ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド
- 関
- 抗破傷風ヒト免疫グロブリン
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- -3- 1.有効性 沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド接種前の血中 ジフテリア抗毒素量、破傷風抗毒素量は接種全例が 0.003IU/mL未満であったが、接種完了後4週に抗 毒素測定を実施した全例(57例)で、ジフテリア抗 毒素量、破傷風 ...
- 【製法の概要及び組成・性状】 1.製法の概要 本剤は、ジフテリア菌(Park-WilliamsNo.8株)及び破 傷風菌(HarvardA 47株)を個別に純培養後除菌ろ過し て得られた各毒素液を精製濃縮し、かつ、ホルマリンを加え て無毒化したトキソイド原液を ...
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド “化血研”
組成
製法の概要
- 本剤は、ジフテリア菌(Park-Williams No.8株)及び破傷風菌(Harvard A-47株)を個別に純培養後除菌ろ過して得られた各毒素液を精製濃縮し、かつ、ホルマリンを加えて無毒化したトキソイド原液を混合し、更にアルミニウム塩及び希釈剤としてリン酸塩緩衝塩化ナトリウム液を加え、規定濃度に調製した液剤である。
なお、本剤は製造工程でウシの乳由来成分(カザミノ酸、スキムミルク、ポリペプトン)、ウシの肝臓、ウシの肉、ブタの胃由来成分(ペプトン)、ウマの血液由来成分(血清)及びクジラの心臓由来成分(ハートエキス)を使用している。
組成
有効成分
- ジフテリアトキソイド:約50Lf
破傷風トキソイド:80μg以下(約10Lf)
添加物
- チメロサール:0.01mg
ブドウ糖:1.0mg
L−リジン塩酸塩:0.1mg以下
ホルマリン(ホルムアルデヒドとして):0.1mg以下
塩化アルミニウム(III)六水和物:3.0mg
水酸化ナトリウム:1.2mg
塩化ナトリウム:7.0mg
リン酸水素ナトリウム水和物:0.69mg
リン酸二水素ナトリウム二水和物:0.39mg
禁忌
(予防接種を受けることが適当でない者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
効能または効果
◎初回免疫
- 通常、1回0.5mLずつを2回、3〜8週間の間隔で皮下に注射する。ただし、10歳以上の者には、第1回量を0.1mLとし、副反応の少ないときは、第2回以後適宜増量する。
◎追加免疫
- 第1回の追加免疫には、通常、初回免疫後6箇月以上の間隔をおいて(標準として初回免疫終了後12箇月から18箇月までの間に)0.5mLを1回皮下に注射する。ただし、初回免疫のとき副反応の強かった者には適宜減量し、以後の追加免疫のときの接種量もこれに準ずる。また、10歳以上の者には、0.1mL以下を皮下に注射する。
一般的注意
- 予防接種法に基づく、ジフテリア、百日せき及び破傷風の第1期の予防接種は、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチンにより同時に行うことを原則とする。
接種対象者・接種時期
- 定期接種の場合には、ジフテリア及び破傷風の第2期の予防接種については、11歳以上13歳未満の者(11歳に達した時から12歳に達するまでの期間を標準的な接種期間とする)に、通常、本剤0.1mLを1回皮下に注射する。
他のワクチン製剤との接種間隔
- 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また、他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
慎重投与
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去にけいれんの既往のある者
- 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
- まれにショック、アナフィラキシー様症状(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行うこと。
薬効薬理
- ジフテリア及び破傷風の予防には、本剤接種後、それぞれの血中抗毒素が一定量以上産生される必要がある。
ジフテリア及び破傷風の感染防御に有効な抗毒素量はいずれも0.01IU/mLとされている。2)、3)
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- human anti tetanus immunoglobulin
- 商
- DPT、DTビック 、アクトヒブ 、テタガム、テタノセーラ、テタノブリン、トリビック 、沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチンキット、沈降破傷風トキソイド、破トキ、破傷風グロブリン
- 関
- 破傷風
[★]
商品
[★]
- 英
- tetanus, lockjaw
- 同
- テタヌス
- 関
- 破傷風菌 Clostridium tetani
概念
- 嫌気性芽胞形成性グラム陽性桿菌である破傷風菌(Clostridium tetani)による感染症であり、破傷風菌が産生した外毒素テタノスパスミン(tetanospasmin)による中枢神経障害(随意筋痙攣)をきたすことが本疾患の病態である。
- 破傷風菌は土壌や塵など環境中に広く、またヒトや動物の消化管にも存在するが、破傷風菌に汚染された環境で外傷を契機に感染が成立する。
- 感染症ではあるが、神経毒による中毒性感染症であある。
病型
- 参考1
- 全身性破傷風:全身の筋の強直性攣縮 + 自律神経症状(早期は易刺激性、不穏、発汗、頻脈。後期には著しい発汗、不整脈、不安定な高血圧・低血圧、発熱)
- 限局性破傷風
- 頭部破傷風
- 新生児破傷風
病態
- SMB.260
- 破傷風毒素(テタノスパスミン)は亜鉛依存性プロテアーゼ活性を有しており、シナプス小胞付随蛋白であり開口分泌に関与するシナプトブレビンを特異的に切断し、シナプスへの神経伝達物質の放出を妨げる。
- 症状の発現は脊髄の抑制ニューロンが遮断される事による。
- 自律神経ニューロンも遮断されるので、自律神経症状も発現する。 → 著しい血圧、脈拍の変動
潜伏期
経過
治療
- SMB.260 YN. H-55 SPE.359
- 創部 :デブリドマン
- 抗毒素:ヒトTIGの投与 → 神経細胞に取り込まれた後では毒素を中和できなくなる。
- 抗菌 :ペニシリンGの大量投与。テトラサイクリン(SPE.359)
- 対症療法:呼吸管理、筋弛緩薬、抗痙攣薬(ジアゼパム)、刺激の軽減(日光の遮蔽)
予防
- 破傷風トキソイドによる能動免疫
- 小児期にジフテリア・破傷風・百日咳混合ワクチンを、それ以外の者は沈降破傷風トキソイド(破傷風トキソイド*)を3回注射しておけば約5年間程度の免疫が得られる。
免疫
予後
- 死亡率:40% (SPE.359)
- 救急救命センターレベルでならば死亡率は10%程度に下げることが可能である。
参考
- 1. [charged] Tetanus - uptodate [1]
国試
[★]
- 英
- diphtheria
- 関
- ジフテリア菌
特徴
病原体
疫学
潜伏期間
感染経路
病型
症状
- 発熱、咽頭発赤・クループ(扁桃に偽膜形成し、気道閉鎖)、頚部リンパ節腫脹
合併症
- ジフテリア後心臓疾患:発病後2-3週間後。房室ブロック、心筋炎。時に血圧低下、心雑音、ギャロップリズム、心不全
- ジフテリア後麻痺:発病後5-6週間後。多発神経炎による。軟口蓋麻痺により嚥下困難、動眼神経麻痺、生体麻痺、体幹四肢筋の麻痺。4-6週後には回復。
治療
予防
- DPT I期:3ヶ月から6ヶ月に3回。1歳半以降に1回
- DPT II期:11歳~12歳
[★]
- 英
- toxoid
- 同
- アナトキシン anatoxin、類毒素
- 関
- 毒素、抗毒素製剤、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、不活化ワクチン、ワクチン
- 細菌の産生するタンパク質性の菌体外毒素を免疫原性は保持したまま無毒化したもの
- トキソイドを注射すると毒素活性を中和する抗体が産生されるので、予防的に用いられる
- ジフテリアトキソイド
- 破傷風トキソイド
[★]
- 英
- sedimentation、precipitation、sediment、precipitate
- 関
- 遠心沈降、遠沈、沈降物、沈渣、沈殿、沈殿物、誘起、誘発、降水、降水量、沈澱
[★]
- 英
- mixture、mix、admixture、(切り混ぜ)shuffling、(配合)blend、mix、merge、admix
- 関
- 混合物、配合、合併、混ぜる