- 英
- magnesium oxide
- ラ
- magnesii oxydum
- 商
- アイスフラット、アクアスチン配合、アシドレス配合、イリコロンM配合、ウィットコップ、エクセラーゼ配合、カイマックス、カマグG、コランチル配合、タイメック、タイメック配合、ディクアノン、ディクアノン配合、フランセチン・T・パウダー、マーレッジ、マーロックス、マグテクト配合、マグミット、マグラックス、マックメット、マルファ、マルファ配合、マロゲン、ミルマグ、ラベプラゾールナトリウム、リタロクス、レスポリックス配合、軽カマ、軽炭マ、重カマ、重質酸化マグネシウム、重質炭酸マグネシウム、重炭マ、炭酸マグネシウム
- 関
- 軽質酸化マグネシウム:> 30mL / 5g ? :粉末の体積が大きいので飛散しやすく取り扱いにくい。
- 重質酸化マグネシウム:≦ 30mL / 5g :作用の発現が軽質のものにくらべて遅い。
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/08 16:19:45」(JST)
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酸化マグネシウム |
|
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
1309-48-4 |
特性 |
化学式 |
MgO |
モル質量 |
40.3044 g mol−1 |
外観 |
無色結晶 |
密度 |
3.65 g/cm3(固体) |
融点 |
2852 °C
|
沸点 |
3600 °C
|
水への溶解度 |
加水分解、0.0086 g / 100 cm3[1] |
構造 |
結晶構造 |
立方晶系(塩化ナトリウム型構造) |
配位構造 |
8面体6配位 |
熱化学 |
標準生成熱 ΔfHo |
−601.7 kJ mol−1[2] |
標準モルエントロピー So |
26.94 J mol−1K−1 |
標準定圧モル比熱, Cpo |
37.15 J mol−1K−1 |
危険性 |
MSDS |
ICSC 0504 |
EU Index |
Not listed |
引火点 |
不燃性 |
関連する物質 |
その他の陰イオン |
硫化マグネシウム |
その他の陽イオン |
酸化ベリリウム
酸化カルシウム
酸化ストロンチウム
酸化バリウム |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
酸化マグネシウム(さんかマグネシウム、magnesium oxide)はマグネシウムの酸化物で、化学式MgOの化合物。白色または灰色の固体。マグネシア乳(milk of magnesia[3])、カマ[4]、カマグとも呼ばれる。
目次
- 1 製法
- 2 性質
- 3 医薬品
- 4 融雪剤
- 5 反応
- 6 関連項目
- 7 脚注
- 8 外部リンク
製法
金属マグネシウムを燃焼させると生成する。
- 2Mg + O2 → 2MgO
水酸化マグネシウムあるいは炭酸マグネシウムを加熱分解すると生成する[5]。
- Mg(OH)2 → MgO + H2O
- MgCO3 → MgO + CO2
高温でホウ酸塩と酸化マグネシウムを融解したものを徐冷すると立方体の結晶が析出する[6]。
性質
融点 2800 °C、沸点 3600 °C、密度3.65 g/cm3、水に難溶。塩化ナトリウムと同様に立方体の構造をしている。その格子定数はa = 4.203 Åである[6]。
水酸化マグネシウムあるいは炭酸マグネシウムを600 °C程度の低温で焼成してつくったものは、水と反応して水酸化マグネシウムを生じ、二酸化炭素および水を吸収して塩基性炭酸マグネシウム、酸およびアンモニウム塩水溶液に容易く溶けてマグネシウム塩を生成する。しかし1000 °C以上の高温で加熱されたものはより密度が高く、安定となり酸に容易には溶解しない[5][7]。
医薬品
医薬品として使用されることが多く、緩下剤として優秀な効果を発揮する。腸管内で水分の吸収を高める役割を持ち、その結果、腸の蠕動運動を助け、排便を促す。酸化マグネシウムによる排便を促す機序は、身体がもともと持つ排便作用に近く、身体への負担も少ない。
酸化マグネシウムは海水から数種の工程を経て作られる天然由来成分であるが、体内に吸収されにくく、比較的副作用の少ない医薬品として使用されている。医薬品としての年間処方数としては、上位10位に入り、日本では最もよく処方される下剤である。医薬品としては粉末のものが一般的であるが、酸化マグネシウムの特性上、口中不快感があるため、飲みにくい薬といわれているが、飲みにくさを改善した錠剤の形をした製剤もある(マグラックス等)。下剤としての使用は日本が最も多く、他国ではほとんど使用されていない。
緩下剤については、粒子が尖っており、腸壁に留まり後で飲んだ水分が腸壁に吸収されてしまうのを防ぎ、水分が直腸側に補給されやすくなる効果があるとされている。
融雪剤
北海道日油(日油グループ)が、酢酸カリウム・グリセリン・水を成分として製造している融雪剤の商品名として、「カマグ」が使用されている。ちなみに本商品に、酸化マグネシウムは含まれない。
副作用
高マグネシウム血症(不整脈や呼吸抑制などが起こる)。高齢者の死亡例が報告されている[8]。
反応
二酸化炭素や水をマグネシウムと反応させると、それらが還元されてそれぞれ炭素や水素が生じ、マグネシウムは酸化マグネシウムとなる。
- 2Mg + CO2 → C + 2MgO
- Mg + H2O → H2 + MgO
また、希塩酸に溶かしたとき、マグネシウム(銀灰色)は溶けて水素を発生するが、酸化マグネシウム(白色)は水素を発生しない。
関連項目
脚注
- ^ http://fscimage.fishersci.com/msds/13450.htm
- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
- ^ "Goodman & Gilman's The Parmacological Basis of Therapeutics, 11th ed." McGraw-Hill, 2005
- ^ 日本薬剤師会, ed. (2008), 調剤指針 (第12改訂増補 ed.), 薬事日報社, p. 62, ISBN 9784840810517
- ^ a b 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成I』 丸善、1977年
- ^ a b 『化学大辞典』 共立出版、1993年
- ^ F. A. コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年
- ^ “「酸化マグネシウム」の長期投与に注意”. 医療介護CBニュース. (2008年11月27日). http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19380.html 2008年12月12日閲覧。
外部リンク
マグネシウムの化合物 |
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二元化合物 |
MgB2 · MgBr2 · MgC2 · MgCl2 · MgF2 · MgH2 · MgI2 · Mg3N2 · MgO · MgO2 · Mg3P2 · MgS · MgSe · Mg2Si
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三元化合物 |
Mg(BO3)2 · Mg(BrO3)2 · Mg(ClO3)2 · Mg(ClO4)2 · Mg(CN)2 · MgCO3 · Mg(IO3)2 · Mg(NO3)2 · Mg(OH)2 · Mg3(PO4)2 · MgSO3 · MgSO4 · MgU2O7
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四元・五元化合物 |
Mg(CH3COO)2 · Mg(HCO3)2 · MgHPO4 · Mg(H2PO4)2 · Mg(HSO4)2
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UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 自然由来で砒素を溶出する土砂に対する酸化マグネシウム系材料を用いた対策(不溶化・吸着)に関する検討
- 酸化マグネシウムによる重金属イオンの不溶化機構の解明
- 小嶋 芳行,大島 史也,松山 祐介,守屋 政彦
- Journal of the Society of Inorganic Materials, Japan : セッコウ・石灰・セメント・地球環境の科学 19(356), 15-22, 2012-01-01
- NAID 10029979722
Related Links
- 酸化マグネシウムとは。効果、副作用、使用上の注意。制酸剤は、潰瘍(かいよう)の原因となる胃酸を中和させ、酸性で消化力の強いペプシンの作用を消滅させたり、低下させる薬です。現在使用されている薬は従来のものに比べて ...
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- タテホ化学工業は、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、セラミックスをはじめ様々な工業用素材を提供いたします。 ... タテホ化学工業株式会社 資本金 450百万円 従業員 約270人 設立 1966年 ISO9000、ISO14000取得 「地球を愛する ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
カイマックス錠250mg
組成
- 1錠中:酸化マグネシウム ……………250mg
〈添加物〉
結晶セルロース、酸化チタン、ステアリン酸カルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000
効能または効果
下記疾患における制酸作用と症状の改善
- 胃・十二指腸潰瘍、胃炎(急・慢性胃炎、薬剤性胃炎を含む)、上部消化管機能異常(神経性食思不振、いわゆる胃下垂症、胃酸過多症を含む)
便秘症
尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防
制酸剤として使用する場合:
- 酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.5〜1.0gを数回に分割経口投与する。
緩下剤として使用する場合:
- 酸化マグネシウムとして、通常成人1日2gを食前又は食後の3回に分割経口投与するか、又は就寝前に1回投与する。
尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防に使用する場合:
- 酸化マグネシウムとして、通常成人1日0.2〜0.6gを多量の水とともに経口投与する。
なお、いずれの場合も年齢、症状により適宜増減する。
慎重投与
- 腎障害のある患者[高マグネシウム血症を起こすおそれがある](「重大な副作用」の項参照)
- 心機能障害のある患者[徐脈を起こし、症状が悪化するおそれがある]
- 下痢のある患者[下痢を悪化させるおそれがある]
- 高マグネシウム血症の患者[高マグネシウム血症の症状を増悪させるおそれがある]
重大な副作用
- 高マグネシウム血症 本剤の投与により、高マグネシウム血症があらわれ、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることがある。悪心・嘔吐、口渇、血圧低下、徐脈、皮膚潮紅、筋力低下、傾眠等の症状の発現に注意するとともに、血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(処置法は「過量投与」の項参照)
薬効薬理
- 酸化マグネシウムは胃内における制酸作用と腸内における緩下作用を持つ。
制酸作用の発現に際して、二酸化炭素を発生しないため刺激のない制酸剤として奨用される。酸化マグネシウム1gは0.1mol/L塩酸の約500mLを中和できる。水に不溶性なため、炭酸水素ナトリウムに比較すると制酸性は遅効性であり、作用時間も長い。
また、本剤は腸内では難吸収性の重炭酸塩又は炭酸塩となり、浸透圧維持のため腸壁から水分を奪い腸管内容物を軟化することにより緩下作用を現す。1)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- 酸化マグネシウム (Magnesium oxide)
分子式
分子量
性 状
- 酸化マグネシウムは白色の粉末又は粒で、においはない。水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。空気中で湿気及び二酸化炭素を吸収する。
★リンクテーブル★
[★]
- 83歳の女性。全身の衰弱のため、心配した介護施設の職員に伴われて来院した。2か月前から介助がないと立ち上がれなくなった。1か月前からさらに活気がなくなり、1週間前から食事量も減少してきた。脳梗塞後遺症の左不全片麻痺、高血圧症、脂質異常症、骨粗鬆症および便秘のため、アスピリン、カルシウム拮抗薬、スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、活性型ビタミンD、酸化マグネシウム及びプロトンポンプ阻害薬を内服している。意識レベルはJCSⅠ-2。血圧 126/62mmHg。尿所見:蛋白(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 302万、Hb 9.7g/dL、Ht 30%、白血球 5,700、血小板 14万。血液生化学所見:総蛋白 6.3g/dL、アルブミン 3.3g/dL、AST 11U/L、ALT 16U/L、CK 97U/L(基準 30~140)、尿素窒素 28mg/dL、クレアチニン 2.8mg/dL、LDLコレステロール 120mg/dL、Na 134mEq/L、K 4.5mEq/L、Cl 100mEq/L、Ca 12.5mg/dL、P 3.1mg/dL、Mg 2.5mg/dL(基準 1.8~2.5)。
- この患者の衰弱の原因として最も考えられる薬剤はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [111D045]←[国試_111]→[111D047]
[★]
- 救急外来で小児を診察した研修医から指導医への報告を次に示す。
- 研修医「3歳の男の子です。本日18時に突然腹痛が出現したため来院しました。痛みの部位ははっきりしません。全身状態は良好で嘔吐や発熱はなく、身体所見では腹部膨満があります。腸雑音は異常ありませんでした。鑑別のため腹部エックス線撮影、腹部超音波検査、血液検査を行いたいと思います」
- 指導医「排便の状況はどうですか」
- 研修医「排便は3日間ないそうです」
- 指導医「腹部の圧痛や反跳痛はありますか」
- 研修医「どちらもありませんでした」
- 指導医「検査より先に行う処置は何かありますか」
- 研修医「(ア)が良いと思います」
- 指導医「そうですね。では一緒に診察に行きましょう」
- 研修医の正しい判断として(ア)にあてはまるのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [112C028]←[国試_112]→[112C030]
[★]
- 英
- antacid
- 関
- 制酸薬
商品
[★]
商品名
会社名
成分
薬効分類
薬効
- 大腸内視鏡検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除を効能・効果とする新医療用配合剤
[★]
- 関
- 消化性潰瘍用剤
[★]
ジサイクロミン塩酸塩(ジサイクロミン)、乾燥水酸化アルミニウムゲル、酸化マグネシウム
- 関
- 消化性潰瘍用剤
[★]
オウレン末、センナ末、ダイオウ末、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム水和物
- 関
- 下剤,浣腸剤
[★]
- 英
- magnesium hydroxide
- 商
- アイスフラット、アクアスチン配合、アシドレス配合、ウィットコップ、タイメック、タイメック配合、ディクアノン、ディクアノン配合、マーレッジ、マーロックス、マグテクト配合、マックメット、マルファ、マルファ配合、ミルマグ、リタロクス
[★]
[★]
- 英
- magnesium Mg
- 関
- 硫酸マグネシウム magnesium sulfate。電解質異常。
- クエン酸マグネシウム 緩下剤
基準値
- 血漿/血清:1.5-2mEq/L 1.8-2.4mg/dl, 1.5-2.0mEq/L 1.7-2.4mg/dl(HIM.2372), 1.7-2.6mg/dL(臨床検査データブック2017-2018.194)
単位の変換
- 1mg/dL = 0.4114mEq/L
- https://www.zm.emb-japan.go.jp/ja/health/111100Clinical%20Chemistory%20Conversion.pdf
臨床関連
参考
- 1. [charged] Regulation of magnesium balance - uptodate [1]
- 腎臓におけるマグネシウムの再吸収メカニズムがよく分かる