人免疫グロブリンG
- 関
- 血液製剤類、免疫グロブリン、IgG
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- サングロポール点滴静注用2.5g 英名: Sanglopor I.V.Infusion 2.5g 一般名: 乾燥pH4処理人免疫グロブリン 適用区分: この薬の作用と効果について ・細菌やウイルスから体を守ろうとする働きを助け、免疫力を 高めます。 ・抗生物質と ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
サングロポール点滴静注用2.5g
組成
- 本剤は、1バイアル中に下記成分・分量を含有する凍結乾燥注射剤であり、溶剤として日局生理食塩液が添付されている。
本剤:有効成分
- 成分:人免疫グロブリンG
1バイアル中の分量:2,500mg
備考:ヒト血液由来成分
採血国:ドイツ
採血の区分注):献血
本剤:添加物
添付溶剤
- 1バイアル中の分量:50mL
- 本剤は製造工程でブタの胃粘膜由来成分(ペプシン)を使用している。
- 注)「献血又は非献血の区別の考え方」の項を参照。
禁忌
効能または効果
- 低ならびに無ガンマグロブリン血症
- 重症感染症において抗生物質との併用
- 特発性血小板減少性紫斑病(他剤が無効で、著明な出血傾向があり、外科的処置又は出産等一時的止血管理を必要とする場合)
- 重症感染症において抗生物質との併用に用いる場合は、適切な抗菌化学療法によっても十分な効果の得られない重症感染症を対象とすること。
- 本剤は添付の日局生理食塩液(50mL)に溶解して点滴静注する。
低ならびに無ガンマグロブリン血症に使用する場合
- 通常、1回人免疫グロブリンGとして200〜600mg(4〜12mL)/kg体重を3〜4週間間隔で投与する。
患者の状態に応じて適宜増減する。
重症感染症において抗生物質との併用に使用する場合
- 通常、成人に対しては、1回人免疫グロブリンGとして2,500〜5,000mg(50〜100mL)を、小児に対しては50〜150mg(1〜3mL)/kg体重を投与する。
年齢及び症状に応じて適宜増減する。
特発性血小板減少性紫斑病に使用する場合
- 通常1日に、人免疫グロブリンGとして200〜400mg(4〜8mL)/kg体重を投与する。なお、5日間使用しても症状に改善が認められない場合は、以降の投与を中止すること。
年齢及び症状に応じて適宜増減する。
- 急速に注射すると血圧降下を起こす可能性がある(特に低ならびに無ガンマグロブリン血症の患者には注意すること)。
投与速度1)
- 初回の投与開始から15分ないし30分間は0.3〜0.6mL/分で投与し、副作用等の異常所見が認められなければ、0.9〜1.5mL/分まで徐々に投与速度を上げてもよい。
- 低ならびに無ガンマグロブリン血症の用法・用量は、血清IgGトラフ値を参考に、基礎疾患や感染症などの臨床症状に応じて、投与量、投与間隔を調節する必要があることを考慮すること。
慎重投与
- IgA欠損症の患者[抗IgA抗体を保有する患者では過敏反応を起こすおそれがある。]
- 腎障害のある患者[腎機能を悪化させるおそれがある。]
- 脳・心臓血管障害又はその既往歴のある患者[大量投与による血液粘度の上昇等により脳梗塞又は心筋梗塞等の血栓塞栓症を起こすおそれがある。]
- 血栓塞栓症の危険性の高い患者[大量投与による血液粘度の上昇等により血栓塞栓症を起こすおそれがある。]
- 溶血性・失血性貧血の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。]
- 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者[ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。]
- 心機能の低下している患者[大量投与により、心不全を発症又は悪化させるおそれがある。]
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
頻度不明
- ショック、アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪寒、全身紅潮、胸内苦悶、頻脈、脈拍微弱、血圧低下、喘鳴、喘息様症状、呼吸困難、チアノーゼ等異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
頻度不明
- AST(GOT)、ALT(GPT)、Al‐P、γ‐GTP、LDHの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
無菌性髄膜炎
頻度不明
- 大量投与により無菌性髄膜炎(項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全
頻度不明
- 急性腎不全があらわれることがあるので、投与に先立って患者が脱水状態にないことを確認するとともに、観察を十分に行い、腎機能検査値(BUN、血清クレアチニン等)の悪化、尿量減少が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと2)。なお、急性腎不全の危険性の高い患者においては、適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。
血小板減少
頻度不明
- 血小板減少を起こすことがあるので、観察を十分に行い、このような場合には、適切な処置を行うこと。
肺水腫
頻度不明
- 肺水腫があらわれることがあるので、呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血栓塞栓症
頻度不明
- 大量投与例で、血液粘度の上昇等により、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等の血栓塞栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、中枢神経症状(めまい、意識障害、四肢麻痺等)、胸痛、突然の呼吸困難、息切れ、下肢の疼痛・浮腫等の症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、血栓塞栓症の危険性の高い患者においては、適宜減量し、できるだけゆっくりと投与することが望ましい。〔「慎重投与」(3)(4)および「高齢者への投与」(2)の項参照〕
薬効薬理
抗体活性8)
- 本剤は各種のウイルス、細菌及び細菌の産生する毒素に対して広い抗体スペクトルと高い抗体価を示した。
細菌貪食能促進作用(オプソニン作用)9,10)
- 本剤は濃度依存的に白血球の貪食能を促進した(マウスin vivo、in vitro、ヒト好中球in vitro)。
補体の殺菌能促進作用9)
- 本剤はFc部分が保持されているため、補体依存性殺菌作用は強く認められた(マウス、モルモット)。
感染防御作用11,12)
- 本剤は各種実験的細菌感染症に対する防御効果を示した(マウス)。
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対する効果13〜16)
- 本剤のITPに対する機序は、抗血小板抗体及び免疫複合体の血小板表面への吸着を拮抗的に阻止する(ヒト血小板in vitro)、また、網内系細胞のFcレセプターをブロックして、血小板の崩壊を防止することによると考えられる(特発性血小板減少性紫斑病患者)。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- immunoglobulin, Ig
- 同
- 抗体
- 商
- HBグロブリン、ヴェノグロブリン、ガンマーグロブリン、ガンマガード、ガンマグロブリン、グロブリン、グロベニン-I、サイモグロブリン、サングロポール、ゼットブリン、テタノセーラ、テタノブリン、テタノブリンIH、はぶ抗毒素、ヒスタグロビン、ベニロン-I、ヘパトセーラ、ヘブスブリン、ヘブスブリンIH、ポリグロビン、まむし抗毒素、抗Dグロブリン、抗D人免疫グロブリン、抗HBs人免疫グロブリン、破傷風グロブリン
- 関
- 免疫、T細胞受容体、リンパ球抗原受容体
- IgM、IgD、IgG、IgA、IgE
構造
- H鎖とL鎖からなり、Igドメインをそれぞれ4つ(IgMとIgEは5つ)、2つもつ。
胎児の免疫グロブリン
- 胎児は母胎より免疫グロブリンをもらうが、生後六ヶ月で消失する (標準予防策実践マニュアル 南江堂 第2刷 p.12)
- 自分で抗体を作る能力は3-6歳で完成する (標準予防策実践マニュアル 南江堂 第2刷 p.12)
免疫グロブリンの特性 (IMM.161)
抗体
|
IgG1
|
IgG2
|
IgG3
|
IgG4
|
IgM
|
IgA1
|
IgA2
|
IgD
|
IgE
|
重鎖
|
γ1
|
γ2
|
γ3
|
γ4
|
μ
|
α1
|
α2
|
δ
|
ε
|
分子量
|
146
|
146
|
165
|
146
|
970
|
160
|
160
|
184
|
188
|
補体活性化(古典的経路)
|
++
|
+
|
+++
|
-
|
++++
|
-
|
-
|
-
|
-
|
補体活性化(代替経路)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
+
|
-
|
-
|
-
|
胎盤通過
|
+++
|
+
|
++
|
±
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
食細胞FcRへの結合
|
+
|
-
|
+
|
±
|
-
|
+
|
+
|
-
|
+
|
肥満細胞・好塩基球への結合
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
+++
|
staphylococcal Protein Aとの反応性
|
+
|
+
|
±
|
+
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
免疫グロブリンの遺伝子再構成 (IMM.144)
多様性の獲得機構
- 多数のV遺伝子
- VJとJDV遺伝子の組み換え
- 組み換え時の不正確性(塩基欠損、付加、N塩基)(CDR3)
- 体細胞突然変異(CDR1,CDR2)
- H鎖とL鎖の組み合わせ
シグナル伝達
基準値
- 小児基準値研究班(編):日本人小児の臨床検査基準値。日本公衆衛生協会、1997
- SPE.704
|
IgG
|
IgA
|
IgM
|
♂
|
♀
|
♂
|
♀
|
♂
|
♀
|
1ヶ月
|
400 ~ 1030
|
ー ~ 24
|
21 ~ 96
|
6ヶ月
|
290 ~ 950
|
8 ~ 50
|
46 ~ 176
|
1歳
|
460 ~ 1220
|
470 ~ 1210
|
16 ~ 128
|
14 ~ 98
|
57 ~ 260
|
81 ~ 314
|
3歳
|
530 ~ 1340
|
540 ~ 1340
|
25 ~ 174
|
22 ~ 150
|
63 ~ 279
|
86 ~ 332
|
6歳
|
630 ~ 1490
|
650 ~ 1530
|
45 ~ 258
|
38 ~ 238
|
72 ~ 305
|
92 ~ 353
|
12歳
|
750 ~ 1660
|
790 ~ 1740
|
71 ~ 352
|
63 ~ 373
|
72 ~ 306
|
100 ~ 380
|
成人
|
680 ~ 1620
|
84 ~ 438
|
380 ~ 1620
|
臨床関連
免疫グロブリンの量的変化による疾患
[★]
商品
[★]
- 英
- globulin (Z)
- 商
- ヴェノグロブリン、ガンマーグロブリン、ガンマガード、ガンマグロブリン、グロブリン、グロベニン、サイモグロブリン、サングロポール、ゼットブリン、テタノセーラ、テタノブリン、テタノブリンIH、ヒスタグロビン、ベニロン、ヘパトセーラ、ヘブスブリン、ヘブスブリンIH、ポリグロビン、乾燥HBグロブリン、乾燥はぶ抗毒素、乾燥まむし抗毒素、抗Dグロブリン、抗D人免疫グロブリン、抗HBs人免疫グロブリン、破傷風グロブリン
- 関
- アルブミン、フィブリノーゲン
機能 (PT.234)
- α1-グロブリン
- α2-グロブリン
- ビタミンやホルモンを運搬
- α2-グロブリンの一種であるハプトグロビンは溶血により生じたヘモグロビンを捕捉し、尿細管の閉塞を防ぐ
- βグロブリン
- γグロブリン
[★]
- 関
- 免疫グロブリン