- 英
- influenza encephalopathy
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6%E8%84%B3%E7%97%87
- 2. [charged] 小児および思春期における急性ウイルス性脳炎:発症機序および病因 - uptodate [1]
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/12/12 07:47:15」(JST)
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インフルエンザ脳症(インフルエンザのうしょう)とは、インフルエンザウイルス感染に伴う発熱後、急速に神経障害・意識障害を伴う症候。病型は、急性壊死性脳症、ライ症候群、HSE症候群(hemorrhagic shock and encephalopathy syndrome、出血性ショック脳症症候群)などに分類されている[1]。また、狭義の意味として「インフルエンザ脳症」=「急性壊死性脳症」という使い方もある。
目次
- 1 急性壊死性脳症
- 2 ライ症候群
- 3 異常行動に対する注意
- 4 脚注
- 5 関連項目
急性壊死性脳症
狭義のインフルエンザ脳症。5歳以下(特に1~3歳)に好発し、A型インフルエンザ(A香港型)が原因のことが多い。発熱して平均1.4日後に発症する。嘔吐・下痢・腎機能障害とともに意識障害も出現する。血小板が減少しDIC(播種性血管内凝固症候群)になることもある。原因は不明であるが、40℃以上の発熱の数時間継続と解熱剤のNSAIDs内服など、何らかの原因で脳の血管内皮細胞が障害されて起こるということがわかっている。インフルエンザに感染すると、サイトカインの産生が高まりミトコンドリアのエネルギー代謝が低下し[2]、脂肪代謝系のCPT2への依存度が高まるが発熱継続によりCPT2の酵素活性が落ち、CPT2遺伝子多型患者の場合はミトコンドリアが更にエネルギー不足に陥るためにインフルエンザ脳症を起こしやすいことがわかっている[3][4]。ちなみに、DICを合併した場合をHSE症候群という。
治療
発熱によるCPT-II酵素失活により長鎖脂肪酸の利用が阻害されていることから、70%高炭水化物食と中鎖脂肪酸摂取が推奨されている。また頻回の食餌摂取、解熱も薦められている。ベザフィブラートにはCPT-II転写活性作用があり、インフルエンザ脳症への効果が期待されている。[5]
ライ症候群
6~12歳に好発し、B型インフルエンザが原因のことが多い。他、水痘・帯状疱疹ウイルスなどでも生じる。発熱して5~7日後に発症することが多い。嘔吐・意識障害・痙攣を生じる。また、高度の肝機能障害・低血糖・高アンモニア血症も伴うことがある。解熱剤のアスピリンに含まれるサリチル酸がミトコンドリアを障害するという説がある。
詳細は「ライ症候群」を参照
実際はインフルエンザウイルスが発症者の脳から検出されたことはなく、メフェナム酸(ポンタール)やジクロフェナク(ボルタレン)といった、強すぎて海外では既に使われていないが日本国内では認可されている解熱剤により発症するという意見も無視することはできない。
異常行動に対する注意
小児は、高熱を出した際に、熱性譫妄(ねっせいせんもう)と言って、幻視、幻覚を見て、異常行動をする場合がある。例えば、壁に実際は存在しないアニメのキャラクターが見えると言って笑ったり、意味不明の言葉を喋ったり、理由もなく怯えたりすることがある。これがインフルエンザ脳症の初期症状であることもあるため、このような初期症状がみられた場合には、注意が必要であると専門家は喚起している。
また、インフルエンザ感染症の治療薬であるタミフルの副作用で異常行動を生じるという指摘もあり、厚生労働省は検証を進めている。
脚注
- ^ 水口雅「インフルエンザ脳症ガイドライン改訂版にもとづく治療」、『日本薬剤師会雑誌』第62巻第11号、2010年11月、 p.p.1433-1437、 ISSN 0369-674X。
- ^ 【解説】インフルエンザ脳症の遺伝子多型 - 40度以上の高熱持続が脳症発症の引き金に - 日経メディカルオンライン 記事:2011年11月28日、閲覧:2011年12月16日
- ^ アボット感染症アワーラジオNIKKEI 2009年8月28日放送
- ^ Dengbing Yao, Hiroshi Mizuguchi, Miyoko Yamaguchi, Hiroshi Yamada, Junji Chida, Koji Shikata, Hiroshi Kido; Thermal instability of compound variants of carnitine palmitoyltransferase II and impaired mitochondrial fuel utilization in influenza-associated encephalopathy.Human Mutation vol.29,2008,718-727 PMID 18306170
- ^ Yao M, et al. Bezafibrate upregulates carnitine palmitoyltransferase II expression and promotes mitochondrial energy crisis dissipation in fibroblsts of patients with infuluenza-associated encephalopathy. Mol Genet Metab, 2011;104(3):265-272.
関連項目
- インフルエンザウイルス
- インフルエンザ
- ウイルス性急性脳症
- 小児科学
- 脳神経外科学
- クニミツの政 - 薬の副作用やライ症候群との関連が描写された(読者の抗議や指摘などで単行本では注釈がつけられている)。
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- 専門家に聞くインフルエンザウイルス講座(第10回)インフルエンザ脳症の最新知見
- 酵素タンパク質分解の促進と熱変性が引き起こす感染重症化に伴うインフルエンザ脳症の病態医科学
- 人間健康学部 文部科学省「地(知)の拠点整備事業」特別講演会 インフルエンザの重症化、インフルエンザ脳症の発症に係わる糖と脂質の代謝不全、その治療法
- インフルエンザ脳症 (増大特集 神経疾患と感染症update)
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★リンクテーブル★
[★]
- 意識障害患者の頭部MRIのFLAIR像(別冊No. 6A、B)を別に示す。最も可能性が高いのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [110I021]←[国試_110]→[110I023]
[★]
- 英
- excess mortality, excess death, excess deaths
- ある集団において、通常考えられる、あるいは期待される以上の死亡数の増加(南山堂医学事典)
- 例えば、インフルエンザウイルス感染症では、
- 1.高齢者、特に慢性肺疾患、消耗性基礎疾患患者の重篤な肺炎
- 2.幼児のインフルエンザ脳症・脳炎の合併症
[★]
インフルエンザ脳症
[★]
- 英
- encephalopathy
脳症の一覧
[★]
- 英
- influenza, Flu, flu
- 同
- 流行性感冒、epidemic catarrh
- 関
- インフルエンザウイルス。A型インフルエンザ、B型インフルエンザ
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概念
病原体
潜伏期間
感染経路
疫学
症状
合併症
- 気道粘膜の抵抗性低下、貪食細胞の機能低下による。
- 起炎菌:黄色ブドウ球菌、肺炎連鎖菌、インフルエンザ桿菌。
- 中枢神経合併症で小児に見られる。インフルエンザ及び水痘感染に際してみられる重篤な合併症。新形態射精疾患(急性非炎症性脳炎、脂肪肝から肝機能障害も起こす)。解熱剤として使われたアスピリンとの因果関係がある、らしい。このため、インフルエンザの解熱、とりわけ小児についてはアセトアミノフェンを使うこととなっている。
- A型インフルエンザウイルスによる上気道炎回復後2-3週間に発症。脳炎タイプは一過性で予後はよい。脳症タイプは予後が悪い。
経過
- 全身症状(発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛)→局所症状(咳、咽頭痛)→鼻汁、結膜充血、流涙→局所症状の始まりから2-3日で回復
- 感染力は発症直前から発症後3日までが最も強い。発症から7日間はウイルスを排出する。
治療
治療薬
検査
- ウイルス分離:MDCK細胞に接種しCPEの観察。発育鶏卵を利用した羊膜amniotic cavity内接種。尿膜allantoic cavity内培養
- ウイルス粒子検出:PCR
- 血清診断:ペア血清を用いて、赤血球凝集抑制試験、補体結合反応、中和試験で診断
予防
- 香港A型、ソ連A型、およびB型のウイルスが含まれる
- 精製ウイルスからエーテル処理により脂質を除去したもの
- →表面抗原に対する抗体は誘導されない→感染時に症状を軽減する効果
法令
[★]
- 英
- sis, pathy