- 英
- putaminal hemorrhage
- 同
- 被殻血腫 putaminal hematoma、外側型脳内血腫 lateral type of intracerebral hematoma
- 関
- 被殻、高血圧性脳出血、脳出血
概念
- 大脳深部のレンズ核線条体動脈外側枝で起こる脳出血
- 脳出血のうちもっとも頻度が高い(被殻出血40%>視床出血30%>橋出血10%>小脳出血10% (YN.J-87))
症候
- 血腫、脳浮腫による頭蓋内圧亢進? → 意識障害、頭痛
- 血腫 → 内包、皮質を圧迫・障害。脳室穿破
- 内包障害:片麻痺 ← 最初は痙性のこともあるが、内包後脚が破壊されると弛緩性になる
- 皮質障害:
治療
脳出血に共通
- 内科的治療:(急性期)気道確保(意識障害→舌根沈下??)・酸素投与(脳浮腫対策)、降圧薬、グリセロール(脳浮腫対策)
- 外科的治療:血腫除去が適応
被殻出血の治療
- 長径3cm以内では保存的治療
- 長径3cm以上で、脳室内出血がないか軽度な場合に血腫除去を行う。
参考
- http://www.jsts.gr.jp/jss08.html
国試
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 被殻出血における機能予後改善を目指す内視鏡下血腫除去術(<特集>神経内視鏡の進歩)
- 山本 拓史,江崎 孝徳,中尾 保秋,森 健太郎
- 脳神経外科ジャーナル 20(10), 734-740, 2011-10-20
- … 被殻出血に対する外科的治療の有効性を示すエビデンスは,いまだ確立されていない.STICH studyなど,血腫除去術に対して否定的な意見がある一方で,定位手術,内視鏡手術などの低侵襲手術による有効性も報告されている.今回,自験例をまとめ,内視鏡血腫除去術における手術適応について文献学的考察を加え検討した.血腫除去術による予後改善効果を得るためには,GCS:9〜12点,血腫量30〜60ml程度の中等症がよい適応であると考 …
- NAID 110008750597
- 2. 被殻出血における機能予後改善を目指す内視鏡下血腫除去術(PS1-4 神経内視鏡の進歩,プレナリーセッション,脳神経外科医のProfessional SpiritとResearch Mind,第31回日本脳神経外科コングレス総会)
- 川上 雅久,織田 惠子,荒木 忍,藤田 隆史
- 脳神経外科ジャーナル 19(12), 925-929, 2010-12-20
- … 開頭術中に使用した綿片の糸が残存した症例を経験した.症例は61歳女性.左被殻出血で開頭血腫除去術を施行した.術直後に行った頭部単純X線写真と頭部CTで頭蓋内に線状の異物を認めた.手術中に使用した綿片が残存したと判断し,直ちに再開頭術を行い黒色の糸を摘出した.この糸は手術中に裁断して使用した綿片から脱落したと考えられた.綿片を裁断すると裁断面に糸の断端も露出することがあり,裁断面に張力がかか …
- NAID 110007989511
- 回復期機能予後からみた被殻出血314例の急性期治療方針の検討
- 酒向 正春,大村 優慈,藤井 良輔,堀見 洋継,石原 健,石川 誠
- 脳卒中 32(6), 602-610, 2010-11-25
- NAID 10027895734
Related Links
- ※前のページ「脳出血の種類と症状①」の続きです↓ 脳出血は、脳の出血する場所により、「被殻出血(ひかく しゅっけつ)」、「視床出血(ししょう しゅっけつ)」、「皮質下出血(ひしつか しゅっけつ)」、「脳幹出血(のう ...
- 被殻(ひかく)出血について、原因や症状、予後、再発リスクなど気になる情報をまとめてみました。被殻出血は脳出血の中で最も頻繁に発症し、全脳出血の約40%を占めると言われています。これってかなりの頻度です...
- 被殻出血というのは脳内出血の中でも一番多いタイプだと言われていて、脳内出血の中でも60%~65%の方が被殻出血をしていると言います。脳出血というのはどういうものなのかというと、脳の中の血管が敗れて脳の...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 55歳の男性。歩道を歩行中に突然右上下肢に脱力が生じ、思うように言葉がしゃべれなくなったため、救急車で搬送された。10年前から会社の健診で高血圧症、高脂血症および心房細動を指摘されていたが、特に薬物治療を受けていなかった。来院時の意識はJCSでII-10。身長160cm、体重76kg。体温36.8℃、呼吸数18/分。脈拍96/分不整。血圧180/100mmHg。皮膚色は正常。貧血と黄疸とはない。胸部でラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・肺を触知しない。下肢に浮腫を認めない。右片麻痺と失語とを認める。頭部単純CTで左被殻部に径2cmの高吸収域を認めたため、緊急入院した。血液所見:赤血球460万、Hb120g/dl、白血球6,200、血小板23万。血清生化学所見:総蛋白6.5g/dl、アルブミン4.4g/dl、尿素窒素18mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、総コレステロール290mg/dl、トリグリセライド180mg/dl、AST26単位、ALT20単位、Na139mEq/l、K4.1mEq/l。入院から3日間、絶食と安静とを保ち経過を観察した。意識は清明になった。右片麻痺と失語症との程度は入院時に比べて変化していない。第2,3病日の血圧は130~140/80~90mmHgで推移している。この時点での治療として最も適切なのはどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [099G041]←[国試_099]→[099G043]
[★]
- 75歳の女性。自宅で昼食の準備中、突然ポーッとし、左口角からよだれを垂らし左半身に力が入らず立っていられなくなったため、救急車で搬送された。意識は清明。身長156cm、体重62kg、体温36.2℃。呼吸数18/分。脈拍104/分、不整。血圧180/100 mmHg。皮膚色は正常で、貧血と黄疸とはない。胸部にラ音を聴取しない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。顔面を含む左片麻痺、左半側空間失認および病態失認を認める。血液所見:赤血球450万、Hb12.2g/dl、血球6,000、血小板21万。血清生化学所見:総蛋白6.2g/dl、アルブミン4.2g/dl、尿素窒素16mg/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総コレステロール160 mg/dl、トリグリセライド100mg/dl、AST25単位、ALT21単位、Na138mEq/l、K4.0mEq/l。心電図で心房細動を認める。頭部単純CTで明らかな異常を認めない。
[正答]
※国試ナビ4※ [099A042]←[国試_099]→[099A044]
[★]
- 42歳の男性。右被殻出血の急性期治療の後、後遺症として左片麻痺が残りリハビリテーション目的で転入院した。入院直後はリハビリテーションに熱心に取り組んでいたが、1か月過ぎたころから頭痛を訴え、リハビリテーションを休むようになった。不眠の訴えもある。血圧は正常で、新たな神経症状は認めず、尿・血液検査所見に異常を認めない。頭部CT所見上、血腫は順調に吸収されている。
- まず行うべき対応はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105H029]←[国試_105]→[105H031]
[★]
- 70歳の男性。急に右上下肢が勤かなくなったため、発症から1時間後に搬入された。意識レベルはJCS I-2。全失語と右片麻痺とがみられる。脈拍88/分、不整。血圧152/94mmHg。既往歴に高血圧と心房細動とがある。頭部MRIの拡散強調像(別冊No.23A)と頭部MRA(別冊No.23B)とを別に示す。
- 診断はどれか。
[正答]
※国試ナビ4※ [105A059]←[国試_105]→[105B001]
[★]
[正答]
※国試ナビ4※ [102I012]←[国試_102]→[102I014]
[★]
[★]
- 英
- cerebral hemorrhage
- 関
- 脳内出血
概念
- 頭蓋内の出血は総称して一般的に脳出血または脳溢血と呼ばれる。脳出血は脳内への出血と脳周囲への出血に分類される。医学的には狭義での脳内出血のみを指すことが多い。
疫学
部位別頻度
- 被殻出血:40%、視床出血:30%、大脳皮質下出血:10%、小脳出血:10%、橋出血:10%
リスクファクター
- IMD.1027
分類
部位による
YN.J-87 SQ.518
|
被殻出血
|
視床出血
|
橋出血
|
小脳出血
|
皮質下出血
|
割合(%)
|
40
|
30
|
10
|
10
|
10
|
意識障害
|
{+}
|
{+}
|
{++}
|
{±}
|
|
嘔吐
|
{+}
|
{+}
|
{++}
|
{+++}
|
|
頭痛
|
{±}
|
{±}
|
{-}
|
{+++}
|
|
運動障害
|
対側
|
対側
|
四肢麻痺
|
運動失調
|
|
感覚障害
|
対{+}
|
対{++}
|
{±}
|
{-}
|
|
共同偏視
|
病側
|
内下方
|
正中
|
健側
|
|
瞳孔
|
{±}
|
縮瞳
|
縮瞳
|
{±}
|
|
瞳孔反射
|
○
|
時に×
|
○
|
○
|
|
外科的治療
|
血腫除去術
|
×
|
×
|
血腫除去術
|
血腫除去術
|
症候
- 前駆症状無く、日中の活動時や食事中に突然発症する。
- 頭痛や嘔吐を伴い、半数の症例では意識障害を伴う。
- 脳局所症状は数分から数時間のうちに完成する。
検査
- T1:
- T2:
- 拡散強調画像:(出血直後は多分低信号で、血腫を作れば明らかな)高信号
治療
脳出血に共通
参考
- http://www.jsts.gr.jp/jss08.html
国試
[★]
- 関
- putaminal hemorrhage
[★]
- 英
- putamen (KH)
- 関
- 内包、錐体路
臨床関連
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
[★]
- 英
- blood, (漢方)blood and body fluid energy
- 関
- 血液、血中
[★]
- 英
- hemorrhage, bleeding
- 関
- 出血量