.08) |
1.0 (0.62–2.1) |
3.4 (2.0–7.0) |
4.3 (2.5–8.7) |
8.2 (4.9–17) |
11 (7.0–24) |
17 (9.9–34) |
18 (11–38) |
Death | 0.0016 (0.00016–0.025) |
0.0070 (0.0015–0.050) |
0.031 (0.014–0.092) |
0.084 (0.041–0.19) |
0.16 (0.076–0.32) |
0.60 (0.34–1.3) |
1.9 (1.1–3.9) |
4.3 (2.5–8.4) |
7.8 (3.8–13) |
Total infection fatality rate is estimated to be 0.66% (0.39–1.3). Infection fatality rate is fatality per all infected individuals, regardless of whether they were diagnosed or had any symptoms. Numbers in parentheses are 95% credible intervals for the estimates. |
As of April 2020, it was unknown if past infection provides effective and long-term immunity in people who recover from the disease.[240][241] As those infected were reported to have developed protective antibodies, acquired immunity was presumed likely, based on the behaviour of other coronaviruses, in March 2020.[242] However, cases in which recovery from COVID‑19 was followed by positive tests for coronavirus at a later date have been reported.[243][244][245][246] These cases are believed to be lingering infection rather than reinfection,[246] or false positives due to remaining RNA fragments.[247] At least one long running research report showed that some of the other in humans circulating coronaviruses are often capable of reinfection after roughly a year.[248][249]
The virus is thought to be natural and has an animal origin,[72] through spillover infection.[250] The actual origin is unknown, but the first known cases of infection happened in China. By December 2019, the spread of infection was almost entirely driven by human-to-human transmission.[207][251] A study of the first 41 cases of confirmed COVID‑19, published in January 2020 in The Lancet, revealed the earliest date of onset of symptoms as 1 December 2019.[252][253][254] Official publications from the WHO reported the earliest onset of symptoms as 8 December 2019.[255] Human-to-human transmission was confirmed by the WHO and Chinese authorities by 20 January 2020.[256][257]
Several measures are commonly used to quantify mortality.[258] These numbers vary by region and over time and are influenced by the volume of testing, healthcare system quality, treatment options, time since the initial outbreak, and population characteristics such as age, sex, and overall health.[259]
The death-to-case ratio reflects the number of deaths divided by the number of diagnosed cases within a given time interval. Based on Johns Hopkins University statistics, the global death-to-case ratio is 7.1% (243,674/3,424,254) as of 3 May 2020.[7] The number varies by region.[260]
Other measures include the case fatality rate (CFR), which reflects the percent of diagnosed individuals who die from a disease, and the infection fatality rate (IFR), which reflects the percent of infected individuals (diagnosed and undiagnosed) who die from a disease. These statistics are not time-bound and follow a specific population from infection through case resolution. Many academics have attempted to calculate these numbers for specific populations.[261]
Outbreaks have occurred in prisons due to crowding and an inability to enforce adequate social distancing.[262] In the United States, the prisoner population is aging and many of them are at high risk for poor outcomes from COVID-19 due to high rates of coexisting heart and lung disease, and poor access to high-quality healthcare.[262]
Our World in Data states that as of March 25, 2020, the infection fatality rate (IFR) cannot be accurately calculated.[265] In February, the World Health Organization estimated the IFR at 0.94%, with a confidence interval between 0.37 percent to 2.9 percent.[266] The University of Oxford Centre for Evidence-Based Medicine (CEBM) estimated a global CFR of 0.72 percent and IFR of 0.1 percent to 0.36 percent.[267] According to CEBM, random antibody testing in Germany suggested an IFR of 0.37% (0.12% to 0.87%) there, but there have been concerns about false positives.[267][268][269][1] Firm lower limits of infection fatality rates have been established in a number of locations. In New York City, with a population if 8.4 million, as of April 25, 16,673 (0.20% of the population) have died from COVID-19, and 20,800 (0.25% of the population) excess deaths have occurred, and in Bergamo province, where 0.57% of the population has died.[270][271][272] To get a better view on the number of people infected, initial antibody testing has been carried out but there are no valid scientific reports based on them yet and a newspaper article provides a survey.[273][274] In a preprint from Denmark, with antibody tests in blood donors an infection fatality rate of 0.082% (0.059% - 0.154%) among people aged 17-69 years was found.[275]
The impact of the pandemic and its mortality rate are different for men and women.[276] Mortality is higher in men in studies conducted in China and Italy.[277][278][279] The higher risk for men appears in their 50s, and begins to taper off only at 90.[279] In China, the death rate was 2.8 percent for men and 1.7 percent for women.[279] The exact reasons for this sex-difference are not known, but genetic and behavioural factors could be a reason.[276] Sex-based immunological differences, a lower prevalence of smoking in women, and men developing co-morbid conditions such as hypertension at a younger age than women could have contributed to the higher mortality in men.[279] In Europe, of those infected with COVID‑19, 57% were men; of those infected with COVID‑19 who also died, 72% were men.[280] As of April 2020, the U.S. government is not tracking sex-related data of COVID‑19 infections.[281] Research has shown that viral illnesses like Ebola, HIV, influenza, and SARS affect men and women differently.[281] A higher percentage of health workers, particularly nurses, are women, and they have a higher chance of being exposed to the virus.[282] School closures, lockdowns, and reduced access to healthcare following the 2019–20 coronavirus pandemic may differentially affect the genders and possibly exaggerate existing gender disparity.[276][283]
During the initial outbreak in Wuhan, China, the virus and disease were commonly referred to as "coronavirus" and "Wuhan coronavirus",[284][285][286] with the disease sometimes called "Wuhan pneumonia".[287][288] In the past, many diseases have been named after geographical locations, such as the Spanish flu,[289] Middle East Respiratory Syndrome, and Zika virus.[290]
In January 2020, the World Health Organisation recommended 2019-nCov[291] and 2019-nCoV acute respiratory disease[292] as interim names for the virus and disease per 2015 guidance and international guidelines against using geographical locations (e.g. Wuhan, China), animal species or groups of people in disease and virus names to prevent social stigma.[293][294][295]
The official names COVID‑19 and SARS-CoV-2 were issued by the WHO on 11 February 2020.[296] WHO chief Tedros Adhanom Ghebreyesus explained: CO for corona, VI for virus, D for disease and 19 for when the outbreak was first identified (31 December 2019).[297] The WHO additionally uses "the COVID‑19 virus" and "the virus responsible for COVID‑19" in public communications.[296] Both the disease and virus are commonly referred to as "coronavirus" in the media and public discourse.
After the initial outbreak of COVID‑19, conspiracy theories, misinformation and disinformation emerged regarding the origin, scale, prevention, treatment and other aspects of the disease and rapidly spread online.[298][299][300][301][excessive citations]
In Austria, 39% fewer persons sought help for cardiac symptoms in the month of March. A study estimated that there were 110 incidents of preventable cardiac death as compared to 86 confirmed deaths from Coronavirus as of March 29.[302]
A preliminary study in the U.S. found 38% under-utilization of cardiac care units as compared to normal.[303] The head of cardiology at the University of Arizona has stated, “My worry is some of these people are dying at home because they’re too scared to go to the hospital.”[304][305]
There is also concern that persons with symptoms of stroke and appendicitis are delaying seeking help.[304]
Humans appear to be capable of spreading the virus to some other animals. A domestic cat in Liège, Belgium, tested positive after it started showing symptoms (diarrhoea, vomiting, shortness of breath) a week later than its owner, who was also positive.[306] Tigers at the Bronx Zoo in New York, United States, tested positive for the virus and showed symptoms of COVID‑19, including a dry cough and loss of appetite.[307] Minks at two farms in the Netherlands also tested positive for COVID-19.[308]
A study on domesticated animals inoculated with the virus found that cats and ferrets appear to be "highly susceptible" to the disease, while dogs appear to be less susceptible, with lower levels of viral replication. The study failed to find evidence of viral replication in pigs, ducks, and chickens.[309]
No medication or vaccine is approved to treat the disease.[185] International research on vaccines and medicines in COVID‑19 is underway by government organisations, academic groups, and industry researchers.[310][311] In March, the World Health Organisation initiated the "SOLIDARITY Trial" to assess the treatment effects of four existing antiviral compounds with the most promise of efficacy.[312]
There has been a great deal of COVID-19 research, involving accelerated research processes and publishing shortcuts to meet the global demand. To minimise the impact of misinformation, medical professionals and the public are advised to expect rapid changes to available information, and to be attentive to retractions and other updates.[313]
There is no available vaccine, but various agencies are actively developing vaccine candidates. Previous work on SARS-CoV is being used because both SARS-CoV and SARS-CoV-2 use the ACE2 receptor to enter human cells.[314] Three vaccination strategies are being investigated. First, researchers aim to build a whole virus vaccine. The use of such a virus, be it inactive or dead, aims to elicit a prompt immune response of the human body to a new infection with COVID‑19. A second strategy, subunit vaccines, aims to create a vaccine that sensitises the immune system to certain subunits of the virus. In the case of SARS-CoV-2, such research focuses on the S-spike protein that helps the virus intrude the ACE2 enzyme receptor. A third strategy is that of the nucleic acid vaccines (DNA or RNA vaccines, a novel technique for creating a vaccination). Experimental vaccines from any of these strategies would have to be tested for safety and efficacy.[315]
On 16 March 2020, the first clinical trial of a vaccine started with four volunteers in Seattle, United States. The vaccine contains a harmless genetic code copied from the virus that causes the disease.[316]
Antibody-dependent enhancement has been suggested as a potential challenge for vaccine development for SARS-COV-2, but this is controversial.[317]
At least 29 phase II–IV efficacy trials in COVID‑19 were concluded in March 2020 or scheduled to provide results in April from hospitals in China.[318][319] There are more than 300 active clinical trials underway as of April 2020.[129] Seven trials were evaluating already approved treatments, including four studies on hydroxychloroquine or chloroquine.[319] Repurposed antiviral drugs make up most of the Chinese research, with nine phase III trials on remdesivir across several countries due to report by the end of April.[318][319] Other candidates in trials include vasodilators, corticosteroids, immune therapies, lipoic acid, bevacizumab, and recombinant angiotensin-converting enzyme 2.[319]
The COVID‑19 Clinical Research Coalition has goals to 1) facilitate rapid reviews of clinical trial proposals by ethics committees and national regulatory agencies, 2) fast-track approvals for the candidate therapeutic compounds, 3) ensure standardised and rapid analysis of emerging efficacy and safety data and 4) facilitate sharing of clinical trial outcomes before publication.[320][321]
Several existing medications are being evaluated for the treatment of COVID‑19,[185] including remdesivir, chloroquine, hydroxychloroquine, lopinavir/ritonavir, and lopinavir/ritonavir combined with interferon beta.[312][322] There is tentative evidence for efficacy by remdesivir, as of March 2020.[323][324] Clinical improvement was observed in patients treated with compassionate-use remdesivir.[325] Remdesivir inhibits SARS-CoV-2 in vitro.[326] Phase III clinical trials are underway in the U.S., China, and Italy.[185][318][327]
In 2020, a trial found that lopinavir/ritonavir was ineffective in the treatment of severe illness.[328] Nitazoxanide has been recommended for further in vivo study after demonstrating low concentration inhibition of SARS-CoV-2.[326]
There are mixed results as of 3 April 2020 as to the effectiveness of hydroxychloroquine as a treatment for COVID‑19, with some studies showing little or no improvement.[329][330] The studies of chloroquine and hydroxychloroquine with or without azithromycin have major limitations that have prevented the medical community from embracing these therapies without further study.[129]
Oseltamivir does not inhibit SARS-CoV-2 in vitro and has no known role in COVID‑19 treatment.[129]
Cytokine release syndrome (CRS) can be a complication in the later stages of severe COVID‑19. There is preliminary evidence that hydroxychloroquine may have anti-cytokine storm properties.[331]
Tocilizumab has been included in treatment guidelines by China's National Health Commission after a small study was completed.[332][333] It is undergoing a phase 2 non-randomised trial at the national level in Italy after showing positive results in people with severe disease.[334][335] Combined with a serum ferritin blood test to identify cytokine storms, it is meant to counter such developments, which are thought to be the cause of death in some affected people.[336][337][338] The interleukin-6 receptor antagonist was approved by the FDA to undergo a phase III clinical trial assessing the medication's impact on COVID‑19 based on retrospective case studies for the treatment of steroid-refractory cytokine release syndrome induced by a different cause, CAR T cell therapy, in 2017.[339] To date, there is no randomised, controlled evidence that tocilizumab is an efficacious treatment for CRS. Prophylactic tocilizumab has been shown to increase serum IL-6 levels by saturating the IL-6R, driving IL-6 across the blood-brain barrier, and exacerbating neurotoxicity while having no impact on the incidence of CRS.[340]
Lenzilumab, an anti-GM-CSF monoclonal antibody, is protective in murine models for CAR T cell-induced CRS and neurotoxicity and is a viable therapeutic option due to the observed increase of pathogenic GM-CSF secreting T-cells in hospitalised patients with COVID‑19.[341]
The Feinstein Institute of Northwell Health announced in March a study on "a human antibody that may prevent the activity" of IL-6.[342]
Transferring purified and concentrated antibodies produced by the immune systems of those who have recovered from COVID‑19 to people who need them is being investigated as a non-vaccine method of passive immunisation.[343] This strategy was tried for SARS with inconclusive results.[343] Viral neutralisation is the anticipated mechanism of action by which passive antibody therapy can mediate defence against SARS-CoV-2. Other mechanisms, however, such as antibody-dependent cellular cytotoxicity and/or phagocytosis, may be possible.[343] Other forms of passive antibody therapy, for example, using manufactured monoclonal antibodies, are in development.[343] Production of convalescent serum, which consists of the liquid portion of the blood from recovered patients and contains antibodies specific to this virus, could be increased for quicker deployment.[344]
... 52 critically ill adult patients ... fever (98%) ... [of which] fever was not detected at the onset of illness in six (11·5%) ...
|journal=
(help)
U07.2—COVID-19, virus not identified—COVID-19 NOS—Use this code when COVID-19 is diagnosed clinically or epidemiologically but laboratory testing is inconclusive or not available. Use additional code, if desired, to identify pneumonia or other manifestations
A key issue for epidemiologists is helping policy makers decide the main objectives of mitigation—e.g. minimising morbidity and associated mortality, avoiding an epidemic peak that overwhelms health-care services, keeping the effects on the economy within manageable levels, and flattening the epidemic curve to wait for vaccine development and manufacture on scale and antiviral drug therapies.
Disposable medical masks: Recommended for: · People in crowded places · Indoor working environment with a relatively dense population · People going to medical institutions · Children in kindergarten and students at school gathering to study and do other activities[permanent dead link]
Wear a surgical mask when taking public transport or staying in crowded places.
|journal=
(help)
|journal=
(help)
Scholia has a topic profile for Coronavirus disease 2019. |
Classification | D
|
---|
Diseases of the respiratory system (J, 460–519) | |||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Upper RT (including URTIs, common cold) |
| ||||||||||||||||||||||
Lower RT/lung disease (including LRTIs) |
| ||||||||||||||||||||||
Pleural cavity/ mediastinum |
| ||||||||||||||||||||||
Other/general |
|
Infectious diseases – viral systemic diseases (A80–B34, 042–079) | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Oncovirus |
| ||||||||
Immune disorders |
| ||||||||
Central nervous system |
| ||||||||
Cardiovascular |
| ||||||||
Respiratory system/ acute viral nasopharyngitis/ viral pneumonia |
| ||||||||
Human digestive system |
| ||||||||
Urogenital |
|
2019–20 coronavirus pandemic | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
Authority control |
|
---|
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
リンク元 | 「SARS-CoV-2」「ファビピラビル」「レムデシビル」「指定感染症」「ヒドロキシクロロキン」 |
.