大腸ポリポーシス
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Japanese Journal
- 種々のポリポーシスの癌化と臨床 (特集 大腸癌の組織発生・発育進展を再考する)
- 家族性大腸腺腫症 (第50回日本癌治療学会学術集会Educational Book) -- (第18回日本癌治療学会教育セミナー 遺伝性腫瘍)
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- 腫瘍性の大腸ポリポーシスには、家族性大腸腺腫症(せんしゅしょう) (家族性大腸ポリポーシス、ガードナー症候群とも呼ばれる)とターコット症候群があります。非腫瘍性のものには、過誤腫性(かごしゅせい)(ポイツ・イェガース ...
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★リンクテーブル★
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- a. 非遺伝性疾患である。
- b. 頭蓋骨に骨腫が多発する。
- c. 大腸腺腫症を伴う。
- d. 小腸ポリ-プが多発する。
- e. 消化器癌の合併はない。
[正答]
※国試ナビ4※ [098H032]←[国試_098]→[098H034]
[★]
- 英
- Peutz-Jeghers syndrome, PJS
- 同
- ポイツ・イェガース症候群 ポイツ・イェガー症候群 Peutz-Jeghers症候群、過誤腫性大腸ポリポーシス、口唇掌蹠母斑腸管ポリポーシス
- 関
- Peutz-Jeghers polyp Peutz-Jeghers polyps
- 大腸ポリポーシス、消化管ポリポーシス、神経皮膚症候群、母斑症
- familial polyposis syndrome
概念
- 口唇の黒褐色色素沈着と消化管ポリープを主徴とする症候群。
病型
病因
- germ-line mutations in the LKB1 gene
- 遺伝子変異:19p13.3 STK11, LKB1
疫学
遺伝形式
病理
- 過誤腫性ポリープ:粘膜筋板の樹枝状増生、腺管の延長と増生など。樹枝状に分枝してており、ポリープの茎が太いため腸重積をきたしやすい。
症状
- 初発症状:口唇色素沈着、腹痛、消化管出血、腸重積
- 皮膚粘膜症状
-
- 色素沈着は表皮基底層におけるメラニン細胞の増殖とメラニン色素沈着による。思春期以降は退色。
合併症
- 消化管、皮膚、卵巣、子宮。ポリープ自体の癌化率は低いが、消化器、性腺など他の部位の癌化率は高い(QB.A-398)。
- 一生涯の腫瘍発生率は37-93%、相対危険度は10-18。悪性腫瘍が派生する平均年齢は42歳。好発部位は結直腸癌、乳癌、胃癌、小腸癌、膵癌の順に多い。(1644人の患者を対象とした20のコホート研究のシステミックレビューによる)(参考1)
検査
診断
治療
手術療法
- 適応:ポリープが原因により出血、イレウスをきたした場合。腺腫合併例や癌化例。
予後
- 大腸に生じたものは癌化しやすい
- a benign polyposis syndrome is not a risk factor for colorectal cancer (first aid step1 2006 p.277)
- 消化管外の悪性腫瘍の発生リスクが上昇する
参考
- 1. PEUTZ-JEGHERS SYNDROME; PJS - OMIM
- http://omim.org/entry/175200
- 2. [charged] Overview of Peutz-Jeghers syndrome - uptodate [1]
- 3. [charged] Peutz-Jeghers syndrome and juvenile polyposis: Screening and management of patients and families - uptodate [2]
[★]
- 英
- colonic polyp, polyp of large intestine, polyp of the colon
- 関
- 結腸ポリープ、大腸ポリポーシス
概念
- (広義)大腸の管腔内に突出する限局性隆起。腫瘍性から非腫瘍性のものを含む。
- (狭義)上皮性増殖からなる隆起。良性のものを指して言うことが多い。
分類
- 大腸ポリープ全体のなかで大腸腺腫は80%を占める。
疫学
- 40歳代より漸増。50歳以上でよく見られる(SSUR.544)。
- 男女比2:1
病態
病理
- 無茎性(Is)が最も多い。有茎性(Ip)、亜有茎性(Isp)など
症状
- 無症状のことが多いが、まれに消化管出血をきたしうる。しかし、下血を来すほどの出血はしない。
治療
[★]
- 英
- polyposis of large intestine, adenomatous polyposis coli APC, polyposis coli
- 同
- 大腸腺腫症
- 関
- 大腸ポリープ
- adenomatous polyposis
[★]
大腸腺腫症、大腸腺腫、大腸ポリポーシス、腺腫性ポリポーシス
- 関
- adenomatous polyposis coli、APC、colon adenoma、polyposis coli
[★]
結腸腺腫、大腸腺腫、結腸腺腫症、大腸腺腫症
- 関
- adenomatous polyposis、adenomatous polyposis coli、APC、polyposis coli
[★]
- 英
- familial adenomatous polyposis, FAP
- 同
- 家族性大腸ポリポーシス ,familial polyposis coli, FPC, 家族性大腸ポリープ症, familial adenomatous polyposis coli
- 家族性ポリポーシス familial polyposis syndrome familial polyposis
- 関
- 大腸ポリポーシス
- familial polyposis syndrome
概念
- 癌抑制遺伝子APC geneのloss of functionにより、大腸全体にびまん性に腺腫を生ずる。
分類
- 家族性大腸腺腫症のうち、以下の合併症を伴う物はそれぞれ家族性大腸腺腫症の下位概念として名称が与えられている
-
- SSUR.546によると、Garder症候群 ≒ 家族性大腸腺腫症。すなわち「古典的なGardner症候群の類似疾患である」(SSUR.546)
病因
疫学
遺伝形式
病変形成&病理
症状
合併症
- 消化管:大腸。60-70%の症例で → 小腸・胃(胃底腺領域)・十二指腸
- 消化管外:顎骨内骨腫、顎骨以外の骨病変、網膜色素斑、体表の軟部組織腫瘍、デスモイド腫瘍、歯牙腫、甲状腺癌、子宮癌
診断
検査
治療
予後
- 大腸癌は20歳ごろから発生、40歳で50%リスク、60歳でほぼ全例。癌により死亡する平均の年齢は42歳。(YN.A-74)
予防
[★]
- 英
- large intestine (Z)
- ラ
- intestinum crassum
小腸と比べたときの大腸の特徴 (M.149)
- 結腸ヒモという縦走筋繊維からなる3本の太い帯を有する
- 結腸膨起という結腸ヒモの間の膨らみを有する
- 腹膜垂という脂肪の塊を含む
- 内径は小腸よりも大きい
大腸を構成する部位
- 盲腸
- 結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)
- 直腸
- (虫垂)
生理
1)膨起性往復運動 haustralshuttling movement
2)(単一)膨起性移送運動 segmentalhaustralpropulsion
3)多膨起性移送運動 multihaustralpropulsion
1) 2)により内容物のゆっくりした移動(5cm/hr)
→ 48hrで上行結腸よりS状結腸へ
4)総蠕動mass movement(mass peristalsis,maSS PrePulsion)
1-3回/日、強い蠕動→結腸内容物が直腸へ移動(→排便誘発)
5)収縮回数:直腸 > S状結腸 のため内容物はS状結腸へ移動
(通常は、直腸に内容物(-))
6)胃大腸反射 gastro-colonic reflex
小腸大腸反射 ileo-colonic reflex:胃、小腸に内容物-→結腸に総蠕動(+)
*排便
1)解剖
①内肛門括約筋internalanal
②外肛門括約筋externalanal
sphincter---平滑筋
sphincter山-一横紋筋
2)排便のメカニズム
i)総蠕動一糞便直腸へ
ii)直腸内圧〉20Ⅷ舶g ⇒ 直腸壁伸展⇒ 仙髄排便中枢(S2-4)
⇒ ①高位中枢(便奇形成)
②排便反射defecation reflex
内肛門筋弛緩
外肛門筋収縮(一過性)
直腸蠕動運動(⇒内圧をさらに高める)
iii) 内圧45-55mmHg以上
内容物200ml以上
便意による排便動作 外肛門筋弛緩
腹筋、横隔膜収縮
[★]
- 英
- intestinal glands (Z), intestinal gland
- 同
- リーベルキューン腺
- 関
- 小腸、腸液、腸陰窩
組織
- 十二指腸のみに存在
- HCO3-を高濃度に含むアルカリ性粘液
- 塩酸を含む摩粥の中和
- リーベルキューン腺 glands of Lieberkuhn
- 小腸の全体に分布し、開口部はリーベルキューン陰窩としてみとめられる
- 陰窩上皮細胞(腸上皮細胞)
- 電解質と水分を含む等張性な液を分泌
- リガンドが陰窩上皮細胞に作用→細胞内cAMP↑→cAMP依存性Cl-チャネル活性化→
- →管腔内負帯電→Na+と水分移動が管腔外に移動
- 腸の上皮全体(陰窟だけでなく絨毛にも存在)し粘液を分泌
- HClより腸壁を保護する
臨床関連
- 分泌性下痢 (コレラ菌による下痢 SP.706,730)
- コレラ毒素により細胞内のcAMP濃度が上昇する結果、腸上皮細胞が水分と電解質を分泌し続ける。その結果、激しい下痢と脱水症状を呈する。
[★]
- 英
- adenoma of large intestine
- 関
- 大腸腺腫症、腺腫性ポリポーシス adenomatous polyposis、結腸腺腫 colon adenoma colonic adenoma、結腸腺腫症、大腸ポリポーシス、腺腫性ポリープ
[★]
- 英
- sis, pathy
[★]
- 英
- adenoma
- 同
- アデノーマ
- 関
- 腫瘍、癌腫 carcinoma