抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン
- 関
- その他の生物学的製剤
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Japanese Journal
- Industrial Info. 再生不良性貧血の治療における抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン(サイモグロブリン点滴静注用25mg)の使用について
Related Links
- サイモグロブリン点滴静注用25mg,抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン静注用.
- サイモグロブリン 副作用情報. 国内における再生不良性貧血、造血幹細胞移植の前 治療及び造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病に対する臨床試験での安全性評価 対象症例160例中159例(99.4%)に3,443件の副作用(臨床検査値異常を含む)が 認め ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
サイモグロブリン点滴静注用25mg
組成
有効成分:1バイアル中の分量
- 抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン:25mg
備考:ウサギ血液由来
添加物:1バイアル中の分量
- グリシン:50mg
D-マンニトール:50mg
ポリソルベート80:2.5mg
塩化ナトリウム:10mg
pH調節剤2成分
禁忌
- 本剤の試験投与でショック状態等の過敏症が認められた患者[〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉の項参照]
- 重症感染症(肺炎、敗血症等)を合併している患者[感染症が増悪し致命的となることがある。]
- 妊婦[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
- 弱毒生ワクチンを投与中の患者[「3.相互作用(1)」の項参照]
効能または効果
- 中等症以上の再生不良性貧血
- 造血幹細胞移植の前治療
- 造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病
- 腎移植後の急性拒絶反応の治療
○中等症以上の再生不良性貧血の場合
- 本剤は下記の重症度基準による中等症以上の再生不良性貧血患者に使用すること。
再生不良性貧血の重症度基準
- (厚生労働省特定疾患特発性造血障害調査研究班基準(平成16年度修正))1)
最重症
- 好中球200/μL未満に加えて、以下の1項目以上を満たす
- 網赤血球 20,000/μL未満
- 血小板 20,000/μL未満
重症
- 網赤血球 20,000/μL未満
- 好中球 500/μL未満
- 血小板 20,000/μL未満
やや重症
- 以下の2項目以上を満たし、定期的な赤血球輸血を必要とする
- 網赤血球 60,000/μL未満
- 好中球 1,000/μL未満
- 血小板 50,000/μL未満
- 注)定期的な赤血球輸血とは毎月2単位以上の輸血が必要なときを指す。
中等症
- 網赤血球 60,000/μL未満
- 好中球 1,000/μL未満
- 血小板 50,000/μL未満
軽症
○造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病の場合
- ステロイド療法によっても十分な効果が得られない場合にのみ適用を考慮すること。
○腎移植後の急性拒絶反応の治療の場合
- 本剤は、原則としてステロイド療法で十分な治療効果が得られない場合に使用すること。
中等症以上の再生不良性貧血
- 通常、1日1回体重1kgあたり抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして2.5〜3.75mgを、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液500mLで希釈して、6時間以上かけ緩徐に点滴静注する。投与期間は5日間とする。
造血幹細胞移植の前治療
- 通常、1日1回体重1kgあたり抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして2.5mgを、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液500mLで希釈して、6時間以上かけ緩徐に点滴静注する。投与期間は造血幹細胞移植5日前より4日間とする。
造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病
- 通常、1日1回体重1kgあたり抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして2.5〜3.75mgを、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液500mLで希釈して、6時間以上かけ緩徐に点滴静注する。投与期間は5日間とする。
腎移植後の急性拒絶反応の治療
- 通常、1日1回体重1kgあたり抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして1.5mgを、1バイアル(抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして25mg)あたり、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液50mLで希釈して、6時間以上かけ緩徐に点滴静注する。投与期間は7〜14日間とする。
- アナフィラキシー等の過敏症状を起こすことがあるので、使用に際しては、十分な問診を行うとともに、あらかじめ本剤の試験投与を行うこと。
試験投与は通常、本剤1バイアルを日局注射用水5mLにて溶解後、その0.5mL(抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンとして2.5mg)を100mLの生理食塩液で希釈して、1時間以上かけて点滴静注する。試験投与中は医師が患者の状態を十分に観察し、安全性を確認すること。
- 本剤又は他のウサギ血清製剤の投与歴のある患者に本剤をやむを得ず再投与する際には、投与に先立って、本剤に対する抗体の有無を確認する等、必要な処置を講じた上で、医師の十分な観察のもと投与すること。
- 腎移植後の急性拒絶反応の治療に本剤を投与する際には、血小板を含む全血算値に十分注意し、以下に示す減量基準等を参考に、適切な処置を行うこと。
- 血小板数が50,000〜75,000/mm3又は白血球数が2,000〜3,000/mm3の場合、本剤の減量を考慮すること。
- 持続的で重度の血小板減少症(<50,000/mm3)又は白血球減少症(<2,000/mm3)が認められた場合、本剤の投与中止を考慮すること。
慎重投与
- 薬物過敏症の既往歴のある患者
- アレルギー素因のある患者
- 肝障害のある患者[肝機能を悪化させるおそれがある。]
- 腎障害のある患者[腎機能を悪化させるおそれがある。]
- 心疾患のある患者[心機能を悪化させるおそれがある。]
重大な副作用
ショック(頻度不明注))、アナフィラキシー様症状(0.4%)
- ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので観察を十分に行い、呼吸困難、血圧低下、頻脈等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重度のinfusion associated reaction(サイトカイン放出症候群を含む)(頻度不明注))
- 重度のinfusion associated reaction(サイトカイン放出症候群を含む)があらわれ、重篤な心障害や肺障害(心筋梗塞、急性呼吸窮迫症候群、肺水腫)に至ることがあるので、発熱、悪寒、呼吸困難、悪心、嘔吐、下痢、頻脈、低血圧、高血圧、倦怠感、発疹、頭痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
感染症(肺炎、敗血症等)(11.2%)
- ウイルス(アデノウイルス、サイトメガロウイルス、ヘルペス等)、細菌、真菌(アスペルギルス等)等による重篤な感染症があらわれることがある。また、免疫抑制剤を投与されたB型又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎やC型肝炎の悪化があらわれることがある。本剤を投与する場合は観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
発熱性好中球減少症(頻度不明注))
- 発熱性好中球減少症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明注))
- 進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
BKウイルス腎症(頻度不明注))
- BKウイルス腎症があらわれることがあるので、このような場合には減量又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎(2.1%)
- 間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線検査異常等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少(31.0%)
- 血小板減少があらわれ、出血傾向が増悪するおそれがあるので、定期的に血小板数を測定し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
出血傾向
- 脳出血(1.7%)、下血、胃腸出血(いずれも1.2%)、くも膜下出血、肺出血、肺胞出血(いずれも0.4%)等の出血があらわれることがあるので、臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重篤な肝障害(6.2%)
- AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行う等、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
リンパ増殖性疾患(1.2%)
- リンパ増殖性疾患があらわれることがあるので、発熱、リンパ節腫大等が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
作用機序
- 本剤は、 T細胞表面抗原(CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、 CD8、CD25、TCRαβ)並びに白血球表面抗原(CD11a)に対し親和性を示した4,5)。また、ヒトリンパ球細胞傷害性試験において補体存在下リンパ球を溶解させた6)。以上のことから、本剤は、ヒトT細胞表面抗原に結合し、補体依存性の細胞傷害を惹起させることにより、再生不良性貧血並びにGVHDに関与しているT細胞を減少させ、その結果これらの疾患に対して効果を示すと考えられる。
免疫抑制作用
ヒトリンパ球細胞傷害性試験(in vitro)6)
- ヒトリンパ球に対する補体依存性の細胞傷害性を検討した結果、本剤約20μg/mLは陰性対照と比較してリンパ球の溶解を25%増加させた。
E-ロゼット形成阻止作用(in vitro)6)
- ヒトリンパ球を用いたE-ロゼット形成阻止作用を検討した結果、本剤約15μg/mLは陰性対照と比較してE-ロゼット形成を50%抑制した。
サルにおける皮膚移植片生着延長試験(in vivo)6)
- 本剤(25mg/匹)は、サルにおける皮膚移植片が拒絶されるまでの日数を延長させ、in vivoでの拒絶反応を抑制した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
- 抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン
(Anti-human Thymocyte Immunoglobulin, Rabbit)
本 質
- ヒトの胸腺細胞を抗原とし、ウサギを免疫して得られた抗血清から分離精製されたポリクローナル抗体で、免疫グロブリンGに属するたん白質
分子量
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- immunoglobulin, Ig
- 同
- 抗体
- 商
- HBグロブリン、ヴェノグロブリン、ガンマーグロブリン、ガンマガード、ガンマグロブリン、グロブリン、グロベニン-I、サイモグロブリン、サングロポール、ゼットブリン、テタノセーラ、テタノブリン、テタノブリンIH、はぶ抗毒素、ヒスタグロビン、ベニロン-I、ヘパトセーラ、ヘブスブリン、ヘブスブリンIH、ポリグロビン、まむし抗毒素、抗Dグロブリン、抗D人免疫グロブリン、抗HBs人免疫グロブリン、破傷風グロブリン
- 関
- 免疫、T細胞受容体、リンパ球抗原受容体
- IgM、IgD、IgG、IgA、IgE
構造
- H鎖とL鎖からなり、Igドメインをそれぞれ4つ(IgMとIgEは5つ)、2つもつ。
胎児の免疫グロブリン
- 胎児は母胎より免疫グロブリンをもらうが、生後六ヶ月で消失する (標準予防策実践マニュアル 南江堂 第2刷 p.12)
- 自分で抗体を作る能力は3-6歳で完成する (標準予防策実践マニュアル 南江堂 第2刷 p.12)
免疫グロブリンの特性 (IMM.161)
抗体
|
IgG1
|
IgG2
|
IgG3
|
IgG4
|
IgM
|
IgA1
|
IgA2
|
IgD
|
IgE
|
重鎖
|
γ1
|
γ2
|
γ3
|
γ4
|
μ
|
α1
|
α2
|
δ
|
ε
|
分子量
|
146
|
146
|
165
|
146
|
970
|
160
|
160
|
184
|
188
|
補体活性化(古典的経路)
|
++
|
+
|
+++
|
-
|
++++
|
-
|
-
|
-
|
-
|
補体活性化(代替経路)
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
+
|
-
|
-
|
-
|
胎盤通過
|
+++
|
+
|
++
|
±
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
食細胞FcRへの結合
|
+
|
-
|
+
|
±
|
-
|
+
|
+
|
-
|
+
|
肥満細胞・好塩基球への結合
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
+++
|
staphylococcal Protein Aとの反応性
|
+
|
+
|
±
|
+
|
-
|
-
|
-
|
-
|
-
|
免疫グロブリンの遺伝子再構成 (IMM.144)
多様性の獲得機構
- 多数のV遺伝子
- VJとJDV遺伝子の組み換え
- 組み換え時の不正確性(塩基欠損、付加、N塩基)(CDR3)
- 体細胞突然変異(CDR1,CDR2)
- H鎖とL鎖の組み合わせ
シグナル伝達
基準値
- 小児基準値研究班(編):日本人小児の臨床検査基準値。日本公衆衛生協会、1997
- SPE.704
|
IgG
|
IgA
|
IgM
|
♂
|
♀
|
♂
|
♀
|
♂
|
♀
|
1ヶ月
|
400 ~ 1030
|
ー ~ 24
|
21 ~ 96
|
6ヶ月
|
290 ~ 950
|
8 ~ 50
|
46 ~ 176
|
1歳
|
460 ~ 1220
|
470 ~ 1210
|
16 ~ 128
|
14 ~ 98
|
57 ~ 260
|
81 ~ 314
|
3歳
|
530 ~ 1340
|
540 ~ 1340
|
25 ~ 174
|
22 ~ 150
|
63 ~ 279
|
86 ~ 332
|
6歳
|
630 ~ 1490
|
650 ~ 1530
|
45 ~ 258
|
38 ~ 238
|
72 ~ 305
|
92 ~ 353
|
12歳
|
750 ~ 1660
|
790 ~ 1740
|
71 ~ 352
|
63 ~ 373
|
72 ~ 306
|
100 ~ 380
|
成人
|
680 ~ 1620
|
84 ~ 438
|
380 ~ 1620
|
臨床関連
免疫グロブリンの量的変化による疾患
[★]
商品
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- globulin (Z)
- 商
- ヴェノグロブリン、ガンマーグロブリン、ガンマガード、ガンマグロブリン、グロブリン、グロベニン、サイモグロブリン、サングロポール、ゼットブリン、テタノセーラ、テタノブリン、テタノブリンIH、ヒスタグロビン、ベニロン、ヘパトセーラ、ヘブスブリン、ヘブスブリンIH、ポリグロビン、乾燥HBグロブリン、乾燥はぶ抗毒素、乾燥まむし抗毒素、抗Dグロブリン、抗D人免疫グロブリン、抗HBs人免疫グロブリン、破傷風グロブリン
- 関
- アルブミン、フィブリノーゲン
機能 (PT.234)
- α1-グロブリン
- α2-グロブリン
- ビタミンやホルモンを運搬
- α2-グロブリンの一種であるハプトグロビンは溶血により生じたヘモグロビンを捕捉し、尿細管の閉塞を防ぐ
- βグロブリン
- γグロブリン