ジフテリア,破傷風,百日咳混合ワクチン, diphtheria-tetanus-pertussis combined vaccine, DTP vaccine
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Japanese Journal
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- 沼津工業高等専門学校研究報告 49, 43-48, 2015-01-31
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
DPT“化血研”シリンジ PF
組成
製法の概要
- 本剤は、百日せき菌I相菌(東浜株)の培養菌液を連続遠心機等を用いて菌液を分離した上清から、カラムクロマトグラフィーなどの物理化学的方法で感染防御抗原(百日せき毒素及び線維状赤血球凝集素)をそれぞれ単離精製し、ホルマリンで減毒したのち両防御抗原を混合した液と、ジフテリア菌(Park-Williams No.8株)及び破傷風菌(Harvard A-47株)の産生する毒素をそれぞれ精製濃縮し、ホルマリンで無毒化(トキソイド化)したジフテリアトキソイド及び破傷風トキソイドを混合したものに、アルミニウム塩を加えて不溶性としたものである。
なお、本剤は製造工程でウシの乳由来成分(カザミノ酸、スキムミルク、ポリペプトン)、ウシの肝臓、ウシの血液、ウシの肉、ブタの胃由来成分(ペプトン)、ブタの膵臓由来成分(パンクレアチン)、ウマの血液由来成分(血清)、クジラの心臓由来成分(ハートエキス)及びヒトの血液由来成分(アポセルロプラスミン)を使用している。
組成
- 本剤は、0.5mL(1シリンジ)中に次の成分を含有する。
有効成分
- 百日せき菌防御抗原:4単位以上
ジフテリアトキソイド:16.7Lf以下
破傷風トキソイド:6.7Lf以下
添加物
- ブドウ糖:0.5mg
L-リジン塩酸塩:0.05mg以下
ホルマリン(ホルムアルデヒドとして):0.05mg以下
塩化アルミニウム:1.5mg以下
水酸化ナトリウム:0.6mg以下
塩化ナトリウム:3.75mg
リン酸水素ナトリウム水和物:0.16mg
リン酸二水素ナトリウム:0.16mg
pH調節剤
禁忌
(予防接種を受けることが適当でない者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、接種を行ってはならない。
- 明らかな発熱を呈している者
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
- 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者
効能または効果
- 本剤は、百日せき、ジフテリア及び破傷風の予防に使用する。
初回免疫
- 通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも3〜8週間の間隔で皮下に注射する。
追加免疫
- 通常、初回免疫後6箇月以上の間隔をおいて、(標準として初回免疫終了後12箇月から18箇月までの間に)0.5mLを1回皮下に注射する。
一般的注意
- 予防接種法に基づく、ジフテリア、百日せき及び破傷風の第1期の予防接種は、本剤により同時に行うことを原則とする。
接種対象者・接種時期
- 本剤の接種は、生後3月から90月までの間にある者に行うが、初回免疫については、標準として生後3月から12月までの者に、追加免疫については、標準として初回免疫終了後12箇月から18箇月を経過した者に接種すること。
なお、被接種者が保育所、幼稚園等の集団生活に入る場合には、その前に接種を完了することが望ましい。
他のワクチン製剤との接種間隔
- 生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また、他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。
慎重投与
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
- 被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
- 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
- 過去にけいれんの既往のある者
- 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
- 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状
- まれにショック、アナフィラキシー様症状(蕁麻疹、呼吸困難、血管浮腫等)があらわれることがあるので、接種後は観察を十分に行うこと。
急性血小板減少性紫斑病
- まれに(1000万人接種あたり1人程度)急性血小板減少性紫斑病があらわれることがある。通常、接種後数日から3週ごろに紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等があらわれる。本症が疑われる場合には、血液検査等の観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
脳症
- 脳症があらわれることがある。接種後、発熱、四肢麻痺、けいれん、意識障害等の症状があらわれる。本症が疑われる場合には、MRI等で診断し、適切な処置を行うこと。
けいれん
- けいれんがあらわれることがある。通常、接種直後から数日ごろまでにけいれん症状があらわれる。本症が疑われる場合には、観察を十分に行い、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- 百日せき、ジフテリア及び破傷風を予防するためには、生体内にあらかじめ各々の感染防御抗原に対する血中抗体が一定(感染防御)レベル以上産生される必要がある。
百日せきは罹患小児の回復期血清で、抗PT抗体及び抗FHA抗体をELISA法により測定した結果から、両抗体ともに少なくとも10EU(ELISA単位)以上が血中に存在すればよいと考えられる4)。ジフテリアに対する感染防御は、0.01IU(国際単位)/mLの抗毒素(抗体)が、また、破傷風に対する感染防御は、0.01IU/mLの抗毒素がそれぞれ血中に存在すればよいと考えられている5)6)。
本剤を2回接種後4週間すると、一時的に百日せき、ジフテリア及び破傷風、いずれも前述の防御レベル以上の抗体価が得られるが、含まれる抗原成分が不活化されたトキソイドであるため、漸次各々の抗体価は低下する。したがって、それ以後少なくとも数年にわたり、感染防御効果を持続(抗体価レベルの維持)するためには、初回免疫及び追加免疫が必要である。
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