- 英
- fumarate, fumaric acid
- 同
- trans-butenedioic acid
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/11/22 19:58:47」(JST)
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フマル酸 |
|
IUPAC名
フマル酸(許容慣用名)
(E)-2-ブテン二酸(系統名)
|
別称
trans-エチレンジカルボン酸
アロマレイン酸
ボレチン酸
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
110-17-8 |
KEGG |
C00122 |
|
特性 |
化学式 |
C4H4O4 |
モル質量 |
116.07 |
外観 |
無色結晶 |
密度 |
1.63, 固体 |
融点 |
200 (昇華)
|
水への溶解度 |
0.63 g/100 mL (25 ℃) |
エタノールへの溶解度 |
可溶 |
出典 |
ICSC |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
フマル酸(フマルさん、Fumaric Acid)は構造式 HOOC–CH=CH–COOH (トランス体)、示性式 C2H2(COOH)2 で表される、ブテンを基本骨格とするジカルボン酸である。IUPAC組織名は(E)-2-ブテン二酸 ((E)-2-butenedioic acid) で、アロマレイン酸 (allomaleic acid)、ボレチン酸 (boletic acid)とも呼ばれる。
ポリエステル樹脂や糖アルコールの製造、染料の媒染剤、香料として用いられる。食品添加物およびサプリメントとしても用いられ、酒石酸の替わりに飲料やベーキングパウダーへ添加されることがある。
目次
- 1 化学
- 2 生物学
- 3 医学
- 4 食品
- 5 フマル酸エステル
- 6 脚注
化学
幾何異性体(cis-trans異性体)はマレイン酸である。これらは初めて見出された幾何異性体の組である。
フマル酸とマレイン酸の化学的性質は異なっている。 フマル酸は熱しても容易には酸無水物を生成しない。一方でマレイン酸は加熱により容易に無水マレイン酸を生成する。この性質はそれぞれの無水物の立体構造を考えることにより容易に想像できる(フマル酸の無水物は極めて歪んだ立体構造になってしまう)。
ただしフマル酸を燃焼させると腐食性の無水マレイン酸が生成する。
またフマル酸はカルボキシ基を複数持つにもかかわらず、水に溶けにくい。実際フマル酸の溶解度(0.63g/100mL-水 (25℃))はクロトン酸((trans-2-ブテン酸)、9.4g/100mL (25℃))よりも低い。一方マレイン酸は遥かに高い溶解度(79g/100mL-水 (25℃))を有する。フマル酸が水に溶けにくいのは、フマル酸の結晶がカルボキシ基を通した強い分子間相互作用を有しているためと考えられる。
生物学
カラクサケマン (学名 Fumaria officinalis) などのケマンソウ科(Fumariaceae)植物に含まれていることが名称の由来である。イグチ科のキノコ類(特に Boletus fomentarius var. pseudo-igniarius、別名「ボレチン酸」の由来)、エイランタイなどの地衣類にも多く含まれる。
クエン酸回路を構成する物質の1つで、コハク酸とリンゴ酸の中間体にあたる。
マレイン酸と同様、細胞は食物をエネルギーに変換するのに用いている。ヒトの肌は日光に晒されると自然にフマル酸を生成する。
医学
乾癬の原因は皮膚上でのフマル酸の生産が十分に行われないためだとされていることから、フマル酸のエステルは乾癬の治療に用いられることがある。初期投与量 (starting dose) は1日 60–105 mg で、約 1,290 mg まで徐々に増加させる。副作用として腎臓や腸の障害、皮膚の紅潮が知られている。これらの症状は主として摂取が過剰なために起こるとされる。長期間の使用による白血球数の減少が報告されている。
食品
毒性を持たないため、1946年から食品の酸性化剤として使用されている。普通、純度の高さが求められる飲料やベーキングパウダーに用いられる。一般的に酒石酸の、時にクエン酸の代替物として使われ、同じ味を出すためには 1.36 g のクエン酸に対して 0.91 g のフマル酸を用いる。
フマル酸エステル
フマル酸の二つのカルボキシ基がエステルとなったフマル酸エステル(DRF)は前述の通り乾癬の治療に用いられる他、高分子の材料(モノマー)としても利用される。
従来、フマル酸エステルはその立体障害によりラジカル単独重合性を持たず、共重合性のみを持つと考えられていた。しかし、1980年代に大阪市立大学(当時)の大津隆行らの研究により、フマル酸ジイソプロピル(DiPF)やフマル酸ジ-tert-ブチル(DtBF)、フマル酸ジシクロヘキシル(DCHF)のようにかさ高いエステルを有する場合では高い単独重合性を示すことが見い出された。[1] この特異な性質は、エステル基のかさ高さによって成長ラジカル同士の二分子停止反応が抑制され、低速ではあるが重合が進行するためと説明される。
脚注
- ^ Naoyuki Toyoda and Takayuki Otsu, Journal of Macromolecular Science: Part A, 19(7), 1983.
クエン酸回路 |
|
ピルビン酸 - アセチルCoA - オキサロ酢酸 - クエン酸 - cis-アコニット酸 - イソクエン酸 - オキサロコハク酸 - α-ケトグルタル酸 - スクシニルCoA - コハク酸 - フマル酸 - L-リンゴ酸
|
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←解糖系
電子伝達系→
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Japanese Journal
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- NAID 40020474521
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- 臨床 新薬レビュー テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 Tenofovir Disoproxil Fumaratee テノゼット錠 グラクソ・スミスクライン
Related Links
- 製品名 フマル酸 略号 FA 一般名称 フマル酸 構造式 化学式 C 4 H 4 O 4 CAS No. 110-17-8 分子量 116.07 荷姿 25kg紙袋、350kgコンテナバック、500kgコンテナバック 用途 不飽和ポリエステル樹脂、入浴剤、サイズ剤、食品添加物(酸味 ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
組成
成分・含量 1容器 8mL中
- 日局ケトチフェンフマル酸塩6.048mg
(ケトチフェンとして4.398mg)
添加物
- グリセリン、ポビドン、濃ベンザルコニウム塩化物液50、エデト酸ナトリウム水和物、pH調整剤
効能または効果
- アレルギー性鼻炎
- 通常、1日4回 (朝、昼、夕方及び就寝前)、1回各鼻腔に1噴霧(ケトチフェンとして0.05mg)ずつ、噴霧吸入する。
薬効薬理
薬理作用
- 肥満細胞や好塩基球・好中球からのヒスタミン、SRS-A等のケミカルメディエーター遊離抑制による抗アレルギー作用と特異的H1受容体拮抗による抗ヒスタミン作用を示す。
動物鼻炎モデルにおける作用
〈生物学的同等性試験〉(アレルギー性鼻炎モデルに対する効果)
- 抗卵白アルブミン(ovalbumin:OA)血清により感作したラットに対して、ケトチフェン点鼻液0.05%「TOA」及び標準製剤(点鼻液)を点鼻した後に、OAリン酸緩衝液によりアレルギー反応を誘発し、色素漏出量を指標として鼻汁分泌の抑制作用を比較した。その結果、両剤ともControl(注射用水)に対し有意に鼻汁分泌を抑制し、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。1)
- 抗卵白アルブミン(ovalbumin:OA)血清により感作したモルモットに対して、ケトチフェン点鼻液0.05%「TOA」及び標準製剤(点鼻液)を点鼻した後に、OA生理食塩液によりアレルギー反応を誘発し、鼻腔抵抗の上昇率を指標としてその抑制作用を比較した。その結果、両剤ともControl(注射用水)に対し有意に鼻腔抵抗上昇を抑制し、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された。1)
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
- ケトチフェンフマル酸塩(Ketotifen Fumarate)
化学名:
- 4-(1-Methylpiperidin-4-ylidene)-4H -benzo[4,5] cyclohepta[1,2-b]thiophen-10(9H )-one monofumarate
分子式:
分子量:
融点:
- 約190℃(分解)
- ケトチフェンフマル酸塩は白色〜淡黄白色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)にやや溶けにくく、水、エタノール(99.5)又は無水酢酸に溶けにくい。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- ornithine cycle
- 同
- 尿素サイクル 尿素回路 urea cycle、クレブス-ヘンゼライト回路 Krebs-Henseleit cycle、オルニチンサイクル
- 関
- オルニチン、尿素
ミトコンドリア内の反応
1) アンモニア + 炭酸 + 2ATP → ADP + Pi + カルバモイルリン酸
5)から
↓
2) カルバモイルリン酸 + オルニチン → シトルリン + Pi
↓
3)へ
サイトソルの反応
2)から
↓
3) シトルリン + アスパラギン酸 + ATP → AMP + ピロリン酸 + アルギニノコハク酸
4) アルギニノコハク酸 → フマル酸 + アルギニン
5) アルギニン + 水 → 尿素 + オルニチン
↓
2)へ
|
ornithine
|
----------mitochondria
|
ornithine
|
|<-carbamoyl phosphate {ornithine transcarbamoylase}
|
citrulline
|
----------mitochondria
|
citrulline
|
|<-aspartate {argininosuccinate synthase}
|
argininosuccinate
|
|->fumarate {argininosuccinase}
|
arginine
|
|<-H2O
| {arginase}
|->urea
|
ornithine
|
臨床関連
[★]
- 英
- electron transport chain, electron transport system, electron-transport system, electron-transfer system
- 関
- 電子
電子伝達系
分子
還元力のキャリアー
酵素複合体
- CoQによるNADHの酸化を触媒
- シトクロムcによるCoQの酸化を触媒
- 電子受容体O2による還元型シトクロムcの酸化を触媒
- CoQによるFADH2の酸化を触媒
反応
- NAD+ + 2H+ + 2e- ⇔ NADH ΔE = -0.315V
- 反応は左に進む
- 1/2O2 + 2H+ + 2e- ⇔ H2O ΔE = 0.815V
- 反応は右に進む
- NADH + 1/2O2 + H+ ⇔ H2O + H2O ΔE = 1.130V
- ΔG゚'=-nFΔE゚' ゆえに ΔG゚' = -218kJ/mol。ATP合成には30.5kJ/mol必要
- 1モルのNADHの酸化により約3ATPを合成できる
阻害薬 (FB.337)
[★]
- 英
- succinate, succinic acid
- 関
- クエン酸回路
- HOOC-CH2-CH2-COOH
- クエン酸回路中間体
- スクシニルCoA + GDP + Pi + H2O → コハク酸 + GTP + HS-CoA
[★]
フマル酸、フマル酸塩、フマル酸エステル
- 関
- fumaric acid
[★]
- 英
- fumarate
- 関
- フマル酸、フマル酸エステル
[★]
- 英
- brovincamine fumarate
- 関
- ブロビンカミン
[★]
- 英
- quetiapine fumarate
- 関
- クエチアピン
[★]
- 英
- bencyclane fumarate
- 関
- ベンシクラン
[★]
- 英
- acid
- 関
- 塩基
ブランステッド-ローリーの定義
ルイスの定義